Oracle RTDでは、J2EE業界標準のJava Management Extensions(JMX)を使用して、Oracle RTDの動作を構成および監視します。この章では、Oracle RTD JMX MBeanを使用したOracle RTDの管理方法について説明します。
WebLogicにデプロイされたOracle RTDシステムは、Enterprise Manager Fusion Middleware ControlのMBeanブラウザを使用して管理されます。
JMX MBeanは、ロギングやインライン・サービス構成など、Oracle RTDの様々な側面を管理します。また、Oracle RTD固有の権限をセキュリティ・ロールおよびユーザーに割り当てるために使用することもできます。セキュリティ・ロールおよびユーザーは、両方ともJ2EEコンテナによって管理されます。
Oracle RTDは、次の3つのサービスで構成されています。
デシジョン・センター・サービス:デシジョン・スタジオによるインライン・サービスのデプロイメントをサポートします。また、インライン・サービスの構造とデシジョン履歴を表示するWebインタフェースとしてデシジョン・センターを提供します。
デシジョン・サービス: インライン・サービスを実行し、エンタープライズ運用プロセスに統合します。
学習サービス: インライン・サービスの基盤となる、分析に基づくセルフラーニング・モデルを保持します。
Oracle RTDのデプロイメントは、多くの場合、トランザクションの多い環境でパフォーマンスを向上させるために複数のサーバーやクラスタに行われます。その場合、これらの各サービスでは、コード、トランザクション・データおよび構成を保持するためにリレーショナル・データベースが使用されます。
注意: この章では主に、Enterprise ManagerでのJMX MBeanを使用したOracle RTDの管理について取り上げます。特定のインライン・サービス関連タスクについては、管理者が独自のアプリケーション・ユーティリティでWebサービス・コールを使用して実行することもできます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Decisionsプラットフォーム開発者ガイド』の管理Webサービスに関する項を参照してください。 |
この章には次のトピックが含まれます:
WebLogic下のOracle RTDはOracle Fusion Middlewareのコンポーネントです。Oracle RTD JMX MBeanには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control内にあるSystem MBeanブラウザを使用してアクセスします。
Oracle RTDのシステムMBeanブラウザにアクセスするには、次の手順を実行する必要があります。
第2.1.1項「Fusion Middleware Controlへのログイン」の説明に従って、Fusion Middleware Controlにログインします。
左側の「ターゲット・ナビゲーション・ペイン」で、「アプリケーション・デプロイメント」を選択し、「内部アプリケーション」を選択した後、Oracle RTDノード(次の図に示すもの)を右クリックするか、Oracle RTDが含まれているクラスタまたはサーバー内のOracle RTDノードを右クリックします。
「システムMBeanブラウザ」を選択します。
Oracle RTD MBeanにアクセスするには、「システムMBeanブラウザ」の左側のペインを下にスクロールして「アプリケーション定義のMBean」を選択し、「Oracle RTD」を選択して、Oracle RTDがデプロイされているサーバーを選択します。
次の例は、Oracle RTDのMBeanのグループ化カテゴリを示しています。
MBeanおよびMBeanブラウザの詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』を参照してください。
Oracle RTD MBeanには、「システムMBeanブラウザ」でOracleRTDフォルダからアクセスできます。これらのMBeanを使用して、Oracle RTDの様々な面を管理できます。各MBeanは、情報および管理目的に使用できる属性と操作で構成されます。この章で説明している属性と操作はOracle RTD固有のものです。
クラスタ・レベルの管理は、サーバーのクラスタ全体に影響を与えるアイテムに使用します。サーバーを1つしか使用していない場合でも、クラスタ・レベルの管理はあります。
この項には次のトピックが含まれます:
第13.3.1項「OracleRTD > SDManagement > SDClusterPropertyManagerについて」
第13.3.3項「OracleRTD > SDClusterPropertyManager > Clusterについて」
第13.3.4項「OracleRTD > SDClusterPropertyManager > Deploymentについて」
SDManagement > SDClusterPropertyManager MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
Cluster |
クラスタの構成。 |
