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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス
11g リリース1 (10.3.6)
B61640-04
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4 WebLogic SNMPエージェント・コマンド・ライン・リファレンス(非推奨)


注意:

このドキュメントで説明するコマンド・ライン・ユーティリティは、WebLogic Server 10.0で非推奨になりました。かわりに、『Oracle WebLogic Server SNMP管理ガイド』のWebLogic SNMPコマンド・ライン・ユーティリティに関する項で説明されているコマンド・ライン・ユーティリティを使用してください。

WebLogic ServerではSimple Network Management Protocol (SNMP)を使用して、企業全体の管理システムとの通信を実現できます。WebLogic管理データ(管理対象オブジェクト)を収集し、このデータをSNMP通信モジュール(トラップ通知)に変換し、このトラップ通知をサード・パーティのSNMP管理システムに転送するWebLogic Serverサブシステムを、WebLogic SNMPエージェントと呼びます。WebLogic SNMPエージェントは管理サーバー上で動作し、ドメイン内のすべての管理対象サーバーから管理対象オブジェクトを収集します。

WebLogic SNMPエージェントには、次のことを実行できるコマンド・ライン・インタフェースが用意されています。

以下の節では、コマンド・ライン・インタフェースからWebLogic SNMPエージェントを操作する方法について説明します。

WebLogic ServerでSNMPを使用する方法については、次を参照してください:

SNMPコマンド・ライン・インタフェースの環境要件

WebLogic SNMPエージェントのコマンド・ライン・インタフェース用に環境を設定するには、次の手順に従います。

  1. 『Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』の説明に従って、WebLogic Serverソフトウェアをインストールおよび構成します。

  2. WebLogic Server管理対象オブジェクトを検索する場合、Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプSNMPを使用したWebLogic Serverのモニターに関する項の説明に従ってWebLogic SNMPエージェントを有効にします。

  3. コマンド・プロンプト(シェル)を開いて、次のスクリプトを呼び出します。

    WL_HOME\server\bin\setWLSEnv.sh (WindowsではsetWLSEnv.cmd)

    ここで、WL_HOMEは、WebLogic Serverのインストール先ディレクトリです。

    このスクリプトを実行すると、シェルのPATH環境変数にはサポートされるJDKが追加され、CLASSPATH変数にはWebLogic Serverクラスが追加されます。

SNMPコマンド・ライン・インタフェースの構文と共通の引数

すべてのWebLogic SNMPエージェント・コマンドは次の形式を取ります。

java command-name arguments 

表4-1では、ほとんどのWebLogic SNMPエージェント・コマンドに共通する引数について説明します。

表4-1 共通のコマンド・ライン引数

引数 定義
-d 

コマンド出力にデバッグ情報とパケット・ダンプを含めます。

-v {v1 | v2} 

SNMPエージェントとの通信にSNMPv1とSNMPv2のどちらを使用するのかを指定します。

SNMPエージェントを構成するときに「トラップ・バージョン」フィールドで設定したものと同じSNMPバージョンを指定する必要があります(Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプSNMPエージェントの作成に関する項を参照)。

値を指定しない場合、コマンドは-v v1であると仮定します。

-c snmpCommunity 
[@server_name | @domain_name 

WebLogic SNMPエージェント用に設定するコミュニティ名、および必要であれば対話するオブジェクトをホストするサーバー・インスタンスを指定します。

管理サーバー上の管理対象オブジェクトをリクエストするには、次のように指定します。

snmpCommunity 

ここで、snmpCommunityは、SNMPエージェントを構成するときに「コミュニティ接頭辞」フィールドで設定したSNMPコミュニティ名です(Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプSNMPエージェントの作成に関する項を参照)。

1つの管理対象サーバー上の管理対象オブジェクトをリクエストするには、次のように指定します。

snmpCommunity@server_name 

ここで、server_nameは、管理対象サーバーの名前です。

ドメイン内のすべてのサーバー・インスタンスの管理対象オブジェクトをリクエストするには、次の形式でコミュニティ文字列を指定します。

snmpCommunity@domain_name 

ここで、domain_nameは、WebLogic Serverドメインの名前です。

この引数の値を指定しない場合、値は-c public (デフォルトのコミュニティ名を使用)と見なされ、指定された管理対象オブジェクトが管理サーバーに存在すると見なされます。

