Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Managementモデリングおよび実装ガイド 11g リリース1 (11.1.1.7) B61409-07 |
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この章では、プロジェクト内でプロセスのアクティビティを監視するためにBPMプロセス分析を使用および構成する方法について説明します。プロセス分析を使用すると、プロジェクト内のプロセスのパフォーマンスおよびワークロードのメトリックを取得できます。このメトリックを使用して、プロセスに関する意思決定を行うことができます。
この章の内容は次のとおりです。
ビジネス・プロセス分析では、デプロイ済プロセスのパフォーマンスを監視できます。プロジェクト内で主要パフォーマンス・インジケータが測定され、データベースに格納されます。プロセス・アナリストは、情報を格納するために選択したデータベースに応じてプロセス・ワークスペース・ダッシュボードまたはOracle BAMを使用し、プロセス分析データベースに格納されているメトリックを参照できます。
プロセス・アナリストは、標準の事前定義済メトリックおよびプロセス固有のユーザー定義メトリックを監視できます。プロセス開発者は、ビジネス・インジケータを使用してプロセス固有のメトリックを定義できます。ビジネス・インジケータは、BPMNサービス・エンジンによりBPMNプロセスの実行時にプロセス分析データベースに格納される、特殊なタイプのプロジェクト・データ・オブジェクトです。
プロセス開発者は、プロセスの開発時に監視対象の主要パフォーマンス・インジケータを定義します。アプリケーションの公開後、ビジネス・アナリストは、プロセス・ワークスペースに備わっているデフォルトのダッシュボードを使用するか、カスタムのダッシュボードを作成して、BPMNサービス・エンジンによってBPMNプロセスの実行中に収集されたメトリックを参照できます。
プロセス分析では、次のメトリックが追跡されます。
「プロセス・パフォーマンス」および「アクティビティ・パフォーマンス」メトリック
「ワークロード」メトリック
Human Resource・メトリック
プロセス内の主要パフォーマンス・インジケータは、ビジネス・インジケータを使用して格納できます。デフォルトでは、BPMNサービス・エンジンにより、すべてのBPMNプロセスに共通の事前定義済のメジャーおよびディメンションの値が格納されます。
サポートされている事前定義済のメジャーは、次のとおりです。
アクティビティ、プロセスおよび参加者によるアクティブなインスタンスの数
アクティビティ完了の平均時間
プロセス完了の平均時間
サポートされている事前定義済のディメンションは、次のとおりです。
プロセス
アクティビティ
参加者
また、ニーズに合ったカスタム・メジャーを定義することもできます。カスタム・メジャーを定義するには、ビジネス・インジケータを使用します。様々なタイプのビジネス・インジケータを使用すると、特定の値の測定、カテゴリの追跡、およびインスタンスが1つ以上のアクティビティを完了した回数のカウントを行うことができます。
Oracle BPMには、プロセス分析データの格納に使用できる事前定義済キューブ・セットが備わっています。キューブとは、リアルタイムでのデータ分析や複数の側面からのデータ表示ができるようにデータベースを編成する際に使用される構造です。
また、これらのデータをOracle BAMに格納するか、両方のシステムを同時に使用することを選択できます。
プロセス分析では、プロセスの完了までにかかる時間と、そのプロセス内の各フロー・オブジェクトが完了するまでにかかる平均時間を追跡します。
プロセス・パフォーマンス・メトリックは、インスタンスがそのプロセスの開始イベントから終了イベントまでの実行にかかる時間を追跡します。
アクティビティ・パフォーマンス・メトリックは、プロセス・インスタンスがフロー・オブジェクトに到達してから、プロセス内の次のフロー・オブジェクトに移動するまでの経過時間を追跡します。
フロー・オブジェクトが同期サービス操作を起動すると、プロセス・インスタンスは、同期サービスからの応答を受信するまでフロー・オブジェクトを終了しないため、アクティビティ・パフォーマンス・メトリックに同期サービス操作の実行にかかる時間が含まれることに注意してください。ただし、起動されたサービス操作が非同期の場合、プロセス・インスタンスは、サービスの起動後、サービスの完了を待たずにプロセスを終了するため、アクティビティ・パフォーマンス・メトリックには、サービス操作の実行にかかる時間は含まれません。
