Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド 11g リリース1 (11.1.1) B63027-04 |
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Oracle Business Intelligenceは、エンタープライズ・ビジネス・インテリジェンスを配信するための統合ツールとテクノロジの包括的なセットであり、Oracle BI EE、Oracle Real-Time Decisions、Oracle EssbaseおよびOracle BI Publisherで構成されています。
注意: このガイドでは、Oracle BI EE、Oracle Real-Time Decisions、Oracle EssbaseおよびOracle BI PublisherをまとめてOracle Business Intelligenceという用語で表現します。これらの製品のいずれかにのみ適用する説明や指示事項がある場合は、その都度個々の製品名を使用します。 |
この章では、次の項目について説明します。
Oracle Business Intelligenceのインストール・パッケージには次の製品が収録されていて、これら製品のインストール、構成および実行に必要なテクノロジもすべて揃っています。
Oracle BI EE(Oracle BIアンサー、Oracle BIインタラクティブ・ダッシュボード、Oracle BIデリバー、Oracle BI管理ツール、Oracle BIジョブ・マネージャ、Oracle BIカタログ・マネージャ、Oracle BI Add-in for Microsoft Office、Oracle BI PublisherおよびOracle BI Composer)
注意: Oracle BI Add-in for Microsoft Officeをダウンロードしてインストールできますが、かわりにSmart Viewをダウンロードしてインストールすることをお薦めします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』のBIデスクトップ・ツールのダウンロードに関する項を参照してください。 |
Oracle BI Publisher
Oracle Real-Time Decisions
Oracle Essbase Suite
Oracle Business IntelligenceにおけるOracle Essbaseの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』の「第27章 Oracle Business IntelligenceでのOracle Essbaseおよび関連コンポーネントの使用について」を参照してください。
Oracle WebLogic Serverにインストールする場合は、次の製品の組合せのいずれかをインストールできます。
Oracle Real-Time DecisionsまたはOracle BI Publisher
Oracle Real-Time DecisionsおよびOracle BI Publisher
Oracle BI EEおよびOracle BI Publisher
Oracle BI EE、Oracle BI Publisher、およびOracle Real-Time DecisionsまたはOracle Essbase Suite
Oracle BI EE、Oracle BI Publisher、Oracle Real-Time DecisionsおよびOracle Essbase Suite
IBM WebSphereにインストールする場合は、Oracle BI EE、Oracle BI PublisherおよびOracle Real-Time Decisionsを一緒にインストールできます。
Oracle BI PublisherはOracle BI EEに含まれているため、Oracle BI EEをインストールすると、常にOracle BI Publisherが自動的に選択されます。また、Oracle Essbase Suiteをインストールする場合は、Oracle BI EEとOracle BI Publisherをインストールする必要があります。
Oracle Business Intelligence 11gインストーラは、すべてのランタイム・コンポーネント、およびインストールを選択した製品のためのインフラストラクチャを作成します。Oracle Business Intelligence 11g インストーラを実行した後、インストールした製品では、単一のWebLogicドメインにある同一のOracle Fusion Middlewareインフラストラクチャを共有します。
WebLogicドメインでの使用を意図したOracle Business Intelligence製品は、すべて同時にインストールして構成する必要があります。ある時点で一部の製品をインストールして、後日同じWebLogicドメインに残りの製品をインストールすることはできません。たとえば、Oracle BI EEはインストールおよび構成することを選択するがOracle Real-Time Decisionsについてはしない場合、後でOracle Real-Time DecisionsをWebLogicドメインに追加することはできません。同様に、Oracle Business Intelligence 11g製品を収めたWebLogicドメインを、他のOracle Fusion Middleware製品を収めることができるように後で拡張することもできません。
