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Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
B63038-04
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11 スタイル・テンプレートの作成および実装

スタイル・テンプレートとは、エンタープライズ・レポート全体でルック・アンド・フィールの一貫性を実現するための、他のRTFレイアウトに適用できるスタイル情報を含むRTFテンプレートです。

この章では、スタイル・テンプレートの作成方法と実装方法について説明します。内容は次のとおりです。

11.1 スタイル・テンプレートの理解

スタイル・テンプレートとは、RTFレイアウトに適用されるスタイル情報が含まれているRTFのテンプレートです。スタイル・テンプレートのスタイル情報は、実行時にRTFレイアウトに適用されて、エンタープライズ・レポート全体で一貫性のあるルック・アンド・フィールを実現します。スタイル・テンプレートは、レポート定義でレポート・レイアウトに関連付けます。スタイル・テンプレートを使用することには、次のような利点があります。

11.1.1 スタイル・テンプレートで定義されるスタイルについて

スタイル・テンプレートでは次の要素のスタイルを定義します。

11.1.1.1 段落と見出しのスタイル

段落のスタイルをスタイル・テンプレートで作成できます。レポート・レイアウトでこの同じ名前のスタイルを使用すると、レポート・レイアウトではスタイル・テンプレート定義からスタイルを継承します。継承されるものには、フォント・ファミリ、フォント・サイズ、フォントの太さ(標準、ボールド)、フォント・スタイル(標準、イタリック)、フォントの色、およびテキスト装飾(下線、上線、打消し線)が含まれます。

11.1.1.2 表のスタイル

表のスタイル定義から継承するスタイル要素には、フォント・スタイル、枠線スタイル、グリッドライン定義、影付け、およびテキスト配置があります。

11.1.1.3 ヘッダーおよびフッターのコンテンツ

スタイル・テンプレートのヘッダー・リージョンおよびフッター・リージョンは、レポート・レイアウトに適用されます。これには、イメージ、日付、ページ番号およびその他のテキストベースのコンテンツが含まれます。レポート・レイアウトにヘッダーおよびフッターのコンテンツも組み込まれている場合、これらは上書きされます。

11.1.2 スタイル・テンプレートのプロセス概要

設計時

スタイル・テンプレートの場合:

  1. Microsoft Wordを起動します。

  2. 段落、表、見出し、および静的なヘッダーおよびフッターのコンテンツの名前付きスタイルを定義します。これがスタイル・テンプレートです。

  3. このドキュメントを.rtfファイルとして保存します。

  4. 独自のスタイルをMicrosoft Wordでも確実に維持するには、ドキュメントをWordテンプレート・ファイル(.dot)として保存するか、スタイルをNormal.dotファイルに保存します。このファイルは他のレポートの設計者と共有できます。

  5. RTFスタイル・テンプレート・ファイルをカタログにアップロードします。

スタイル・テンプレートを使用したレイアウト・テンプレートの場合:

  1. RTFテンプレートで、スタイル・テンプレートから継承する段落および表要素に対して同じ名前のスタイルを使用します。

  2. BI Publisherのレポート・エディタでレポートを開き、レポートに関連付けるスタイル・テンプレートを選択します。次に、特定のレポート・レイアウトのスタイル・テンプレートを有効化します。

実行時

選択したレイアウトでレポートを実行するとき、BI Publisherによってスタイル・テンプレートのスタイル、ヘッダーおよびフッターが適用されます。

11.2 スタイル・テンプレートRTFファイルの作成

ここからは、Microsoft Wordドキュメントでスタイルの種類を定義する方法について説明します。詳細は、Microsoft Wordドキュメントを参照してください。

11.2.1 段落および見出しのスタイルの定義

フォントのタイプ、サイズ、色、テキスト配置、間隔などの書式設定を定義するには、段落スタイルを使用します。段落スタイルは、1つ以上の段落に適用されます。レポートの見出しおよびタイトルの書式を設定する場合にも段落スタイルを使用します。

段落のスタイルの種類を定義する手順は次のとおりです。:

