Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Data Synchronization Server管理者ガイド 11g リリース1 (11.1.1.7.0) B69393-02 |
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この章では、Oracle Business Data Synchronization Server(BDSS)のインストールについて説明します。
この章の構成は、次のとおりです。
BDSSは、個別にインストールされる次のコンポーネントで構成され、各コンポーネントにはそれぞれ独自のインストール前提条件があります(表3-1を参照)。
BDSSハブ・コンポーネント
BDSSコネクタ
Microsoft Exchange 2007用Oracle BDSSコネクタ
Oracle BPELタスク・コネクタ
Companion CDにBDSS.zip
が含まれています。このファイルには、データ・ソースとキューを作成するテンプレート・ファイルである、bdss_template.jar
というインストーラ・ファイルが含まれています。さらに、Exchange 2007用Oracle BDSSコネクタ(Exchange 2007コネクタ)、Oracle BPELタスク・コネクタ、エンジン(BDSSHub.ear
)およびディスパッチャ(BDSSDispatcher.ear
)用のEARファイルが含まれています。BDSS.zip
には、XSL変換ファイルおよびSQLスクリプトも含まれています。
表3-1 インストール・チェックリスト
コンポーネント | 必須のソフトウェアまたはハードウェア | インストール前のタスク | インストール後のタスク |
---|---|---|---|
ディスパッチャおよびエンジン |
次のコンポーネントがインストールされているOracle WebLogic Server
|
Oracle WebLogicアプリケーション・サーバー用のドメインの構成。 |
ディスパッチャの構成(第3.14.1項)。 エンジンの構成(第3.14.2項)。 |
Microsoft Exchange 2007用Oracle BDSSコネクタ(Exchange 2007コネクタ) |
「ディスパッチャおよびエンジン」の要件を参照してください。 |
ディスパッチャおよびエンジンのタスクを参照してください。Oracle Enterprise Managerをインストールすると、Oracle JRF(Java Required Files)11.1.1.0テンプレートが提供されます。 |
Microsoft Exchange 2007用Oracle BDSSコネクタの構成(第6章)。 |
この項では、様々なPIMサーバー間の同期化を可能にするデプロイメントの最低限のハードウェアおよびソフトウェア要件について説明します。図3-1は、このようなシナリオの例です。
注意: デプロイメントのハードウェア要件は、デプロイメントの複雑さおよび規模によって異なります。 |
BDSSハブおよびディスパッチャのハードウェアの最小セットは、次のとおりです。
Oracle Enterprise Manager。
ハブ・コンポーネントおよびOracle BPELタスク・コネクタ・デプロイメント用のOracle WebLogic Application Server 11g(Oracle BPELタスク・コネクタの最小要件)。
Oracle Database 11gを含む、データ・ストア用のサーバー。非常に小規模なデプロイメントの場合、このデータベースは他のコンポーネントと同じサーバーに配置できます。
この環境は、Exchange 2007コネクタのインストールには十分です。
注意: ほとんどのコンポーネントを別々のアプリケーション・サーバーにインストールすると、スケーラビリティ・サポートが向上しますが、すべてのコンポーネントを同じアプリケーション・サーバーにインストールできます。ただし、単一のアプリケーション・サーバーへのインストールは、パフォーマンスおよびポート設定に影響を与えます。 |
ディスパッチャ、エンジンおよびExchange 2007コネクタは、bdss_template.jar
にパッケージ化されています。ディスパッチャとエンジンは、同じアプリケーション・サーバー上または別々のアプリケーション・サーバー上にデプロイできます。ディスパッチャはリモートMBeanインタフェースを介してエンジンと通信するため、必要な場合は別のアプリケーション・サーバーにデプロイできます。
次のようなタスクがあります。
Fusion Middleware構成ウィザードを使用してドメインを作成する手順は、次のとおりです。
「ようこそ」画面で「新しいWebLogicドメインの作成」を選択し、「次へ」をクリックします。「ドメイン・ソースの選択」画面が表示されます。
「Oracle Enterprise Manager」を選択し、「次へ」をクリックします。Oracle Enterprise Managerを使用して、Exchange 2007コネクタで使用されるセキュリティ資格証明を構成します(第3.6項「セキュリティ資格証明の追加」を参照)。また、Oracle Enterprise Managerを使用してハブおよびディスパッチャを構成することもできます。詳細は、第5章「BDSSハブ・サービスの構成」を参照してください。
「管理者ユーザー名およびパスワードの構成」画面で、ユーザー名とパスワードを入力し、「次へ」をクリックします。「サーバーの起動モードおよびJDKの構成」画面が表示されます。
必要な場合はJDKを変更します。それ以外の場合は、「次へ」をクリックして「WebLogicドメインの作成」画面にナビゲートします。
「WebLogicドメインの作成」画面で、ドメイン名を入力し、「作成」をクリックします。
