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Oracle® Identity Manager WebExコネクタ・ガイド
リリース11.1.1
E85887-02
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2 WebExコネクタのデプロイ

コネクタをデプロイする手順は、インストール前、インストール、およびインストール後の3つのステージに分けることができます。

次のトピックでは、これらのステージについて詳しく説明します。

2.1 インストール前

WebExコネクタのインストール前の作業には、Oracle Identity ManagerからWebExのユーザーを管理するためにターゲット・システムでWebExサービス・アカウントを作成することに加え、コネクタがWebEx XML APIにアクセスできるようにクライアント・アプリケーションをターゲット・システムに登録することが含まれます。

次の手順を実行して、ターゲット・システムでサービス・ユーザー・アカウントを作成します。

注意:

これらのインストール前タスクを実行する詳細な手順は、http://www.cisco.com/にあるWebEx製品のマニュアルで説明されています。
  1. 管理者アカウントを使用してWebExアプリケーションにログインします。

  2. ターゲット・システムでWebExサービス・ユーザー・アカウントを作成して、Oracle Identity ManagerからWebExのユーザーを管理します。

  3. コネクタのクライアント・アプリケーションを登録して、サービスのセキュアなサイン・インおよび認可を指定します。

  4. サイトの管理リンクから、アカウント・タイプをサイト管理者としてユーザーを作成し、ユーザー作成に必要なすべてのフィールドに値を指定します。

  5. 新しいユーザー資格証明でログインし、サイトの管理リンクから、SiteIDおよびPartnerIDの値をコピーします。これらの値は、コネクタのインストール後に「ITリソース」で更新する必要があります。

2.2 インストール

コネクタのインストールには、コネクタ・インストーラを実行してITリソースを構成する必要があります。

2.2.1 WebExコネクタのインストールの理解

このコネクタ・コードは、Oracle Identity Managerでローカルに実行することも、コネクタ・サーバーでリモートで実行することもできます。

コネクタ・コード(バンドル)を実行する場所に応じて、コネクタのインストール・オプションは次のようになります。

  • Oracle Identity Managerでコネクタ・コードをローカルに実行します。このシナリオでは、Oracle Identity Managerにコネクタをデプロイします。Oracle Identity Managerにコネクタをデプロイするには、コネクタ・インストーラの実行およびターゲット・システムのITリソースの構成で説明されている手順を実行します。

  • コネクタ・サーバーでコネクタ・コードをリモートに実行します。このシナリオでは、Oracle Identity Managerにコネクタをデプロイしてから、コネクタ・サーバーにコネクタ・バンドルをデプロイします。コネクタ・サーバーのインストール・構成および実行、ならびにコネクタ・サーバーでのコネクタのインストールの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのためのアプリケーションの開発とカスタマイズ のアイデンティティ・コネクタ・サーバーの使用を参照してください。

2.2.2 コネクタ・インストーラの実行

コネクタ・インストーラを実行すると、コネクタ・ファイルがOracle Identity Managerのディレクトリに自動的にコピーされ、コネクタXMLファイルがインポートされ、プロビジョニングに使用されるアダプタがコンパイルされます。

コネクタ・インストーラを実行するには、次の手順を実行します。

  1. コネクタのインストール・メディアから次のディレクトリに、コネクタをコピーします。

    OIM_HOME/server/ConnectorDefaultDirectory

  2. Oracle Identity System Administrationにログインします。
  3. 左側のペインの「プロビジョニング構成」で、「コネクタの管理」をクリックします。
  4. 「コネクタの管理」ページで「インストール」をクリックします。
  5. 「コネクタ・リスト」リストから、Webex Connector RELEASE_NUMBERを選択します。

    このリストには、インストール・ファイルをデフォルト・コネクタ・インストール・ディレクトリ(OIM_HOME/server/ConnectorDefaultDirectory)にコピーしたコネクタの、名前およびリリース番号が表示されます。インストール・ファイルを異なるディレクトリにコピーした場合は、次のようにします。

    1. 「代替ディレクトリ」フィールドに、該当するディレクトリのフルパスおよび名前を入力します。

    2. 「リフレッシュ」をクリックして、「コネクタ・リスト」に含まれるコネクタのリストを再移入します。

    3. 「コネクタ・リスト」リストから、Webex Connector RELEASE_NUMBERを選択します。

  6. 「ロード」をクリックします。
  7. 「続行」.をクリックして、インストール処理を開始します一連の順序で、次のタスクが自動的に実行されます。
    1. コネクタ・ライブラリの構成。