プロセス分析は、特定の時間に各アクティビティを処理中のインスタンスの数を追跡します。特定のプロセス、アクティビティまたはインスタンスのワークロードを表示できます。
Oracle BPMは一定間隔でスナップショットを作成し、インスタンスの数とその時点のビジネス・インジケータの値を格納します。プロセスの現在のワークロードを取得するには、最新のスナップショットから情報を選択する必要があります。
次のリストに、BPMプロジェクト内でプロセス分析を使用する際に実行する一般的なタスクを示します。
BPMプロジェクトおよび1つ以上のBPMNプロセスを作成します。
プロジェクトまたはプロセスのサンプリング・ポイント生成を構成します。
BPMキューブまたはOracle BAM(あるいはその両方)を使用するようにプロジェクトを構成します。
プロジェクト内のプロセスにビジネス・インジケータを追加します。
ビジネス・インジケータに値を割り当てます。
ビジネス・インジケータの値を追跡するプロセスに測定マークまたはカウンタ・マークを追加します。
プロジェクトをデプロイします。
プロセス・ワークスペースまたはBAM Architectを使用して、カスタムのダッシュボードを構成します。
図8-1に、BPMNプロセスのデプロイおよび実行後に、プロセス分析データが通過するサイクルを示します。
BPMNサービス・エンジンは、プロセス内のアクティビティを実行するとき、プロセスに関するデータをBPMキューブおよびOracle BAMデータ・オブジェクトに格納します。このデータは、プロジェクト内で定義されているサンプリング・ポイントからのものです。プロジェクト内のどのプロセスまたはアクティビティでサンプリング・ポイントがこれらのデータベース内に生成されるかを構成できます。
サンプリング・ポイント生成は、次のレベルで構成できます。
プロジェクト
プロセス
アクティビティ
プロジェクトに含まれるプロセス内のすべてのアクティビティに対してサンプリング・ポイントを生成するようにプロジェクトを構成できます。また、このプロジェクト内のプロセスに対してサンプリング・ポイントを生成しないように選択することもできます。BPMNプロセスがプロジェクトのデフォルト設定を使用するように構成されている場合は、この値が使用されます。
デフォルトでは、プロジェクトは対話型アクティビティに対してのみサンプリング・ポイントを生成するように設定されています。
プロジェクトで定義されているサンプリング・ポイント生成の設定とは異なる設定を使用するようにプロセスを構成できます。通常、これはプロジェクトのパフォーマンスを向上させるために行います。たとえば、プロジェクト内に多数のアクティビティからなるプロセスがある場合、このプロセスに対してプロセス・メトリックを取得する必要がなければ、サンプリング・ポイントを生成しないようにプロセスを構成します。あるいは、測定する対象がプロジェクト内の1つのプロセスのみの場合、サンプリング・ポイントを生成しないようにプロジェクトを構成しておいて、その特定のプロセスのみサンプリング・ポイントを生成するように構成します。
デフォルトでは、プロセスはプロジェクトのサンプリング・ポイント構成を使用するように構成されています。
また、プロセス内の1つ以上のアクティビティを、プロセス内で使用されるサンプリング・ポイント設定とは異なる設定を使用するように構成することもできます。たとえば、サンプリング・ポイントのメトリックでは関連情報を取得できないと思われる場合は、サンプリング・ポイントが生成されないようにプロセス内のすべてのゲートウェイ・アクティビティを構成します。
デフォルトでは、アクティビティはプロセスのサンプリング・ポイント構成を使用するように構成されています。プロセスがプロジェクト構成を使用するように構成されている場合、アクティビティはプロジェクトで指定された構成を使用します。
サンプリング・ポイント生成はプロジェクト・レベルで構成できます。
プロジェクトのサンプリング・ポイント生成を構成するには:
BPMプロジェクト・ナビゲータで、構成するプロジェクトを右クリックします。
「プロジェクト・プリファレンス」を選択します。