進捗状況インジケータの完了後、「完了」をクリックします。
Exchange 2007コネクタをOracle WebLogic Serverドメインにデプロイします。このWebLogic Server拡張機能は、Oracle WebLogic Serverの初期インストールの一部として(第3.4.1.1項を参照)、または既存インストールのドメインに対する拡張機能として(第3.4.1.2項を参照)組み込むことができます。
サーバーのインストール時にOracle JRF - 11.1.1.0 [jdeveloper]オプションを使用できる場合は、オプションが選択されていることを確認します。それ以外の場合は、第3.4.1.2項で説明されているステップに従ってドメインを拡張します。
既存のWebLogic Serverインストールがあり、JRF用に拡張されていないドメインがある場合は、WebLogic構成マネージャを使用してJRFをインストールできます。
JRFを含めるようにドメインを拡張する手順は、次のとおりです。
次のように、Windowsの「スタート」メニューを使用して構成ウィザードを起動します。
「スタート」を選択します。
「プログラム」を選択します。
WebLogic Serverインストールを選択します。
WebLogic Server 10gR3を選択します。
「構成ウィザード」を選択します。構成ウィザードが表示されます。
注意: イタリックのテキストは、環境によって異なる可能性がある内容を示しています。 |
「ようこそ」画面で「既存のWebLogicドメインの拡張」を選択し、「次へ」をクリックします。
WebLogic Serverドメインを選択し、「次へ」を選択します。「拡張ソースの選択」画面が表示されます。
「既存の拡張テンプレートを使用してドメインを拡張する」を選択します。
「テンプレートの場所」フィールドの参照機能を使用して、<domain root>\jdeveloper\common\templates\applications\jrf_template_11.1.1.jar
にナビゲートして選択します。
「OK」をクリックします。
後続のページでデフォルトの選択を受け入れて、構成ウィザードを完了します。
BDSSテンプレート(bdss_template.jar
)によって、統合WebLogic Server上のキュー、およびランタイム構成マネージャで使用されるデータ・ソースが作成されます。また、BDSSハブ、ディスパッチャおよびExchange 2007コネクタ・アプリケーションもデプロイできます。
Fusion Middleware構成ウィザードを使用してこれらのBDSSコンポーネントをインストールし、BDSSテンプレートを使用してドメインを拡張します。
注意: これらの指示は、ドメインをすでに作成していることを前提としています。 |
コンポーネントをインストールする手順は、次のとおりです。
構成ウィザードを起動し、「ようこそ」画面で「既存のWebLogicドメインの拡張」を選択します(図3-3)。「次へ」をクリックします。「WebLogicドメイン・ディレクトリの選択」画面が表示されます。
JMSがインストールされているドメインを選択し、「次へ」をクリックします。「拡張ソースの選択」画面が表示されます。
「既存の拡張テンプレートを使用してドメインを拡張する」を選択します。
「テンプレートの選択」ダイアログを使用して、bdss_template.jar
の場所を特定し(図3-4)、「OK」をクリックします。
「拡張ソースの選択」ダイアログでBDSSのtemplate.jarを選択し、「次へ」をクリックします。
「JDBCデータ・ソースの構成」ページ(図3-6)で、接続情報を入力します。ユーザー名はbdssである必要があります。「次へ」をクリックします。「JDBCデータ・ソースのテスト」画面が表示されます。
「接続のテスト」をクリックします。構成ウィザードに「テストが完了しました。」というメッセージ(図3-7)が表示された後、「次へ」をクリックします。「データベース・スクリプトの実行」画面が表示されます。
「データベース・スクリプトの実行」ページ(図3-8)で、「スクリプトの実行」をクリックします。CreateBDSSDataModel.sql
スクリプトによって、データベース表とトリガーが作成され、BDSSSeedData.sql
スクリプトによって、そのデータベースにドメイン用のサンプル・データが移入されます。
「デプロイメントのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」画面(図3-9)を続けて入力します。
注意: ディスパッチャ、ハブおよびExchange 2007コネクタはデフォルトでデプロイされます。必要な場合は、「データベース・スクリプトの実行」画面の後の「オプションの構成を選択」画面で、「デプロイメントとサービス」を選択します。このオプションの選択後、デプロイするアプリケーションを選択します。このオプションの構成を使用すると、各コンポーネントを別々のWebLogic Serverにデプロイできるようになり、スケーラビリティが実現します。 |
デプロイするBDSSコンポーネントを選択し、「次へ」をクリックします。デフォルトで、ディスパッチャ、ハブおよびExchange 2007コネクタがデプロイされます。「構成のサマリー」画面が表示されます(図3-10)。
インストールされるコンポーネントを確認します。「前へ」をクリックして「デプロイメントのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」に戻り、選択を変更します。
「次へ」をクリックします。構成マネージャによってドメインが作成されます。「ドメインの作成中」画面の進捗状況インディケータの完了後(図3-11)、「完了」をクリックします。