Deployment |
デプロイメントの構成。 |
Misc |
その他のプロパティ。 |
SDManagement > SDClusterPropertyManager MBeanには、次の操作があります。
java.lang.Void restoreDefault()
Oracle RTDをデフォルトのインストール設定に戻します。このコマンドをクラスタで実行すると、値がクラスタのデフォルト値に戻されます。
SDClusterPropertyManager > Misc MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
ArchivedModelCacheTimeToLive |
アーカイブされたモデルがメモリーに保存される最大時間(秒)。アーカイブされたモデルのキャッシュは、Discovery Explorerによって使用されます。 |
ArchivedModelCatalogRefreshInterval |
アーカイブされたモデルのカタログのリフレッシュ時間間隔(秒)。カタログはDiscovery Explorerによって使用されます。 |
AutoFlushTimeout |
データベースの書込みバッファの自動フラッシュを指定する時間間隔(秒)。端数がサポートされます。 |
DBOperationLogThresholdMilliSec |
指定された時間のしきい値を超えるすべてのデータベース操作が記録されます。 |
DCOperationLogThresholdMilliSec |
指定された時間のしきい値を超えるデシジョン・センターのすべてのリクエストが記録されます。 |
DSManagesSessionAffinity |
デシジョン・サービスはセッション・アフィニティを管理します。trueに設定すると、デシジョン・サービスはアクティブなセッション・キーのマップを維持し、必要な場合は、統合点リクエストを、キーのセッションを所有しているクラスタ・ホストに転送します。ホストが1つのインストール、およびセッション・アフィニティがアプリケーション・サーバーまたは外部のロード・バランサによって完全に管理されているインストールでは、無効にする必要があります。 |
DSSessionIdleTimeoutMillisec |
デシジョン・サービス・セッションのアイドル・タイムアウト(ミリ秒)。 |
DSStrictSessionAffinityConcurrency |
厳密なデシジョン・サービス・セッション・ディレクトリの管理で未処理にできるOracle RTDインスタンスごとの同時DBリクエスト数。SQL Serverに対しては、DB中心のデッドロックを避けるためにこの値を低く設定します。0は無制限を意味します。 |
DatabaseComponentCloseTimeoutSeconds |
データベース・プロバイダが個々のコンポーネント(たとえば、各BatchUpdater)を閉じて作業を中止するまでの待機時間。 |
DatabaseShutdownTimeoutSeconds |
データベース・プロバイダがすべてのコンポーネントを停止して作業を中止するまでの待機時間。 |
DecisionServiceAddress |
デシジョン・センターがデシジョン・サービスと同一場所に配置されていない場合、デシジョン・センターがInteractive Integration Mapからの統合点リクエストをテストできるようにするために設定する必要があります。 |
DisableBatchDBOperations |
データベースのバッチ操作を指定するブール・スイッチ。 |
IntegrationPointGuaranteed |
統合点リクエストに対して保証されるミリ秒単位のレスポンス時間(サービス・レベルの保証)。0の場合、統合点リクエストにはタイムアウトが発生しません。これは、デバッグにのみ適しています。 |
ModelDSName |
学習サービスによって使用されるデータソースのJNDI名。 |
ModelSnapshotDSName |
モデルのスナップショットによって使用されるデータソースのJNDI名。 |
ModelSnapshotMinAbsCorrelation |
すべての相関行のスナップショットを実行するか、スナップショットのための最小相関値を設定するかを制御します。デフォルト値0.000001では、相関値が非常に低い行のスナップショットが回避されます。この値を0にすると、すべての相関行のスナップショットが実行されます。 |
ModelSnapshotNumberOfBins |
モデルのスナップショットのビンの数を制御します。数値属性の値は、自動的にビンに入れられるか、または数値範囲に割り当てられます。ビンのデフォルトの数は5です。数値データの解像度を高めるには、ビンの数を増やします。 数値属性の値が同じである場合、Oracle RTDによって異なる時間枠内に異なるビンが作成されます。そのため、時間枠をまたがる形で数値属性の値を結合することはできません。 |
SystemDSName |
データソースのJNDI名。 |
WorkerThreadPoolSize |
通常の統合点リクエストの処理ではなく、一般的なメンテナンス・アクティビティに使用されるスレッド数。メンテナンス・アクティビティには、モデルのメンテナンス、セッション時間の操作、およびタイムアウトしたリクエストの処理が含まれます。 |
