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Oracle® Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7)
B61381-06
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H 例外処理

Oracle B2Bは、インバウンドおよびアウトバウンド・メッセージの例外を処理します。この付録では、Oracle B2Bの例外処理、エラー・メッセージおよび構造について説明します。

この付録には次のトピックがあります。


注意:

Oracle B2Bでは、ebMS 2.0仕様で指定されている様々なエラー・コードがサポートされていません。例外メッセージに対して、Oracle B2Bはエラー・コードをUnknownに設定します。予期されるエラー・コードは次のとおりです。

ValueNotRecognized

NotSupported

Inconsistent

OtherXml

DeliveryFailure

TimeToLiveExpired

SecurityFailure

MimeProblem

Unknown


H.1 インバウンド・メッセージ

この項では、次のインバウンド・メッセージ・タイプを説明します。

H.1.1 リクエスト・メッセージまたはレスポンス・メッセージ

着信リクエスト、レスポンスまたは機能確認メッセージが例外になる場合、デフォルトのエラー処理設定を使用すると次の動作が発生します。

  • アプリケーションに例外メッセージが送信されます。

    例外メッセージは、IP_IN_QUEUEにエンキューされ、受信者名b2berroruserを割り当てられます。エンキューされる例外はipException.xsdに基づいており、エラー・メッセージ(errorTextが短い説明、errorDescriptionが長い説明)およびエラー・コードなどの情報を含みます。

  • 交換の仕様で指定されている場合は、取引パートナに例外メッセージが送信されます。

    取引パートナの発信アグリーメントの識別に必要な情報がある場合、例外メッセージは取引パートナに返信されます。このとき使用されるのがB2BHeader.sendExceptionというフラグです。例外メッセージを取引パートナに送信するために必要な情報を受信メッセージから取得できると、このフラグがtrueに設定されます。

  • Oracle B2Bが、交換またはドキュメント・レイヤーでスローされた例外を捕捉します。

    B2Bheader.sendExceptionフラグがtrueに設定されている場合、取引パートナの発信アグリーメントが処理され、取引パートナに例外メッセージが送信されます。

H.1.1.1 インバウンドebMS、AS1およびAS2メッセージ

着信メッセージの処理中に次のタイプのエラーが発生した場合、受信取引パートナは否定確認を送信者に送信します。

  • 復号化に失敗

  • 検証に失敗

  • アグリーメントが見つからない

  • ドキュメントの識別に失敗

  • ドキュメントの検証に失敗(など)

否定応答メッセージには、送信者側で相関付けするために、元の(リクエスト)メッセージの詳細の参照があります。

H.1.2 確認メッセージ

着信確認メッセージが例外になる場合、デフォルトのエラー処理設定を使用すると次の動作が発生します。

  • アプリケーションに例外メッセージが送信されます。

    例外メッセージは、IP_IN_QUEUEにエンキューされ、受信者名b2berroruserを割り当てられます。エンキューされる例外はipException.xsdに基づいており、エラー・テキストおよびエラー・コードなどの情報を含みます。

  • 取引パートナに例外メッセージは返信されません。

H.1.3 例外メッセージ

例外メッセージが着信する場合、デフォルトのエラー処理設定を使用すると次の動作が発生します。

  • 元のメッセージは更新されてエラー発生の状態になります。着信例外が処理されて、アプリケーションに正常に配信されます。

  • 着信例外メッセージ自体が例外になる場合、アプリケーションに例外メッセージが送信されます。

    例外メッセージは、IP_IN_QUEUEにエンキューされ、受信者名b2berroruserを割り当てられます。エンキューされる例外はipException.xsdに基づいており、エラー・テキストおよびエラー・コードなどの情報を含みます。この場合、取引パートナに例外メッセージは返信されません。

例外は、デフォルトのキュー(B2B_IN_QUEUEまたはIP_IN_QUEUE)または例外メッセージ用に構成されたカスタムJMSキューに配信できます。詳細は、第H.4項「エラー・メッセージ配信でのカスタム例外キューの使用」を参照してください。

