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Oracle® Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド
11gリリース1(11.1.1.7.0)
B55911-06
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D サイレント・インストールの実行

この付録では、Oracle Identity Managementをサイレント・モードでインストールする方法について説明します。内容は次のとおりです。

D.1 サイレント・インストールとは

サイレント・インストールでは、画面表示出力や、ユーザーによる入力が不要であるため、Oracle Identity Managementのインストールを監視する必要はありません。

Oracle Identity Managementのサイレント・インストールを実行するには、-silentフラグを付けてインストーラを起動し、コマンドラインからレスポンス・ファイルを指定します。レスポンス・ファイルは、インストーラ・プロンプトへの応答になる変数およびパラメータ値が含まれるテキスト・ファイルです。

D.2 サイレント・インストールを実行する前に

このトピックでは、サイレント・インストールを実行する前に、必要になる可能性がある作業について説明します。このトピックには、次の項があります。

D.2.1 UNIXシステム: oraInst.locファイルの作成

インストーラは、Oracleインベントリ・ディレクトリを使用して、システムにインストールしたすべてのOracle製品を追跡します。インベントリ・ディレクトリは、oraInst.loc.という名前のファイルに格納されます。このファイルがシステムにない場合は、サイレント・インストールを開始する前に作成する必要があります。

存在しない場合、次の手順を実行してoraInst.locファイルを作成します。

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. テキスト・エディタ(viやemacsなど)を使用して、任意のディレクトリにoraInst.locファイルを作成します。このファイルは、次の2行で構成されています。

    inventory_loc=oui_inventory_directory
    inst_group=oui_install_group
    

    oui_inventory_directoryは、インストーラでインベントリ・ディレクトリを作成するディレクトリへのフルパスに置き換えます。oui_install_groupは、メンバーがこのディレクトリへの書込み許可を持っているグループの名前に置き替えます。

  3. rootユーザーとしてログアウトします。


注意:

UNIXプラットフォーム上でサイレント・インストールを実行した後で、rootユーザーとしてORACLE_HOME/root.shスクリプトを実行する必要があります。root.shスクリプトによって環境変数の設定が検出され、ローカルのbinディレクトリのフルパスが入力できるようになります。


D.2.2 Windowsシステム: レジストリ・キーの作成

Oracle Identity Managementをシステムにインストールしなかった場合、次のレジストリ・キーおよび値を作成する必要があります。

HKEY_LOCAL_MACHINE / SOFTWARE / Oracle / inst_loc = [inventory_directory]

inventory_directoryは、インストーラ・ファイルへのフルパスに置き替えます。例: C:\Program Files\Oracle\Inventory

D.3 レスポンス・ファイルの作成

サイレント・インストールを実行する前に、インストール固有の情報をレスポンス・ファイルに指定する必要があります。レスポンス・ファイルは、テキスト・エディタで作成または編集可能なテキスト・ファイルです。正しく構成されていないレスポンス・ファイルを使用してサイレント・インストールしようとすると、インストーラは失敗します。

インストール・メディアに、デフォルトのレスポンス・ファイルがいくつか含まれています。それをテンプレートとして使用して、環境に合せてカスタマイズすることができます。このデフォルトのレスポンス・ファイルは、UNIXではDisk1/stage/Responseディレクトリ、WindowsではDisk1\stage\Responseディレクトリにあります。

Oracle Identity Managementソフトウェア・インストール用のレスポンス・ファイルの作成

Oracle Identity Managementインストール・ウィザードを使用して初めてソフトウェアをインストールする際、インストールのサマリーをレスポンス・ファイルに保存できます。

Oracle Internet Directory、Oracle Virtual Directory、Oracle Directory Service Manager、Oracle Directory Integration PlatformおよびOracle Identity Federation用のOracle Identity Managementソフトウェア・インストーラのレスポンス・ファイルを作成するには、次の手順を完了します。

  1. インストール・ウィザードの「インストール・サマリー」画面で、「レスポンス・ファイルの保存」フィールドの「保存」をクリックします。

  2. プロンプトが表示されたら、ファイルをローカル・ディレクトリに保存します。

D.3.1 OID、OVD、ODSM、ODIPおよびOIF

次に、Oracle Internet Directory(OID)、Oracle Virtual Directory(OVD)、Oracle Directory Services Manager(ODSM)、Oracle Directory Integration Platform(ODIP)およびOracle Identity Federation(OIF)が含まれているOracle Identity Management Suiteのインストール・メディア内のデフォルトのレスポンス・ファイルのリストを示します。

  • im_install_only.rsp: このレスポンス・ファイルは、Oracle Identity Managementコンポーネントをインストールはするが、構成は行わない場合に使用します。

  • im_install_config.rsp: このレスポンス・ファイルは、Oracle Identity Managementコンポーネントをインストールして、構成する場合に使用します。

  • im_config_only.rsp: インストール済のコンポーネントを構成するには、このレスポンス・ファイルをORACLE_HOME/bin/にあるOracle Identity Management 11gリリース1(11.1.1)構成ウィザード(config.shスクリプトまたはconfig.bat)とともに使用します。