「プロセス分析サマリー」タブのプロジェクトのサンプル・ポイント・セクションで、オプションを選択します。使用可能なオプションは次のとおりです。
オプション | 説明 |
---|---|
対話型アクティビティに対してのみ生成 |
プロジェクトに含まれるプロセス内のユーザー・タスクに対してのみサンプリング・ポイントを生成します。 |
すべてのアクティビティに対して生成 |
プロジェクトに含まれるプロセス内のすべてのアクティビティに対してサンプリング・ポイントを生成します。 |
生成しない |
プロジェクトに含まれるプロセス内のいずれのアクティビティに対してもサンプリング・ポイントを生成しません。 |
「OK」をクリックします。
プロジェクト内に作成したプロセスはいずれも、その特定のプロセスに別の構成を使用するようにプロセス・プロパティを編集していないかぎり、そのプロジェクトに定義されているサンプリング・ポイント構成を使用します。
サンプリング・ポイント生成はプロセス・レベルで構成できます。
プロセスのサンプリング・ポイントを構成するには:
BPMプロジェクト・ナビゲータで、構成するプロセスを右クリックします。
「プロパティ」を選択します。
「詳細」タブをクリックします。
「プロセス・サンプリング・ポイント」セクションで、オプションを選択します。使用可能なオプションは次のとおりです。
オプション | 説明 |
---|---|
プロジェクトのデフォルトの継承 |
プロセスは、サンプリング・ポイントを生成するかどうかを決定するためにプロジェクトのサンプリング・ポイント構成を使用します。 |
対話型アクティビティに対してのみ生成 |
プロセス内のユーザー・タスクに対してのみサンプリング・ポイントを生成します。 |
すべてのアクティビティに対して生成 |
プロセス内のすべてのアクティビティに対してサンプリング・ポイントを生成します。 |
生成しない |
プロセス内のいずれのアクティビティに対してもサンプリング・ポイントを生成しません。 |
「OK」をクリックします。
BPMNサービス・エンジンは、プロジェクトのサンプリング・ポイント構成で指定されている内容にかかわらず、プロセス分析情報を格納するかどうかを決定するために定義済のサンプリング・ポイント構成を使用します。プロセス内のアクティビティは、別の構成を使用するように編集していないかぎりは、プロセスのサンプリング・ポイント構成を使用します。
サンプリング・ポイント生成はアクティビティ・レベルで構成できます。
アクティビティ・ガイドのサンプリング・ポイント生成を構成するには:
構成するアクティビティを右クリックします。
「プロパティ」を選択します。
「基本」タブをクリックします。
「サンプリング・ポイント」セクションを展開します。
オプションを選択します。使用可能なオプションは次のとおりです。
オプション | 説明 |
---|---|
プロセスのデフォルトの継承 |
BPMNサービス・エンジンは、このアクティビティに対してサンプリング・ポイントを生成するかどうかを決定するためにプロセスのサンプリング・ポイント構成を使用します。 |
生成 |
このアクティビティに対してサンプリング・ポイントを生成します。 |
生成しない |
このアクティビティに対してサンプリング・ポイントを生成しません。 |
「OK」をクリックします。
ビジネス・インジケータは、プロセスの主要パフォーマンス・インジケータの値を格納するために使用するプロジェクト・データ・オブジェクトです。便宜上、ビジネス・インジケータは「構造」ウィンドウ内にそれぞれのエントリを持ちます。
主要パフォーマンス・インジケータはプロセス内の関連情報を表すもので、プロセスが正しく動作しているかどうかの判断に役立ちます。
一般的なビジネス・インジケータの例は次のとおりです。
受注金額
製品在庫
経過時間
出荷ステータス
ビジネス・インジケータを使用すると、測定対象のインジケータの値をプロセスに格納したり、測定した値のグループ化に使用するカテゴリをプロセスに格納することができます。
ビジネス・インジケータは、格納する情報のタイプに応じて次のように定義できます。
メジャー
ディメンション
カウンタ
注意: カーディナリティが低いインジケータの場合は、ディメンション・ビジネス・インジケータを使用します。たとえば、顧客タイプや注文ステータスなどです。カーディナリティが高いビジネス・インジケータ(インスタンスごとに値が一意である識別キーなど)の場合は、ビジネス・インジケータを使用しないでください。 |