Exchange 2007コネクタには、表3-2に示した3つのセットの資格証明が必要です。
表3-2 Exchange 2007コネクタで必要な資格証明
JPSマップ名 | JPSキー | ユーザー名とパスワード |
---|---|---|
exchange2007pimtransport |
activeDirectoryAdminCredential |
Exchange 2007コネクタがActive Directoryへの問合せ時に使用するユーザー名とパスワードが格納されます。 |
exchange2007pimtransport |
autoDiscoveryAdminCredential |
Exchange 2007コネクタがMicrosoft自動検出サービスへの問合せ時に使用するユーザー名とパスワードが格納されます。 |
exchange2007pimtransport |
exchangeWebServiceAdminCredential |
Exchange 2007コネクタがExchange Web Serviceをコールしてユーザーのメールボックスにアクセスするときに使用するユーザー名とパスワードが格納されます。 |
Windowsドメインが必要な場合は、ユーザー名に追加でき、円記号(\)を使用してdomain\usernameのようにドメインとユーザー名を区切ります。
図3-12に示すように、Fusion Middleware Controlを使用して表3-2に示した資格証明を追加します。
次に、Oracle Enterprise Managerを使用して資格証明に入力する方法を説明します。
Oracle Enterprise Managerにログインします。
ナビゲーション・ペインで「WebLogicドメイン」ノードを展開し、ドメインを右クリックします。
コンテキスト・メニューから「セキュリティ」を選択し、「資格証明」を選択します。「セキュリティ」ページが表示されます。
「マップの作成」をクリックして、exchange2007pimtransport資格証明マップを作成します。「マップの作成」ダイアログが表示されます。
「マップ名」フィールドに「exchange2007pimtransport」と入力し、「OK」をクリックします。
表3-2に記載されている各JPSキーに対して、次の手順を実行します。
「キーの作成」をクリックします。「キーの作成」ダイアログが表示されます。
「マップの選択」リストから「exchange2007pimtransport」を選択します。
JPSキーを入力します。たとえば、「activeDirectoryAdminCredential」と入力します。
「ユーザー名」フィールドに、ユーザー名を(必要な場合は必ず先頭にドメインを付けて)入力します。
「パスワード」フィールドに、パスワードを入力します。
「OK」をクリックします。
注意: ナビゲーション・ペインでドメインを右クリックすると表示されるコンテキスト・メニューから、システムMBeanブラウザにアクセスできます。システムMBeanブラウザを使用して、JPS MBeanに関する一部の操作(全部ではありません)を起動できます。第3.6項で説明した手順は、資格証明を入力する適切な方法です。また、システムMBeanブラウザを使用して、BDSSハブ・コンポーネントと、サーバーおよびコネクタ・インスタンスの構成に使用するBDSS MBeanを管理することもできます。 |
Exchange 2007サーバーの構成にセキュアな通信が必要な場合は、SSLをサポートするようにExchange 2007コネクタを構成して、Microsoft自動検出およびExchange Web Service(EWS)と安全に通信できるようにする必要があります。EWSサーバーにバインドされる証明書を発行および署名する認証局(CA)を、信頼できるCAとしてコネクタで使用されるトラスト・ストアにインストールする必要があります。デフォルトで、WebLogic Serverにデプロイされるアプリケーションでは、%WL_HOME%\lib
ディレクトリにあるDemoTrust.jks
というトラスト・ストアが使用されます。
SSLを構成するには、最初にExchange Web ServicesをホストするIIS WebサーバーにバインドされるX.509証明書を取得し、この証明書でDemoTrust.jks
を更新する必要があります。
注意: 次の指示は、デフォルトのトラスト・ストアである |
証明書をインストールする手順は、次のとおりです。
Exchange Web ServicesをホストするIIS WebサーバーにバインドされるX.509証明書を取得し、ファイル・システム上のコネクタがデプロイされている同じボックスにファイルとして保存します。このドキュメント用に、ファイルはc:\temp\exchangecacert.cer
に保存されています。
Exchange 2007サーバーにログインします。
IISマネージャを起動します。
Exchange仮想ディレクトリ(通常は「Webサイト」→「既定のWebサイト」→「Exchange」にあります)をクリックし、「プロパティ」を選択します。
ディレクトリ・セキュリティにナビゲートします。
「証明書の表示」をクリックします。
「詳細」タブをクリックし、「ファイルにコピー」をクリックします。
ウィザードで、ファイル名の入力を求められるまで各ページでデフォルトを選択します。ファイルの名前および場所を指定します。たとえば、c:\temp\exchangecacert.certと入力します。
証明書でDemoTrust.jks
を更新する手順は、次のとおりです。
コマンド・プロンプトを使用して、現在のディレクトリをDemoTrust.jks
の場所に変更します。たとえば、次のコマンドを入力します。
cd c:\WL_HOME\wlserver_10.3\server\lib
