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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Management Business Process Composerユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1.7)
B61410-07
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6 プロセス動作のシミュレート

ここでは、Oracle Business Process Composerを使用して、ビジネス・プロセスのパフォーマンスを向上するためのシミュレーションを実行する方法に関する情報を説明します。シミュレーション・モデルおよびシミュレーション定義を作成する方法について説明します。また、シミュレーションを実行し、その結果を分析する方法についても説明します。

この章は次の項で構成されています:

6.1 シミュレーションの概要

Oracle BPMには、BPMNプロセスの動作およびパフォーマンスをシミュレートする機能が用意されています。プロセス設計者は、Business Process Composerを使用して、設計フェーズ中にシミュレーションを実行できます。

シミュレーションを作成して構成した後にBusiness Process Composerで実行し、定義したリソース割当てを使用してプロセスの効率を測定します。シミュレーションを使用して、次のことができます。


注意:

Business Process Composerでは、Business Process Composerを使用して定義したテスト・データに基づいたシミュレーションのみを実行できます。実際のデータでのシミュレーションは、Oracle BPM Studioを使用して実行できます。


6.1.1 シミュレーション・モデルおよびシミュレーション定義

シミュレーションを実行する前に、プロジェクトのシミュレーション動作とシミュレーションに含めるプロセスを定義する必要があります。シミュレーションを定義するには、BPMプロジェクトに次のものを作成して構成する必要があります。

  • シミュレーション定義

    シミュレーション定義を使用して、特定のシナリオに対するプロセスとリソースを定義します。シミュレーション定義では、プロセスに関連付けるシミュレーション・モデルを選択することで、シミュレーションに含まれるプロセスを指定します。プロセスに対して、複数のシミュレーション・モデルを定義することができます。プロセスに複数のシミュレーション・モデルが定義されている場合は、それらのモデルのうちの1つを選択して、シミュレーション定義で使用する必要があります。

    1つのBPMプロジェクトにおいて、それぞれが独自のパラメータ定義とシミュレーション・モデルを持つ複数のシミュレーション定義を定義できます。これによって、複数のシナリオを比較することができます。

  • シミュレーション・モデル

    シミュレーション・モデルを使用して、個々のプロセス・モデルのシミュレーション動作を定義します。各ビジネス・プロセスに対して複数のシミュレーション・モデルを設定して、複数のシナリオをシミュレートできます。

シミュレーションは、プロセス内の個々のタスクをコールしません。たとえば、シミュレーションはサービス・タスクに関連付けられているサービスを実行せず、変数に値は割り当てられず、外部リソースは更新されません。

6.1.2 シミュレーション・パラメータ

シミュレーション定義とシミュレーション・モデルに対して定義される一般的なパラメータに加えて、BPMNプロセス内の開始イベントとアクティビティに対するシミュレーション・パラメータも定義できます。

6.1.2.1 一般的なシミュレーション定義パラメータ

次のパラメータは、シミュレーション定義の一般的な動作を定義します。

  • シミュレーション定義: シミュレーション定義の名前を定義します。

  • 期間: シミュレーションの実行期間を定義します。この間隔は、月単位、日単位、時間単位、分単位および秒単位で指定します。

  • 開始時間: シミュレーションの開始時間を定義します。この時間はロギングにのみ使用されます。スケジュール目的では使用されません。

  • シミュレーションが終了する前に実行中のインスタンスを完了: 選択すると、シミュレーションは、指定した数のインスタンスが完了したときのみ終了します。これを選択しない場合、シミュレーションはシミュレーション期間が経過すると停止します。その時点で完了していないインスタンスはすべて「処理中」または「キュー」ステータスで表示されます。

