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Oracle® Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1.7.0)
B55904-06
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1 Repository Creation Utilityの概要

Oracle Fusion Middlewareコンポーネントの多くは、データベース内にスキーマがないとインストールできません。このようなスキーマを作成してデータベースにロードするには、Repository Creation Utility(RCU)を使用します。

この章は、次の項で構成されています。

1.1 RCUのシステム要件およびデータベース要件

この項には、RCUのためのサポートされているプラットフォーム、動作確認されているデータベースおよびデータベース構成情報に関する重要な情報へのリンクが記載されています。RCUを入手して実行する前に、この情報をよく読んでください。

1.1.1 サポートされているプラットフォーム

RCUを実行できるプラットフォームを確認するには、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様に関するドキュメントのRCUのサポート対象プラットフォームに関する説明を参照してください。

1.1.2 動作保証されているデータベースの検索

RCUで使用可能な動作保証されているデータベースのリストについては、Oracle Fusion Middlewareでサポートされているシステム構成のページにある、Oracle Fusion Middleware 11gR1のシステム要件とサポート対象プラットフォームに関するドキュメントを参照してください。

Oracleデータベースについては現在のシステムの動作保証タブ、サードパーティのデータベースについてはOracle以外のデータベースの動作保証タブを参照してください。

1.1.3 データベースの構成

RCUを使用する前に、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様についてのドキュメントのRepository Creation Utility(RCU)の要件に関する説明を確認してください。

この項には、全般的およびコンポーネント固有のデータベース要件に関する重要な情報が記載されています。これらの要件は、RCUを実行する前に満たしておく必要があります。

すべてのスキーマがすべてのデータベースでサポートされているわけではないことに注意してください。この項に記載されている情報に慎重に目を通し、ご使用のFusion Middlewareコンポーネントに必要なスキーマをサポートする、動作保証されたデータベースを構成してください。

1.1.4 IBM DB2データベースの重要情報

領域および構成に関する通常のデータベース要件に加え、IBM DB2データベースには、次の特殊な要件があります。

  • Linuxオペレーティング・システム上で動作するIBM DB2データベースには、スキーマ名の長さに制限があります。

  • IBM DB2データベースに作成されるスキーマごとに、データベース・オペレーティング・システム・ユーザーを1人作成する必要があります。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様についてのドキュメントの、IBM DB2データベースのRCU前提条件に関する説明を参照してください。

1.1.5 Oracleデータベースでのロールおよびシステム権限の付与

Oracleデータベースでスキーマを作成するには、昇格した権限が付与される必要がある場合があります。スキーマは、データベースにおける特定の権限を付与する特定のロールにより作成されます。

これらのロールと権限および特定のロールの取消しによる影響の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerシステム管理者ガイドのOracle Identity Managerデータベースのデータベース・ロール/権限の使用に関する項を参照してください。

1.2 RCUの機能

Repository Creation Utilityは、Oracle Fusion Middlewareデータベースのスキーマを作成して管理するためのグラフィカルおよびCLIベースのツールです。

RCUの主な特徴は、次のとおりです。

1.2.1 カスタム・スキーマおよび表領域の作成

RCUでは、カスタム・スキーマおよび表領域を柔軟に作成できます。ユーザーは、スキーマの名前を変更するか、またはコンポーネントが1つまたは複数の表領域を共有できるように表領域の割当てを変更するかを選択できます。また、その他の表領域に補助スキーマをマップすることもできます。

1.2.1.1 複数のデータベースへのスキーマの作成

スキーマは、すべてを単一のデータベース内に作成することも、複数のデータベースに分散して作成することもできます。

1.2.1.2 カスタム接頭辞の使用

RCUでは、カスタムの接頭辞を使用することで、各コンポーネントに対して複数のスキーマを作成できます。このようにして、スキーマを使用して関連スキーマをグループ化します。これは、複数のドメインを持つ環境でのスキーマの作成で必要となります(第1.2.2項「マルチドメイン環境でのスキーマの作成」を参照してください)。