Java keytoolユーティリティを使用して証明書をインポートします。
たとえば、keytoolユーティリティの場所(C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_25\bin
など)に移動し、次のコマンドを入力します。
keytool -importcert
-trustcacerts -file C:\temp\exchangecacert.cert
-keystore DemoTrust.jks
-storepass DemoTrustKeyStorePassPhrase -alias XXX
注意:
|
証明書ファイルおよびkeytoolユーティリティの使用方法については、Java SEテクニカル・ドキュメント(http://download.oracle.com/javase/index.html
)を参照してください。
Exchange 2007コネクタは、不要なレコードをフィルタリングするために、XSDおよびXSLTファイルを使用して、ハブXML形式とPIM XML形式およびXMLファイルとの間でレコードを変換します。これらのファイルは、データベース・ファイル・システム上に格納する必要があり、その場所はBDSSで構成する必要があります。シード・データ・スクリプトで提供されるデフォルトの場所は、c:/fusion_sync <root>
です。たとえば、シード・データ・スクリプトによって、c:/fusion_sync/Exchange2007/...
のような文字列がデータベースに移入されます。
ファイル・システム上に様々なXSLTおよびXSDファイルを設定し、BDSSでXSLおよびXSDファイルを構成するために、BDSS.zip
を解凍した場所から必要な場所にtransform
およびfilter
ディレクトリをコピーできます。たとえば、ディレクトリ構造は次のような形式になります。
<MY DIRECTORY>/exchange2007/task/transform/exchange2007task.xsd
ファイルを設定する手順は、次のとおりです。
Exchange 2007のXSDおよびXSLファイルを次の階層のローカル・ディレクトリにコピーします。
<root>/exchange
: このディレクトリには、contactサブディレクトリとtaskサブディレクトリ、およびexchange2007typelibrary.xsd
ファイルが含まれている必要があります。
<root>/exchange/contact/transform
: このディレクトリには、次の3つのファイルが含まれている必要があります。
exchange2007contact.xsd exchange2007contacttohubcontact.xsl hubcontacttoexchange2007contact.xsl
<root>/exchange/task/transform
: このディレクトリには、次の3つのファイルが含まれている必要があります。
exchange2007task.xsd exchange2007tasktohubtask.xsl hubtasktoexchange2007task.xsl
<root>/exchange/calendar/transform
: このディレクトリには、次の3つのファイルが含まれている必要があります。
pimicalbody.xsd exchange2007calendartohubcalendar.xsl hubcalendartoexchange2007calendar.xsl
<root>/exchange/calendar/transform/intermediatetranslation
: このディレクトリには、次の6つのファイルが含まれている必要があります。
calendaritemtype.xsd calendaritemtypetoveventasxml.xsl timezoneregistry.xml timezoneregistryschema.xsd veventasxml.xsd veventasxmltocalendaritemtype.xsl
Exchange 2007 XMLフィルタ・ファイルを次の階層のローカル・ディレクトリにコピーします。
<root>/exchange
: このディレクトリには、contactサブディレクトリとtaskサブディレクトリ、およびexchange2007typelibrary.xsd
ファイルが含まれている必要があります。
<root>/exchange/contact/filter
: このディレクトリには、contactfilter.xml
ファイルが含まれている必要があります。
<root>/exchange/task/filter
: このディレクトリには、taskfilter.xml
ファイルが含まれている必要があります。
<root>/exchange/calendar/filter
: このディレクトリには、calendarfilter.xml
ファイルが含まれている必要があります。
ハブのXSDおよびXSLファイルを次の階層のローカル・ディレクトリにコピーします。
<root>/hub
: このディレクトリには、contactサブディレクトリとtaskサブディレクトリ、およびHubTypeLibrary.xsd
ファイルが含まれている必要があります。
<root>/hub/contact/transform
: このディレクトリには、次の8つのファイルが含まれている必要があります。
hubaddress.xsd hubcontact.xsd hubcountry.xsd hubemailaddress.xsd hubnameprefix.xsd hubnamesuffix.xsd hubphone.xsd hubstate.xsd