シミュレーション定義を作成する際、これらのパラメータを定義する必要があります。ただし、必要に応じて、後で再定義できます。

6.1.2.2 シミュレーション・モデルのパラメータ

次のパラメータは、シミュレーション・モデルの一般的な動作を定義します。

  • モデル名: シミュレーション・モデルの名前を定義します。

  • 作成するプロセス・インスタンスの数を指定してください: シミュレーション中に作成されるシミュレーション・インスタンス数を指定します。

  • 対話型タスク: 対話型タスクに対して使用される分布タイプを定義します。次の分布タイプを使用できます。

    • 定数

    • 均一

    • 指数

    • 標準

    これらは、プロセス内の特定のアクティビティに対して定義されている分布方法と同じになります。プロセス内の特定のアクティビティに対する分布タイプまたはその他のパラメータを変更すると、これらの値は、シミュレーション・モデルに対して定義されている一般的な値をオーバーライドします。詳細は、6.1.2.5項「アクティビティのパラメータ」を参照してください。

  • 自動タスク: 自動タスクの実行時に使用できるシミュレーション・スレッド数を定義します。このパラメータは、プロセス内の個々のアクティビティに対して定義できるスレッド・パラメータと同じです。詳細は、6.1.2.5項「アクティビティのパラメータ」を参照してください。

6.1.2.3 リソースのパラメータ

リソースは、組織内のシミュレーション・リソースを定義します。リソースは、シミュレーション定義で定義され、含まれる各プロセス・モデル間で共有できます。これらリソースは、プロジェクト内の特定のロールと関連付けることができます。これらのパラメータを使用することにより、1人またはグループのコスト、時間および効率性を決定するリソース・プロファイルを作成できます。

次のリソース・パラメータがサポートされています。

  • 名前: リソースの名前を定義します。

  • 時間当たりのコスト: アクティビティの実行時における、時間当たりのリソース・コストを指定します。

  • 時間当たりのコスト: アクティビティの実行時における、時間当たりのリソース・コストを指定します。このパラメータは、組織リソースの割当て方法を定義する際、最大効率ポリシーを選択した場合に使用されます。詳細は、6.1.2.5項「アクティビティのパラメータ」を参照してください。

  • 容量: 1回に実行可能とするアクティビティ数を指定します。

  • 可用性: このリソースを利用可能とする時間の割合を指定します。

  • ロール: このリソースに関連付けるロールを指定します。

6.1.2.4 開始イベントのパラメータ

開始イベントの動作とパフォーマンスをシミュレートするために、Oracle BPMは、特定の動作の可能性をシミュレートする統計モデルを使用します。Oracle BPMが使用する統計分布を選択する必要があります。

使用可能な分布タイプは、次のとおりです。

  • 定数: 特定の間隔で開始イベントをトリガーします。たとえば、1分15秒と指定すると、1分15秒ごとにイベントがトリガーされます。イベントがトリガーされるたびに、プロセスの新しいインスタンスが作成されます。

  • 均一: 平均パラメータと差異パラメータによって指定される範囲内の間隔で開始イベントを繰り返します。たとえば、平均を30秒、差異を3秒と定義した場合、開始イベントの新しいインスタンスが、27秒から33秒の間隔で均一に作成されます。

  • 指数: 特定の間隔内で指定回数、開始イベントをトリガーします。たとえば、頻度を10とし、間隔を1時間と定義した場合、1時間当たり10回イベントがトリガーされます。イベントの分布は、指数分布に基づきます。

  • 標準: 正規(ガウス)分布に基づいてイベントをトリガーします。これは、ベル曲線に基づいて繰り返す連続確率分布です。たとえば、平均値を10とし、標準偏差を2分と定義した場合、イベントは、図6-1で示されている確率に従って繰り返されます。

    図6-1 シミュレーション - 開始イベントの正規分布

    図6-1の説明が続きます
    「図6-1 シミュレーション - 開始イベントの正規分布」の説明

    この例では、イベントの8分から12分の間隔で繰り返される確率は62.8パーセントになります。

  • 実数: 時間単位、日単位、週単位または月単位でのユーザー指定間隔に基づいて開始イベントをトリガーします。各間隔について平均と標準偏差を定義できます。これらのパラメータを使用すると、開始イベントは正規分布で新しいプロセス・インスタンスを作成します。