  1. Microsoft Wordドキュメントの「書式」メニューから「スタイル」を選択します。

  2. 「スタイルと書式」作業ウィンドウで「新規作成」を選択します。

  3. 「新しいスタイル」ダイアログで、スタイルの名前を入力します。スタイルの種類は「段落」を選択します。ダイアログに表示されたオプションを使用してスタイルの書式を設定します。段落のその他のオプション(フォントの色やテキスト効果など)を表示するには、「書式」をクリックします。

  4. 終了後、「OK」をクリックすると、「スタイルと書式」作業ウィンドウの使用可能な書式のリストに新しいスタイルが表示されます。

  5. 新しいスタイルを選択し、スタイル・テンプレートにスタイルを表示するための新しいエントリを作成します。

ドキュメントで段落のスタイルの種類を適用する手順は次のとおりです。

  1. スタイルを適用する段落(またはテキスト)内にカーソルを移動します。

  2. 「スタイルと書式」作業ウィンドウの使用可能な書式のリストからスタイルを選択します。このスタイルが段落に適用されます。

既存のスタイルの種類を変更する手順は次のとおりです。

  1. Microsoft Wordドキュメントの「書式」メニューから「スタイル」を選択します。

  2. 「スタイルと書式」作業ウィンドウで、変更するスタイルを選択し、右クリックします。

  3. メニューから「変更」を選択します。

11.2.2 表のスタイルの定義

表のスタイルの種類を定義する手順は次のとおりです。

  1. Microsoft Wordドキュメントの「書式」メニューから「スタイル」を選択します。

  2. 「スタイルと書式」作業ウィンドウで「新規作成」を選択します。

  3. 「新しいスタイル」ダイアログで、スタイルの名前を入力します。スタイルの種類は「表」を選択します。ダイアログに表示されたオプションを使用してスタイルの書式を設定します。表のその他のオプション(表のプロパティ、枠線、影付けなど)を表示するには、「書式」をクリックします。

  4. 終了後、「OK」をクリックすると、「スタイルと書式」作業ウィンドウの使用可能な書式のリストに新しいスタイルが表示されます。

  5. 新しいスタイルを選択し、スタイル・テンプレートにスタイルを表示するための新しいエントリを作成します。

ドキュメントで表のスタイルの種類を適用する手順は次のとおりです。

  1. スタイルを適用する表内にカーソルを移動します。

  2. 「スタイルと書式」作業ウィンドウの使用可能な書式のリストから表のスタイルを選択します。このスタイルが表に適用されます。

11.2.3 ヘッダーおよびフッターの定義

スタイル・テンプレートでは、ヘッダーとフッターを定義できます。スタイル・テンプレートのヘッダーおよびフッターのコンテンツおよびサイズは、レポート・レイアウトに適用されます。


重要:

レポート・レイアウトでヘッダーおよびフッターが定義されている場合、これらは上書きされます。スタイル・テンプレートのヘッダーおよびフッターが適用されます。


ヘッダーおよびフッターを定義する手順は次のとおりです。

  1. Microsoft Wordドキュメントの「表示」メニューから「ヘッダーとフッター」を選択します。

  2. ヘッダーとフッターのコンテンツを入力します。ここには、ロゴまたはイメージ・ファイル、静的テキスト、現在の日付とタイム・スタンプ、ページ番号、またはMicrosoft Wordでサポートされているその他のコンテンツを含められます。

11.3 カタログへのスタイル・テンプレート・ファイルのアップロード

スタイル・テンプレートは、カタログ内でアクセス可能な任意のフォルダに配置できます。組織によっては、スタイル・テンプレート用の指定のフォルダが用意されている場合があります。

スタイル・テンプレート・ファイルをアップロードするには:

  1. グローバル・ヘッダーで「新規」→「スタイル・テンプレート」をクリックします。無題のスタイル・テンプレートのプロパティ・ページが起動します。

  2. 「テンプレート」リージョンで「アップロード」ツールバー・ボタンをクリックします。

  3. 「テンプレート・ファイルのアップロード」ダイアログ(図11-1に表示)で「参照」ボタンを使用してテンプレート・ファイルを選択します。図11-2に示すように、「タイプ」としてRTFを選択し、適切な「ロケール」を選択します。次に「OK」をクリックします。