H.2 アウトバウンド・メッセージ

アウトバウンド・メッセージの送信中にエラーが発生した(たとえば、取引パートナの識別に失敗した)場合、アプリケーションに例外メッセージが送信されます。デフォルトのエラー処理設定を使用すると、例外メッセージはIP_IN_QUEUEにエンキューされ、受信者名b2berroruserを割り当てられます。エンキューされる例外はipException.xsdに基づいており、エラー・テキストおよびエラー・コードなどの情報を含みます。

Oracle B2Bの起動時に例外が発生すると、例外メッセージはIP_IN_QUEUEにエンキューされ、受信者名b2berroruserを割り当てられます。エンキューされる例外はipException.xsdに基づいており、エラー・テキストおよびエラー・コードなどの情報を含みます。この場合、相関IDは移入されません。

次の事項に注意してください。

H.3 エラー・メッセージ配信でのJMSキューの使用

第H.1項および第H.2項で説明したように、デフォルトの設定では、例外キューとしてAQキューIP_IN_QUEUEを使用します。「構成」タブで「JMSキューをデフォルトとして使用」パラメータをtrueに設定することによって、JMSキューを使用するようにB2Bを構成できます。カスタムJMS例外キューを構成し、それを「例外キュー」パラメータの値として選択している場合(第H.4項「エラー・メッセージ配信でのカスタム例外キューの使用」を参照)以外は、JMSキューB2B_IN_QUEUEがデフォルトの例外キューになります。一般的に、B2Bでは、インバウンド・メッセージをB2B_IN_QUEUEに送信し、B2B_OUT_QUEUEをポーリングしてアウトバウンド・メッセージを取得します。

JMSキューではb2berroruserをコンシューマとして使用できないため、エラー処理で例外メッセージをフィルタ処理するために、JMSメッセージ・プロパティが使用されます。具体的には、MSG_TYPE値が3である(MSG_TYPE='3')場合、すべての例外メッセージはJMSレシーバによって受信されます。(正常なメッセージの場合、MSG_TYPE='1'。)すべてのJMSメッセージ・プロパティのタイプはstringです。

「JMSキューをデフォルトとして使用」パラメータの詳細は、表17-1「構成設定」を参照してください。

H.4 エラー・メッセージ配信でのカスタム例外キューの使用

図H-1に示すように、「パートナ」「チャネル」タブで、ホスト取引パートナのJMS内部デリバリ・チャネル(JMSキューまたはJMSトピック)を構成することによって、カスタムJMS例外キューを作成できます。

図H-1 カスタム例外キューの作成

図H-1の説明が続きます
「図H-1 カスタム例外キューの作成」の説明

次に、「構成」タブで、「例外キュー」パラメータからキューを選択します。「例外キュー」ドロップダウンに、ホスト取引パートナからのすべてのJMS内部デリバリ・チャネルが表示されます。

このパラメータのNULLデフォルト値は、「JMSキューをデフォルトとして使用」がtrueに設定されている場合はJMSキューB2B_IN_QUEUEが例外キューであり、「JMSキューをデフォルトとして使用」がfalseに設定されている場合はAQキューIP_IN_QUEUEが例外キューであることを意味します。