    たとえば、平日について平均を5分、標準偏差を1分とし、週末については平均を1時間、標準偏差を10分として、日単位で分布を指定できます。

6.1.2.5 アクティビティのパラメータ

開始イベントに加えて、シミュレーション動作またはプロセス内の対話型および自動アクティビティを決定するパラメータを定義できます。シミュレーション・エディタのタブ付きペインでこれらのパラメータを定義します。図6-2は、対話型アクティビティのタブ付きペインの例を示しています。

図6-2 対話型アクティビティのシミュレーション・パラメータ

図6-2の説明が続きます
「図6-2 対話型アクティビティのシミュレーション・パラメータ」の説明

アクティビティのシミュレーション・パラメータは次のとおりです。

  • 期間: アクティビティの実行に必要とされる時間を決定するために使用される統計モデルを指定します。使用される統計モデルは、開始イベントに対して定義される統計モデルと似ていますが、ここでは、イベントのトリガー頻度を定義するのではなく、特定のアクティビティの実行にかかる時間を定義します。

    各分布タイプについては、6.1.2.4項「開始イベントのパラメータ」を参照してください。

  • リソース (対話型アクティビティのみ): 同時実行可能な対話型アクティビティ数を定義します。シミュレーション・リソースがこのアクティビティにどのように割り当てられるかを定義できます。

    • 組織リソース: シミュレーション定義内のすべてのプロセスで共有されるリソースです。アクティビティを実行するためにシミュレーション対象リソースを選択する方法を決定するポリシーを指定する必要があります。

      • 最小コスト: 最小コストのリソースを選択します。

      • 最大効率: 最大効率のリソースを選択します。

      • ランダム: 最小コストと最大効率の間でランダムに選択します。

      シミュレーション定義での組織リソースの定義については、6.1.2.3「リソースのパラメータ」を参照してください。

    • 修正済リソース: 対話型アクティビティの実行に使用できるリソース数を明示的に定義します。

  • スレッド: (自動アクティビティの場合のみ)自動アクティビティの実行時に使用されるシミュレーション・スレッド数を定義します。

  • 時間当たりのコスト: アクティビティの実行に必要となるコストを指定します。このパラメータは、コストベースのレポートを作成するのに使用します。

    • アクティビティ・コスト・タイプ: 基準コストとして、またはアクティビティを実行するために割り当てるリソースのコストに加算される基準コストとして定義できます。

    • アクティビティ修正済基準コスト: 修正済基準コストの金額(小数で指定)を定義します。

    シミュレーション定義での組織リソースの定義については、6.1.2.3「リソースのパラメータ」を参照してください。

  • キュー情報: このアクティビティのキューの最大サイズを指定します。これは、このアクティビティで同時に待機するインスタンスの数です。この数が最大サイズに達すると、警告が発生します。

  • 送信フロー: 各送信シーケンス・フローに沿ったプロセス・インスタンスの確率(小数で定義)を指定します。定義されている送信シーケンス・フローが1つのみの場合、確率は1になり、変更できません。

6.2 シミュレーションの作成と実行

シミュレーションを実行する前に、プロジェクトに対してシミュレーション・モデル、およびシミュレーションに含める各プロセスに対して少なくとも1つのシミュレーション定義を定義する必要があります。複数のシミュレーション定義を作成して、プロセスのパフォーマンスをテストおよび比較できます。

シミュレーションを作成して実行するには:

  1. シミュレーションに含めるBPMNプロセスを作成します。

    ビジネス・プロセスの作成および使用については、5.3項「ビジネス・プロセスの使用」を参照してください。

  2. シミュレーション定義とシミュレーション・モデルを作成します。

    プロセスの初期シミュレーション・モデルはシミュレーション定義エディタでのみ作成できます。プロセスに対して少なくとも1つのシミュレーション・モデルを作成した後、プロセスに対して追加シミュレーション・モデルを作成できます。