<root>/hub/task/transform
: このディレクトリには、HubTask.xsd
ファイルが含まれている必要があります。
<root>/hub/calendar/transform
: このディレクトリには、HubCalendar.xsd
ファイルが含まれている必要があります。
この項では、次のタスクについて説明します。
これらのタスクには、構成する必要があるパラメータのみが含まれています。表3-3に、Exchange 2007コネクタのすべての構成オプション(必須およびオプションの両方)を示します。これらのいずれのパラメータを定義するかは環境によって指示されますが、すべての状況で次を定義する必要があります。
Active Directoryサーバー
自動検出サービス接続ポイント(SCP)
Event Receiver
この構成は、PROFILESテーブルに格納されます。Exchange 2007コネクタを構成するには、JMXコンソールにデプロイされるBDSS MBeanを使用します。JDeveloperまたはSQL Developerなどのツールを使用して、Exchange 2007コネクタを構成することもできます。第6章「Microsoft Exchange 2007用BDSSコネクタの構成」も参照してください。
注意: Oracle Enterprise ManagerまたはJConsole以外のコンソールを使用する場合は、BDSSハブを再起動する必要があります。 |
表3-3 Exchange 2007の構成パラメータ
プロファイル | セクション | パラメータ | デフォルト値 | 説明 |
---|---|---|---|---|
Exchange2007 |
Hub Transport |
Pim Transport Implementation Class |
oracle.bdss.connectors.exchange2007.pimtransport.PimTransportAdapter |
ハブ・トランスポートの汎用コンポーネントでは、この値を使用してExchange PIMトランスポートを初期化します。 |
Exchange2007 |
Hub Transport |
Extract Response Batch Size |
100000 |
この値は、BDSSによって同期化されるユーザーが保持するレコードがこの値を超えることがないように、十分に大きい数値に設定してください。 |
Exchange2007 |
Task |
Pim Xsd |
パス |
|
Exchange2007 |
Task |
PimToHubUrl |
パス |
|
Exchange2007 |
Task |
HubToPimUrl |
パス |
|
Exchange2007 |
Task |
Domain Class Type |
タスク・タイプ |
ドメインの同期化時に使用されるExchange Web Serviceインタフェース・クラス。 |
Exchange2007 |
Task |
Exchange Domain Batch Size |
512 |
ドメイン・ターゲットからのレコードの抽出時にExchangeからダウンロードされるレコードの最大数。有効な値は、1から512です。 |
Exchange2007 |
Task |
Folder Class |
IPF.Task |
ドメインのフォルダ・クラス。 |
Exchange2007 |
Task |
Body Type |
Text |
ドメインのBodyフィールドの同期化方法。有効な値は、 |
Exchange2007 |
Task |
Conflict Resolution Type |
AlwaysOverwrite |
Exchangeによる競合タイプの処理方法を決定します。有効な値は、 |
Exchange2007 |
Task |
Disposal Type |
MoveToDeletedItems |
Exchangeによる削除されたレコードの処理方法を決定します。有効な値は、 |
Exchange2007 |
Task |
Pim Domain id |
IPM.Task |
同期化する各レコードのメッセージ・クラス・プロパティとして使用されるPIMドメイン識別子。 |
Exchange2007 |
Contact |
Exchange Domain Batch Size |
512 |
ドメイン・ターゲットからのレコードの抽出時にExchangeからダウンロードされるレコードの最大数。有効な値は、1から512です。 |
Exchange2007 |
Contact |
Folder Class |
IPF.Contact |
ドメインのフォルダ・クラス。 |
Exchange2007 |
Contact |
Pim Domain Id |
IPM.Contact |
同期化する各レコードのメッセージ・クラス・プロパティとして使用されるPIMドメイン識別子。 |
Exchange2007 |
Contact |
Pim Xsd |
パス |
|
Exchange2007 |
Contact |
PimToHubUrl |
パス |
|
Exchange2007 |
Contact |
HubToPimUrl |
パス |
|
Exchange2007 |
Calendar |
Time Zone Xsd |
パス |
|
Exchange2007 |
Calendar |
VEvent Xsd |
パス |
|
Exchange2007 |
Calendar |
PimToHubUrl |
パス |
|
Exchange2007 |
Calendar |
Pim Xsd |
パス |
|
Exchange2007 |
Calendar |
Calendar Item Type Xsd |
パス |
|
Exchange2007 |
Calendar |
