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Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Scheduler管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7)
B66432-04
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1 Oracle Enterprise Schedulerの概要

この章では、Oracle Enterprise Schedulerとその管理タスクについて概説します。Oracle Enterprise Schedulerでは、ジョブ(アプリケーションにかわって実行する作業単位)を定義、スケジュールおよび実行できます。

Oracle Enterprise Schedulerを組み込むことでスケジューリング・サービスを提供する製品の場合、その製品とともにOracle Enterprise Schedulerがインストールされます。通常、Oracle Enterprise Schedulerを自身でインストールする必要はありません。

この章では、次の項目について説明します。

1.1 Oracle Enterprise Schedulerの管理の概要

Oracle Enterprise Schedulerでは、ジョブを定義、スケジュールおよび実行できます。ジョブとは、アプリケーションのかわりに実行する作業の単位のことです。たとえば、特定のPL/SQLファンクションやコマンドライン・プロセスを実行するジョブを定義できます。Javaコードを実行するジョブを定義できます。Oracle Enterprise Schedulerには次のジョブ・タイプが含まれています。

これらのタイプからジョブを作成するときに、ジョブ定義としてメタデータを関連付けます。このコンテキスト固有メタデータをとおして、ジョブがアプリケーションにかわって有意義な作業を実行します。このメタデータには、ユーザーが指定するパラメータ値と、Oracle Enterprise Schedulerで定義されるプロパティの値を含めることができます。スケジュールを定義することによって、ジョブを希望の日時(オフピーク時など)に実行できます。制約を指定すると、ジョブの実行を希望しない日時にジョブが実行されるのを回避することもできます。ジョブ・セットを作成すると、複数のジョブをバッチにまとめ、それらのジョブを同時にまたは順次的に実行できます。

Oracle Enterprise Schedulerには、システムを監視するためのツールが付属しています。たとえば、現在および保留中のジョブ・リクエストのスナップショットを取得したり、負荷に対するシステムの対応状況を確認したりできます。ログおよびサービス・コンポーネントのステータスも取得できます。

ジョブの送信からシステムの監視まで、これらのタスクはすべてOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールのスケジューリング・サービスのページで実行できます。タスクの詳細は、第1.2項「Oracle Enterprise Schedulerの構成および管理の基本的なタスク」を参照してください。

1.2 Oracle Enterprise Schedulerの構成および管理の基本的なタスク

Oracle Enterprise SchedulerはOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソール(Fusion Middleware Control)で管理します。スケジューリング・サービスのホームページでは、スケジューラ・コンポーネントのステータスの概要、上位実行中および完了済のスケジュール済ジョブ・リクエスト、およびスケジュール済ジョブ・リクエストのパフォーマンス・サマリーが表示されます。その他のスケジューリング・サービスのページには、この項で説明するタスクを含め、多数のタスクを実行できるユーザー・インタフェースが用意されています。

次に、このサービスを使用するための準備として必要となる手順の概要を示します。

1.2.1 設定と構成

  1. ドメインを作成し、クラスタを構成します。スケジュール管理サービスとしてOracle Enterprise Schedulerを組み込む製品の場合、その製品によってOracle Enterprise Schedulerがインストールされます。ただし、製品によってはOracle Enterprise Schedulerのデプロイをサポートするドメインが構成されないことがあります。第3.2項を参照してください。

  2. リクエスト・プロセッサとリクエスト・ディスパッチャを構成します。ジョブ・リクエスト・プロセッサは特定のOracle Enterprise Schedulerサーバーにバインドされ、ジョブ・リクエストへのスレッド割当てを担当します。ジョブ・リクエスト・ディスパッチャはジョブ・リクエストのポーリングを行います。第3.4項を参照してください。

  3. インスタンスを起動します。第3.6項を参照してください。

1.2.2 実行するジョブの作成

  1. ジョブ定義を作成します。直近のリクエストに特有な値を指定するジョブ定義を定義し、管理します。第5.2.1項を参照してください。

  2. スケジュールを作成します。ジョブ・リクエストの実行、作業割当て、稼働シフトおよびパージ・ポリシーを管理するためのスケジュールを定義できます。リクエストの作成時にその場でスケジュールを作成することもできます。第4.2.1.2項第4.2.3項および第5.3.3項を参照してください。

  3. ジョブ・リクエストを作成して送信します。ジョブ・リクエストによって、ジョブ定義とジョブを実行するスケジュールがまとめられます。第4.2.1項を参照してください。

  4. パージ・ポリシーを作成します。パージ・ポリシーでは、リクエスト・プロセッサに関連付けられているジョブ・リクエストを保存する条件とパージする条件を定義できます。第4.3項を参照してください。

1.2.3 ジョブのバンドリングおよび作業の調整

  1. ジョブ・セットを作成します。ジョブ・セットを使用すると、複数のジョブをグループにバンドリングし、それらのジョブを同時にまたは順次的に実行できます。第5.2.2項を参照してください。

  2. 非互換性を使用して制約を定義します。非互換性では、同時に実行できないジョブと、ジョブを非互換とする条件を指定します。第5.2.3項を参照してください。

  3. 作業割当てを使用して制約を定義します。作業割当てでは、ジョブの実行を決定するルールと、ジョブを実行できる時間枠を定義します。第5.3.1項を参照してください。

1.2.4 システムの監視

  • システムを監視します。ジョブ・リクエスト、システム・パフォーマンスおよびシステム・ステータスを監視できます。ジョブ・リクエストおよびシステムのログも取得できます。第6章「Oracle Enterprise Schedulerの監視」を参照してください。