D.3.2 サイレント・インストールの保護

レスポンス・ファイルには、インストーラが必要とするパスワードの一部が含まれます。レスポンス・ファイル内のこれらのパスワードに関するセキュリティ上の問題を最小限に抑えるには、次のガイドラインに従います。

  • サイレント・インストールを実行するオペレーティング・システム・ユーザーのみがファイルを開けるように、レスポンス・ファイルに権限を設定します。

  • 可能であれば、サイレント・インストールの完了後に、レスポンス・ファイルをシステムから削除します。

D.4 サイレント・インストールの実行

Oracle Identity Managementのサイレント・インストールを実行するには、-silentフラグを付けてインストーラを起動し、コマンドラインからレスポンス・ファイルを指定します。

UNIXの場合

UNIXシステム上でコマンドラインからインストーラを実行するための構文を次に示します。

runInstaller [-mode] [-options] [(COMMAND_LINE_VARIABLE=VARIABLE_VALUE)*]

たとえば、次のようになります。

./runInstaller -silent -response FILE

Windowsの場合

Windowsシステム上でコマンドラインからインストーラを実行するための構文を次に示します。

setup.exe [-mode] [-options] [(COMMAND_LINE_VARIABLE=VARIABLE_VALUE)*]

たとえば、次のようになります。

setup.exe -silent -response FILE

D.5 インストーラのコマンドライン・パラメータ

(不明な手順番号)は、インストーラの、サポートされているコマンドライン・パラメータの一覧とその説明です。

表D-1 インストーラのコマンドライン・パラメータ

パラメータ 説明

インストール・モード - 指定できるモードは1つのみ

-i | -install

インストーラをGUIモードで起動します。これはデフォルトのモードであり、コマンドラインでモードを指定しない場合に使用します。

-silent

サイレント・モードでインストールします。インストーラに、レスポンス・ファイル、またはコマンドラインの変数-値ペアを渡す必要があります。

-d | -deinstall

削除のために、インストーラをGUIモードで起動します。

-p | -prerequisite

GUIモードでインストーラを起動しますが、前提条件のチェックのみ行います。ソフトウェアはインストールされません。

-v | -validate

GUIモードでインストーラを起動し、すべての前提条件チェックと妥当性チェックを実行しますが、ソフトウェアはインストールしません。

-sv | -silentvalidate

すべての前提条件チェックと妥当性チェックを、サイレント・モードで実行します。インストーラに、レスポンス・ファイル、またはコマンドラインの変数-値ペアを渡す必要があります。

インストール・オプション

-help | --help | --usage

runInstallerコマンドの使用方法のパラメータを表示します。

-invPtrLoc file

インベントリ場所ファイルへのポインタです。fileを、oraInst.locファイルのフルパスと名前に置き替えます。

-response file | -responseFile file

レスポンス・ファイルへのポインタです。fileを、レスポンス・ファイルのフルパスと名前に置き替えます。

-jreLoc location

Java Runtime Environment (JRE)がインストールされる場所へのポインタです。locationを、JREがインストールされるjreディレクトリへのフルパスに置き替えます。

-logLevel level

インストーラによって実行されるロギングのレベルを指定します。指定したレベルより優先順位が低いすべてのメッセージが記録されます。有効なレベルは次のとおりです。

  • severe

  • warning

  • info

  • config

  • fine

  • finer

  • finest

-debug

インストーラからデバッグ情報を入手します。

-force

空でないディレクトリでサイレント・インストールを続行できます。

-printdiskusage

ディスク使用量に関連するログ・デバッグ用情報です。

-printmemory

メモリー使用量に関連するログ・デバッグ用情報です。

-printtime

使用時間に関連するログ・デバッグ用情報です。このコマンドにより、timeTakentimestamp.logファイルが作成されます。

-waitforcompletion

Windowsのみ。インストーラは、Javaエンジンを生成して終了せず、完了を待機します。

-noconsole

コンソール・ウィンドウにメッセージを表示しません。

-ignoreSysPrereqs

システム前提条件チェックの結果を無視して、インストールを継続します。

-executeSysPrereqs

システム前提条件チェックのみ実行して、終了します。

-paramFile file

oraparam.iniファイルへのフルパスを指定します。このファイルは、インストーラのための初期化ファイルです。このファイルのデフォルトの場所は、Disk1/install/platformです。

-novalidation

インストーラが実行したすべての妥当性チェックを無効にします。

-nodefaultinput

GUIインストールでは、情報やデフォルト値が事前に移入されている画面がいくつかあります。このオプションを指定すると、この動作が無効になるため、情報や値は事前に移入されません。

コマンドライン変数

インストーラ変数

インストーラ変数を指定するには、「varName=value」を使用します。次に例を示します。

ORACLE_HOME=/scratch/install/IDM_Home

セッション変数

セッション変数を指定するには、「session:varName=value」を使用します。