Time Zone Xml |
パス |
|
Exchange2007 |
Calendar |
HubToPimUrl |
パス |
|
Exchange2007 |
Calendar |
CalendarItemToVEvent Xsl |
パス |
|
Exchange2007 |
Calendar |
VEventToCalendarItem Xsl |
パス |
|
Exchange2007 |
Calendar |
Body Type |
|
ドメインのBodyフィールドの同期化方法。有効な値は、 |
Exchange2007 |
Calendar |
Conflict Resolution Type |
|
Exchangeによる競合タイプの処理方法を決定します。有効な値は、 |
Exchange2007 |
Calendar |
Disposal Type |
|
Exchangeによる削除されたレコードの処理方法を決定します。有効な値は、 |
Exchange2007 |
Calendar |
Domain Class Type |
|
ドメインの同期化時に使用されるExchange Web Serviceインタフェース・クラス。 |
Exchange2007 |
Calendar |
Exchange Domain Batch Size |
512 |
ドメイン・ターゲットからのレコードの抽出時にExchangeからダウンロードされるレコードの最大数。有効な値は、1から512です。 |
Exchange2007 |
Calendar |
Fanning Limit |
30 |
Exchangeで繰返しのカレンダ・レコードをネイティブで表すことができない場合に作成されるレコードの数。有効な値は、1から100です。 |
Exchange2007 |
Calendar |
Folder Class |
IPF.Appointment |
ドメインのフォルダ・クラス。 |
Exchange2007 |
Calendar |
Pim Domain id |
IPM.Appointment |
同期化する各レコードのメッセージ・クラス・プロパティとして使用されるPIMドメイン識別子。 |
Exchange2007 |
Active Directory |
ServerN (Nは0(ゼロ)以上の序数) |
LDAP URL |
ユーザーのExchangeアカウント情報の検出時に、Active Directoryからサービス接続ポイントのURLを取得するためにコネクタで使用されるLDAP URL。 複数のエントリを追加できます。序数は、プリファレンス順序を指定します(つまり、Server1の前にServer0が試行されるなど)。 コネクタは、ユーザーが検出されるまで、または各エントリの試行が終了するまで各URLを試行します。 これは必須パラメータです。 第6章「Active Directoryを使用するためのMicrosoft Exchange 2007コネクタの構成」も参照してください。 |
Exchange2007 |
Active Directory |
Referral |
follow |
LDAPプロバイダによる参照の処理方法を指定します。値は、follow、throwまたはdeferです。デフォルト値はfollowです。 |
Exchange2007 |
Active Directory |
Max Query Result Size |
20 |
Active Directoryの問合せごとに返される結果の最大数。デフォルト値は20です。 |
Exchange2007 |
Active Directory |
Max Query Time |
30000 |
Active Directoryの問合せが返されるまで待機する時間(ミリ秒)。デフォルト値は30秒(30000ミリ秒)です。 |
Exchange2007 |
Active Directory |
Read Timeout |
5000 |
タイムアウトするまでレスポンスを待機する時間(ミリ秒)。デフォルト値は5000です。 |
Exchange2007 |
Active Directory |
Connect Timeout |
5000 |
タイムアウトするまでActive Directoryへの接続を確立する時間(ミリ秒)。デフォルト値は5000です。 |
Exchange2007 |
Active Directory |
Use SSL |
False |
セキュアなLDAPを使用するかどうか。デフォルトは |
Exchange2007 |
Active Directory |
Using Client Certificates |
False |
クライアント・プロバイダがLDAP証明書を使用するかどうかを示します。 |
Exchange2007 |
Active Directory |
Client Certificate Path |
False |
「Use SSL」がtrueに設定され、ドメイン・コントローラでクライアント証明書が必要な場合は、 |
Exchange2007 |
Auto Discovery |
SCPN Nは0(ゼロ)以上の序数です。 |
<HTTPS URL> |
ユーザーの検出時にコネクタで使用するサービス接続ポイント(SCP)へのURL。 序数は、プリファレンス順序を指定します(コネクタでは、SCP1の前にSCP0が試行されるなど)。コネクタは、ユーザーが検出されるまで、または各エントリの試行が終了するまで各URLを試行します。 これは必須パラメータです。 第6章「Microsoft自動検出サービスを使用するためのExchange 2007コネクタの構成」も参照してください。 |
Exchange2007 |
Auto Discovery |
Remove Domain From Urls |
TrueまたはFalse |
