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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Management Business Process Composerユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1.7)
B61410-07
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7 プロセス・プレーヤの使用

この章では、BPMプロジェクト内のビジネス・プロセスをテストするプロセス・プレーヤの使用方法について説明します。

この章は次の項で構成されています:

7.1 プロセス・プレーヤの概要

プロセス・プレーヤは、ビジネス・プロセスを素早く簡単にテストする方法を提供します。Business Process Composerからアクセス可能な、ビジネス・プロセスの実際の動作をエミュレートするランタイム環境を提供します。これを使用すると、プロセス設計者は、BPMプロジェクトを保存およびデプロイしてプロセス・ワークスペースに表示しなくても、簡単にプロセスの作成、テストおよび改訂を行うことができます。

プロセス・プレーヤでは、プロセスの動作のアニメーション表示が提供されます。図7-1は、プロセス・プレーヤ・ビューを示しています。

図7-1 プロセス・プレーヤ

図7-1の説明が続きます。
「図7-1 プロセス・プレーヤ」の説明

赤色のアウトラインは、プロセスのフロー・オブジェクトおよびシーケンス・フローを経由したプロセス・インスタンスを示します。プロセスを経由したインスタンスの特定のパスは、様々なフロー・オブジェクトに対して指定した入力データによって異なります。詳細は、7.1.1項「プロセス・プレーヤでのプロセスのフロー・オブジェクトの処理方法」を参照してください。

ビジネス・プロセスでプロセス・プレーヤを実行すると、現在のドラフト・バージョンのBPMプロジェクトが検証され、Oracle BPMランタイム環境のテスト・パーティションにデプロイされます。ビジネス・プレーヤの使用時、プロセス設計中の変更を表示するために、プロジェクトを保存したり手動でデプロイする必要はありません。

プロセス・プレーヤを使用して、プロセス・インスタンスの作成および動作をテストできます。プロジェクト内の各プロセスの複数のインスタンスを作成できます。


注意:

プロセス・プレーヤは、BPMプロジェクトを現在編集中である場合にのみ使用できます。


7.1.1 プロセス・プレーヤでのプロセスのフロー・オブジェクトの処理方法

プロセス・プレーヤはプロセスを通して実行する際に、プロセス内のフロー・オブジェクトの一部の実行時動作をエミュレートします。

  • ユーザー・タスク

    プロセス・プレーヤがプロセス内のユーザー・タスクに達した際、そこで実行されるアクションは、ヒューマン・タスクにフォームが割り当てられているかどうかに応じて異なります。

    フォームが割り当てられていない場合、プロセス・プレーヤが停止し、そのタスクを実行するシミュレーション・ユーザーを入力できる状態になります。そのヒューマン・タスクに対して定義されている結果の1つを選択するように求められます。デフォルトの結果は承認および却下です。ただし、ヒューマン・タスクで結果がどのように構成されているかに応じて、可能性のある結果のリストが異なります。詳細は、11.3.4項「基本タスク・プロパティの構成方法」を参照してください。結果を選択すると、プロセス・プレーヤはプロセスの次のフロー・オブジェクトに進みます。

    Webフォームがヒューマン・タスクに割り当てられている場合、プロセス・プレーヤは、Webフォームの起動オプションと、結果の選択オプションを提供します。Webフォームの起動を選択すると、Business Process ComposerがWebフォームをデプロイし、これをビューアに表示します。

    ヒューマン・タスクにADFフォームが割り当てられている場合、プロセス・プレーヤから表示するにはOracle JDeveloperを使用してランタイム環境にフォームをデプロイする必要があります。ADFフォームがデプロイされると、Business Process Composerが、プロセス・プレーヤ・パーティションへのデプロイ時にアクセスできます。

    WebフォームまたはADFフォームを表示した後、引き続きプロセスを実行するには、手動でフォーム・ビューア・ウィンドウを閉じる必要があります。

  • メッセージ送信イベントと送信タスク

    プロセス・プレーヤがプロセス内のメッセージ送信イベントまたは送信タスクに達すると、これらが自動的に実行されます。それからプロセス・インスタンスのコールを続け、対応するメッセージ・キャッチまたは受信タスクで停止します。いずれの場合でも、親プロセスに手動で戻る必要があります。たとえば、送信/受信ペアが、同じプロジェクトの別のプロセスでインスタンスを作成している場合、プロセス・プレーヤのホームに戻って、このプロセスの新しいインスタンスを選択し、子プロセスを実行し、親プロセスに戻ることができます。送信/受信ペアが外部Webサービスをコールする場合は、プロセスの実行を続けるために必要なWebサービス・メッセージを手動で入力する必要があります。