ビジネス・インジケータのタイプによって、使用できるデータ型が決まります。表8-1に、各ビジネス・インジケータ・タイプに使用可能なデータ型を示します。
表8-1 ビジネス・インジケータ・タイプに使用可能なデータ型
ビジネス・インジケータ・タイプ | 使用可能なデータ型 |
---|---|
ディメンション |
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メジャー |
|
カウンタ |
|
属性 |
|
メジャー
メジャーは、測定できる主要パフォーマンス・インジケータの値を格納します。メジャーでは、連続型のデータ型のみが許可されます。メジャーは測定マークとともに使用する必要があります。営業見積プロセスにおいては、取引金額や割引率などがメジャーの例です。
ディメンション
ディメンションは、プロセス内のメジャー・ビジネス・インジケータの値のグループ化に使用できる主要パフォーマンス・インジケータの値を格納します。連続型のデータ値を使用してディメンションを定義する場合、少なくとも1つの範囲を追加する必要があります。データ値が連続型であれば、プロセス分析データベースには範囲値のみが格納されます。営業見積プロセスにおいては、取引範囲や業界タイプなどがディメンションの例です。
カウンタ
カウンタは、インスタンスが特定のアクティビティを完了した回数を追跡します。カウンタはカウンタ・マークとともに使用する必要があります。カウンタ変数の値は常に1で、実際の値は格納されません。インスタンスがアクティビティを完了した回数を示す値は、プロセス分析データベースで直接更新されます。カウンタ・ビジネス・インジケータの値を監視するには、そのカウンタ・ビジネス・インジケータを追跡するように構成されたカウンタ・マークに基づいて、ダッシュボードを作成する必要があります。カウンタの構成方法の詳細は、8.6項「プロセス内のアクティビティへのカウンタの追加」を参照してください。
属性
属性ビジネス・インジケータを使用すると、ディメンションまたはメジャーとして分類されない高いカーディナリティ値を取得できます。ただし、情報をフィルタしたり、他の情報を参照することができます。一般に、ビジネス・インジケータは識別キー(注文IDやサービス・リクエストIDなど)の値を格納するために使用されます。
ビジネス・インジケータを使用すると、プロジェクト内で測定する主要パフォーマンス・インジケータを定義できます。
ビジネス・インジケータをプロジェクトに追加するには:
BPMプロジェクト・ナビゲータで、プロジェクトから、編集するプロジェクト・データ・オブジェクトを含むプロセスを選択します。
「構造」ウィンドウで、「ビジネス・インジケータ」を右クリックして「新規」を選択します。
作成するビジネス・インジケータのタイプを選択します。
使用可能なオプションは、「カウンタ」、「ディメンション」、「メジャー」です。
「作成」ダイアログが表示されます。
ビジネス・インジケータを識別する名前を入力します。
名前の最大長は28文字です。
「タイプ」リストからデータ型を選択します。
連続データ型を選択し、ビジネス・インジケータ・タイプとして「ディメンション」を選択した場合は、少なくとも1つの範囲を追加してください。
オプションで、「自動初期化」を選択して、ビジネス・インジケータをデフォルト値で初期化します。
デフォルト値の詳細は、5.2.2項「デフォルト値」を参照してください。
「OK」をクリックします。
「ビジネス・インジケータの作成」ダイアログが閉じ、作成したビジネス・インジケータが保存されます。
プロジェクトに追加したビジネス・インジケータを使用して、監視するプロセスに関するデータを格納できます。
一部のビジネス・インジケータでは、BPMNサービス・エンジンが値をプロセス分析データベースに格納するように指定する別のアーティファクトをプロセスに追加する必要があります。
ディメンション
BPMNサービス・エンジンは自動的に、プロセスに定義されている事前定義済サンプリング・ポイントおよびカスタム・サンプリング・ポイントでデータをディメンション・ビジネス・インジケータに格納します。
メジャー
事前定義済のメジャーは、サンプリング・ポイントを生成するように構成されているすべてのフロー要素で常に測定されます。
測定マークを追加してポイントを指定したり、BPMNサービス・エンジンがタイプ測定のカスタム・ビジネス・インジケータを測定および格納するプロセス・セクションを追加することができます。測定マークの追加方法の詳細は、8.5項「プロセスへの測定マークの追加」を参照してください。