    図11-1 「テンプレート・ファイルのアップロード」ダイアログ

    図11-1の説明はこの後にあります。
    「図11-1 「テンプレート・ファイルのアップロード」ダイアログ」の説明

    図11-2 適切なロケールの選択

    図11-2の説明が続きます
    「図11-2 適切なロケールの選択」の説明

    「テンプレート」リージョンに、選択したロケール名(en_USなど)としてスタイル・テンプレート・ファイルが表示されます。

  4. 「保存」をクリックします。

  5. 別名保存」ダイアログで、スタイル・テンプレートを保存するカタログ・フォルダを選択します。「名前」に名前を入力し、「保存」をクリックします。


    注意:

    スタイル・テンプレート定義にアップロードできるRTFファイルは、ロケールごとに1つのみです。このスタイル・テンプレートに別のテンプレート・ファイルをアップロードした場合は、アップロード前の名前に関係なく、ロケールとしての名前が各ファイルに自動的に付けられます。


  6. 複数のローカライズ済ファイルをアップロードする場合は、デフォルトとして使用するファイルを選択します。テンプレート・ファイルのローカライゼーションの詳細は、第11.6項「スタイル・テンプレート定義への翻訳の追加」を参照してください。

11.4 スタイル・テンプレートのレポート・レイアウトへの割当て

レポート・レイアウトにスタイル・テンプレートを割り当てる手順は次のとおりです。

  1. カタログ内のレポートに移動し、「編集」をクリックしてレポート・エディタを起動します。

  2. デフォルトのサムネイル表示から「リストの表示」を選択します。「レイアウト」リージョンで、「選択」アイコンをクリックして、BI Publisherカタログからスタイル・テンプレートを検索し、選択します。

  3. スタイル・テンプレートを使用するレイアウト・テンプレートについては、テンプレートの「スタイル・テンプレートの適用」ボックスを選択します。このボックスは、RTFテンプレートの場合にのみ有効化されます。

図11-3は、レポート・エディタにおけるスタイル・テンプレートの有効化に必要な操作を示しています。

図11-3 レポート・エディタでのスタイル・テンプレートの有効化

図11-3の説明
「図11-3 レポート・エディタでのスタイル・テンプレートの有効化」の説明

11.5 スタイル・テンプレートの更新

保存されているスタイル・テンプレートを更新または変更するには:

  1. カタログ内のファイルに移動します。

  2. 編集」をクリックして、スタイル・テンプレートのプロパティ・ページを開きます。

  3. 既存のファイルを削除します。

  4. 同じロケールを選択して、編集したファイルをアップロードします。

11.6 スタイル・テンプレート定義への翻訳の追加

スタイル・テンプレートは、RTFテンプレート・ファイルと同様に翻訳のサポートを提供しています。

1つのスタイル・テンプレート定義の下に複数の翻訳済RTFファイルをアップロードして、適切なロケールを割り当てられます。これらは、図11-4に示すように「テンプレート」リージョンに表示されます。

図11-4 「テンプレート」リージョン

図11-4の説明が続きます
「図11-4 「テンプレート」リージョン」の説明

または、翻訳可能な文字列のXLIFF (.xlf)ファイルを生成し、文字列を翻訳して、翻訳済ファイルをアップロードします。これらは、図11-5に示すように、「翻訳」リージョンに表示されます。

図11-5 「翻訳」リージョン

図11-5の説明が続きます
「図11-5 「翻訳」リージョン」の説明

実行時には、オンラインで表示されるレポートの場合は、レポート・ロケールに対するユーザー・アカウントのプリファレンス設定に基づいて、またはスケジュールされたレポートの場合は、そのスケジュールされたレポートに対してユーザーが選択したレポート・ロケールに基づいて、適切なスタイル・テンプレートが適用されます。

スタイル・テンプレートのXLIFFファイルは個別に生成してから翻訳し、個別にアップロードできます。また、スタイル・テンプレート・フォルダが含まれるカタログの翻訳を実行する場合は、スタイル・テンプレート・ファイルの文字列が抽出され、さらに大きなカタログ翻訳ファイルに組み込まれます。カタログ翻訳ファイルがBI Publisherにアップロードされると、カタログ・ファイル内の適切な翻訳がスタイル・テンプレート定義の「翻訳」リージョンに表示されます。

翻訳の詳細は、第15章「翻訳サポートの概要と概念」を参照してください。