表1-1は、Oracle Business Intelligenceをインストールして構成する必須タスクの概要を示しています。この表には、各タスクの詳細の参照先も示してあります。
表1-1 Oracle Business Intelligenceのインストール手順のタスク
タスク | 説明 | ドキュメント |
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タスク1 |
次のいずれかの方法でOracle Business Intelligenceのインストール・メディアを入手します。
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タスク2 |
インストール計画の要件を満たします。 実際のシステム環境が、Oracle Fusion Middleware、Oracle Business Intelligenceおよびリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)のインストール要件を満足していることを確認します。 |
詳細は、Oracle Fusion Middlewareの動作保証に関するドキュメントを参照してください。 次の場所に移動します:
Oracle Business Intelligence特有の要件については、第3章「Oracle Business Intelligenceの要件」を参照してください。 |
タスク3 |
データベースをインストールし、必要なデータベース・スキーマをロードします。 Oracle Business Intelligenceでは、サポートされているデータベースに特定のスキーマをインストールする必要があります。これは、既存のデータベースでRCUを実行することで可能です。 サポートされているデータベースが稼動していることを確認したうえでRCUを実行し、必要なスキーマを作成します。 |
第3.3項「リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用したデータベース・スキーマの作成」を参照してください。RCUについては、『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』にも情報があります。 |
タスク4 |
Oracle Business Intelligenceをインストールします。 |
第4章「Oracle Business Intelligenceのインストール」を参照してください。 |
タスク5 |
Oracle Business Intelligenceを構成します。 |
簡易インストール・タイプとエンタープライズ・インストール・タイプでは、Oracle Business Intelligenceインストーラで構成がシームレスに実行されます。 ソフトウェアのみのインストール・タイプでは、後で構成アシスタントを使用してOracle Business Intelligenceを手動でインストールする必要があります。第5.2項「構成アシスタントを使用したOracle Business Intelligenceの構成」を参照してください。Oracle Business Intelligenceの構成については、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』にも情報があります。 |
Oracle Business Intelligenceでは、インストールで次のモードがサポートされています。
インタラクティブ・モード: Oracle Business Intelligence 11g インストーラを使用します。大半のインストールは、インタラクティブ・モードで実行されます。詳細は、第4章「Oracle Business Intelligenceのインストール」を参照してください。
サイレント・モード: 特定のインストール用に変更したレスポンス・ファイルを使用します。詳細は、4.6項「Oracle Business Intelligenceのサイレント・モードでのインストール」を参照してください。
Oracle Business Intelligence 11g インストーラでは、インストールで次のタイプがサポートされています。
簡易インストール・タイプでは、デフォルトの設定で1台のコンピュータにOracle Business Intelligenceのコンポーネントを最小限の手順でインストールします。簡易インストール・タイプでは管理対象サーバーがインストールされません。本来であれば管理対象サーバーでホストして実行するコンポーネントは、かわりに管理サーバーでホストされ、実行されます。これらの最適化によってメモリーのフットプリントとOracle Business Intelligenceの複雑さを低減できます。これらの最適化は、特にデモンストレーション、評価および概念実証のユース・ケースを目的としています。
簡易インストール・タイプを選択すると、指定したOracle Business Intelligenceコンポーネントのバイナリ・ファイルがOracle Business Intelligence 11g インストーラによってインストールされます。
エンタープライズ・インストール・タイプでは、Oracle Business Intelligenceコンポーネントをインストールしてエンタープライズ・デプロイメントを新規作成するか、Oracle Business Intelligence 11gの既存のエンタープライズ・デプロイメントをスケールアウトできます。これにより、簡易インストール・タイプでは指定できない構成設定(ディレクトリ・パス、ホスト名、ポート番号など)をいくつか指定できます。