    2. コネクタのXMLファイルのインポート(デプロイメント・マネージャを使用)

    3. アダプタのコンパイル。

    正常に完了したタスクには、チェックマークが表示されます。タスクが失敗すると、Xマークと失敗した理由を示すメッセージが表示されます。タスクが失敗した場合は、必要な修正を行い、次のいずれかのステップを実行します。
    1. 「再試行」をクリックして、インストールを再試行します。

    2. インストールを取り消して、ステップ3から手順を開始します。

  8. コネクタのインストール手順の3つのタスクがすべて正常に終了すると、インストールの成功を示すメッセージが表示されます。

    「終了」をクリックしてインストール・プロセスを終了します。

2.2.3 ターゲット・システムのITリソースの構成

ターゲット・システムのITリソースは、コネクタのインストール後に作成されます。このITリソースを構成することで、コネクタによりOracle Identity Managerをターゲット・システムと接続できます。

この項では、次の項目について説明します。

2.2.3.1 ITリソース・パラメータ

ITリソースは、ターゲット・システムに関する接続やその他の汎用情報を格納するパラメータで構成されます。Oracle Identity Managerはこの情報を使用して、ターゲット・システムの特定のインストールまたはインスタンスに接続します。

表2-1 ITリソースのパラメータ

パラメータ 説明

WebexID

WebExサイト管理者IDを入力します。

SiteUrl

サイトURLまたはWebExエンドポイントURLを入力します。

siteID

管理者ユーザー用に生成されたサイトIDを入力します。

partnerID

管理者ユーザー用に生成されたパートナーIDを入力します。

password

WebExサイトへのログインに使用されるアカウントの管理者パスワードを入力します。

proxyHost

外部ターゲットに接続するのに使用されるプロキシ・ホストの名前。

サンプル値: www.example.com

proxyPassword

ターゲット・システムに接続するために、Oracle Identity Managerにより使用されるターゲット・システム・ユーザー・アカウントのプロキシ・ユーザーIDのパスワード。

proxyPort

ターゲット・システムがリスニングしているプロキシ・ポート番号。

サンプル値: 80

proxyUser

ターゲット・システムに接続するために、Oracle Identity Managerにより使用されるターゲット・システム・ユーザー・アカウントのプロキシ・ユーザー名。

Configuration Lookup

リコンシリエーションおよびプロビジョニング時に使用される構成情報を格納する参照定義の名前。

デフォルト値: Lookup.Webex.Configuration

Connector Server Name

コネクタ・サーバーにWebExコネクタをデプロイしている場合、コネクタ・サーバーのITリソースの名前を入力します。

2.2.3.2 ITリソース・パラメータの値の指定

ターゲット・システムのITリソースには、ターゲット・システムに関する接続情報が含まれます。Oracle Identity Managerでは、プロビジョニングおよびリコンシリエーション時にこの情報を使用します。

WebEx ITリソースは、コネクタ・インストーラを実行すると自動的に作成されます。次のようにして、パラメータの値を指定する必要があります。

  1. Oracle Identity System Administrationにログインします。
  2. 左側のペインの「構成」で、「ITリソース」をクリックします。
  3. 「ITリソースの管理」ページの「ITリソース名」フィールドにWebexと入力して、「検索」をクリックします。
  4. ITリソースの編集アイコンをクリックします。
  5. ページ上部のリストから、「詳細およびパラメータ」を選択します。
  6. WebEx ITリソースのパラメータの値を指定します。「ITリソース・パラメータ」を参照してください。
  7. 「更新」をクリックして、値を保存します。

2.3 インストール後

WebExコネクタのインストール後は、Oracle Identity Managerを構成し、すべてのコネクタ・イベントを追跡するためにロギングを有効にし、SSLを構成する必要があります。また、ユーザー・インタフェースのローカライズなどのオプションの構成も行います。

2.3.1 Oracle Identity Managerの構成

リコンシリエーションおよびプロビジョニング操作を実行するリソースに対し、UIフォームおよびアプリケーション・インスタンスを作成する必要があります。さらに、権限およびカタログ同期化ジョブを実行する必要があります。