SDClusterPropertyManager > Cluster MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
BatchManagerInitialWait |
最初にサーバーが起動したときに、バッチ・マネージャ・サービスが起動されるまで待機する時間(ミリ秒)。 |
BatchManagerRestartWait |
コンピュータに障害が発生した後、またはコンピュータがクラスタから削除された後、バッチ・マネージャ・サービスが再起動されるまで待機する時間(ミリ秒)。 |
ChoiceHistoryCleanupChunkSize |
古い選択履歴レコードを削除する場合に使用するチャンク・サイズ。 |
ChoiceHistoryCleanupThrottle |
0.1から1の数字を指定します。より大きいスロットル値は、より高速な処理に対応します。 |
GenerateDSCookies |
デシジョン・サーバーのHTTP Cookieを生成します。 |
GenerateDSSessionIdCookie |
デシジョン・サービスのセッションID Cookieを生成します。trueに設定すると、デシジョン・サービスは、現在の統合点リクエストを処理するDSセッションを特定する、ORTD_DS_SessionIDという名前のCookieを提供します。 |
LearningDataStorageCleanupChunkSize |
古い学習データ・ストレージ・レコードを削除する場合に使用するチャンク・サイズ。 |
LearningDataStorageCleanupThrottle |
0.1から1の数字を指定します。より大きいスロットル値は、より高速な処理に対応します。 |
LearningServiceInitialWait |
最初にサーバーが起動したときに、学習サービスが起動されるまで待機する時間(ミリ秒)。 |
LearningServiceRestartWait |
コンピュータに障害が発生した後、またはコンピュータがクラスタから削除された後、学習サービスが再起動されるまで待機する時間(ミリ秒)。 |
OperationalDataCleanupPeriod |
データベースの操作データ(選択履歴、統計、学習データ・ストレージ)のクリーンアップの時間間隔(端数の指定も可能)。 |
RequireIntegrationPointAuthorization |
統合点が、含有するインライン・サービスに対する\\"decision_service\:normal\\"アクション権限を付与されたセキュリティ・プリンシパルによってのみコール可能な場合はtrueです。 |
RestrictDSClients |
デシジョン・サービス・リクエストを送信できるホストが、信頼できるIPアドレスの固定リストに限定されている場合はtrueです。 |
StatisticsCleanupChunkSize |
古い統計レコードを削除する場合に使用するチャンク・サイズ。 |
StatisticsCleanupThrottle |
0.1から1の数字を指定します。より大きいスロットル値は、より高速な処理に対応します。 |
TrustedDSClients |
デシジョン・サービス・リクエストを受け入れるホストIPアドレスのリスト。ポートはオプションであり、「:」でIPから区切られます。エントリは、「;」で区切ります。 |
信頼できるデシジョン・サービス・クライアントの追加
どのホストもデシジョン・サービス・リクエストを送信できるようにする場合は、RestrictDSClientsをFalseに設定します(デフォルト値はtrue)。
デシジョン・サービス・リクエストを送信できるホストを限定するには、次のようにします。
RestrictDSClientsをtrueに設定します。
TrustedDSClientsで、デシジョン・サービス・リクエストを送信可能にするクライアント・ホストのホストIPアドレスのリストを入力します。
この変更は、すべての既存のインスタンスに伝播され、即座に有効となります。
SDClusterPropertyManager > Deployment MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
AppPollingInterval |
AppFactoryがSDApps表をポーリングして、新しいアプリケーションの存在を確認する頻度(秒)。 |
SDClusterレベルの属性と操作は、クラスタ・レベルの機能を管理できます。
SDCluster > SDManagement MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
BatchManager |
バッチ・マネージャ・サービスの属性を管理します。 |
DeploymentStates |
デプロイメント状態の設定と並替えを可能にします。 |
InlineServiceManager: |
デプロイされたインライン・サービスを管理します。 |
LearningService |
学習サービスの属性を管理します。 |
Members |
クラスタのメンバー。各メンバーはこの属性によって表示されます。メンバーは、ローカル・サーバー・プロパティの管理に使用されます。 |
Properties |