Active Directoryから取得した検出SCP URLからドメイン情報を削除するようにコネクタに指示します。 開発環境の場合は、URLにドメインが含まれているとDNSでURLが解決されないため(つまり、 |
Exchange2007 |
Auto Discovery |
Read Timeout |
5000 |
タイムアウトするまでレスポンスを待機する時間(ミリ秒)。デフォルト値は5000です。 |
Exchange2007 |
Auto Discovery |
Connect Timeout |
5000 |
タイムアウトするまで自動検出サーバーへの接続を確立する時間(ミリ秒)。デフォルトは5000です。 |
Exchange2007 |
Auto Discovery |
Use SSL |
True |
セキュアなHTTP(HTTPS)を使用するかどうか。デフォルトはtrueです。HTTPを許可するようにサーバーを構成することに失敗した場合は、自動検出サービスに対してHTTPSが必要になる場合があります。 |
Exchange2007 |
Auto Discovery |
Client Certificate Path |
デフォルトは空の文字列です。 |
この値は、PEM(プライバシ強化メールのセキュリティ証明書)ファイルの場所に設定します。このファイルには、自動検出でクライアント証明書が必要な場合に使用されるクライアント証明書が含まれています。 |
Exchange2007 |
Auto Discovery |
Client Certificate Key Path |
デフォルトは空の文字列です。 |
この値は、PEM(プライバシ強化メールのセキュリティ証明書)ファイルの場所に設定します。このファイルには、クライアント証明書の秘密鍵が含まれています。 |
Exchange2007 |
Auto Discovery |
Port |
443 |
デフォルトでは、通常、HTTPSセキュア・ポートの443に設定します。「Use SSL」が |
Exchange2007 |
Event Receiver |
CHANGE_ME |
値は、コネクタに対してデプロイされているイベント・レシーバのURLにする必要があります。 |
CONNECTORSテーブルのNAME列に表示されるExchange 2007コネクタの名前。これは必須パラメータです。 |
Exchange2007 |
Event Receiver |
Status Frequency |
1 |
Exchangeが各サブスクリプションに通知を提供する頻度(分単位)。これは必須パラメータです。 |
Exchange2007 |
Event Receiver |
Subscription Status Factor |
3 |
イベント・レシーバは、Exchangeサーバーがすべてのサブスクリプションを終了していないことを確認するために、すべてのサブスクリプションに対してチェックを実行します。このパラメータは、このチェックの実行頻度を設定します。チェックの実行頻度は、このパラメータに設定した値に「Status Frequency」パラメータに設定した値を乗算した値です。たとえば、「Status Frequency」パラメータを1分に設定し、「Subscription Status Factor」を3に設定すると、イベント・レシーバは3分ごとにサブスクリプション・チェックを実行します。 これは必須パラメータです。 |
変換ファイル用のURIを使用するためのパラメータの構成
「Pim Xsd」、「PimToHubUrl」、「HubToPimUrl」および「Calendar Item Type xsd」などのパラメータを構成する場合、変換ファイル用のURIを使用するには、URIをfile:///./
の書式で入力しないでください。かわりに、URIを次の書式で入力してください。
C:/directory1/directory2.../file.NNN
たとえば、c:/fusion_sync
がトランスフォーマ・ファイルの<root>
ディレクトリの場合は、次のURIを入力します。
c:/fusion_sync/transform/exchange/task/exchange2007task.xsd
Oracle EnterpriseのシステムMBeanブラウザを使用して、「Hub Transport」セクションのパラメータをExchange 2007コネクタと同じ名前を使用するように更新します。これらのパラメータの詳細は、第6.2項「「Hub Transport」セクションのパラメータ」を参照してください。「タスク」セクションの「Pim XSD」、「PimToHubUrl」、および「HubToPimUrl」パラメータも更新する必要があります。第6.3項「Exchange 2007コネクタ用のレコード変換の構成」を参照してください。
ExchangeコネクタのActive Directoryプロファイルの「ServerN」および「UseSSL」パラメータを構成する必要があります。このプロファイルの他のパラメータはオプションであり、構成しない場合は適切なデフォルトが使用されます。詳細は、第6.7項「Active Directoryを使用するためのMicrosoft Exchange 2007コネクタの構成」を参照してください。
Exchange 2007コネクタは、ユーザーのExchangeアカウントに関する情報を検出するために、Microsoft自動検出サービスを問い合せます。Auto Discoveryプロファイルの「SCPN」パラメータは必須パラメータであり、これは、コネクタが自動検出サービスを検索するために問い合せるサービス接続ポイントURLのリストをコネクタに提供するためです。詳細は、第6.9項「Microsoft自動検出サービスを使用するためのExchange 2007コネクタの構成」を参照してください。