2.3.1.1 サンドボックスの作成およびアクティブ化

カスタマイズおよびフォーム管理機能の使用を開始するには、サンドボックスを作成してアクティブにする必要があります。次に、サンドボックスを公開してそのカスタマイズを他のユーザーが使用できるようにします。

 Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのためのアプリケーションの開発とカスタマイズのサンドボックスの作成に関する項 および サンドボックスのアクティブ化および非アクティブ化に関する項を参照してください。

2.3.1.2 UIフォームの新規作成

UIフォームの新規作成の手順は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerの管理』のフォーム・デザイナを使用したフォームの作成に関する項を参照してください。UIフォームを作成するときは、必ずそのフォームを関連付けるGeneric SCIMコネクタに対応するリソース・オブジェクトを選択します。また、「権限フォームの生成」チェック・ボックスを選択します。

2.3.1.3 フォームとアプリケーション・インスタンスの関連付け

デフォルトでは、コネクタのインストール後にWebEx Application Instanceという名前のアプリケーション・インスタンスが自動的に作成されます。このアプリケーション・インスタンスを、UIフォームの新規作成で作成されたフォームに関連付ける必要があります。
アプリケーション・インスタンスを更新したら、それを組織に公開して、アプリケーション・インスタンスのリクエストとそれに続くユーザーへのプロビジョニングを可能にする必要があります。ただし、ベスト・プラクティスとして、アプリケーション・インスタンスを公開する前に次の手順を実行します。
  1. Oracle Identity System Administrationで、サンドボックスを非アクティブ化します。
  2. Oracle Identity System Administrationからログアウトします。
  3. Oracle Identity Self Serviceにログインし、ステップ1で非アクティブ化したサンドボックスをアクティブ化します。
  4. 「カタログ」ページで、更新されたアプリケーション・インスタンスを検索してカートに追加し、「チェックアウト」をクリックします。
  5. すべてが正しく表示されている場合にかぎり、アプリケーション・インスタンスを公開します。それ以外の場合、問題を修正してからアプリケーション・インスタンスを公開します。Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerの管理のアプリケーション・インスタンスの組織への公開に関する項を参照してください。

2.3.1.4 サンドボックスの公開

サンドボックスを公開する前に、ベスト・プラクティスとして次の手順を実行し、このステージまでに行われたすべてのサンドボックスの変更を検証してください(サンドボックスが一度公開されると変更を元に戻すことは難しいため)。
  1. Oracle Identity System Administrationで、サンドボックスを非アクティブ化します。
  2. Oracle Identity System Administrationからログアウトします。
  3. xelsysadmユーザー資格証明を使用してOracle Identity Self Serviceにログインし、ステップ1で非アクティブ化したサンドボックスをアクティブ化します。
  4. カタログで、WebExアプリケーション・インスタンス・フォームが正しいフィールドとともに表示されていることを確認します。
  5. サンドボックスを公開します。Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのアプリケーションの開発とカスタマイズのサンドボックスの公開に関する項 を参照してください。

2.3.1.5 新規フォームによる既存アプリケーション・インスタンスの更新

フォーム・デザイナで行うすべての変更に対して、新しいUIフォームを作成し、アプリケーション・インスタンスでその変更を更新する必要があります。新規フォームにより既存のアプリケーション・インスタンスを更新するには、次のようにします。

  1. サンドボックスを作成し、アクティブにします。 Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのためのアプリケーションの開発とカスタマイズのサンドボックスの作成に関する項 および サンドボックスのアクティブ化および非アクティブ化に関する項を参照してください。
  2. リソースの新しいUIフォームを作成します。Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerの管理 の フォーム・デザイナを使用したフォームの作成に関する項を 参照してください。 
  3. 既存のアプリケーション・インスタンスを開きます。
  4. 「フォーム」フィールドで、作成した新しいUIフォームを選択します。
  5. アプリケーション・インスタンスを保存します。
  6. サンドボックスを公開します。Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのアプリケーションの開発とカスタマイズのサンドボックスの公開に関する項 を参照してください。

2.3.2 UIフォームにおけるフィールド・ラベルのローカライズ

使用する言語に対応するリソース・バンドルを使用して、UIフォーム・フィールド・ラベルをローカライズできます。リソース・バンドルはコネクタ・インストール・メディアに用意されています。