カウンタ
BPMNサービス・エンジンがカウンタ・ビジネス・ディメンションの値を格納するアクティビティにカウンタ・マークを追加する必要があります。カウンタ・マークの追加方法の詳細は、8.6項「プロセス内のアクティビティへのカウンタの追加」を参照してください。
属性
BPMNサービス・エンジンは自動的に、プロセスに定義されている事前定義済サンプリング・ポイントおよびカスタム・サンプリング・ポイントを使用してデータを属性ビジネス・インジケータに格納します。
測定マークを使用すると、プロセス内の特定の位置、またはプロセスの特定のセクションにおいて、タイプが測定のビジネス・インジケータを測定できます。
1つの測定マークを使用して、複数の測定ビジネス・インジケータを測定できます。
測定マークによって、プロセス分析データベースに次のデータが保存されます。
プロセスのデフォルト測定の値
その測定マークに関連付けられている測定ビジネス・インジケータの値
プロセスに定義されているディメンションの値
BPMNサービス・エンジンでは、測定ビジネス・インジケータの値が保存されるときに、プロセスに定義されたディメンションの値も保存されます。後でプロセスを監視するためにダッシュボードを構築するときに、これらのディメンションを使用して値を様々なカテゴリにグループ化できます。たとえば、営業見積プロセスでは、承認済見積金額の合計を地域ごとに表示できます。
定義できる測定マークのタイプは次のとおりです。
単一測定
間隔の開始
間隔の停止
測定マークは、フロー要素に関連付けらます。タイプが間隔の開始である測定マークは、それに先行するフロー要素の実行前に、ビジネス・インジケータの値を追跡します。カウンタ・マーク、タイプが間隔の停止である測定マーク、および単一測定マークは、それに先行するフロー要素の実行後にビジネス・インジケータの値を追跡します。
単一測定
プロセス内にメジャー・ビジネス・インジケータを定義した場合は、プロセス内のこれらのビジネス・インジケータの測定ポイントに単一測定マークを追加する必要があります。単一測定マークは、BPMNサービス・エンジンがプロセス内のそのポイントで、その測定マークに関連付けられているメジャー・ビジネス・インジケータの値を格納する必要があることを示すものです。またBPMNサービス・エンジンは、デフォルトのプロセス・メジャーの値およびディメンション・ビジネス・インジケータもプロセス内のこのポイントで格納します。
「間隔の開始」と「間隔の停止」
プロセスのセクション内でビジネス・インジケータを測定する場合は、「間隔の開始」測定マークを使用してセクションの開始を指定し、「間隔の停止」測定マークを使用してセクションの終了を指定する必要があります。これらの測定マークを使用すると、デフォルトのビジネス・インジケータや、プロセスのセクション内に定義したビジネス・インジケータを測定できます。一般に、これらの測定マークは、プロセスの中のクリティカルなセクションを監視するために使用します。たとえば、ボトルネックとして特定したプロセス部分の中のインスタンス量を監視する場合などです。
単一測定マークを使用して、プロセス内の特定ポイントでビジネス・インジケータを測定できます。
単一測定マークをプロセスに追加するには:
BPMNプロセスを開きます。
コンポーネント・パレットで、「アーティファクト」セクションを展開し、「測定」を選択します。
ビジネス・インジケータを測定するシーケンス・フロー付近まで測定マークをドラッグします。シーケンス・フローが青色になったら、測定マークをドロップします。
測定マークを右クリックして、「プロパティ」を選択します。
「単一測定」を選択します。
「名前」テキスト・フィールドに、測定マークを識別するための名前を入力します。
「ビジネス・インジケータ」セクションで、「使用可能」リストからビジネス・インジケータを選択し、2つのリストの間にある矢印を使用して「選択済」リストに移動します。
図8-4は「測定マーク・プロパティ」ダイアログを示しています。
注意: 1つの測定マークで複数のビジネス・インジケータを測定できます。 |
注意: ビジネス・インジケータを選択しない場合、Oracle BPM Studioで警告メッセージが表示されます。「測定マーク・プロパティ」ダイアログを開いた状態でビジネス・インジケータを追加するには、「選択済」リストの下にある「新規」ボタンをクリックします。 |