選択されたカスタム例外キューへの例外メッセージの配信にB2Bが失敗した場合、例外メッセージはデフォルトの内部デリバリ・チャネルに送信されます。

「例外キュー」パラメータの詳細は、表17-1「構成設定」を参照してください。

H.5 インバウンド例外処理のシナリオ

表H-1では、インバウンド例外処理のシナリオを説明します。

表H-1 インバウンド例外処理のシナリオ

例外発生の原因 Oracle B2Bの処理

交換の識別に失敗、または交換が未サポート

  • ミドルウェアに通知

  • ワイヤ・メッセージをエラー発生状態として更新

  • ワイヤ・メッセージに対しエラー発生の状態でビジネス・メッセージを作成

  • 交換レイヤーでsendExceptionフラグが設定されている場合、取引パートナにトランスポート・エラー・メッセージを送信

メッセージの解凍に失敗

  • ミドルウェアに通知

  • ワイヤ・メッセージをエラー発生状態として更新

  • ワイヤ・メッセージに対しエラー発生の状態でビジネス・メッセージを作成

着信メッセージのデコードに失敗

  • ミドルウェアに通知

  • ワイヤ・メッセージをエラー発生状態として更新

  • ワイヤ・メッセージに対しエラー発生の状態でビジネス・メッセージを作成

  • 交換レイヤーにsendExceptionフラグが設定されている場合は、取引パートナに例外メッセージを送信

メッセージが重複

  • ミドルウェアに通知

  • ワイヤ・メッセージを重複メッセージ・エラーとして更新

  • ワイヤ・メッセージに対し重複メッセージとしてビジネス・メッセージを作成

ドキュメントの識別に失敗

  • ミドルウェアに通知

  • ワイヤ・メッセージをエラー発生状態として更新

  • ワイヤ・メッセージに対しエラー発生の状態でビジネス・メッセージを作成

  • 交換レイヤーにsendExceptionフラグが設定されている場合は、取引パートナに例外メッセージを送信

着信取引パートナ・アグリーメントの処理に失敗

  • ミドルウェアに通知

  • ワイヤ・メッセージをエラー発生状態として更新

  • ワイヤ・メッセージに対しエラー発生の状態でビジネス・メッセージを作成

  • 交換レイヤーにsendExceptionフラグが設定されている場合は、取引パートナに例外メッセージを送信

着信ドキュメントの処理に失敗

  • ミドルウェアに通知

  • ワイヤ・メッセージをエラー発生状態として更新

  • ワイヤ・メッセージに対しエラー発生の状態でビジネス・メッセージを作成

  • 交換レイヤーにsendExceptionフラグが設定されている場合は、取引パートナに例外メッセージを送信


次の事項に注意してください。

H.6 例外ペイロード定義

例H-1に、例外ペイロードipException.xsdの定義を示します。

例H-1 例外ペイロード定義

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<xs:schema xmlns:xs="http://www.w3.org/2001/XMLSchema"
xmlns="http://integration.oracle.com/B2B/Exception"
targetNamespace="http://integration.oracle.com/B2B/Exception">
 
  <xs:element name="Exception">
    <!--xs:complexType name="Exception"-->
    <xs:complexType>
      <xs:sequence>
        <xs:element ref="correlationId"/>
        <xs:element ref="b2bMessageId"/>
        <xs:element ref="errorCode"/>
        <xs:element ref="errorText"/>
        <xs:element ref="errorDescription"/>
        <xs:element ref="errorSeverity"/>
        <xs:element ref="errorDetails" minOccurs="0" />
      </xs:sequence>
    </xs:complexType>
  </xs:element>
  <xs:element name="correlationId" type="xs:string"/>
  <xs:element name="b2bMessageId" type="xs:string"/>
  <xs:element name="errorCode" type="xs:string"/>
  <xs:element name="errorText" type="xs:string"/>
  <xs:element name="errorDescription" type="xs:string"/>
  <xs:element name="errorSeverity" type="xs:string"/>
  <xs:element name="errorDetails">
    <xs:complexType>
      <xs:sequence>
        <xs:element ref="parameter" maxOccurs="unbounded"/>
      </xs:sequence>
    </xs:complexType>
  </xs:element>
  <xs:element name="parameter">
    <xs:complexType>
      <xs:attribute name="name" type="xs:string" use="required" /> 
      <xs:attribute name="value" type="xs:string" use="required" /> 
    </xs:complexType>
  </xs:element>
</xs:schema>