UIフォームに追加されるフィールド・ラベルをローカライズするには、次のようにします。
  1. Oracle Enterprise Managerにログインします。
  2. 左側のペインで、「アプリケーションのデプロイ」を開き、oracle.iam.console.identity.sysadmin.earを選択します。
  3. 右側のペインで、「アプリケーションのデプロイ」リストから、「MDS構成」を選択します。
  4. 「MDS構成」ページで、「エクスポート」をクリックして、ローカル・コンピュータにアーカイブを保存します。
  5. アーカイブの内容を解凍して、テキスト・エディタで次のファイルを開きます。

    SAVED_LOCATION\xliffBundles\oracle\iam\ui\runtime\BizEditorBundle_en.xlf

  6. BizEditorBundle.xlfファイルを次の方法で編集します。
    1. 次のテキストを検索します。

      <file source-language="en"
      original="/xliffBundles/oracle/iam/ui/runtime/BizEditorBundle.xlf"
      datatype="x-oracle-adf">
    2. 次のテキストで置き換えます。

      <file source-language="en" target-language="LANG_CODE"
      original="/xliffBundles/oracle/iam/ui/runtime/BizEditorBundle.xlf"
      datatype="x-oracle-adf">

      このテキストで、LANG_CODEを、フォーム・フィールド・ラベルをローカライズする言語のコードに置き換えます。フォーム・フィールド・ラベルを日本語でローカライズする場合の値の例を次に示します。

      <file source-language="en" target-language="ja"
      original="/xliffBundles/oracle/iam/ui/runtime/BizEditorBundle.xlf"
      datatype="x-oracle-adf">
    3. アプリケーション・インスタンスのコードを検索します。この手順は、WebExアプリケーション・インスタンスのサンプル編集を示しています。元のコードは次のとおりです。
      <trans-unit
      id="${adfBundle['oracle.adf.businesseditor.model.util.BaseRuntimeResourceBundle']['persdef.sessiondef.oracle.iam.ui.runtime.form.model.user.entity.userEO.UD_WEBEX_USERNAME__c_description']}">
      <source>User Name</source>
      <target/>
      </trans-unit>
      <trans-unit id="sessiondef.oracle.iam.ui.runtime.form.model.snform.entity.snformEO.UD_WEBEX_FIRSTNAME__c_LABEL">
      <source>First Name</source>
      <target/>
      </trans-unit>
      
    4. コネクタ・パッケージのリソース・フォルダからプロパティ・ファイル(例: Webex_ja.properties)を開き、そのファイルの属性の値を取得します。例:

      global.udf.UD_WEBEX_USERNAME =\u30A2\u30AB\u30A6\u30F3\u30C8\u540D
    5. ステップ7.cに示されている元のコードを、次のものに置き換えます。

      <trans-unit id="${adfBundle['oracle.adf.businesseditor.model.util.BaseRuntimeResourceBundle']['persdef.sessiondef.oracle.iam.ui.runtime.form.model.user.entity.use
      rEO.UD_WEBEX_USERNAME__c_description']}">
      <source>Account Name</source>
      <target>u30A2\u30AB\u30A6\u30F3\u30C8\u540D</target>
      </trans-unit>
      <trans-unit id="sessiondef.oracle.iam.ui.runtime.form.model.Webex.entity
      sEO.UD_WEBEX_USERNAME__c_LABEL">
      <source>Account Name</source>
      <target>\u30A2\u30AB\u30A6\u30F3\u30C8\u540D</target>
      </trans-unit>
    6. プロセス・フォームのすべての属性に対し、ステップ6.aから6.dを繰り返します。

    7. ファイルをBizEditorBundle_LANG_CODE.xlfとして保存します。このファイル名で、LANG_CODEを、ローカライズする言語のコードに置き換えます。

      サンプル・ファイル名: BizEditorBundle_ja.xlf.