「OK」をクリックします。
BPMNサービス・エンジンは、単一測定マークの実行時に次のビジネス・インジケータの現在の値をプロセス分析データベースに格納します。
測定マークに関連付けられているビジネス・インジケータ
デフォルトの測定
プロセスに定義されているディメンション
測定マークを使用して、特定のビジネス・インジケータを測定するプロセス内のセクションを定義できます。
注意: 1つの間隔の開始の測定マークに対して1つの間隔の停止の測定マークを定義する必要があるだけです。間隔の停止の測定マークを複数定義することはサポートされておらず、予期しない動作が発生する可能性があります。 |
プロセス・セクション内でビジネス・インジケータを測定するには:
BPMNプロセスを開きます。
コンポーネント・パレットで、「アーティファクト」セクションを展開し、「測定」を選択します。
プロセスのセクションを開始するシーケンス・フロー付近まで測定マークをドラッグします。シーケンス・フローが青色になったら、測定マークをドロップします。
測定マークを右クリックして、「プロパティ」を選択します。
「間隔の開始」を選択します。
「名前」テキスト・フィールドに、測定マークを識別するための名前を入力します。
「ビジネス・インジケータ」セクションで、「使用可能」リストからビジネス・インジケータを選択し、2つのリストの間にある矢印を使用して「選択済」リストに移動します。
注意: 1つの測定マークで複数のビジネス・インジケータを測定できます。 |
注意: ビジネス・インジケータを選択しない場合、Oracle BPM Studioで警告メッセージが表示されます。「測定マーク・プロパティ」ダイアログを開いた状態でビジネス・インジケータを追加するには、「選択済」リストの下にある「新規」ボタンをクリックします。 |
「OK」をクリックします。
コンポーネント・パレットで、「アーティファクト」セクションを展開し、「測定」を選択します。
プロセスのセクションを終了するシーケンス・フロー付近まで測定マークをドラッグします。シーケンス・フローが青色になったら、測定マークをドロップします。
測定マークを右クリックして、「プロパティ」を選択します。
「間隔の停止」を選択します。
「測定の開始」リストが「名前」テキスト・フィールドを置き換えます。
「測定の開始」リストから、プロセスのセクションの開始位置を示す測定マークを選択します。
「OK」をクリックします。
カウンタ・マークを使用すると、プロセスに定義されているカウンタ・ビジネス・インジケータの値を更新できます。
1つのカウンタ・マークにより、複数のカウンタ・マーク・ビジネス・インジケータを更新できます。
カウンタ・マークが定義されているアクティビティにトークンが到達すると、BPMサービス・エンジンは、プロセス分析データベース内でそれに関連付けられているカウンタの値を更新します。BPMサービス・エンジンは、カウンタ・ビジネス・インジケータを更新するたびに、1つのユニットを現在の値に追加します。
注意: カウンタ変数の実際の値はプロセス分析データベースに格納されます。カウンタ変数のデフォルト値は変更されないため、プロセスでカウンタ変数を使用して計算を実行しないでください。カウンタ変数の値は常に1です。 |
通常、カウンタ・マークは次の目的で使用します。
監査: インスタンスが完了したアクティビティの数とその他のパフォーマンス測定を組み合せた情報は、プロセスを監査するために重要です。
パフォーマンスの問題の識別: カウンタを使用して、プロセス内のパフォーマンスの問題を特定できます。インスタンスが予期したパスと異なるパスを経由しているか、アクティビティ内のループの実行時間が適正な時間を超えているために、プロセスの実行時間が予期した時間より長くなる場合があります。このような状況を特定するには、実際に完了したアクティビティの数と予期した数を比較します。
インスタンスが経由するプロセス・パスの識別: 異なるカウンタ・ビジネス・インジケータを使用して、対応するパスをマークできます。インスタンスがプロセスの最後に到達したとき、インスタンスが経由したパスは、完了したアクティビティの最大数を示します。
通常は、監視対象のプロセス・パスごとに1つのカウンタ・ビジネス・インジケータを定義します。次に、そのプロセス・パスに含まれるすべてのアクティビティにカウンタ・マークを追加します。最後に、アクティビティが含まれるパスに対応するカウンタ・ビジネス・インジケータを、カウンタ・マークに関連付けます。
