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Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busアップグレード・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7.0)
B61434-04
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2 Oracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)へのアップグレード

この章では、AquaLogic Service Bus (2.6および3.0)およびOracle Service Bus (10.3.1.0)をOracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)にアップグレードする方法を説明します。

この章では、次の項について説明します。


注意:

アップグレードを進める前に、次の事項を確認してください:


2.1 アップグレードの概要

AquaLogic Service Bus 2.6、2.6 RP1、3.0、Oracle Service Bus 10g リリース3 (10.3)および10g リリース3メンテナンス・パック1 (10.3.1)ドメインからOracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)ドメインへの直接自動インプレース・アップグレードはサポートされていません。アップグレード・プロセスには、次の手順が含まれます。

新しいOracle Service Busドメインへのアップグレードでは、クラスタリングされたドメインおよび非クラスタリングされたドメインの両方がサポートされています。

アップグレード・プロセスを開始する前に、Oracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)にアップグレードするための前提条件およびアップグレードに関する考慮事項の各項を参照してください。

表2-1に、AquaLogic Service BusまたはOracle Service Busの各バージョンが実行されるOracle WebLogic Serverのバージョンを示します。

表2-1 Oracle Service BusおよびOracle WebLogic Serverのバージョン

Service Busのバージョン WebLogic Serverのバージョン

Oracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)

10.3.6

Oracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.6.0)

10.3.6

Oracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.5.0)

10. 3.5

Oracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.4.0)

10.3.4

Oracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.3.0)

10.3.3

Oracle Service Bus 10g リリース3メンテナンス・パック1 (10.3.1)

10.3

Oracle Service Bus 10g リリース3 (10.3)

10.3

AquaLogic Service Bus 3.0

10.0 MP1

AquaLogic Service Bus RP1

9.2 MP2

AquaLogic Service Bus 2.6

9.2 MP1


2.2 Oracle Service Busアップグレードの開始点

サポートされている開始点は次のとおりです。


注意:

AquaLogic Service Bus 2.6より前のバージョンからconfig.jarファイルをOracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)にアップグレードできません。



注意:

既存のOracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.6.0)インストールがある場合は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』で指定されているとおりにパッチ・セット・インストーラを使用して、Oracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)にOracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.6.0)のパッチを適用する必要があります。

さらに、11g リリース1 (11.1.1.6.0)から11gリリース1 (11.1.1.7.0)へのドメイン移行を含む、すべてのパッチ適用後の手順を実行します。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』のOracle Fusion Middlewareコンポーネントの移行後の構成に関する項を参照してください。


2.3 Oracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)にアップグレードするための前提条件

この項では、次の節について説明します。

2.3.1 環境のバックアップ

Oracle Service Busの最新バージョンにアップグレードする前に、OSB_HOMEまたはALSB_HOMEおよびドメイン(OSB_HOMEまたはALSB_HOMEの外部にある場合)を必ずバックアップしてください。

Oracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)にアップグレードした後で、前のインストール・バージョンのOracle Service Busに戻す場合、バックアップからOracle Service Bus環境をリストアする必要があります。

Oracle Service Busのサンプルに行ったカスタマイズを保存する場合は、構成サンプルをエクスポートして保存します。アップグレードした後、カスタマイズを元に戻すには、構成をインポートする必要があります。

2.3.2 Oracle WebLogic Server 10.3.5へのパッチ適用

Oracle WebLogic Server 10.3.5が実行されている環境から最新のOracle Service Busにアップグレードする場合、『Oracle Fusion Middlewareのシステム要件および仕様』ドキュメントのOracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.5)によって必要とされるパッチに関する項での説明に従って2つのWebLogic Serverパッチをインストールする必要があります。

2.3.3 Oracle WebLogic Server 10.3.6へのパッチ適用

Oracle WebLogic Server 10.3.6が実行されている環境で最新のOracle Service Busにアップグレードする場合、Oracle Technology Networkの「Oracle SOA製品およびOracle AIA Foundation Packに関する既知の問題」ページでの説明に従って必要なWebLogic Serverパッチをインストールする必要があります。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/docs/aiasoarelnotesps6-1866030.html

2.4 タスク1: 既存ドメインからの構成のエクスポート

既存ドメインの構成をエクスポートするには、次の手順を実行します:

  1. 11g リリース1 (11.1.1.7.0)にアップグレードするドメインのOracle Service Bus管理サーバーを起動します。

  2. 管理サーバーのユーザー名とパスワードを使用して、Oracle Service Bus管理コンソールにログインします。

  3. 「システム管理」「リソースのエクスポート」を選択します。

    「リソースのエクスポート」ページが表示されます。

  4. エクスポートするプロジェクトまたはリソースを選択します。

    • 「プロジェクトのエクスポート」を選択した場合、各リソースのチェック・ボックスを個別に選択解除することはできません。

      1. プロジェクト・フォルダを展開します。プロジェクトに含まれる各リソースの名前、タイプ、最終変更日時、参照が表示されます。

      2. エクスポートするプロジェクトまたはリソースに対応するチェック・ボックスを選択します。

      3. エクスポートしないプロジェクトまたはリソースに対応するチェック・ボックスの選択を解除します。

    • 「リソースのエクスポート」を選択した場合は、「依存関係を含める」チェック・ボックスを選択するか、選択解除します。このオプションを使用すると、このリソースが参照するその他のリソースをエクスポートできます。