クラスタのプロパティの構成。 |
セキュリティ |
セキュリティ・マネージャ。 |
この項には、メンバー・レベルで行う管理に関する情報が記載されています。
この項には次のトピックが含まれます:
第13.4.2項「OracleRTD > SDPropertyManager > Performance Monitoringについて」
第13.4.8項「OracleRTD > Server > BatchManager > Proxy > BatchManagerProxyについて」
SDManagement > SDPropertyManager MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
PerformanceMonitoring |
パフォーマンス・カウンタのプロパティ。 |
Misc |
その他のプロパティ。 |
SDPropertyManager > Performance Monitoring MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
DSPerfCounterAppend |
trueの場合、パフォーマンス・データが既存のファイル(存在する場合)に付加されます。そうでない場合、サーバーの再起動時に既存のファイルが上書きされます。 |
DSPerfCounterEnabled |
DSパフォーマンス・カウンタの書込みを有効にします。ただし、ファイルのサイズが大きくなりすぎるため、有効化したままにはしないでください。 |
DSPerfCounterLogFile |
DSパフォーマンス・カウントが定期的に付加されるタブ区切りCSVファイル。MS Excelが利用可能な場合、インストールの |
DSPerfCounterLogInterval |
DSパフォーマンス・カウントの更新間隔(ミリ秒)。 |
パフォーマンス監視の使用方法の詳細は、第11章「パフォーマンスの監視」を参照してください。
SDPropertyManager > Misc MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
BatchAgentEnabled |
このインスタンスでバッチ・エージェントを実行するかどうかを指定します。 |
BatchManagerEnabled |
このインスタンスでバッチ・マネージャを実行するかどうかを指定します。 |
DecisionCenterEnabled |
このインスタンスでデシジョン・センターを実行するかどうかを指定します。 |
DecisionServiceEnabled |
このインスタンスでデシジョン・サービスを実行するかどうかを指定します。 |
LearningServiceEnabled |
このインスタンスで学習サービスを実行するかどうかを指定します。 |
WorkerThreadPoolSize |
通常の統合点リクエストの処理ではなく、一般的なメンテナンス・アクティビティに使用されるスレッド数。メンテナンス・アクティビティには、モデルのメンテナンス、セッション時間の操作、およびタイムアウトしたリクエストの処理が含まれます。 |
Server > DecisionService MBeanには、次の読取り専用の属性があります。
属性 | 説明 |
---|---|
CurrentReceivedRequestsForwarded |
他のサーバーからこのサーバーに転送されたリクエストのうち、このサーバーでまだ完全に処理されていないリクエスト数。 |
CurrentRequestsForwarded |
このサーバーから他のサーバーに転送されたリクエストのうち、転送先サーバーによってリクエストが処理されたことを示す確認をまだ受信していないリクエスト数。 |
CurrentRequestsRunning |
インライン・サービスによって現在処理されている統合点リクエスト数。 |
CurrentSessions |
まだオープンしているデシジョン・サービス・セッションの数。 |
PeakReceivedRequestsForwarded |
受信した、転送されたリクエストの最大数。 |
PeakRequestsForwarded |
転送されたリクエストの最大数。 |
RequestsForwarded |
クラスタ内の別のサーバーに転送されたリクエストの合計数。 |
TimedOutRequests |
タイムアウトになったリクエストの合計数。 |
TotalReceivedRequestsForwarded |
受信した、転送されたリクエストの合計数。 |
TotalRequests |
サーバーの起動後に出現したリクエストの合計数。 |
TotalRequestsForwarded |
転送されたリクエストの合計数。 |
TotalSessions |
作成されたデシジョン・サービス・セッションの合計数。 |
Server > SDManagement MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
Properties |
プロパティの構成。 |
Server > BatchAgent MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
ActiveBatches |
