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Oracle® Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B55919-05
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22 参照整合性の構成

この章の項目は次のとおりです。

22.1 参照整合性の構成の概要

参照整合性とは、データ・セット間で一貫した関係を維持するプロセスです。Oracle Internet Directoryで参照整合性を有効にした場合、ディレクトリ内のエントリを更新すると、そのエントリを参照する他のエントリもサーバーによって更新されます。たとえば、ユーザーのエントリをディレクトリから削除し、そのユーザーがあるグループのメンバーだとすると、サーバーはユーザーをグループからも削除します。参照整合性が無効の場合、ユーザーは手動で削除されるまでそのグループのメンバーであり続けます。参照整合性はデフォルトでは無効です。


注意:

レプリケーションのブートストラップ・プロセス中に、参照整合性を無効にします。参照整合性が有効になると、ブートストラップは失敗します。


参照整合性は、次の2つの状況で効力を生じます。

11g リリース1(11.1.1)以降、Oracle Internet Directoryサーバーにより、参照整合性が適用されます。LDAPの追加、変更、削除および名前変更操作のすべてについて、サーバーによりリクエストが監視され、必要な識別名参照が更新されます。

参照整合性は、orclRIenabledおよびorclRIattrの2つの構成パラメータによって制御されます。

参照整合性が有効になると、厳密に適用されます。たとえば、memberまたはuniquememberが現在DITの一部ではないグループ・エントリは追加できません。

22.2 Fusion Middleware Controlを使用した参照整合性の有効化

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して参照整合性を構成し、有効にするには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Internet Directoryのメニューから「管理」「共有プロパティ」を選択し、「一般」を選択します。

  2. 「参照整合性」リストから値を選択します。

    • GroupOfNameおよびGroupOfUniqueNameの有効化

    • GroupOfName、GroupOfUniqueNameおよび構成済のDN属性の有効化

  3. 「適用」を選択します。

22.3 Fusion Middleware Controlを使用した参照整合性の無効化

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して参照整合性を無効にするには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Internet Directoryのメニューから「管理」「共有プロパティ」を選択し、「一般」を選択します。

  2. 参照整合性の有効化リストから「無効」を選択します。

22.4 コマンドラインを使用した参照整合性の有効化

ディレクトリ内の参照整合性を有効化するには、ldapmodifyを使用してDSA構成エントリ内のパラメータorclRIenabledの値を変更します。

cn=dsaconfig,cn=configsets,cn=oracle internet directory.

値は1または2に設定できます。

値を1に設定すると、GroupofNamesおよびGroupofUniqueNamesに対して参照整合性が有効になります。

orclRIenabledの値を2に設定すると、GroupofNamesGroupofUniqueNamesおよび特定の構成済属性に対して参照整合性が有効になります。次の項では、特定の属性の構成について説明します。

たとえば、次のようなコマンドラインを使用します。

ldapmodify -D cn=orcladmin -q -p portNum -h hostname -f ldifFile 

この場合、次のようなLDIFファイルを使用します。

dn: cn=dsaconfig, cn=configsets, cn=oracle internet directory
changetype: modify
replace: orclRIenabled
orclRIenabled: 2

orclRIenabledに対する変更はすぐに有効になります。

22.5 コマンドラインを使用した参照整合性に関する特定の属性の構成

orclRIenabledの値を2に設定すると、GroupofNamesGroupofUniqueNamesおよび特定の構成済属性に対して参照整合性が有効になります。

参照整合性に関する特定の属性は、catalogに引数rienable=TRUEadd=trueおよびattribute=name_of_attributeを指定して構成できます。これにより、参照整合性が適用される識別名構文属性のリストが含まれるorclRIattrに属性が追加されます。参照整合性に関する特定の属性は、catalogに引数rienable=TRUEdelete=trueおよびattribute=name_of_attributeを指定して削除できます。これによってorclRIattrから属性が削除されます。


注意:

  • ldapmodifyを使用してorclRIattrの値を変更することはできません。catalogコマンドを使用する必要があります。

  • catalogを使用する場合、ORACLE_INSTANCE環境変数を設定する必要があることに注意してください。


次の例は、属性managerに対して参照整合性を有効にしています。

catalog connect="connect_str" add=true rienable="TRUE" attribute="manager" 

次の例では、属性managerに対して参照整合性を無効にします。

catalog connect="connect_str" delete=true rienable="TRUE" attribute="manager" 

22.6 コマンドラインを使用した参照整合性の無効化

ディレクトリ内の参照整合性を無効化するには、DSA構成エントリでorclRIenabledの値を0に設定します。

cn=dsaconfig,cn=configsets,cn=oracle internet directory.

22.7 参照整合性違反の検出および修正

DITに根本的な違反がある場合、参照整合性を有効化しようとすると、エラーが発生します。oiddiagツールを実行して違反を確認し、修正してから、参照整合性を有効にする必要があります。oiddiagツールには、すべての参照整合性違反をLDIF形式で報告するオプションOidDiagDC10があります。ldapmodifyツールとともにLDIFファイルを使用することにより、報告されたすべてのエントリを修正できます。この手順は次のとおりです。

  1. oiddiagをオプションlistdiags=trueとともに実行します。デフォルトの出力ファイルは、ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OID/tools/oiddiag.txtです。

  2. 出力ファイルoiddiag.txtを編集し、次の行のみが含まれるようにします。

    oracle.ldap.oiddiag.dc.OidDiagDC10
    
  3. oiddiagをオプションcollect_sub=trueとともに実行します。


関連項目:

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementリファレンス』oiddiagコマンドのリファレンス

  • oiddiagの使用メッセージ。次のように入力します。

    oiddiag -help
    


注意:

Windowsでは、oiddiagコマンドのファイル名はoiddiag.batです。