  5. 「エクスポート」をクリックしてJARファイルを作成します。

2.5 タスク 2: セキュリティ構成のエクスポート

Oracle WebLogic管理コンソールを使用して、既存ドメインからセキュリティ・データをエクスポートできます。セキュリティ・データをファイルにエクスポートするには、次の手順を実行します:

  1. 管理サーバーのユーザー名とパスワードを使用して、Oracle WebLogic管理コンソールにログインします。

  2. 左ペインで、「ドメイン構造」の下の「セキュリティ・レルム」を選択し、セキュリティ・データをエクスポートするレルムを選択します(myrealmなど)。

  3. 「移行」タブを選択し、「エクスポート」タブをクリックしてデータをエクスポートします。

  4. 「サーバー上のエクスポート・ディレクトリ」フィールドで、セキュリティ・データをエクスポートする管理サーバー上のディレクトリを指定します。

  5. 「保存」をクリックします。

    セキュリティ・データが、指定した場所のファイルに保存されます。

表2-2に、セキュリティ・データおよびデータを保存するセキュリティ・プロバイダのタイプをまとめます。

表2-2 セキュリティ・データとセキュリティ・プロバイダ

セキュリティ・データ セキュリティ・プロバイダのタイプ

グループ定義

認証プロバイダ

ユーザー・アカウント

認証プロバイダ

ロール定義

ロール・マッピング・プロバイダ

サービス・アカウントのユーザー名とパスワード

ユーザー名およびパスワード資格証明マッピング・プロバイダ

PKI資格証明マップ・エントリ

PKI資格証明マッピング・プロバイダ

SAMLリライイング・パーティ

SAML資格証明マッピング・プロバイダV2

SAMLアサーティング・パーティ

SAML IDアサーション・プロバイダV2

信頼性のある証明書(SSLおよびWSS用)

証明書パス・プロバイダ(証明書レジストリ)



注意:

次の項で説明するように、エクスポートするプロバイダのセットはアップグレードするバージョンによって異なります。


AquaLogic Service Bus 2.6、2.6 RP1および3.0セキュリティ構成のエクスポート

AquaLogic Service Bus 2.5リリースで作業を開始する場合、PKI資格証明、ユーザー名/パスワード資格証明がWebLogic ServerレルムとALSB構成リポジトリに格納されています。したがって、これらの資格証明は、「タスク1: 既存ドメインからの構成のエクスポート」で生成され、エクスポートされた構成JARの一部としてエクスポートされます。JARを新しいドメインにインポートすると、JARファイルの内容に基づいてレルム・データが設定されます。つまり、AquaLogic Service Bus 2.6以降からアップグレードする場合は、PKI資格証明またはユーザー名/パスワード資格証明をエクスポートする必要はありません。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの保護』のセキュリティ・データの移行に関する章を参照してください。

AquaLogic Service Bus 2.6でのプロキシ・サービスとアクセス制御ポリシーのエクスポート

AquaLogic Service Bus 2.6以前のリリースからのエクスポートでは、エクスポートされたJARファイルにアクセス制御ポリシーは含まれません。まず、アクセス制御ポリシーを含むセキュリティ・レルムをOracle WebLogic Server 9.2上のAquaLogic Service Bus 2.6および2.6 RP1ドメインからOracle WebLogic Server 10.3.4上の新しいOracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)ドメインにエクスポートする必要があります。

その後、構成JARファイルとともにプロキシ・サービスをAquaLogic Service Bus 2.6および2.6 RP1ドメインから新しいOracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)ドメインにエクスポートする必要があります。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプのセキュリティ・プロバイダからのデータのエクスポートに関する項を参照してください。

2.6 タスク3: Oracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)のインストールおよび構成

Oracle Service Busをインストールおよび構成する場合は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busインストレーション・ガイド』を参照してください。


注意:

Oracle Service Busのインストールおよび構成後、管理サーバーと管理対象サーバーが起動して稼働していることを確認します。

Oracle Service BusでOracle Web Services Managerポリシーを使用する場合、Oracle WebLogicドメインの構成時にいずれかのOracle Service Busドメインを選択した後、Oracle Web Services Manager拡張テンプレートを選択する必要があります。


2.7 タスク4: Oracle WebLogic Serverセキュリティの構成

新しい11g リリース1 (11.1.1.7.0)ドメインで、SSLを使用するOracle WebLogicセキュリティ・フレームワーク、プロキシ・サービスおよびビジネス・サービスをサポートするために必要なセキュリティ・プロバイダを構成します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Service Bus開発者ガイド』のWebLogicセキュリティ・フレームワークの構成に関する項を参照してください。

構成をインポートする場合は、次の点に注意してください。

2.8 タスク5: 他のOracle WebLogic Serverオブジェクトの再作成

新しいOracle Service Busドメインで、「タスク1: 既存ドメインからの構成のエクスポート」でエクスポートできなかったOracle WebLogic Serverオブジェクトを再作成します。

