この項の内容は次のとおりです。
Site Studioは、エンタープライズ規模のWebサイトを設計、構築および管理する包括的アプローチを提供する高性能で柔軟性の高いWeb開発アプリケーション・スイートです。サイトの作成とコンテンツの管理が一体化され、従来のWebサイト開発ソリューションの枠を超えています。サイトのすべてのアセット(テンプレート、グラフィック、CSSファイルなど)およびすべてのサイト・コンテンツも含めて、Webサイトに関連するすべてがコンテンツ・サーバーに格納され管理されるため、コンテンツ・サーバーのセキュリティ、リビジョン管理、ワークフローおよび検索機能のすべてが自動的に提供されます。
Site Studioによって、生産性が飛躍的に向上し、正確でタイムリな最新のWebコンテンツの維持および企業サイト全体での一貫性のあるブランディングとプレゼンテーションが可能になります。Site Studioでは、サイト・アーキテクチャおよびプレゼンテーションを集中管理する一方で、コンテンツ開発および継続して行われるメンテナンスをビジネス・ユニットまたはその他のチームに配分できます。
Site Studioは3つのアプリケーションで構成され、異なる3通りのSite Studioユーザー(デザイナ、マネージャおよびコントリビュータ)に対応しています。
Site Studio Designerアプリケーションは、ユーザー(サイト・デザイナ)がサイトの作成、設計および配信を行う開発環境を提供します。デザイナは、Webページのルックアンドフィール、イメージ、フォント、色彩およびレイアウトを管理します。通常、デザイナは、Webマスター、Web開発者、サイト管理者、またはこれに類似する立場のユーザーです。一般的には、1人のデザイナが複数のマネージャやコントリビュータと共同で作業します。詳細は、『Oracle WebCenter Content Site Studio Designerユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Site Studio Managerアプリケーションは、使用するテンプレートや表示するコンテンツを含め、Webサイトのナビゲーション構造を管理する1人以上のサイト・マネージャが使用するWebベースのサイト管理コンソールを提供します。マネージャは、たいていは事業部や部署の代表者です。詳細は、『Oracle WebCenter Content Site Studio管理者およびマネージャーズ・ガイド』を参照してください。
Site Studio Contributorアプリケーションでは、割り当てられた組織内のユーザー(コントリビュータ)が、Webサイトから直接に呼出し可能なインライン編集環境を使用して、随時Webサイトのコンテンツを追加および更新できます。通常、コントリビュータは、非技術系ユーザーで、マーケティングや営業チームのメンバーなどです。
Site Studioユーザーをサイト・デザイナ、マネージャおよびコントリビュータに区別すると、様々な利点があります。第一に、サイト・デザイナは、サイトのコンテンツやナビゲーションの更新が必要になっても、気にする必要はありません。Site Studio Designerを使用して再利用可能なサイト・アセット(テンプレート、フラグメントなど)を作成し、アセットを組み合せてサイトを構築すると、それで作業は完了です。
第二に、サイト・マネージャは、設計チームを必要とせずにWebサイトにまったく新しいセクションを追加できます。デザイナが作成したアセットを再利用して、新しいセクションをWebサイトに追加するか、既存のセクションを再編成できます。
最後に、コントリビュータは、HTMLの知識を必要とせずに非常に複雑かつ興味を引くWebページを作成できます。Microsoft Wordなどのネイティブ・アプリケーションまたはSite Studio Contributorを使用して、コンテンツを追加できます。Site Studio Contributorは、コンテンツを作成および更新する高性能な編集環境をコントリビュータに提供するWebベースのHTMLエディタです。サイト・デザイナは、使用可能な編集オプションを制限して、一貫性のあるルック・アンド・フィールを維持できます。たとえば、承認されたフォント、色およびスタイルの一覧からのみコントリビュータが選択できるようにします。
Site Studioの前述の3つの役割に加えて、サイトのWebアドレスの割当て、サイトのバックアップ、サイトのレプリケーションなどを担当するサイト管理者が別に存在する場合もあります。これらの管理タスクはすべてコンテンツ・サーバーで実行されます。
注意: 組織の規模と構造によっては、1人で複数の役割を兼任する場合もあります。 |
コントリビュータの役割は、Webサイトへのコンテンツの追加やWebサイトの更新を必要に応じて行うことです。Webページの一部、複数のWebページ、1つのセクションまたはサイト全体を更新します。サイトの作成後、デザイナやマネージャから更新が必要なWebページが通知されます(場合によっては、電子メール通知またはワークフローが使用されます)。
まず最初に、コントリビューションを行うWebサイトに関して、可能なかぎり詳しく調べる必要があります。たとえば、次の点に注意する必要があります。
サイトに精通しておくこと。そのサイトは、部門別のサイト、内部サイト、パブリック・サイトですか。サイトはどのような構造ですか。コンテンツはどこに配置されていますか。
サイトの現在のスタイルや書式設定について確認しておくこと。組織で、言葉遣いや構文などに一貫性を持たせるためにスタイル・ガイドを使用していますか。
自分が担当するサイトを調べて、他のコントリビュータと責務を共有するかどうかを確認すること。組織では、このプロセスに役立つワークフロー機能を実装する場合があります。