    8. ZIPファイルを再パッケージしてMDSにインポートします。

      注意:

      メタデータ・ファイルのエクスポートおよびインポートの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのためのアプリケーションの開発とカスタマイズのカスタマイズのデプロイおよびアンデプロイを参照してください。
    9. Oracle Identity Managerからログアウトしてから、ログインします。

2.3.3 サーバー・キャッシュからのコネクタ・リソース・バンドル関連コンテンツの消去

コネクタをデプロイすると、リソース・バンドルがインストール・メディアのresourcesディレクトリからOracle Identity Managerデータベースにコピーされます。connectorResourcesディレクトリに新しいリソース・バンドルを追加したり、既存のリソース・バンドルに変更を加えた場合は、コネクタ・リソース・バンドルに関連するコンテンツをその都度サーバー・キャッシュから消去する必要があります。

サーバー・キャッシュからコネクタ・リソース・バンドル関連コンテンツを消去するには、Oracle Identity Managerを再起動するか、PurgeCacheユーティリティを実行します。次に、PurgeCacheユーティリティを実行してサーバー・キャッシュを消去する手順を示します。

  1. コマンド・ウィンドウでOIM_HOME/server/binディレクトリに切り替えます。
  2. 次のいずれかのコマンドを入力します。
    • Microsoft Windowsの場合: PurgeCache.bat All

    • UNIXの場合: PurgeCache.sh All

    プロンプトが表示されたら、SYSTEM ADMINISTRATORSグループに属するアカウントのユーザー名とパスワードを入力します。さらに、次の書式でサービスURLを入力するように求められます。

    t3://OIM_HOST_NAME:OIM_PORT_NUMBER

    この書式の詳細は次のとおりです:

    • OIM_HOST_NAMEは、Oracle Identity Managerホスト・コンピュータのホスト名またはIPアドレスで置き換えます。

    • OIM_PORT_NUMBERは、Oracle Identity Managerがリスニングを行うポートで置き換えます。

    コンテンツ・カテゴリのキャッシュをパージするには、PurgeCacheユーティリティを使用できます。

2.3.4 WebExコネクタのロギングの管理

Oracle Identity Managerでは、コネクタに関連するすべてのタイプのイベントを記録するために、(ODL)ロギング・サービスを使用します。

次のトピックでは、ロギングについて詳しく説明します。

2.3.4.1 ログ・レベルの理解

ロギングを有効化すると、Oracle Identity Managerはプロビジョニングおよびリコンシリエーション操作の過程で発生するイベントについての情報をログ・ファイルに自動的に格納します。

ODLはOracle Identity Managerにより原則的に使用されるロギング・サービスで、java.util.Loggerに基づいています。ロギングを行うイベントのタイプを指定するには、ログ・レベルを次のいずれかに設定します。

  • SEVERE.intValue()+100

    このレベルでは、致命的エラーに関する情報のロギングが有効化されます。

  • SEVERE

    このレベルでは、Oracle Identity Managerの実行を続行できる可能性があるエラーに関する情報のロギングが有効化されます。

  • WARNING

    このレベルでは、障害を引き起こす可能性のある状況に関する情報のロギングが有効化されます。

  • INFO

    このレベルでは、アプリケーションの進行状況を示すメッセージのロギングが有効化されます。

  • CONFIG

    このレベルでは、デバッグに役立つ詳細なイベントに関する情報のロギングが有効化されます。

  • FINE、FINER、FINEST

    これらのレベルでは詳細なイベントに関する情報のロギングが有効化され、FINESTではすべてのイベントに関する情報が記録されます。

これらのメッセージ・タイプは、表2-2に示すようにODLのメッセージ・タイプとレベルの組合せに対応しています。

表2-2 ログ・レベルおよびODLメッセージ・タイプ: レベルの組合せ

ログ・レベル ODLメッセージ・タイプ:レベル

SEVERE.intValue()+100

INCIDENT_ERROR:1

SEVERE

ERROR:1

WARNING

WARNING:1

INFO

NOTIFICATION:1

CONFIG

NOTIFICATION:16

FINE

TRACE:1

FINER

TRACE16

FINEST

TRACE32

OJDLの構成ファイルはlogging.xmlで、これはDOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/OIM_SERVER/logging.xmlのパスにあります。