    シミュレーション定義とシミュレーション・モデルを作成するためのシミュレーション・ウィザードの実行については、6.3.1項「シミュレーション定義を作成する方法」を参照してください。

  3. プロセスのシミュレーション動作を定義するためのパラメータを構成します。

    シミュレーション定義とシミュレーション・モデルに対して定義できるパラメータについては、6.1.2項「シミュレーションのパラメータ」を参照してください。プロセス内のフロー・オブジェクトのパラメータを構成する方法については、6.4.2項「シミュレーション・モデルを編集する方法」を参照してください。

  4. シミュレーションを実行します。

    シミュレーション定義とシミュレーション・モデルを作成および構成した後、シミュレーションを実行できます。

    詳細は、6.5項「シミュレーションの実行」を参照してください。

  5. シミュレーションの結果を分析します。

    シミュレーション実行後、シミュレーション結果を分析して、プロセスのパフォーマンスが向上するようにパラメータを調整できます。詳細は、6.6項「シミュレーションの結果の分析」を参照してください。

6.3 シミュレーション定義の使用

シミュレーション定義は、BPMプロセスのシミュレーション動作を全体的に定義します。シミュレーション定義内で、組織リソースを含む一般的なパラメータを定義したり、シミュレーションに含めるシミュレーション・モデルを選択できます。複数のシミュレーション定義を作成して、パラメータとプロセスの様々な組合せをテストできます。

シミュレーション定義を作成した後、次の項で説明するように、リソースを編集したり、シミュレーション・モデルを追加したりできます。

6.3.1 シミュレーション定義を作成する方法

シミュレーション定義で、様々なパラメータ値を変更して、それがプロジェクトのパフォーマンスにどのように影響するかを確認できます。定義できるパラメータは次のとおりです。

  • シミュレーションの開始時間と期間

  • プロジェクト・シミュレーションに含めるプロセス・シミュレーション・モデル

  • シミュレーションに含めるリソース

Business Process Composerには、新規シミュレーション定義の作成と構成、新規シミュレーション・モデルの作成と構成、および組織リソースの構成を順に行うウィザードが用意されています。

シミュレーション定義を作成および構成するには:

  1. プロジェクトのようこそページのツールバーの「シミュレート」をクリックします(図6-3を参照)。

    図6-3 プロジェクトのようこそページの「シミュレート」ボタン

    図6-3の説明が続きます
    「図6-3 プロジェクトのようこそページの「シミュレート」ボタン」の説明

    シミュレーション・エディタが表示されます。

  2. 図6-4に示すように、「追加」(+)アイコンをクリックします。

    図6-4 シミュレーション・エディタ・ウィンドウ

    図6-4の説明が続きます
    「図6-4 シミュレーション・エディタ・ウィンドウ」の説明

  3. シミュレーションの名前と、シミュレーション定義内の期間と開始時間の値を入力します。

    シミュレーション定義を作成する際、これらのパラメータを定義する必要があります。ただし、必要に応じて、後で再定義できます。

    各パラメータの詳細は、6.1.2.1項「一般的なシミュレーション定義パラメータ」を参照してください。

  4. 「次へ」をクリックします。

  5. シミュレーション定義に含める各プロセスの新しいシミュレーション・モデルを作成します。

    シミュレーション・モデルはシミュレーション定義間で共有できます。ただし、初めてシミュレーション定義を作成するときは、各プロセスに対して少なくとも1つのシミュレーション・モデルを作成する必要があります。

    1. 「追加」(+)アイコンをクリックして、新しいシミュレーション・モデルを作成します(図6-5を参照)。

      図6-5 シミュレーション・モデル・パネル

      図6-5の説明が続きます
      「図6-5 シミュレーション・モデル・パネル」の説明

      シミュレーション・モデルでは、プロセスのシミュレーション動作を定義します。1つのプロセスに対して複数のシミュレーション・モデルを定義できますが、1つのシミュレーション・モデルのみがシミュレーション定義内の各プロセスに使用されます。