カウンタ・マークをアクティビティに追加して、インスタンスがこのアクティビティを実行した回数を追跡できます。
プロセス内のアクティビティにカウンタを追加するには:
カウンタ・タイプのビジネス・インジケータをプロセスに追加します。
ビジネス・インジケータの追加方法の詳細は、8.4項「プロジェクトへのビジネス・インジケータの追加」を参照してください。
BPMNプロセスを開きます。
カウンタを追加するアクティビティを右クリックします。
「使用可能」リストで、データを格納するカウンタ・ビジネス・インジケータを選択します。2つのリストの間にある矢印を使用して、「選択済」リストに移動します。
同じカウンタ・マークに複数のカウンタ・ビジネス・インジケータを追加できます。
「OK」をクリックします。
BPMNサービス・エンジンは、カウンタ・マークを含むアクティビティを実行するたびに、プロセス分析データベース内のそのカウンタ・マークに関連付けられているカウンタ・ビジネス・インジケータの値を1ずつ増やします。
使用しないカウンタ・マークや不要なカウンタ・マークは削除できます。
カウンタ・マークを削除するには:
カウンタ・マークを含むBPMNプロセスを開きます。
カウンタ・マークを含むアクティビティを右クリックします。
「カウンタ・マークの削除」を選択します。
分析ビュー識別子は、プロセスの既存のすべてのバージョンのデータを提供するプロセス分析ビューを識別します。この識別子は、デプロイされたすべてのプロセスで一意である必要があります。複数のプロセスに対して同じ識別子を使用すると、プロセスのデプロイメントが失敗します。
Oracle BPMには、プロセスのアクティビティの監視に使用できる事前定義済キューブ・セットが備わっています。これらの事前定義済プロセス・キューブは、デフォルトで有効になっています。
キューブが有効になっている場合、BPMNサービス・エンジンは、プロジェクト内のプロセスを実行するときにキューブにデータを移入します。これにより、プロセス・ワークスペース・アプリケーションにより提供されたダッシュボードを使用して、これらのキューブに格納されているデータを表示できます。プロセス・ワークスペースでダッシュボードを構築および表示する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Process Managementユーザーズ・ガイド』を参照してください。
プロセス・キューブを使用すると、プロセス・アナリストは様々なパースペクティブからプロセス・メトリックを分析できます。パースペクティブは、プロセスを定義するときに定義します。メジャーは、ディメンションにより分類できる数値ファクトです。たとえば、営業見積サンプル・プロセスにおいては、製品のディメンションと取引金額のメジャーを定義して、製品別の取引金額を分析する必要があります。
BPMプロセス・キューブでは、次のディメンションがサポートされています。
アクティビティ
プロセス
参加者
また、次のメジャーもサポートされています。
特定のプロセスの完了時間
特定のアクティビティの完了時間
参加者によるタスクの数
プロセス・キューブにより、アクティビティに関連するデータはタスク・パフォーマンス(BPM_CUBE_TASKPERFORMANCE
)表および「ワークロード」(BPM_CUBE_WORKLOAD
)表に格納されます。プロセスに関連するデータは「プロセス・パフォーマンス」(BPM_CUBE_PROCESSPERFORMANCE
)表および「ワークロード」(BPM_CUBE_WORKLOAD
)表に格納されます。
「ワークロード」表には、現在アクティブになっているアクティビティ・インスタンスおよびプロセス・インスタンスに関連するデータが含まれます。タスク・パフォーマンス表には完了したアクティビティに関連するデータが、「プロセス・パフォーマンス」表には完了したプロセスに関連するデータが含まれます。
アクティビティまたはタスクが完了すると、タスクおよびプロセスのパフォーマンスのデータが計算されて永続化されます。ワークロードのデータは、cubeUpdateFrequencyプロパティの構成に基づいてタイマーを使用して計算されて永続化されます。cubeUpdateFrequencyの値は、Enterprise Managerを使用して指定できます。