エンジンの属性は、EngineSettings MBeanを介して公開され、ディスパッチャの属性はDispatcherSettings MBeanを介して公開されます(第5章「BDSSハブ・サービスの構成」を参照)。
ディスパッチャを構成するには、ハブをホストするサーバー上のDispatcherHub Webサービスに接続するためにディスパッチャが使用するURLを設定する必要があります。このURLは、DispatcherSettings MBeanの「HubEndPointURL」パラメータを使用して構成します。詳細は、第5.2項「ディスパッチャの構成」を参照してください。
エンジンについては、EngineSettings MBeanのEngineEndpointURL属性を構成する必要があり、この属性によってエンジンで使用されるURLが提供され、コネクタでエンジンに対するリクエストおよびデータ更新リクエスト・レスポンスの抽出が可能になります。さらに、RunTimeLibraryURL属性のURLを設定する必要があります。エンジンは、このURLをコネクタに送信して、コネクタがコネクタ・ランタイム・ライブラリと通信できるようにします。これらの属性の設定方法は、第5.3項「エンジンの構成」を参照してください。
ServerDomainConfigMBeanのupdatePIMServerInstance
操作を使用して、コネクタの名前をBDSSインスタンスに追加します(第4.3.1項「BDSSインスタンスの追加と更新」を参照)。
コネクタWebサービスのURLを使用して、コネクタおよびPIMサーバーのインスタンスを構成する必要があります。このURLをコネクタ・インスタンスに追加するには、コネクタ構成MBeanのupdateConnectorInstance
操作を使用します(第4.4.1項「コネクタ・インスタンスの追加と更新」を参照)。
ユーザー構成MBeanのaddConnectorUser
操作を使用してユーザーを作成します。ハブ・ユーザーごとに、構成した各コネクタに対して1つのユーザーを作成します。詳細は、第4.7.2項「コネクタ・ユーザーの作成」を参照してください。
コンポーネントの適切な機能を有効にするには、次のインストール後のタスクを実行します。
ディスパッチャの属性はDispatcherSettings MBeanを介して公開され、このMBeanはOracle Enterprise ManagerコンソールまたはJConsoleを使用して構成できます。詳細は、第5.2項「ディスパッチャの構成」を参照してください。
エンジンの属性は、EngineSettings MBeanを介して公開されます。詳細は、第5.3項「エンジンの構成」を参照してください。EngineSettings MBeanを構成したら、次にsetProfileParameter
操作のパラメータ(表3-4を参照)を構成してください。詳細は、第4.8.2項「プロファイル・パラメータの管理」を参照してください。
表3-4 setProfileParameter操作のパラメータ
プロファイル | セクション | パラメータ | 説明 |
---|---|---|---|
Exchange2007 |
Task |
URL for transformations |
XLST変換ファイルがサーバー上に格納されるURL |
Exchange2007 |
Calendar |
URL for transformations |
XLST変換ファイルがサーバー上に格納されるURL |
Exchange2007 |
Contact |
URL for transformations |
XLST変換ファイルがサーバー上に格納されるURL |
Exchange2007 |
Task |
Filter Condition |
XMLフィルタ・ファイルがサーバー上に格納されるURL |
Exchange2007 |
Calendar |
Filter Condition |
XMLフィルタ・ファイルがサーバー上に格納されるURL |
Exchange2007 |
Contact |
Filter Condition |
XMLフィルタ・ファイルがサーバー上に格納されるURL |
ヒント: 他のパラメータ値を確認して、そのデフォルト値を変更する必要があるかどうかを判断します。 |
インストール・スクリプト以外に、fusionsync-fusionsync-WSアプリケーションのServerDomainConfigMBeanの操作を使用すると、コネクタを作成、削除および更新できます。詳細は、第4章「BDSS管理スタート・ガイド」を参照してください。
表3-5 BDSSインスタンス構成用の操作
操作 | 機能 |
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CreateBDSSConnectorInstances.sql
スクリプトによって、サーバー・インスタンスおよびコネクタ・インスタンスを作成するためのMBeanの代替方法が提供されます。サーバーのPIMサーバー・インスタンスおよびコネクタ・インスタンスを適切な表にシードするには、CreateBDSSConnectorInstances.sql
スクリプトを実行します。データベース・フォルダにあるこのスクリプトは、Oracleデータベース・クライアントからSQL*Plus(SQLPlus.exe
)ユーティリティを使用して実行できます。
注意: サーバーはMBeanインタフェースを使用して追加および変更することもできるため、このスクリプトはオプションです。 |
CreateBDSSConnectorInstances.sql
スクリプトには次のパラメータが必要です。
Microsoft Exchange 2007サーバー
Exchange 2007コネクタの名前
Exchange 2007コネクタのURL