    2. 図6-6に示すように、各フィールドに情報を入力します。

      図6-6 新規シミュレーション・モデル・エディタ

      図6-6の説明は次にあります。
      「図6-6 新規シミュレーション・モデル・エディタ」の説明

      各パラメータの詳細は、6.1.2.2項「シミュレーション・モデルのパラメータ」を参照してください。

    3. 「追加」をクリックします。

    必要に応じて、追加のシミュレーション・モデルを作成します。シミュレーション定義に含めない場合でもプロジェクト内の各プロセスに対して少なくとも1つのシミュレーション・モデルを作成する必要があります。こうすると、追加のシミュレーション・モデルを後で作成して、それらをシミュレーション定義に追加することができます。

  6. 図6-5に示されているように、シミュレーション・モデルをシミュレーション定義に含める各プロセスの隣にあるチェック・ボックスを選択します。

    プロセスのシミュレーション・モデルを作成していない場合は選択できません。

  7. 「次へ」をクリックします。

  8. 「リソースの追加」アイコンをクリックして、シミュレーション定義にリソースを追加します(オプション)。

    定義できるリソース・パラメータについては、6.1.2.3「リソースのパラメータ」を参照してください。

  9. 「終了」をクリックします。

6.3.2 シミュレーション定義作成時の処理

新規シミュレーション定義とシミュレーション・モデルを作成したら、図6-7のようにシミュレーション・パネルが表示されます。

図6-7 シミュレーション定義作成後の「シミュレーション」パネル

図6-7の説明が続きます
「図6-7 シミュレーション定義作成後の「シミュレーション」パネル」の説明

このパネルには、プロジェクトで定義されているすべてのシミュレーション定義を含むドロップダウン・リストが表示されます。また、現在選択されているシミュレーション定義に含まれるすべてのシミュレーション・モデルも表示されます。ドロップダウン・リストから別のシミュレーション定義を選択すると、そのシミュレーション定義に対して定義されているシミュレーション・モデルが表示されます。

このパネルから、次のタスクを実行できます。

6.3.3 シミュレーション定義を編集する方法

シミュレーション定義を作成した後、シミュレーション・パネルから編集できます。

シミュレーション定義を編集するには:

  1. プロジェクトのようこそページのツールバーの「シミュレート」をクリックします(図6-3を参照)。

    「シミュレート」をクリックしたら、シミュレーション・パネルは図6-7のようになります。

  2. ドロップダウン・リストから、編集するシミュレーション定義を選択し、「編集」アイコンをクリックします。

    図6-8のように、シミュレーション定義エディタがタブ付きペインで表示されます。

    図6-8 シミュレーション定義エディタ

    図6-8の説明が続きます
    「図6-8 シミュレーション定義エディタ」の説明

    このエディタから、シミュレーション定義のシミュレーション・モデルを追加または削除したり、リソースを追加したり、シミュレーションを実行できます。

  3. 必要に応じて、開始時間、期間および終了時間を編集します。各パラメータの詳細は、6.1.2.1項「一般的なシミュレーション定義パラメータ」を参照してください。

  4. シミュレーション定義にリソースを追加するには、「リソースの追加」アイコンをクリックし、必要に応じて「リソース」表のフィールドを編集します。リソースに対して定義できるパラメータの詳細は、6.1.2.3「リソースのパラメータ」を参照してください。

6.3.4 シミュレーション定義にシミュレーション・モデルを追加する方法

新しいシミュレーション・モデルを作成する前に、少なくとも1つのシミュレーション定義を作成する必要があります。詳細は、6.3.1項「シミュレーション定義を作成する方法」を参照してください。

シミュレーション定義にシミュレーション・モデルを追加するには:

  1. プロジェクトのようこそページのツールバーの「シミュレート」をクリックします(図6-3を参照)。

  2. ドロップダウン・リストから、シミュレーション・モデルを追加するシミュレーション定義を選択します。

    新しいシミュレーション・モデルは、シミュレーション定義エディタから作成します。ただし、プロセスに対するシミュレーション・モデルを作成した後は、そのモデルを複数のシミュレーション定義で共有できます。

  3. 「編集」アイコンをクリックします。

  4. 「モデル」ペインの「モデル・シミュレーションの追加」アイコンをクリックします。

  5. 図6-9のように、ドロップダウン・リストからプロセスを選択し、シミュレーション・モデルを選択します。

    図6-9 シミュレーション定義へのシミュレーション・モデルの追加

    図6-9の説明が続きます
    「図6-9 シミュレーション定義へのシミュレーション・モデルの追加」の説明

  6. 「追加」をクリックします。

  7. 新しいシミュレーション・モデルがリストに表示されます。

6.4 シミュレーション・モデルの使用

シミュレーション・モデルを使用すると、個々のプロセスの動作をシミュレートできます。シミュレーション定義の一部としてプロセスの動作を指定できます。

各プロセスに複数のシミュレーション・モデルを定義し、リソース割当てとアクティビティ動作の様々な組合せに基づいて様々なシミュレーションを作成できます。

6.4.1 新しいシミュレーション・モデルを作成する方法

1つのプロセスに対して複数のシミュレーション・モデルを作成できます。シミュレーション定義ごとに異なるモデルを含めて、パラメータ設定に基づいてパフォーマンスを判断することができます。


注意:

プロセスに対する最初のシミュレーション・モデルは、直接作成できません。プロセスの最初のシミュレーション・モデルは、シミュレーション定義エディタで作成する必要があります。初期シミュレーション・モデルを作成した後、次の手順で追加のモデルを作成できます。

シミュレーション定義作成時のシミュレーション・モデルの作成については、6.3.1項「シミュレーション定義を作成する方法」を参照してください。


プロセスに対して新しいシミュレーション・モデルを作成するには:

  1. プロジェクトのようこそページのツールバーの「シミュレート」をクリックします(図6-3を参照)。

  2. 新しいシミュレーション・モデルを作成するプロセスを含むシミュレーション定義を選択します。

  3. シミュレーション・モデルの横の編集アイコンをクリックします。

    プロセスがシミュレーション・キャンバスに表示されます。このキャンバスは、プロセス・エディタ・キャンバスに似ています。プロセス・エディタ・ツールバーのドロップダウン・リストを使用して、プロセス・デザイナとシミュレーション・キャンバス間を切り替えることができます。

  4. 図6-10で示されているように、プロセス・エディタ・ツールバーの「追加」アイコンをクリックします。

    図6-10 シミュレーション・エディタ・ツールバー

    図6-10の説明が続きます
    「図6-10 シミュレーション・エディタ・ツールバー」の説明

  5. 名前を入力し、作成をクリックします。

新規シミュレーション・モデルが作成されます。新規シミュレーション定義の作成時または既存シミュレーション定義の編集時にこのモデルを使用できます。詳細は、6.3.4項「シミュレーション定義にシミュレーション・モデルを追加する方法」を参照してください。

6.4.2 シミュレーション・モデルを編集する方法

シミュレーション・モデルを編集するには

  1. プロジェクトのようこそページのツールバーから、「シミュレート」をクリックします。

  2. ドロップダウン・リストから、編集するシミュレーション・モデルが含まれているシミュレーション定義の名前を選択します。

  3. 編集するシミュレーション・モデルの隣にある「編集」アイコンをクリックします。

    プロセスがシミュレーション・キャンバスに表示されます。このキャンバスは、プロセス・エディタ・キャンバスに似ています。図6-10のように、プロセス・エディタ・ツールバーのドロップダウン・リストを使用して、プロセス・デザイナとシミュレーション・キャンバス間を切り替えることができます。