追加された接頭辞は、次に示すように、アンダースコア(_)によりスキーマ名と区別されます。

prefix_schemaname

RCUで使用されるデフォルトの接頭辞はDEVです。DEVがすでに使用されている場合のデフォルトはDEV1、DEV1が使用されている場合はDEV2になります。以降についても同様です。接頭辞は、スキーマの論理グループを作成および編成するために使用されます。たとえば、TEST_MDSというテスト・バージョンのメタデータ・サービス(スキーマ名MDS)を作成しておき、本番バージョンの準備が整ったときに、PROD_MDSという2番目のバージョンのスキーマを作成することができます。TEST_MDSPROD_MDSは両方とも、同じデータベースに配置することも、別々のデータベースに配置することも可能です。


注意:

Oracle Internet Directory(ODS)コンポーネントは、カスタム接頭辞を先頭に付けることができません。このコンポーネントのリポジトリは、データベース1つにつき1つのみです。


1つのデータベース内で使用できる接頭辞は、スキーマごとに1つのみです。たとえば、DEV_MDSというバージョンのメタデータ・サービス・スキーマが存在する場合は、別のバージョンのメタデータ・サービス・スキーマを作成するためにDEV接頭辞を再度使用すること(DEV_MDS2など)はできません。

同一の接頭辞を使用して別のバージョンのスキーマを作成する場合は、まず既存のスキーマを削除してから、再度スキーマを作成する必要があります。

接頭辞とスキーマとのマッピングは、schema_version_registry管理されます。

1.2.1.3 IBM DB2データベースでのカスタム接頭辞の使用

IBM DB2データベースのカスタム接頭辞に関する重要情報については、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様についてのドキュメントの、スキーマ接頭辞のサイズ制限に関する説明を参照してください。

1.2.1.4 スキーマの作成時に実行される処理

RCUを使用してスキーマが作成される際には、次の事柄が順に実行されます。

  1. スキーマの作成に先立ち、RCUは、グローバルおよびコンポーネント・レベルの前提条件をチェックし、特定の最低要件が満たされていることを確認します。

  2. スキーマが作成され、必要な表領域およびデータ・ファイルが作成されます。

  3. schema_version_registry表が更新され、スキーマ・タイプが実際のスキーマ名にマップされます。たとえば、TEST_MDSはMDSスキーマ・タイプにマップされます。

  4. 様々なコンポーネント所有者の提供するスクリプトが起動され、これらのスクリプトにより次の処理が実行されます。

    1. ユーザーを作成し、必要なロールを付与します。

    2. ALTER SESSION SET CURRENT SCHEMAを実行して、スキーマをユーザー・コンテキストに切り替えます。

    3. スキーマ・オブジェクトを作成します。

1.2.2 マルチドメイン環境でのスキーマの作成

スキーマはカスタム接頭辞を使用してグループ化されます(第1.2.1.2項「カスタム接頭辞の使用」を参照してください)。スキーマの各セットを使用できるのは単一のドメインのみです。マルチドメイン環境では、ドメインごとに異なるスキーマ・セットを作成する必要があります。

図1-1には、データベースが1つある2つのWebLogicドメインが示されています。WebLogicドメイン1に構成されているサーバーはOracle SOA Suite用で、データベース内の対応するスキーマにはDEV1という接頭辞が付いています。WebLogicドメイン2に構成されているサーバーはOracle WebCenter Spaces用で、データベース内の対応するスキーマにはDEV2という接頭辞が付いています。

図1-1 マルチドメイン環境の単一データベースでのスキーマの作成

図1-1の説明が続きます
「図1-1 マルチドメイン環境の単一データベースでのスキーマの作成」の説明

図1-2に示すように、マルチドメイン環境で個別のデータベースにスキーマを作成することもできます。

図1-2 マルチドメイン環境の複数のデータベースでのスキーマの作成

図1-2の説明が続きます
「図1-2 マルチドメイン環境の複数のデータベースでのスキーマの作成」の説明

この場合、両方のスキーマ・セットでDEV1の接頭辞を使用していますが、別個のマシンに存在するため、競合は起きません。

1.2.3 様々な方法によるRCUの起動

RCUは、(CDやダウンロード場所から)ローカルに実行することも、リモートで実行することもできます。どちらの場合も、グラフィカル・インタフェースとコマンドライン(CLI)の両オプションを使用できます。