  • タイマー・イベント

    プロセス・プレーヤは、プロセス内のタイマー・イベントに到達すると一時停止し、ユーザーがフロー・オブジェクトの「実行」アイコンをクリックするまで待機します。プロセス・プレーヤはプロセスの次のフロー・オブジェクトに進みます。

  • コール・アクティビティ

    プロセス・プレーヤが到達したところで、コール・アクティビティが子プロセスをコールし、プロセスの子インスタンスを作成します。子プロセスを表示するには、ドリル・ダウン・アイコンをクリックします。

  • 終了イベント

    プロセス・プレーヤは、終了イベントに到達すると一時停止し、「ドリル・アップ」アイコンを表示します。このアイコンをクリックすると、プロセス・プレーヤは親プロセスに戻ります。現在のプロセスに親が存在しない場合は、プロセス・プレーヤのホームに戻り、プロセス・インスタンスは削除されます。

  • その他のフロー・オブジェクト

    プロセス・プレーヤが到達した別のフロー・オブジェクトで、一部の操作や外部イベントをインスタンスが待機する処理が発生すると、プロセス・プレーヤは一時停止します。プロセスの実行を続行するには、プロセス・プレーヤ・ホームの上部にある「リフレッシュ」アイコンをクリックします。

7.1.2 Business Process Composerのプロセス・プレーヤの有効化

プロセス設計者がプロセス・プレーヤを使用してBPMプロジェクトのプロセスをテストできるようになるには、システム管理者がプロセス・プレーヤを有効にする必要があります。詳細は、16.4項「プロセス・プレーヤの管理者資格証明の定義方法」を参照してください。

7.2 プロセス・プレーヤを使用したビジネス・プロセスの動作のテスト

7.2.1 プロセス・プレーヤにアクセスする方法

Business Process Composerでプロセス・プレーヤにアクセスする方法には、次の2つの方法があります。

7.2.2 プロセス内で定義されたロールを組織のユーザーにマップする方法

プロセス・プレーヤを使用する前に、プロセス内で定義されたロールを、ランタイム環境で定義された組織インフラストラクチャのユーザーまたはグループにマップする必要があります。プロセス・プレーヤは、組織の情報を使用して、実際の状況におけるビジネス・プロセスの動作を模倣します。

ロールを組織のユーザーにマップするには:

  1. プロジェクトを開きます。

  2. プロセス・プレーヤを起動します。詳細は、7.2.1項「プロセス・プレーヤにアクセスする方法」を参照してください。

  3. 「組織」ペインで、マップするプロセスのロールをドロップダウン・リストから選択します。ドロップダウン・リストには、プロセス内で定義されているすべてのロールが表示されます。図7-4「組織」ペインを示しています。

    図7-4 プロセス・プレーヤ - 「組織」ペイン

    図7-4の説明が続きます
    「図7-4 プロセス・プレーヤ - 「組織」ペイン」の説明

  4. マップするユーザーまたはグループを選択します。

    1. 「選択」をクリックします。

    2. ユーザーまたはグループをドロップダウン・リストから選択します。

    3. 検索するユーザーまたはグループの名前を入力して、「検索」をクリックします。すべてのユーザーまたはグループのリストを表示するには、テキスト領域を空白にしたまま「検索」をクリックします。

    4. 表で、マップする各ユーザーまたはグループの隣にあるチェック・ボックスを選択します。ユーザーまたはグループを選択すると、そのユーザーまたはグループがチューザ・ウィンドウの下部に表示されます。

    5. 「OK」をクリックします。

  5. 「マッピングの追加」をクリックします。

プロセス・ロールにマップしたユーザーまたはグループが、マッピング表に表示されます。


注意:

少なくとも1つのユーザーまたはグループを、プロセス内の各ロールにマップする必要があります。プロセス・プレーヤは、マップされていないロール内のユーザー・タスクに遭遇した場合、ヒューマン・タスク後、プロセスの実行を続行できません。


7.2.3 プロセス・プレーヤを使用してビジネス・プロセスを実行する方法

プロセス・プレーヤを使用してビジネス・プロセスの動作をテストする前に、プロセス内のすべてのロールを、組織内の少なくとも1つのユーザーまたはグループにマップ済であることを確認してください。詳細は、7.2.2項「プロセス内で定義されたロールを組織のユーザーにマップする方法」を参照してください。