Oracle WebLogic Serverドメイン・リソースの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの紹介』のWebLogic Serverシステム管理の概要に関する項を参照してください。


注意:

Oracle WebLogic Serverコンソールで、ドメイン・スコープのSNMPエージェントを構成する必要があります。Oracle WebLogic Server 10.xでは、SNMP機能が強化されています。SNMPの詳細は、『Oracle WebLogic SNMP管理ガイド』を参照してください。


TuxedoドメインIDをOracle WebLogic Serverユーザーとして追加します(これは、Tuxedoサービスへの要求を正常に呼び出すための要件です)。

構成にTuxedoトランスポート・ベースのサービスが含まれている場合は、WTCのローカル・アクセス・ポイント・リソースとリモート・アクセス・ポイント・リソースを構成します。

詳細は、Tuxedoの相互運用ソリューション「TuxedoトランスポートのためのOracle WebLogic Tuxedo Connectorの構成」を参照してください。

2.9 タスク6: セキュリティ・データおよびポリシーのOracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)へのインポート

Oracle WebLogic管理コンソールを使用して、「タスク2: セキュリティ構成のエクスポート」でエクスポートしたセキュリティ・データを新しいOracle Service Busドメインにインポートします。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプのセキュリティ・プロバイダへのデータのインポートに関する項を参照してください。


注意:

各セキュリティ・プロバイダのセキュリティ情報を個別にインポートします。


AquaLogic Service Bus 2.6でのプロキシ・サービスとアクセス制御ポリシーのインポート

まず、Oracle WebLogic Server 9.2を使用するAquaLogic Service Bus 2.6および2.6 RP1ドメインのセキュリティ・レルムとともにアクセス制御ポリシーを、Oracle WebLogic Server 10.3.4を使用するOracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)ドメインにエクスポートする必要があります。

その後、構成jarとともにプロキシ・サービスをAquaLogic Service Bus 2.6および2.6 RP1ドメインからOracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)ドメインにエクスポートする必要があります。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプのセキュリティ・プロバイダへのデータのインポートに関する項を参照してください。

2.10 タスク7: 構成JARファイルのOracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)へのインポート

次の手順を実行して、前に古いドメインからエクスポートしたJARファイルをOracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1.7.0)にインポートする必要があります。

  1. 管理サーバーのユーザー名とパスワードを使用して、Oracle Service Busコンソールにログインします。

  2. 「作成」をクリックして新しいセッションを作成するか、または「編集」をクリックして既存のセッションに入ります。

  3. 「システム管理」「リソースのインポート」を選択します。

    「リソースのインポート」ページが表示されます。

  4. 「タスク1: 既存ドメインからの構成のエクスポート」でエクスポートしたプロジェクトまたはリソースJARファイルを選択します。

    1. 「ファイル名」フィールドで「参照」をクリックして、JARファイルが格納されているディレクトリを見つけます。

    2. JARファイルを選択して、「開く」をクリックします。

  5. 「次へ」をクリックします。

    「リソースのインポート - リソースJARファイル」ページが表示されます。

  6. 「依存関係を含める」を選択して、リソースJARファイルをインポートし、関連するすべてのリソースが確実にインポートされるようにします。

  7. インポートするプロジェクトまたはリソースのチェック・ボックスは選択し、インポートしないプロジェクトまたはリソースのチェック・ボックスは選択解除します。

  8. 「インポート」をクリックします。

    「インポートのサマリー」ページが表示されます。このページには、インポートしたファイルのサマリーとそのステータスが表示されます。

  9. チェンジ・センター「アクティブ化」をクリックします。「セッションのアクティブ化」ページが表示され、セッション名、ユーザー名、および説明のフィールドが示されます。

2.11 タスク8: 必要とされるOracle Service Busアップグレード後作業の実行

Oracle Service Busドメイン構成の一部の変更は自動化されていないため、手動で実装する必要があります。詳細は、「アップグレードに関する考慮事項」を参照してください。

Oracle Service Busプロジェクトの開発に使用したワークスペースを前のリリースからアップグレードすることはできません。このため、次のいずれかの手順を実行して、ワークスペースをアップグレードする必要があります。


注意:

Oracle Service Bus 11g リリース1 (11.1.1)は、Oracle Enterprise Pack for Eclipse (OEPE)統合開発環境(IDE)を使用しています。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Service Bus管理者ガイド』の相互運用性のシナリオと考慮事項を参照してください。


2.12 アップグレードの確認

アップグレードが正常に行われたことを確認するには、Oracle Service Bus管理コンソールにアクセスし、ログイン・ウィンドウの左下部で新しいバージョン番号を探します(図2-1を参照)。

図2-1 Oracle Service Bus管理コンソール

図2-1の説明が続きます
「図2-1 Oracle Service Bus管理コンソール」の説明

Oracle Service Bus Administrationコンソールは、次のURLを参照してください。

http://administration_server_hostname:administration_server_port_number/sbconsole