1.2.3.1 ローカルでのRCUの起動

アプリケーション管理者がサーバーへのコンポーネントのインストールを許可されていない場合は、CDからRCUを直接起動できます。CDには抽出されたOracle Clientソフトウェアが含まれており、RCUはCDのSQLPLUSやその他のスクリプトおよびライブラリを使用して、その操作を実行します。

RCUをCDから起動した場合、ログ・ファイルはユーザーのTEMPディレクトリに書き込まれます。

管理者がコンポーネントのインストールを許可されている場合は、RCUをダウンロードし、アーカイブ・ファイルをローカル・ディレクトリに解凍できます。

1.2.3.2 リモートからのRCUの起動

アプリケーション管理者がデータベースにローカルにアクセスできない場合は、RCUをリモート・データベースに対して起動できます。この操作をサポートするために、RCUにはSQLNETクライアントが同梱されています。

1.2.3.3 サイレント・モードでのRCUの起動(CLIを使用)

Xサーバーを利用できない場合や、表示機能を持たないtelnet端末を使用している場合は、RCUのコマンドライン・インタフェースを使用できます。このコマンドライン・インタフェースを使用すると、コマンドライン・スクリプトや一部のOracle Fusion Middlewareコンポーネント(Enterprise Managerなど)を使用して、RCUを埋め込むこともできます。

CLIの使用方法の詳細は、第4章「コマンドラインからのRepository Creation Utilityの実行」を参照してください。

1.2.4 グローバルおよびコンポーネント・レベルの前提条件の確認

実行時に、RCUは、グローバルおよびコンポーネント・レベルの前提条件を両方とも確認します。前提条件が満たされていない場合、RCUは、警告を表示して、処理をそのまま続行させるか(ソフト・ストップ)、処理を続行するためには前提条件を満たす必要があることをユーザーに通知します(ハード・ストップ)。

コンポーネント・レベルの前提条件の詳細は、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様についてのドキュメントのRepository Creation Utility(RCU)の要件に関する説明を参照してください。

1.2.5 宣言型XMLによるコンポーネントの統合

RCUは、XML DTDによる拡張性を備えています。このようなDTDを使用することによって、コンポーネント所有者は、定義されているDTDに応じた構成ファイルを提供することで、そのコンポーネントと前提条件をRCUに統合できます。

詳細は、第3章「カスタム・アプリケーション・リポジトリを構成するためのRepository Creation Utilityの拡張」を参照してください。

1.3 RCUでのJava Access Bridgeの使用(Windowsのみ)

Java Access Bridgeを使用すると、JAWSスクリーン・リーダーなどのアシスティブ・テクノロジを使用して、Windowsプラットフォームで実行されているJavaアプリケーションを読み取ることができます。アシスティブ・テクノロジでは、Oracle Universal InstallerやOracle Enterprise ManagerなどのJavaベースのインタフェースを読み取ることができます。

1.3.1 Java Access Bridgeのインストール

Java Access Bridgeをインストールするには:

  1. 次のURLからJava Access Bridgeをダウンロードします。

    http://java.sun.com/javase/technologies/accessibility/accessbridge/
    
  2. Java Access Bridgeをインストールします。

  3. インストール場所からjre\lib\extディレクトリへ、access-bridge.jarjaccess-1_4.jarをコピーします。

  4. インストール場所からjre\binディレクトリへ、WindowsAccessBridge.dllファイル、JavaAccessBridge.dllファイルおよびJAWTAccessBridge.dllファイルをコピーします。

  5. jre\libディレクトリへaccessibility.propertiesファイルをコピーします。

1.3.2 Java Access Bridgeを使用するためのRCUの構成

インストールの完了後、Java Access Bridgeを使用するようにRCUを構成するには、インストールしたJava Access Bridgeファイルを指すようにシステム変数ORACLE_OEM_CLASSPATHを設定します。

  1. コントロール パネルから「システムのプロパティ」を表示します。

  2. 「詳細設定」タブを選択します。

  3. システム環境変数リストで「新規」ボタンをクリックします。「新しいシステム変数」ダイアログが表示されます。

  4. 「変数名」フィールドに、ORACLE_OEM_CLASSPATHと入力します。

  5. 「変数値」フィールドに、access-bridge.jarおよびjaccess-1_4.jarへのフルパスを入力します。

    セミコロンを使用して2つのパスを区切ります。引用符や空白は使用しないでください。

  6. 「OK」をクリックします。