-p snmpPort 

WebLogic SNMPエージェントがリクエストをリスニングするポート番号です。

値を指定しない場合、コマンドは-p 161であると仮定します。

-t timeout 

コマンドがSNMPエージェントに正常に接続するのを待機するミリ秒数。

値を指定しない場合、コマンドは-t 5000であると仮定します。

-r retries 

SNMPエージェントへの接続の試行が失敗した場合に、コマンドが再試行する回数。

値を指定しない場合、コマンドは最初に試行が失敗した時点で終了します。

host 

WebLogic SNMPエージェントが動作しているWebLogic Serverの管理サーバーをホストするコンピュータのDNS名またはIPアドレス。


WebLogic Server管理対象オブジェクトを取得するためのコマンド

表4-2に、WebLogic Server管理対象オブジェクトとオブジェクト・インスタンスを検索するコマンドの概要を示します。

表4-2 WebLogic Server管理対象オブジェクトからデータを取得するためのコマンドの概要

コマンド 説明
snmpwalk 

MIB内の指定されたノード以下にあるすべての管理対象オブジェクトとインスタンスを返します。

「snmpwalk」を参照してください。

snmpgetnext 

指定するOIDの直後にある管理対象オブジェクトまたはインスタンスを返します。

「snmpgetnext」を参照してください。

snmpget 

1つまたは複数のOIDに対応する管理対象オブジェクトを返します。

「snmpget」を参照してください。


snmpwalk

MIB内の指定されたノード以下にあるすべての管理対象オブジェクトまたはインスタンスを返します。

表形式のオブジェクトOIDを指定すると、コマンドはそのすべてのオブジェクト・インスタンスと、関連するすべての子オブジェクトおよびインスタンスを返します。

構文

java snmpwalk [-d] [-v (v1,v2)] [-c snmpCommunity] [-p snmpPort] 
              [-t timeout] [-r retries] host OID 

表4-3に、snmpwalkに渡されるOIDの引数を示します。

表4-3 snmpwalkの引数

引数 定義
OID 

子オブジェクトおよびインスタンスのセットを取得するノードのオブジェクトID。

値は「.」で始めます。そうしない場合、参照はWebLogic Server MIBではなく標準MIB (.1.3.6.1.2.1)に対して相対的であると見なされます。


以下の例では、管理サーバーにデプロイされているすべてのアプリケーションの名前を取得します。アプリケーション名の管理対象オブジェクトは、applicationRuntimeTableオブジェクトの子であるapplicationRuntimeNameです。(http://download.oracle.com/docs/cd/E15523_01/apirefs.1111/e14145/BEA-WEBLOGIC-MIB.asn1.zipを参照してください。)

java snmpwalk localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15 

サンプルのMedRecServerを実行するコンピュータからこのコマンドを呼び出す場合、コマンドは以下の抜粋のような出力を返します。出力には、applicationRuntimeNameオブジェクトのインスタンスごとに完全なOIDが含まれています。

Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.49.102.98.97.100.97.102.99.57.48.50.
102.48.98.53.54.100.100.49.54.50.54.99.54.99.49.97.97.98.53.100.97
STRING: MedRecServer_uddiexplorer

Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.54.98.49.101.57.56.54.98.98.50.57.10
0.54.55.48.100.56.98.101.101.97.55.48.53.57.99.49.51.56.98.97.99
STRING: MedRecServer_StartupEAR

Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.56.48.97.53.50.52.99.101.53.54.57.54
.52.52.99.54.48.55.54.100.102.49.54.97.98.52.48.53.98.100.100.49
STRING: MedRecServer_wl_management_internal2
...

以下の例では、medrecドメインのすべてのサーバーにデプロイされている、すべてのアプリケーションの名前を取得します。

java snmpwalk -c public@medrec localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15 

以下の例では、管理対象サーバーMS1にデプロイされているすべてのアプリケーションの名前を取得します。

java snmpwalk -c public@MS1 localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15 

snmpgetnext

指定する1つまたは複数のOIDの直後にある管理対象オブジェクトまたはオブジェクト・インスタンスの説明を返します。表形式のオブジェクトを指定した場合、最初の子管理対象オブジェクトが返されます。スカラー・オブジェクトを指定した場合、オブジェクトの最初のインスタンスが返されます。

snmpwalkコマンドが提供する再帰的なリストとは異なり、このコマンドでは、OIDの順序が次となる管理対象オブジェクトまたはインスタンス1つのみに関する説明を返します。一連のsnmpgetnextコマンドを並べて指定すると、snmpwalkコマンドと同じ結果が得られます。

構文

java snmpgetnext [-d] [-v (v1,v2)] [-c snmpCommunity] [-p snmpPort] 
             [-t timeout] [-r retries] host OID [OID]...