このバッチ・エージェントで現在実行中、一時停止中または実行待機中のすべてのバッチ・ジョブのリスト。このリストは空にできます。 |
BatchNames |
このバッチ・エージェントに登録されているバッチのリスト。 |
Server > BatchManager MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
ActiveBatches |
現在実行中、一時停止中または実行待機中のすべてのバッチ・ジョブの簡単なステータス情報のリスト。このリストは空にできます。 |
BatchNames |
バッチ・フレームワークに登録されているバッチのリスト。 |
Server > BatchManager > Proxy > BatchManagerProxy MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
BatchManagerLocation |
バッチ・マネージャが実行されている場所。 |
Inline Service Managerを使用して、クラスタにデプロイされているインライン・サービスを管理します。
この項には次のトピックが含まれます:
第13.5.1項「OracleRTD > SDManagement > InlineServiceManagerについて」
第13.5.2項「OracleRTD > InlineServiceManager > [Inline Service.Deployment State]について」
デプロイされた各インライン・サービスは、InlineServiceManager MBeanの下に表示されます。
SDManagement > InlineServiceManager MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
InlineServices |
デプロイされたインライン・サービスのリスト。 |
SDManagement > InlineServiceManager MBeanには、次の操作があります。
refreshMBeans()
データベースにもう登録されていないアプリケーション用のMBeanを削除し、新しいアプリケーション用のMBeanを作成します。
removeAllServices()
すべてのインライン・サービス(loaded、loadable、failed)を削除します。
InlineServiceManager MBeanを表示するには、インライン・サービス名とデプロイメント状態を選択します(例: DC_Demo.Development)。
特定のインライン・サービスのInlineServiceManager MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
DeploymentState |
Development、QAまたはProduction。 |
LockStatus |
インライン・サービスのロック状態。 |
ServiceId |
インライン・サービスのサービスID。 |
Status |
Failed、InactiveまたはLoadable。 |
特定のインライン・サービスのInlineServiceManager MBeanには、次の操作があります。
unlockService()
このサービスのロックを解除します。
removeService()
このサーバーのインライン・サービスを停止し、データベースからサービスを削除します。
flushStatistics()
このサービスのすべての統計をデータベースにフラッシュします。
makeLoadable()
このサーバーでテスト・ロードを実行し、成功したら、サービスをロード可能にします。
deleteStatistics()
データベースでこのサービスのすべての統計をフラッシュおよび削除します。
deleteChoiceHistory()
データベースからこのサービスのすべての選択履歴を削除します。
deleteAllOperationalData()
データベースからこのサービスのすべての操作データを削除します。これには、選択履歴、統計およびスタディが含まれます。
注意: 予測モデル・データは、ユーザーがdeleteAllOperationalData()操作を実行した後、しばらくの間メモリーに残留します。 |
deleteStudy()
このサービスのスタディを削除します。
次の条件が両方とも成立した場合に、個々のインライン・サービス下のノードにメンテナンス操作が表示されます。
インライン・サービスには、1つ以上のメンテナンス操作があります。
インライン・サービスで、StatusフラグがLoadableに設定されている
各メンテナンス操作は、「メンテナンス操作」下のBroadcastAsyncOperationsノードとDirectBlockingOperationsノードの両方に表示されます。
「DirectBlockingOperations」ノードに一覧表示されている操作は、ローカル・サーバーでのみ起動され、操作が完了した場合にのみ戻ります。返される値はポップアップ・ダイアログに表示されます。操作で返された型がvoidの場合には、「null」が表示されます。なんらかの理由により操作が失敗した場合、短いエラー・メッセージがポップアップ・ダイアログに表示されます。また、詳細なレポートをそのサーバーのログで確認できます。
