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Oracle® Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス
11gリリース1 (10.3.6)
B55569-05
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20 エンタープライズ・スケジューラ・カスタムWLSTコマンド

この章では、ジョブ・リクエストの内容の取得、リクエストの管理およびサーバーと構成の管理を行うための、Oracle Enterprise SchedulerのカスタムWLSTコマンドについて説明します。コマンド構文、引数および例についても記載します。

表20-1に示すカテゴリのOracle Enterprise Schedulerのコマンドを使用して、構成、サーバー、ログおよびジョブ・リクエストを管理します。


注意:

これらのカスタムWLSTコマンドを使用するには、Oracle共通ホームからWLSTスクリプトを呼び出す必要があります。『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の「カスタムWLSTコマンドの使用」を参照してください。


これらのWLSTコマンドを実行する場合、クラスパスに次のJARを設定する必要があります。

エンタープライズ・スケジューラ・カスタム・コマンド

表20-1に示すエンタープライズ・スケジューラのコマンドを使用して、エンタープライズ・スケジューラのサーバー、構成、ジョブ・リクエストおよびログを管理します。WLSTの使用状況の列の「オンライン」は、そのコマンドが、実行中の管理サーバーに接続している場合にのみ使用できることを意味します。「オフライン」とは、そのコマンドが、実行中のサーバーに接続されてない場合のみに使用できることを意味します。

表20-1 Oracle Enterprise Schedulerの管理コマンド

コマンド 説明 WLSTの使用状況

essGetRequestContent


リクエストの実行が完了した後、そのログおよび出力データ・ファイルを取得します。

オンライン

essManageRequest


リクエスト状態を手動で取り消し、リカバリ、または完了します。

オンライン

essManageRuntimeConfig


様々な構成パラメータを追加、変更、削除および表示します。

オンライン

essManageServer


サーバー上で実行されているエンタープライズ・スケジューラ・アプリケーションを起動、停止、およびそのステータスを取得します。

オンライン

essQueryRequests


ホストするアプリケーションの名前、状態または実行経過時間に基づいて、リクエストを検索および一覧表示します。

オンライン


essGetRequestContent

コマンド・カテゴリ: ESS

WLSTの使用状況:オンライン

説明

リクエストの実行が完了した後、そのログおよび出力データ・ファイルを取得します。

構文

essGetOutputContent(requestId, contentType, logLines, outDir)
引数 定義

requestId

リクエストID。

contentType

処理する内容のタイプ。LOG、OUTPUT、BINARY_OUTPUTまたはTEXT_OUTPUTです。デフォルトでは、OUTPUT contentTypeによって、BINARY_OUTPUTとTEXT_OUTPUTの両方の内容が確認されます。

logLines

オプション。リクエスト・ログから読み取る行数。デフォルトは1000です。

outDir

オプション。出力ファイルのダンプ先となる出力ディレクトリの絶対パス。デフォルトはカレント・ディレクトリ。


リクエストID 123のリクエスト・ログを取得するには、次のようにします。

essGetOutputContent(123, "LOG")

リクエスト123のすべての出力を取得するには、次のようにします。

essGetOutputContent(123, "OUTPUT")

リクエスト123のすべての出力を取得し、それを/tmpディレクトリに保存するには、次のようにします。

essGetOutputContent(123, "OUTPUT", outDir="/tmp")

リクエスト123のすべてのテキスト出力を取得し、それを/tmpディレクトリに保存するには、次のようにします。

essGetOutputContent(123, "TEXT_OUTPUT", outDir="/tmp")

リクエスト123のすべてのバイナリ出力を取得し、それを/tmpディレクトリに保存するには、次のようにします。

essGetOutputContent(123, "BINARY_OUTPUT", outDir="/tmp")

リクエストID 123のリクエスト・ログの最初の100行を取得するには、次のようにします。

essGetOutputContent(123, "LOG", logLines=100)

essManageRequest

コマンド・カテゴリ: ESS

WLSTの使用状況:オンライン

説明

リクエスト状態を手動で取り消し、リカバリ、または完了します。

構文

essManageRequest(requestId, operation, asyncStatus, statusMessage)
引数 定義

requestId

リクエストID。

operation

実行する操作: CANCEL、RECOVERまたはCOMPLETE。

asyncStatus

COMPLETE操作が指定されている場合は、必須です。指定したリクエストに設定するステータス。次のうちの1つにする必要があります。

  • BIZ_ERROR

  • CANCEL

  • ERROR

  • ERROR_MANUAL_RECOVERY

  • PAUSE

  • SUCCESS

  • UPDATE

  • WARNING

statusMessage

オプション。操作を説明する限定的なステータス・メッセージ。


リクエスト123を取り消すには、次のようにします。

essManageRequest(123, "CANCEL")

