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Oracle Fusion Middleware Adapter for Oracle Applications ユーザーズ・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.6.0)
B61389-03
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Adapter for Oracle Applicationsの概要

この章の構成は、次のとおりです。

Adapter for Oracle Applicationsの概要

Oracle Applicationsは、すべてがインターネット上で動作する統合ビジネス・アプリケーションのセットです。Oracle Applicationsにより、次のことが可能になります。

Oracle Applicationsは、OracleおよびOracle以外のアプリケーションのデータを統合する統合情報アーキテクチャの上に構築され、企業全体で一貫した顧客、仕入先、取引先および従業員の定義が可能になります。この結果、一連のアプリケーションで最新の実績値、財務比率、損益のサマリーなどの情報を提供することが可能になります。Oracle ApplicationsをOracle以外の他のアプリケーションと接続するには、Oracle Fusion Middleware Adapter for Oracle Applicationsを使用します。

Adapter for Oracle Applicationsでは、Oracle Applicationsに対して包括的、双方向、マルチモーダル、同期および非同期の接続が備えられているだけでなく、Oracle E-Business Suiteの各種バージョンのカスタム統合インタフェースを含むOracle Applicationsリリース12、リリース11.5.10およびリリース11.5.9のすべてのモジュールもサポートされています。

重要: Adapter for Oracle Applicationsは非公式にはOracle E-Business Suite Adapterとしても知られています。

Oracle E-Business Suiteの各種バージョンのサポートには次の条件があります。

主要機能

Adapter for Oracle Applicationsは、次の機能を提供します。

アーキテクチャ

Adapter for Oracle ApplicationsはJCA 1.5標準に基づいており、Oracle WebLogic Serverコンテナ内のリソース・アダプタとしてデプロイされます。Adapter for Oracle Applicationsのアーキテクチャは、テクノロジ・アダプタのアーキテクチャに類似しています。

Adapter for Oracle Applicationsのアーキテクチャ

図の説明は本文にあります。

テクノロジ・アダプタの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

Adapter for Oracle Applicationsのインストール

Adapter for Oracle ApplicationsおよびOracle JCA Adaptersは、Oracle Fusion Middlewareのインストール環境の一部として使用できます。また、これらのアダプタは、Oracle WebLogic Serverと中間層の両方のデプロイをサポートします。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteインストレーション・ガイド』を参照してください。

Oracle Fusion Middlewareとの統合

Adapter for Oracle ApplicationsはOracle Fusion MiddlewareプラットフォームのJCAバインディング・コンポーネントと統合されます。したがって、Oracle BPEL Process Manager(Oracle BPEL PM)やOracle Mediatorなどのサービス・エンジンと統合されます。

Adapter for Oracle Applicationsでは、Oracle E-Business Suite内に標準Webサービスとしてパブリック統合インタフェースを簡単に公開できます。これらのサービスは、Oracle BPEL PMおよびOracle Mediatorと統合すると同時に、設計時にOracle JDeveloperでBPEL Designerを使用して作成および構成できます。実行時には、サービスの実行のためにOracle E-Business Suiteの統合フローがOracle WebLogic Serverにデプロイされ、統合が完了します。

設計時

Adapter for Oracle Applicationsは、Oracle BPEL PMおよびOracle Mediatorと統合すると同時に、Oracle JDeveloperを設計時ツールに使用してSOAコンポジット・アプリケーションを作成し、Webサービス用のWSDLおよびJCAファイルを生成できます。

Oracle JDeveloper BPEL Designerでパートナ・リンクを作成すると、「アダプタ構成ウィザード」が起動し、Adapter for Oracle Applicationsまたはその他のアダプタを選択および構成できるようになります。データベースとサービス接続を正しく設定すると、Oracle E-Business Suiteインスタンスで利用可能なインバウンドおよびアウトバウンド・インタフェースのリストが機能別に整理されて表示されるため、要件を満たすものを選択します。構成が完了すると、ウィザードはパートナ・リンクのXMLスキーマに対応するWSDLファイルを生成します。

パラメータを割り当ててサービスを起動する必要がある場合は、追加のプロセス・アクティビティがBPELプロセスに追加されます。

実行時

Adapter for Oracle ApplicationsはJCA 1.5仕様に基づいています。BPELプロセス、Mediatorサービスおよびパートナ・リンク定義を含むコンポジット・アプリケーションが、Oracle WebLogic Serverにデプロイされます。JCAバインディング・コンポーネントは、実行時にJCA 1.5標準リソース・アダプタとOracle BPEL Process Managerをシームレスに統合するレイヤーです。JCAバインディング・コンポーネントは、疑似JCA 1.5コンテナとして動作します。

注意: BPEL PMが(EISからJ2EE/BPEL PMへの)インバウンド・イベントを受信できるのは、JCA 1.5統合でのみです。Oracle BPEL Process Managerは、疑似JCA 1.5コンテナとして動作し、JCA 1.5固有のシステム規定を実装します。JCA 1.5リソース・アダプタとBPEL PMインスタンスは、同じOracle WebLogic Serverコンテナにデプロイする必要があります。

SOAコンポジットに含まれているBPELのinvokeアクティビティによって起動されたWebサービス呼出しはJCA CCI(共通クライアント・インタフェース)アウトバウンド相互作用に変換され、JCAレスポンスはWebサービス・レスポンスに変換されます。このエンドツーエンドの呼出しは同期されています。