プロセス・プレーヤを使用するには:

  1. プロジェクトを開きます。

  2. プロセス・プレーヤにアクセスします。詳細は、7.2.1項「プロセス・プレーヤにアクセスする方法」を参照してください。

  3. プロセスを選択します。

  4. プロセスの開始イベントにある「再生」アイコンをクリックします(図7-5を参照)。

    図7-5 プロセス・プレーヤの開始イベントの「再生」アイコン

    図7-5の説明が続きます
    「図7-5 プロセス・プレーヤの開始イベントの「再生」アイコン」の説明

    プロセス・プレーヤがプロセスの実行を開始します。各フロー・オブジェクトおよびシーケンス・フローを通過すると、プロセスで経由したパスは赤色で描画されます。

    プロセス・プレーヤがプロセスの実行を続行しているときに、プロセス・インスタンスが次のいずれかのフロー・オブジェクトに到達すると、プロセス・プレーヤは停止します。

    • ユーザー・タスク

    • コール・アクティビティ

    • メッセージ・イベント

    • タイマー・イベント

    プロセス・プレーヤがプロセスの実行を続行する前に、これらの各フロー・オブジェクトに関する入力を提供する必要があります。詳細は、7.1.1項「プロセス・プレーヤでのプロセスのフロー・オブジェクトの処理方法」を参照してください。

  5. プロセス・プレーヤがユーザー・タスクで一時停止した場合:

    1. ユーザー・タスクの「再生」アイコンをクリックします(図7-6を参照)。

      図7-6 プロセス・プレーヤのユーザー・タスクの「再生」アイコン

      図7-6の説明が続きます
      「図7-6 プロセス・プレーヤのユーザー・タスクの「再生」アイコン」の説明

    2. タスクを実行するユーザーを選択します。


      注意:

      ユーザーのリストが空で表示される場合は、プロセスのすべてのロールが正しくマップ済であることを確認してください。


    3. 「実行」をクリックし、結果をリストから選択します。可能性がある結果は、現在のユーザー・タスクに関連付けられているヒューマン・タスクによって定義されます。

      図7-7は、ユーザーjsteinが選択され、承認の結果が実行された場合の例を示しています。

      図7-7 ヒューマン・タスクのユーザーおよび結果の選択

      図7-7の説明は次にあります。
      「図7-7 ヒューマン・タスクのユーザーおよび結果の選択」の説明

    結果を選択すると、プロセス・プレーヤはプロセス内の次のフロー・オブジェクトに進みます。

  6. プロセス・プレーヤがメッセージ・キャッチ・イベントまたは受信タスクで停止した場合、子プロセスのインスタンスを作成します。

    1. 実行」アイコンをクリックします。

    2. 「プロジェクト・プレーヤ」タブを選択します。

    3. 「インスタンス」表で、新しく作成されたインスタンスを選択します。

      元のプロセスの「プロセス・プレーヤ」タブを閉じるかどうかをたずねられます。このウィンドウを閉じても、プロセス・インスタンスに影響はありません。

    4. 「OK」をクリックします。

      プロセス・プレーヤにより、新しいプロセス・インスタンスが開かれ、親プロセスからコールされたメッセージ開始イベントからプロセスの実行が開始されます。

    5. プロセス・プレーヤを一時停止するフロー・オブジェクトについては、前述の手順と同様に「実行」アイコンをクリックします。

    6. プロセス・プレーヤがプロセスのメッセージ終了イベントに到達したら、ドリルアップの矢印をクリックして親プロセスに戻ります(図7-8を参照)。

      図7-8 メッセージ終了イベントの「ドリル・アップ」アイコン

      図7-8の説明が続きます
      「図7-8 メッセージ終了イベントの「ドリル・アップ」アイコン」の説明

      プロセス・プレーヤにより、このプロセスのタブが閉じられ、プロセス・インスタンスはインスタンスのリストから削除されます。

    7. プロセス・インスタンスのリストから、親プロセスのプロセス・インスタンスを開きます。

    親プロセスのプロセス・インスタンスを再度開くと、プロセス・プレーヤは、子プロセスがコールされた地点からプロセスの実行を続行します。

  7. プロセス・プレーヤがプロセス内の終了イベントに到達したら、「ドリル・アップ」アイコンをクリックして(図7-8を参照)、プロセス・インスタンスを終了します。プロセス・プレーヤはプロセス・プレーヤ・エディタに戻り、プロセス・インスタンスは削除されます。