ここで、DOMAIN_HOMEOIM_SEVERは、Oracle Identity Managerのインストール時に指定されたドメイン名とサーバー名です。

2.3.4.2 ロギングの有効化

Oracle WebLogic Serverのロギングを有効化するには、次のようにします。

  1. 次のようにしてlogging.xmlファイルを編集します。
    1. ファイル内に次のブロックを追加します。

      <log_handler name='Webex-handler' level='[LOG_LEVEL]'class='oracle.core.ojdl.logging.ODLHandlerFactory'>
      <property name='logreader:' value='off'/>
      <property name='path' value='[FILE_NAME]'/> 
      <property name='format' value='ODL-Text'/>
      <property name='useThreadName' value='true'/>
      <property name='locale' value='en'/> <property name='maxFileSize' value='5242880'/>
      <property name='maxLogSize' value='52428800'/>
      <property name='encoding' value='UTF-8'/>
      </log_handler>
      <logger name="ORG.IDENTITYCONNECTORS.WEBEX" level="[LOG_LEVEL]" useParentHandlers="false">
      <handler name="Webex-handler"/> 
      <handler name="console-handler"/>
      </logger>
    2. [LOG_LEVEL]が出現したら両方を必要なODLのメッセージ・タイプとレベルの組合せに置き換えます 同様に、[FILE_NAME]は、ログ・メッセージを記録するログ・ファイルのフルパスおよび名前で置き換えます。次のブロックは、[LOG_LEVEL]および[FILE_NAME]のサンプル値を示しています。
      <log_handler name='Webex-handler' level='NOTIFICATION:1' class='oracle.core.ojdl.logging.ODLHandlerFactory'> 
      <property name='logreader:' value='off'/>
      <property name='path' value='F:\MyMachine\middleware\user_projects\domains\base_domain1\servers\o im_server1\logs\oim_server1-diagnostic-1.log'/>
      <property name='format' value='ODL-Text'/> 
      <property name='useThreadName' value='true'/> 
      <property name='locale' value='en'/> 
      <property name='maxFileSize' value='5242880'/> 
      <property name='maxLogSize' value='52428800'/> 
      <property name='encoding' value='UTF-8'/>
      </log_handler>
      
      <logger name="ORG.IDENTITYCONNECTORS.WEBEX" level="NOTIFICATION:1"useParentHandlers="false">
      <handler name="Webex-handler"/> 
      <handler name="console-handler"/>
      </logger>

    これらのサンプル値を設定すると、Oracle Identity Managerを使用するときに、このコネクタについて生成される、ログ・レベルがNOTIFICATION:1レベル以上のすべてのメッセージが指定のファイルに記録されます。

  2. ファイルを保存して閉じます。
  3. サーバー・ログをファイルにリダイレクトするには、次の環境変数を設定します。
    • Microsoft Windowsの場合:
      set WLS_REDIRECT_LOG=FILENAME
    • UNIXの場合:
      export WLS_REDIRECT_LOG=FILENAME

    FILENAMEを、出力のリダイレクト先ファイルの場所と名前に置き換えます。

  4. アプリケーション・サーバーを再起動します。

2.3.5 WebEx用のSSLの構成

Oracle Identity ManagerとWebExの間のデータ通信を保護するためにSSLを構成します。

SSLを構成するには:
  1. WebExのSSL公開キー証明書を取得することで、SSL証明書を取得します。
  2. WebExの公開キー証明書をOracle Identity Managerをホストしているコンピュータにコピーします。
  3. 次のkeytoolコマンドを実行して、公開キー証明書をOracle Identity Managerのアイデンティティ・キー・ストアにインポートします。
    keytool -import -keystore WEBLOGIC_HOME/server/lib/DemoTrust.jks -file CERT_FILE_NAME -storepass PASSWORD

    このコマンドの説明は次のとおりです:

    • CERT_FILE_NAMEは、証明書ファイルのフルパスと名前です

    • PASSWORDは、キーストアのパスワードです。

    次に、このコマンドのサンプル値を示します。

    keytool -import -keystore WEBLOGIC_HOME/server/lib/DemoTrust.jks -file /home/target.cert -storepass DemoTrustKeyStorePassPhrase

    注意:

    keytoolコマンドに渡すパラメータ値は、個別の要件に応じて変更してください。keytoolの引数には改行が含まれないようにしてください
  4. Weblogicコンソールの左側のペインから、「サーバー」を選択します。
  5. 「この表のカスタマイズ」リージョンから、AdminServer [admin]およびoim_serverを選択します。
  6. 「構成」「SSL」および「詳細」を選択します。
  7. ホストの検証を「なし」に設定し、「JSSE SSLの使用」チェック・ボックスを選択します。
  8. 「保存」をクリックします。
  9. サーバーを再起動して、前述の設定を適用します。