SOAコンポジット・アプリケーションの実行時テスト

SOAコンポジット・アプリケーションをデプロイしたら、デプロイされたSOAコンポジット・アプリケーションに含まれるBPELプロセスをテストしてインタフェース統合をテストすることで、設計を検証する必要があります。

各統合インタフェースの設計時および実行時の詳細なタスクは、このマニュアルの個別のインタフェースの章の説明を参照してください。

Oracle WebLogic Serverとの統合

Oracle WebLogic Serverは、スケーラブルなエンタープライズ対応のJavaプラットフォームであり、Enterprise Edition(Java EE)のアプリケーション・サーバーです。そのインフラストラクチャは、サービス指向アーキテクチャ(SOA)に基づいてアプリケーションを構築するための最適な基盤となり、企業は、堅牢かつ安全で、可用性が高く、スケーラブルな環境にミッション・クリティカルなアプリケーションをデプロイできます。SOAは、アプリケーション・サービスを最大限再利用することを目的とした設計方法論です。

また、Oracle WebLogic ServerはJCAリソース・アダプタをホストするJCAコンテナで構成されます。J2EEサーバーと様々なバックエンド・アプリケーションの統合を簡略化するために、JCAは標準Javaインタフェースを定義しています。すべてのクライアント・アプリケーションは、Oracle WebLogic Server環境内で実行されます。

設計時

Oracle JDeveloperは、アダプタのリクエスト/レスポンス・サービスのWSDLファイルとXMLスキーマ定義(XSD)ファイルを表すWebサービスを作成するために使用されます。

Oracle WebLogic Serverクライアントは、実行時にJCAアウトバウンド相互作用を呼び出すためにこれらのXSDファイルを使用します。

実行時

Oracle Adapter for Oracle ApplicationsはJCA 1.5仕様に基づいており、Oracle WebLogic Serverコンテナ内のリソース・アダプタとしてデプロイされます。JCA 1.5仕様は、ライフサイクル管理、メッセージ・インフロー(アダプタ・イベントのパブリッシュ用)および作業管理の規定に対処しています。

Oracle JDeveloperでのOracle WebLogic Serverの使用方法は、『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperインストレーション・ガイド』のOracle JDeveloperでのWebLogic Serverの使用に関する項を参照してください。

このリリースの新機能

この項では、Oracle Fusion Middleware Adapter for Oracle Applications 11g リリース1 (11.1.1.6.0)で追加された新機能について説明します。

ビジネス・イベント・グループのサポート

ビジネス・イベント・グループは、個別のビジネス・イベントのセットが含まれるイベント・タイプです。ビジネス・イベントの統合シナリオにおける完全なサポートを提供するため、Oracle Adapter for Oracle Applicationsの機能を拡張し、グループとして扱った場合の複数ビジネス・イベントのサポートを搭載しました。

この機能では、1つのイベント・グループに属する別々のビジネス・イベントに対して単一のパートナ・リンクを作成できます。イベント・グループ用に作成されたサービスは、グループ内の任意のイベントに対応するペイロードをデキューできます。

イベント・グループを一度定義すると、イベント・グループに登録されていたサブスクリプションは、そのグループ内のいずれかの個別イベントがトリガーされると実行されます。

この拡張は、Oracle E-Business Suiteリリース12およびリリース11.5.10に適用されます。

ビジネス・イベント・グループの詳細は、「ビジネス・イベント・グループ」を参照してください。

PL/SQL APIおよびコンカレント・プログラム用の自動FNDロギング

このリリースでは、Oracle SOA Suiteのランタイム・ログ出力oracle.soa.adapterに設定されたログ・レベルを使用して、PL/SQL APIおよびコンカレント・プログラムのロギングを自動的に制御または有効化することができます。Oracle E-Business Suite側でFNDロギング・フレームワークを別途有効化する必要はありません。

これまで、PL/SQL APIおよびコンカレント・プログラムの呼出し中には、Adapter for Oracle ApplicationsはFNDロギング・フレームワークを利用してOracle E-Business Suiteのログを生成するかどうかを制御できませんでした。このリリースでは、oracle.soa.adapterランタイム・ログ出力を使用して、PL/SQL APIおよびコンカレント・プログラムのFNDロギングを自動的に有効化できます。

この機能を使用できるのは、Oracle E-Business Suiteリリース12.1.3以上のみです。

この機能の詳細は、「oracle.soa.adapterランタイム・ログ出力を使用したPL/SQL APIおよびコンカレント・プログラムの自動FNDロギング」を参照してください。

エラーおよび例外処理の拡張

Oracle Adapter for Oracle Applicationsは、PL/SQL APIおよびコンカレント・プログラムのインタフェース呼出し中に発生するおそれのある例外やエラー・メッセージについて、わかりやすく説明的なものを生成するようになりました。これらのメッセージにより、例外やエラーの根本原因を特定しやすくなります。アダプタの前処理中、およびデータベース・アダプタやAQアダプタによるランタイム実行中に説明的なエラー・メッセージを提供するほか、PL/SQL APIがスローした機能エラーを、取得するために追加の呼出しを行う必要なく、いつでも取得できます。

たとえば、次に示す問題については、次の例外がスローされます。

この拡張は、Oracle E-Business Suiteリリース12、リリース11.5.10およびリリース11.5.9に適用されます。

エラーおよび例外処理の拡張の詳細は、「エラーおよび例外処理の拡張」を参照してください。