サイトで使用するコンテンツの種類を確認すること。サイトは、Site Studioのデータファイル、ネイティブ・ドキュメント、イメージおよび映像で構成されていますか。データファイルはContributorで編集し、ネイティブ・ドキュメントはそのファイルの作成に使用したアプリケーションで編集します(たとえば、拡張子.docのファイルの場合はMicrosoft Word)。
これらの点を確認した後、Site Studio Contributorを使用してサイトに直接変更を加えることができます。変更を加えて、サイトの更新前にその変更内容をプレビューできます。変更内容はファイル(コントリビュータ・データファイル)に保存され、コンテンツ・サーバーに格納されます(第2章「Contributorの使用」および第3章「ContributorでのWebページの編集」を参照)。または、ネイティブ・ドキュメント(Microsoft Wordファイルなど)を作成して編集することもできます。これらはWebページに変換されてWebサイトに表示されます(第10章「ネイティブ・ドキュメントの操作」を参照)。
Webページで使用できる編集環境は、Site Studio Contributorで使用するように設定されたエディタおよび編集するコンテンツのタイプ(テキスト、イメージなど)によって異なります。デフォルトでは、Site Studio Contributorで使用されるエディタはFCKeditorがベースになっており、これはクライアント・コンピュータでのインストールが不要な軽量のJavaScriptベースのエディタです。コンテンツ・サーバー管理者は代替エディタを設定することもできます。この場合、編集環境は、このガイドの表示と多少異なる場合があります。また、編集操作にわずかな違いがあります(たとえば、一部の編集機能が使用できないか、操作がいくらか異なる場合があります)。
Contributorアプリケーションを起動するには、Webページで、特定のキーの組合せ(デフォルトでは[Ctrl] + [Shift] + [F5])を押します。これらのWebページは、Site Studioおよびコンテンツ・サーバーによって管理され、サイト・コントリビュータが編集できるようにサイト・デザイナによって設定されています。Contributorが起動すると、Webページの編集可能な各領域の横に、特殊なグラフィックが表示されます。
この図は、編集可能な領域の名前、編集アイコンおよびメニュー・アイコンを示しています。選択された領域を編集するには、編集アイコンをクリックします(または、メニュー・アイコンをクリックして編集オプションを選択します)。編集が完了してデータファイルを保存すると、Webサイトが更新されて変更が反映されます。コントリビュータ・エディタの詳細は、第2章「Contributorの使用」を参照してください。
Site Studio Contributorのシステム要件は次のとおりです。
Internet Explorer 7以上、またはFirefox 3.0以上を実行できるオペレーティング・システム(Microsoft Windows 2000、Windows XP、Windows Vista、Windows 7、LinuxまたはMac OS Xなど)。
Site Studioコンポーネントを実行しているコンテンツ・サーバーへのアクセス権(管理されたサイトのアセットおよびコンテンツへのアクセス)。
Microsoft Internet Explorer 7以上、Firefox 3.0.6+、Firefox 5.x以上(Firefox 4.xバージョンはサポート対象外)、Safari 4.0以上、またはGoogle Chrome 11以上。最新のブラウザを使用すると、Contributorのパフォーマンスが向上します。
できあがったWebページを表示するには、Microsoft Internet Explorer 7以上、Mozilla Firefox 1.0.7以上、またはSafari 4.0以上が必要です。
Contributorでの編集中に、多くのキーボード・ショートカットを使用できます。キーボード・ショートカットは、障害のあるユーザーが編集環境で操作するのに役立ちます。また、キーボード・ショートカットを使用すると、キーボードとマウスを頻繁に切り替える必要がなく、キーボードで操作できるため、編集速度が上がります。
この項の内容は次のとおりです。
次のショートカットを使用して、Webページで様々なコントリビューション・リージョンのメニューを操作します。
ショートカット | 説明 |
---|---|
[Alt] + [F3] | 次のコントリビューション・リージョン・メニューを開きます。 |
[Alt] + [F2] | 直前のコントリビューション・リージョン・メニューを開きます。 |
[Tab] | コントリビューション・リージョン・メニューの次の項目をハイライトします。このショートカットは、コントリビューション・リージョン・メニューが表示されている場合にのみ使用できます。 |
[Shift] + [Tab] | コントリビューション・リージョン・メニューの1つ前の項目をハイライトします。このショートカットは、コントリビューション・リージョン・メニューが表示されている場合にのみ使用できます。 |
[Esc] | コントリビューション・リージョン・メニューを閉じます。このショートカットは、コントリビューション・リージョン・メニューが表示されている場合にのみ使用できます。 |
[Enter] | コントリビューション・リージョン・メニューのハイライトされた項目を選択します。このショートカットは、コントリビューション・リージョン・メニューが表示されている場合にのみ使用できます。 |