    注意:

    このドロップダウン・リストは、プロセスに対して少なくとも1つのシミュレーション・モデルが定義されている場合のみ表示されます。


  4. 構成するシミュレーション情報が含まれるフロー・オブジェクトの上にマウスを重ねて、リソースを定義するフロー・オブジェクトの「編集」アイコンをクリックします。

    このシミュレーション定義ペインは図6-11のようになります。

    図6-11 シミュレーション・モデル・エディタのリソース定義パネルの表示

    図6-11の説明が続きます
    「図6-11 シミュレーション・モデル・エディタのリソース定義パネルの表示」の説明

  5. タブをクリックし、適切なシミュレーション・パラメータを編集して、フロー・オブジェクトのシミュレーション・パラメータを編集します。特定のフロー・オブジェクトに対して構成できるパラメータについては、6.1.2.4項「開始イベントのパラメータ」6.1.2.5項「アクティビティのパラメータ」を参照してください。

  6. パラメータを編集したら、ポップアップ・ウィンドウの外側をクリックして変更内容を保存します。

6.5 シミュレーションの実行

シミュレーション・モデルとシミュレーション定義を定義したら、シミュレーションを実行して、BPMプロジェクトのパフォーマンスを表示できます。

6.5.1 シミュレーションを実行する方法

シミュレーションを実行するには、テストする各プロセスに対してシミュレーション定義とシミュレーション・モデルが少なくとも1つ定義されている必要があります。

シミュレーションを実行するには:

  1. プロジェクトのようこそページのツールバーから、「シミュレート」をクリックします。

  2. 実行」アイコンをクリックします。

6.5.2 シミュレーションを実行した後の結果

シミュレーションのアニメーションがシミュレーション定義エディタに表示されます。


注意:

チャートのカラム上にマウス・ポインタを置くと、アクティビティまたはインジケータの値を示すツールチップが表示されます。


6.6 シミュレーション結果の分析

「シミュレーション」ウィンドウで「チャート」タブまたは「ログ」タブをクリックして、シミュレーション結果をチャートまたはログ・ファイルとして表示できます。

「ログ」タブには、シミュレーションされたプロセスのすべてのインスタンスの動作を追跡するログが表示されます。ログの各行には、次の情報が示されます。

6.6.1 チャートを使用してシミュレーション結果を分析する方法

「チャート」タブでは、シミュレーションの結果を表示するチャートのタイプを選択できます。このチャートは、監視するリソースが表示されるように構成できます。チャートがリソースの使用状況の測定に使用する単位を選択することもできます。

「チャート」タブでは、次を構成することによってシミュレーションの結果のチャートを表示する方法を構成できます。

  • チャートのタイプ

  • 監視するアクティビティまたはリソース

  • インジケータ

チャートを使用してシミュレーションの結果を分析するには:

  1. 「チャート」タブの下のリストから、表示するチャートのタイプを選択します。

    使用可能なタイプを次に示します。

    • 棒3D

    • カラム3D

  2. 「チャート」タブの右側にある「構成」アイコンをクリックします。

    「構成」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  3. 監視するリソースまたはアクティビティを選択します。

  4. アクティビティまたはリソースを表示する軸を選択します。

  5. 「表示」リストの下のリストから、シミュレーションで監視するアクティビティまたはリソースを選択します。

  6. 「インジケータ」リストから、監視するインジケータのタイプを選択します。

    インジケータの使用可能なタイプは、次のとおりです。

    • コスト

    • 時間

    • 単位

  7. インジケータ・リストの下のリストから、監視するインジケータを選択します。

    チャートには、選択した変数とインジケータが表示されます。

  8. 「閉じる」をクリックします。

  9. 必要に応じて、「タイプ」リストの横にあるドリル・アップおよびドリル・ダウンのアイコンをクリックして、チャートの詳細レベルを増減します。