「BroadcastAsyncOperations」ノードに一覧表示されている操作は、1つのクラスタのすべてのノードにわたって起動されます。この操作は即座に戻り、ブロードキャストを受信したクラスタ・メンバーの数が返されます。クラスタにノードが1つのみある場合、この操作は1を返し、起動はそのまま非同期です。
メンテナンス操作には、ランタイムに関する次の考慮事項が適用されます。
Oracle RTDでは、すべてのクラスタ・メンバーにメンテナンス操作の起動が通知されることを保証していませんが、通常は通知されます。
たとえば、メンテナンス操作が起動されたときにクラスタのメンバーの1つが停止している場合、復旧したときにそのクラスタ・メンバーがメンテナンス操作を実行することを指示する通知はありません。
メンテナンス操作の順序は保証されません。たとえば、AとBの2つのメンテナンス操作が順に起動された場合、インライン・サービスはAを実行する前にBを実行しますが、AとBを同時に実行することもありえます。
OracleRTD > DeploymentStates MBeanを表示すると、クラスタで利用可能なデプロイメント状態のリストを表示できます。
この項には次のトピックが含まれます:
SDManagement > DeploymentStates MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
StateObjectNames |
サーバーで利用可能なすべてのデプロイメント状態のリスト。 |
特定のデプロイメント状態のMBeanを表示するには、OracleRTD > Deployment Statesを選択して、デプロイメント状態(Development、QA、Productionなど)を選択します。
Deployment States > [State] MBeanには、それぞれ次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
AllowHotSwapping |
デシジョン・サービスのこのデプロイメント状態でのインライン・サービスのホット・スワップを許可します。 |
Id |
デプロイメント状態のID。 |
Name |
デプロイメント状態の名前。 |
注意: このデプロイメント状態にホット・スワップを許可し、その状態でインライン・サービスを再デプロイすると、既存のセッションがクローズするかタイムアウトになるまで、既存のインライン・サービスはアクティブのままになります。新しくデプロイされたインライン・サービスには、新しいセッションが作成されます。 |
クラスタの学習サービスを管理することにより、学習モデルのステータスを確認し、そのモデルのメンテナンスを実行できます。
この項には次のトピックが含まれます:
Server > LearningService MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
Studies |
Learning Serverで実行されているすべてのスタディのリスト。スタディをクリックすると、そのスタディのモデルが表示されます。 |
Server > LearningService > Proxy > LearningServiceProxy MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
LearningServiceLocation |
学習サービスが実行されている場所。 |
Learning Server > [Study] MBeanには、それぞれ次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
Models |
このスタディに属しているモデル。 |
Name |
スタディの名前。 |
Learning Server > [Study] MBeanには、次の操作があります:
CompleteSnapshot()
データベースにこのスタディのスナップショットを保存します(完全)。
Delete()
スタディ・データを削除します。
DeleteSnapshot()
データベースからこのスタディのスナップショットを削除します。
IncrementalSnapshot()
データベースにこのスタディのスナップショットを保存します(デルタ)。
「Study」→[Model.Study] MBeanには、次の属性があります:
属性 | 説明 |
---|---|
Attributes |
モデルの属性の名前。ここにリストされた名前は、インライン・サービスのセッションの属性名と一致します。 |
Name |
モデルの名前。 |
TimeWindows |
この特定のモデルによって学習された時間範囲のリスト。 |
Study > [Study Name] > [Model] MBeanには、次の操作があります:
Delete()
モデル・データを削除します。
DeleteAttributeValue()
属性の値について収集されたモデルのデータを消去します。この操作で受け入れられるパラメータは次のとおりです。
AttributeName: 属性の名前。
Value: 削除する値。
DeleteAttributeValueRange()
属性の値の範囲について収集されたモデルのデータを消去します。この操作で受け入れられるパラメータは次のとおりです。
AttributeName: 属性の名前。