コントリビューション・リージョンのコントリビュータ・フォームを開いた後に、追加のキーボード・ショートカットが使用可能になります。
ショートカット | 説明 |
---|---|
[Alt] + [F3] | 次の要素に移動します。 |
[Alt] + [F2] | 前の要素に移動します。 |
[Alt] + [1] | フォームにフォーカスを置きます。 |
[Tab] | コントリビュータ・フォームのコマンド(「Update」ボタン、「About」リンク、「Metadata」タブなど)間を移動する操作(ブラウザ依存)。コントリビュータ・フォームのコマンドにアクセスする前にフォームの一番上にフォーカスを戻すには、キーボード・ショートカット[Alt] + [1]を使用します。 |
[Enter] | フォーカスが置かれている項目(ボタン、リンク、タブなど)を選択します。 |
リスト要素のキーボード・ショートカット
編集領域のリスト要素のキーボード・ショートカットを次に示します。
ショートカット | 説明 |
---|---|
[↑]/[↓] | リスト要素の行内を上下に移動します。 |
[Ctrl] + [Tab] | 表の行からツールバー(存在する場合)に移動します。 |
[Enter] | 静的リスト要素では、[Enter]は現在の行を編集します。
動的リスト要素では、[Enter]は現在の行のコンテンツ情報ページを表示します。 |
[Alt] + [F3] | 次の要素に移動します。 |
[Alt] + [F2] | 前の要素に移動します。 |
[Alt] + [1] | フォームにフォーカスを置きます。 |
リスト以外の要素のキーボード・ショートカット
編集領域のリスト以外の要素のキーボード・ショートカットを次に示します。
ショートカット | 説明 |
---|---|
[Alt] + [F3] | 次の要素に移動します。 |
[Alt] + [F2] | 前の要素に移動します。 |
[Alt] + [1] | フォームにフォーカスを置きます。 |
ツールバーの項目のキーボード・ショートカット
編集領域のツールバーのキーボード・ショートカットを次に示します。
ショートカット | 説明 |
---|---|
[Alt] + [→]/[Alt] + [←] | ツールバーの項目間で前後に移動します。 |
[Ctrl] + [Enter] | 選択したツールバー・コマンドにアクセスするか、選択したツールバー・コマンドを実行します。
ツールバーの項目「Style」、「Format」、「Font」または「Size」にアクセスする場合は、[Ctrl] + [Enter]を使用してドロップダウン・メニューを表示してから、[↑]/[↓]キーを使用して様々なメニュー・オプションをハイライト表示します。 |
コンテキスト・メニュー項目のキーボード・ショートカット
編集領域のコンテキスト・メニューのキーボード・ショートカットを次に示します。
ショートカット | 説明 |
---|---|
[Menu]/[Shift] + [F10] | 最初のコンテキスト・メニューを開きます。 |
[↑]/[↓] | コンテキスト・メニュー内で上下に移動します。 |
[Enter] | ハイライト表示されたアクションを実行するか、サブコンテキスト・メニューを開きます。 |
リンク・プロパティのキーボード・ショートカット
編集領域のリンク・プロパティのキーボード・ショートカットを次に示します。
ショートカット | 説明 |
---|---|
[Ctrl] + [→]/[←] | タブ間を移動します。 |
[Tab] | ダイアログ内のフォーム項目間を移動します。 |
[Space] | ダイアログのボタンを選択または選択解除します。 |
[Esc] | ダイアログを終了します。 |
イメージ・プロパティのキーボード・ショートカット
編集領域のイメージ・プロパティのキーボード・ショートカットを次に示します。
ショートカット | 説明 |
---|---|
[Ctrl] + [→]/[←] | タブ間を移動します。 |
[Tab] | ダイアログ内のフォーム項目間を移動します。 |
[Space] | ダイアログのボタンを選択または選択解除します。 |
[Esc] | ダイアログを終了します。 |
「Color」ダイアログのキーボード・ショートカット
編集領域の「Color」ダイアログのキーボード・ショートカットを次に示します。
ショートカット | 説明 |
---|---|
[→]/[←] | 色の間を移動します。 |
[Tab] | ダイアログ内のフォーム項目間を移動します。 |
[Space] | ダイアログのボタンを選択または選択解除します。 |
[Esc] | ダイアログを終了します。 |
「Insert Special Character」ダイアログのキーボード・ショートカット
編集領域の「Insert Special Character」ダイアログのキーボード・ショートカットを次に示します。
ショートカット | 説明 |
---|---|
[→]/[←] | 選択した文字の間を移動します。 |
[Enter] | 選択した文字を挿入します。 |
[Esc] | ダイアログを終了します。 |
制御選択のキーボード・ショートカット
WYSIWYG要素内で、コマンドを特定のHTML要素に適用するために、ユーザーが制御タイプの選択を実行する必要があります。キーボード・コマンド[Ctrl] + [Alt] + [→]/[←]を使用して、選択可能なHTML要素を切り替えます。
リンク・ウィザードのキーボード・ショートカット
リンク・ウィザードの動作はWebページと同じです。階層内では矢印キーで移動できません。選択した項目に移動するには[Tab]を押し、選択するには[Enter]を押します。また、[Tab]を押してラジオ・ボタン・グループに移動し、[Enter]を押してボタンを選択します。