Oracle Content Serverのワークフロー機能とSite Studioを一緒に使用して、サイトを作成および管理できます。ワークフローにより、デザイナからマネージャ、またはデザイナからコントリビュータへの情報の流れが円滑になります。ページ・テンプレートやCascading Style Sheetなどのデザイナ同士の間で渡される情報も制御できます。
この項の内容は次のとおりです。
ワークフローの詳細は、Oracle WebCenter Content for Content Serverユーザーズ・ガイドを参照してください。
Site Studioのワークフローを設計するには、ほとんどの場合、コンテンツ・サーバーの他のコンテンツ・アイテムのワークフローを作成する場合と同じプロセスや手順を実行します。1つの主な違いは、ワークフローを構成するコントリビューション・リージョン(Webページの編集可能部分)と、そのリージョンのコンテンツにアクセスできるユーザーを決定する必要がある点です。
コントリビュータがワークフローにアクセスしてWebサイトの一部を確認する方法は、15.3項「コントリビュータのワークフローの使用状況」を参照してください。
ワークフローには、次の2つのタイプがあります。
基本ワークフローでは、確認プロセスが特定のコンテンツ・アイテムに対して手動で開始されます。
基準ワークフローでは、コンテンツ・アイテムをコンテンツ・サーバーにチェックインして、そのメタデータがSite Studio Designerやコンテンツ・サーバーで指定した定義済の基準と一致する場合、そのアイテムが自動的にワークフローに挿入されます。
Site Studioで最も使用頻度の高いのは基準ワークフローです。
Webサイトのコンテンツを追加または編集するには、通常、コントリビュータはコントリビューション・モードでWebページのコントリビューション・グラフィックの「編集」アイコンをクリックしてSite Studio Contributorを開きます。コントリビュータでは、コントリビューション・リージョンに割り当てられているコンテンツが編集可能なフォームで利用できます。ワークフローを使用する場合、参加者は確認するWebページへのリンクが含まれたメール・メッセージを最初に受信します。このリンクをクリックすると、Webページがコントリビューション・モードで開きます。
Webページがコントリビューション・モードになると、ページ上の編集可能なコントリビューション・リージョンごとに1つずつ、1つ以上のコントリビューション・グラフィックが表示されます。コンテンツ・リージョンのコンテンツがワークフロー内にある場合、コントリビューション・グラフィックのリージョン名の左側に表示される特別なアイコン(緑の歯車)で示されます(図15-1を参照)。
この場合、ワークフローの設計とワークフローにおけるコントリビュータの役割に応じて、コントリビュータはコントリビューション・グラフィック・メニューで次のワークフロー・オプションを選択できます。
ドキュメントの承認: コントリビュータがこのオプションをクリックすると、ワークフローの次の参加者に自動的にメールで通知が送信されます。ワークフローの最後の参加者が、Webページのコンテンツを格納するコントリビュータ・データ・ファイルを承認すると、そのコントリビュータ・データ・ファイルは最終的な宛先にリリースされます。その後、Webページ自体がWebサイトで稼働状態になります。
ドキュメントの却下: コントリビュータがこのオプションをクリックすると、コンテンツを却下する理由の説明をRejection Formに入力できます。メールは、ワークフローの以前のレビューアに送信されます。
編集: メニューでこのオプションをクリックすると、ワークフローが設定されていない状況でコントリビューション・アイコンをクリックした場合と同じになります。つまり、コントリビュータが起動され、コントリビューション・リージョンのコンテンツが編集可能なフォームに表示されます。
ワークフローの設定は、Site Studioの場合もOracle Content Serverの場合も同じです。ただし、Site Studioの場合、デザイナでプレースホルダ定義を設定する際に、ワークフローのプレースホルダ定義機能を有効にする必要があります。これにより、ページをコントリビューション・モードで参照するときに、プレースホルダにワークフロー・オプションが追加されます。
プレースホルダ定義のワークフロー機能を有効にするには、次の適切なワークフロー・チェック・ボックスを選択します。
Site Studioで使用する次のコンテンツ・アイテムにワークフロー機能を使用すると役立ちます。
これらのファイルには、Webサイトの一部と認識されるようにSite Studioの適切なメタデータを含める必要があります。組織で認識可能な値を含めたワークフローのカスタム・メタデータ・フィールドを使用して、いずれかのコンテンツ・タイプをワークフローに入力できます。
注意: ページ・テンプレート、サブテンプレート、リージョン・テンプレートおよびスクリプトがデザイナで編集される場合は、ワークフロー内で承認または却下できません。 |
Webサイトに対してコントリビュータが最も一般的に使用するワークフロー・プロセスは、コントリビュータ・データ・ファイルに基準ワークフローを通過させる形態です。このファイルは、Webページの実際のコンテンツを表すため、コントリビュータでWebページを編集するたびに更新が反映されます。
コントリビュータ・データ・ファイルをワークフローに追加すると、Webサイトのコントリビューション・リージョンに対する変更は、実際には、必ず承認プロセスを経てから稼働状態のWebサイトにポストされるようになります。
ネイティブ・ドキュメントを基準ワークフローに追加すると、次のような様々な状況で役立ちます。
ネイティブ・ドキュメントをHTMLに正常に変換するには、コンテンツ・サーバーにDynamic Converterがインストールされ、稼働している必要があります。
インライン動的変換(ドキュメントがサイト・レイアウトに挿入される)を使用する場合、ネイティブ・ドキュメントを基準ワークフローに追加すると、ネイティブ・ドキュメントへの変更が必ず承認プロセスを経てから実際にWebサイトに挿入されるため、便利です。
ランダム動的変換(問合せを含むランダム動的変換フラグメントがWebサイトに追加される)を使用する場合、ネイティブ・ドキュメントを基準ワークフローに追加すると、コンテンツ・サーバーにチェックインしたコンテンツ・アイテムが必ず最初に承認プロセスを経てからサイトに組み込まれるため、便利です。
たとえば、ランダムに選択された引用句を動的変換してWebサイトに表示できます。この場合、新しい引用句で追加されたすべてのネイティブ・ドキュメントが順不同でサイトに挿入されます。これらのドキュメントを基準ワークフローに配置すると、ドキュメントはワークフローを経由して承認されるまでリリースされません。リリース後、ドキュメントは動的変換結果に追加され、Webサイトに表示されます。
動的変換済ドキュメントをターゲットとする動的リストを使用する場合、ネイティブ・ドキュメントを基準ワークフローに追加すると役立ちます。これにより、コンテンツ・サーバーにチェックインされたネイティブ・ドキュメントのうち、動的問合せの結果に一致するすべてのドキュメントが、必ずワークフローを経てから、Webサイトに開く動的リストに追加されるようにすることができます。この方法は、動的変換済ドキュメントをターゲットとするプレス・リリースの動的リストをWebサイトに表示する場合などに役立ちます。
注意: コンテンツ・アイテムは、ワークフローからリリースされるとコンテンツ・サーバーの検索結果に追加されます。このため、コンテンツ・アイテムは、そのアイテムのリリースされたリビジョンがある場合のみ動的リストに表示されます。 |