エンタープライズ・インストール・タイプでは、インストールで指定するオプションに応じて次のいずれかを実行します。
新規インストール: 選択したOracle Business IntelligenceコンポーネントをOracle Business Intelligence 11g インストーラでインストールします。
既存のインストールのスケールアウト: クラスタのプライマリ・ホスト・コンピュータにインストール済のOracle Business IntelligenceコンポーネントをすべてOracle Business Intelligence 11g インストーラでインストールします。ここでは、プライマリ・ホスト・コンピュータを指定する必要があります。
エンタープライズ・インストール・タイプでは、インストールで指定するオプションに応じて次のいずれかを実行します。
新規インストール: 選択したOracle Business IntelligenceコンポーネントがOracle Business Intelligence 11g インストーラで構成され、指定したMiddlewareホーム、OracleホームおよびWebLogic Serverホームに関連付けられます。
既存のインストールのスケールアウト: プライマリ・ホスト・コンピュータに構成済のものと同じOracle Business IntelligenceコンポーネントがOracle Business Intelligence 11g インストーラで構成されます。プライマリ・ホスト・コンピュータを指定する必要があります。
ソフトウェアのみインストール・タイプでは、後の構成のために既存のMiddlewareホームにソフトウェア・バイナリ・ファイルがインストールされます。Oracle Fusion Middlewareの他の製品のインストール(Oracle SOA Suiteなど)によって、Middlewareホームがすでに作成されている場合があります。複数の製品で共通のMiddlewareホームのバイナリ・ファイルを共有する必要がある場合は、バイナリ・ファイルを既存のMiddlewareホームにインストールすると便利です。
ユーザー固有のJDKを使用してOracle Business Intelligenceをインストールするには、ソフトウェアのみのインストール・タイプが必要です。第4.2.5項「ユーザー固有のJava Development Kit (JDK)を使用したOracle Business Intelligence 11gのインストール」を参照してください。
このインストール・タイプを選択した場合、Oracle Business Intelligence 11g インストーラではインストールの過程で構成が一切実行されません。インストール後に構成アシスタントを使用して、新しいドメインとインスタンス・ホームでのバイナリ・ファイルの構成、スケールアウトまたは空のWebLogicドメインの拡張を実行する必要があります。詳細は、第5.2項「構成アシスタントを使用したOracle Business Intelligenceの構成」を参照してください。
Oracle Business Intelligenceのアーキテクチャは、その製品を簡易インストールしたか、エンタープライズ・インストールしたかによって異なります。エンタープライズ・インストール・タイプでは、すべてのアーキテクチャ・コンポーネントがインストールされています。簡易インストール・タイプでは、ノード・マネージャと管理対象サーバーを除くすべてのアーキテクチャ・コンポーネントがインストールされています。また、簡易インストール・タイプでは、通常は管理対象サーバーでホストして実行するコンポーネントが、管理サーバーでホストされ、実行されます。次の各図はこれらの相違を示しています。
図1-1は、簡易インストール・タイプでインストールしたOracle Business Intelligenceのアーキテクチャです。
図1-1 簡易インストールによるOracle Business Intelligenceのアーキテクチャ
図1-2は、エンタープライズ・インストール・タイプでインストールしたOracle Business Intelligenceのアーキテクチャです。
図1-2 エンタープライズ・インストールによるOracle Business Intelligenceのアーキテクチャ
前述のアーキテクチャ図の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』のOracle Business Intelligenceシステムの論理アーキテクチャに関する項を参照してください。
一般的なOracle Business Intelligenceのインストール環境は、Fusion Middlewareホームと次の主要なサブディレクトリで構成されます。
user_projects: 製品ドメイン(1つ以上のOracle Business Intelligenceドメインなど)、管理サーバーおよび1つ以上の管理対象サーバーを格納するUser Projectsディレクトリ。
Oracle_BI1: Oracle Business Intelligenceに固有のバイナリ・ファイル(読取り専用)をすべて収めたOracleホーム。
instances: Oracle BI Server、Oracle BI Presentation Server、クラスタ・コントローラ、Oracle BI SchedulerおよびJavaホストのシステム構成ファイルを格納するインスタンス・ディレクトリ。
図1-3は、すべてをデフォルト値として1つのホストにインストールしたOracle Business Intelligenceの一般的なディレクトリ構造を示しています。