リクエスト123をリカバリするには、次のようにします。

essManageRequest(123, "RECOVER")

リクエスト123を完了するには、次のようにします。

essManageRequest(123, "COMPLETE", asyncStatus="ERROR", statusMessage="Completed by Admin")

essManageRuntimeConfig

コマンド・カテゴリ: ESS

WLSTの使用状況:オンライン

説明

様々な構成パラメータを追加、変更、削除および表示します。

構文

essManageRuntimeConfig(app, type, operation, name, val)
引数 定義

app

ランタイム構成を管理するホストするアプリケーション名。

type

構成プロパティのタイプ。APPまたはESSのいずれかです。

operation

オプション。実行する操作。値は次のうちの1つです。add (追加)、mod (変更)、del (削除)、get (取得)またはgetall (すべて取得)。デフォルトは、getallです。

name

操作に対してgetall値が使用されている場合はオプションです。構成パラメータの名前。

val

操作に対してdel、getまたはgetall値が使用されている場合はオプションです。パラメータに対して設定する値。


値"bar"を持つENVパラメータを追加するには、次のようにします。

essManageRuntimeConfig("myapp", "APP", operation="add", name="foo", val="bar")

ENVパラメータ"foo"の値を取得するには、次のようにします。

essManageRuntimeConfig("myapp", "APP", operation="get", name="foo")

すべてのENVパラメータのリストを取得するには、次のようにします。

essManageRuntimeConfig("myapp", "APP", operation="getall")
essManageRuntimeConfig("myapp", "APP")

ENVパラメータ"foo"の値を"barone"に変更するには、次のようにします。

essManageRuntimeConfig("myapp", "APP", operation="mod", name="foo", val="barone")

ENVパラメータ"foo"を削除するには、次のようにします。

essManageRuntimeConfig("myapp", "APP", operation="del", name="foo")

ESSタイプのすべてのパラメータをすべて表示するには、次のようにします。

essManageRuntimeConfig("myapp", "ESS")

essManageServer

コマンド・カテゴリ: ESS

WLSTの使用状況:オンライン

説明

サーバー上で実行されているエンタープライズ・スケジューラ・アプリケーションを起動、停止、およびそのステータスを取得します。エンタープライズ・スケジューラ・アプリケーションを起動することは、エンタープライズ・スケジューラ・プロセッサ・スレッドを起動し、リクエストの処理を開始できるようにすることを意味します。エンタープライズ・スケジューラを停止することは、エンタープライズ・スケジューラ・プロセッサを停止または静止し、新しいリクエストが処理されないようにすることを意味します。

クラスタ内のWLS管理サーバーに接続している場合、このコマンドは、クラスタ内のすべてのノードに作用します。

構文

essManageServer(operation)
引数 定義

operation

実行する操作。START、STOPまたはSTATUSの1つです。


エンタープライズ・スケジューラを停止するには、次のようにします。

essManageServer("STOP")

エンタープライズ・スケジューラ・プロセッサの現在の状態を取得するには、次のようにします。

essManageServer("STATUS")

essQueryRequests

コマンド・カテゴリ: ESS

WLSTの使用状況:オンライン

説明

ホストするアプリケーションの名前、状態または実行経過時間に基づいて、リクエストを検索および一覧表示します。このコマンドは、長時間実行されているリクエストを見つけるために使用できます。

構文

essQueryRequests(app, state, days, hours, minutes)
引数 定義

app

オプション。ホストするアプリケーションの名前。

state

オプション。リクエストの状態。次のうちの1つです(デフォルトはRUNNINGです)。

  • BLOCKED

  • CANCELLED

  • CANCELLING

  • COMPLETED

  • ERROR

  • ERROR_AUTO_RETRY

  • ERROR_MANUAL_RECOVERY

  • EXPIRED

  • FINISHED

  • HOLD

  • PAUSED

  • PENDING_VALIDATION

  • READY

  • RUNNING

  • SCHEDULE_ENDED

  • SUCCEEDED

  • VALIDATION_FAILED

  • WAIT

  • WARNING

days

オプション。時間を日単位で指定します。

hours

オプション。時間を時間単位で指定します。

minutes

オプション。時間を分単位で指定します。


RUNNING状態のリクエストをすべて取得するには、次のようにします。

essQueryRequests()
essQueryRequests(state="RUNNING")

CANCELLEDのリクエストをすべて取得するには、次のようにします。

essQueryRequests(state="CANCELLED")

2日間より長い時間実行されているリクエストをすべて取得するには、次のようにします。

essQueryRequests(days=2)

10時間より長い時間実行されているリクエストをすべて取得するには、次のようにします。

essQueryRequests(hours=10)

アプリケーション"myapp"に対して実行されているリクエストをすべて取得するには、次のようにします。

essQueryRequests(appName="myapp")