HighestValue 削除する最も高い値。
LowestValue: 削除する最も低い値。
StartNewTimeWindow()
現在の時間枠を閉じて、新しい時間枠を開始します。この操作は、将来のモデル学習に悪影響を与える可能性があるため、本番環境では使用しないでください。
インライン・サービスのデプロイメントでは、メタデータとコンテンツの2つのタイプのデータがSDDBデータベースに書き込まれます。
インライン・サービスのメタデータでは、インライン・サービスの基礎となる要素と構造(事実上、インライン・サービスのフレームワーク)が記述されます。
インライン・サービスのコンテンツは、実行時に変更されるデータであり、次の一般データ・タイプで構成されます。
(A)スタディ(1つ以上のモデルの集合)
注意: 各インライン・サービスの学習は、スタディ名に関連付けられています。インライン・サービスを再デプロイして学習を再開するには、新しいスタディ名を付けてデプロイします。「Development」、「QA」および「Production」で別々のスタディ名を使用できます。 |
(B)統計
(C)選択肢履歴
(D)学習データ
次の表に、インライン・サービスを削除する場合またはインライン・サービスのコンテンツ・データの一部またはすべてを削除する場合に使用するJMX MBeanおよび操作を示します。
「操作」列に示す操作は、対応するMBean関連のトピックに対して選択する操作です。各トピックについては、この章で別に説明しています。コンテンツ・データに関連するアクションでは、前述の箇条書きリストにあるコンテンツ・タイプを指す文字を示しています。
アクション | 操作 | トピック |
---|---|---|
インライン・サービスの削除 インライン・サービスのすべてのメタデータを削除します。コンテンツは何も削除しません。 |
removeService() |
OracleRTD > InlineServiceManager > [Inline Service.Deployment State]について |
インライン・サービスの統計(B)の削除 |
deleteStatistics() |
OracleRTD > InlineServiceManager > [Inline Service.Deployment State]について |
インライン・サービスの選択肢履歴(C)の削除 |
deleteChoiceHistory() |
OracleRTD > InlineServiceManager > [Inline Service.Deployment State]について |
インライン・サービスのすべての操作データ(A)+(B)+(C)+(D)の削除 インライン・サービスのすべてのコンテンツ・データを削除します。メタデータは何も削除しません。 |
deleteAllOperationalData() |
OracleRTD > InlineServiceManager > [Inline Service.Deployment State]について |
インライン・サービスのスタディ(A)の削除 |
deleteStudy() |
OracleRTD > InlineServiceManager > [Inline Service.Deployment State]について |
(代替) |
Delete() |
OracleRTD > Learning Server > [Study]について |
インライン・サービスのスタディからのモデルの削除 スタディ(A)から単一モデルを削除します。 |
Delete() |
OracleRTD > Study > [Model.Study]について |
注意: どの削除アクションについても、削除の実行前にSDDBデータベースをバックアップすることを強くお薦めします。 |
次のシステム・プロパティの表示および設定を行うことができます。
システム・プロパティ | 説明 |
---|---|
ModelDSName |
学習サービスによって使用されるデータソースのJNDI名。デフォルトはSDDSです。 |
ModelSnapshotDSName |
学習サービスが学習モデルのスナップショットを実行するために使用するデータソースのJNDI名。デフォルトはSDDSです。 |
RestrictClusterMembers |
クラスタに参加できるホストが、信頼できるIPアドレスの固定リストに限定されている場合はtrueです。 |
RestrictDSClients |
デシジョン・サービス・リクエストを送信できるホストが、信頼できるIPアドレスの固定リストに限定されている場合はtrueです。 |
SDGroupName |
これは、Oracle RTDのクラスタ管理で認識されるOracle RTDクラスタの名前です。 |
SystemDSName |
これは、Oracle RTDシステム・データソースの名前です。デフォルトはSDDSです。 |
TrustedClusterMembers |
クラスタに参加できるIPアドレスのリスト。ポートはオプションであり、「:」でIPから区切られます。エントリは、「;」で区切ります。 |
TrustedDSClients |
デシジョン・サービス・リクエストを受け入れるホストIPアドレスのリスト。ポートはオプションであり、「:」でIPから区切られます。エントリは、「;」で区切ります。 |