即時利用可能なサンプリング・ポイントに対しては、すべてのディメンションおよびメジャーが格納されます。ユーザー定義のサンプリング・ポイントに対しては、選択したディメンション、メジャーおよびカウンタが格納されます。
BPMプロセス・キューブを使用してプロジェクトのパフォーマンスを監視する場合は、開発時にプロセス・キューブの生成を有効にする必要があります。アプリケーションをデプロイすると、Oracle BPMによりこの構成を使用してBPMプロセス・キューブが有効化されます。
注意: |
プロジェクト内でBPMプロセス・キューブを有効にするには:
BPMプロジェクト・ナビゲータで、プロジェクトを右クリックします。
「プロジェクト・プリファレンス」を選択します。
「カテゴリ」ツリーで「プロセス分析サマリー」を選択します。
「プロセス分析サマリー」セクションで、「データ・ターゲット」タブをクリックします。
キューブ生成を有効にする場合は、「キューブの有効化」を選択します。有効にしない場合は選択しません。
「OK」をクリックします。
BPMNサービス・エンジンは、アクティビティを実行するたび、またはプロセスを完了するたびに、事前定義済のキューブにデータを移入します。また、ユーザーにより定義されたサンプリング・ポイント構成を使用してキューブにデータを移入します。サンプリング・ポイントを生成しないようにプロセスを構成した場合、BPMNサービス・エンジンは事前定義済キューブにこの情報を格納しません。
BAMのデータ・ターゲットを有効にしている場合、プロセスをデプロイすると、BAMデータ・オブジェクトが自動的に作成されます。Monitor Expressダッシュボードを使用するには、自動的に作成されたデータ・オブジェクトをインポートする必要があります。
最初のプロセスをデプロイすると、カスタム・ビジネス識別子とすべての共通データ・オブジェクトがrecommended/Samples/Monitor Expressフォルダに作成されます。後続のデプロイメントでは、すべてのプロセスで共通データ・オブジェクトが使用され、新しいカスタム・ビジネス識別子のみが作成されます。
Oracle BAMを使用すると、Oracle BPMの使用中にOracle BAMの機能を活用できるため、プロジェクト内のプロセスのアクティビティを監視できます。
Oracle BAMで事前定義済のキューブを使用することも、事前定義済のキューブを無効にするように選択することもできます。
Oracle BAMの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』の第X部「Oracle Business Activity Monitoringの使用」を参照してください。
プロジェクト内でOracle BAMを有効化する前に、Oracle BAMを適切に構成する必要があります。Oracle BAMをOracle BPMと連携動作するように構成する方法は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド』の「Oracle BPMNプロセス・サービス・コンポーネントおよびエンジンの構成」を参照してください。
BPMプロジェクトをデプロイすると、Oracle BAMはそのBPMプロジェクトに対してカスタムBAMデータ・オブジェクトと事前定義済BAMデータ・オブジェクトを自動的に作成します。
プロジェクト内でOracle BAMを有効にするには:
BPMプロジェクト・ナビゲータで、プロジェクトを右クリックします。
「プロジェクト・プリファレンス」を選択します。
「カテゴリ」ツリーで「プロセス分析サマリー」を選択します。
「プロセス分析サマリー」セクションで、「データ・ターゲット」タブをクリックします。
「BAMの有効化」を選択します。
JNDI名BAMアダプタ・リストから、BAMアダプタの名前を選択します。
BAMアダプタにはeis/bam/soap
というラベルが付いています。JNDI名は、BAMアダプタが使用する接続プールを指定します。
BAMアダプタによりリクエストをバッチ処理する場合は、「バッチ内」を選択する必要があります。
「データ・オブジェクト・パス」テキスト・フィールドに、インストール済のBAMデータ・オブジェクトのパスを入力します。
デフォルトのパスは、/Samples/Monitor Express
です。
「OK」をクリックします。