表4-4に、snmpgetnextコマンドに渡されるOIDの引数を示します。

表4-4 snmpgetnextの引数

引数 定義
OID [OID]...

1つまたは複数のオブジェクトID。複数のOIDを区切るには、スペースを使用します。オブジェクトまたはインスタンスのOIDを指定できます。

値は「.」で始めます。そうしない場合、参照はWebLogic Server MIBではなく標準MIB (.1.3.6.1.2.1)に対して相対的であると見なされます。


以下の例では、管理サーバーにデプロイされているアプリケーションの名前を取得します。アプリケーション名の管理対象オブジェクトは、applicationRuntimeNameです。これはスカラー・オブジェクトであり、applicationRuntimeTableオブジェクトの子です。(http://download.oracle.com/docs/cd/E15523_01/apirefs.1111/e14145/BEA-WEBLOGIC-MIB.asn1.zipを参照してください。)

java snmpgetnext localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15 

サンプルのMedRecServerを実行するコンピュータからこのコマンドを呼び出す場合、コマンドは以下のような出力を返します。

Response PDU received from /127.0.0.1, community: public
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.49.102.98.97.100.97.102.99.57.48.50.
102.48.98.53.54.100.100.49.54.50.54.99.54.99.49.97.97.98.53.100.97
STRING: MedRecServer_uddiexplorer

管理サーバーにデプロイされている他のアプリケーションがあるかどうかを調べるには、snmpgetnextコマンドの出力を追加のsnmpgetnextコマンドの入力として使用できます。

java snmpgetnext localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.49.102.98.97.100.97.102.99.57.48.50.102.
48.98.53.54.100.100.49.54.50.54.99.54.99.49.97.97.98.53.100.97 

コマンドは以下のような出力を返します。

Response PDU received from /127.0.0.1, community: public
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.54.98.49.101.57.56.54.98.98.50.57.10
0.54.55.48.100.56.98.101.101.97.55.48.53.57.99.49.51.56.98.97.99
STRING: MedRecServer_StartupEAR

以下の例では、2つのOIDを指定して、管理サーバーにデプロイされているアプリケーションの名前、および JDBC接続プールの名前を取得します。コマンド例のOIDは、アプリケーション名のapplicationRuntimeNameオブジェクトとJDBC接続プール名のjdbcConnectionPoolRuntimeNameです。

java snmpgetnext localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.1.3.6.1.4.1.140.625.190.1.15 

サンプルのMedRecServerを実行するコンピュータからこのコマンドを呼び出す場合、コマンドは以下のような出力を返します。

Response PDU received from /127.0.0.1, community: public
Object ID:
.1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.49.102.98.97.100.97.102.99.57.48.50.
102.48.98.53.54.100.100.49.54.50.54.99.54.99.49.97.97.98.53.100.97
STRING: MedRecServer_uddiexplorer
Object ID:
.1.3.6.1.4.1.140.625.190.1.15.32.53.53.49.48.50.55.52.57.57.49.99.102
.55.48.98.53.50.54.100.48.100.53.53.52.56.49.57.49.49.99.99.99
STRING: MedRecPool-PointBase

snmpget

1つまたは複数のオブジェクト・インスタンスの値を取得します。このコマンドでは、管理対象オブジェクトのOIDは使用できません。

構文

java snmpget [-d] [-v (v1,v2)] [-c snmpCommunity] [-p snmpPort] 
             [-t timeout] [-r retries] host object-instance-OID 
             [object-instance-OID]... 

表4-5に、snmpgetコマンドに渡されるobject-instance-OID引数を示します。

表4-5 snmpgetの引数

引数 定義
object-instance-OID [object-instance-OID]... 

オブジェクト・インスタンスのオブジェクトID。このコマンドでは、管理対象オブジェクトのOIDは使用できません。

値は「.」で始めます。そうしない場合、参照はWebLogic Server MIBではなく標準MIBに対して相対的であると見なされます。


以下の例では、管理サーバーのserverRuntimeStateおよびserverRuntimeListenPort管理対象オブジェクト・インスタンスを取得します。これらのオブジェクトは、どちらもserverRuntimeTableオブジェクトの子です(http://download.oracle.com/docs/cd/E15523_01/apirefs.1111/e14145/BEA-WEBLOGIC-MIB.asn1.zipを参照してください。)

java snmpget localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.360.1.60.32.102.100.48.98.101.102.100.99.102.52.98.
97.48.48.49.102.57.53.51.50.100.102.53.55.97.101.52.56.99.99.97.99
.1.3.6.1.4.1.140.625.360.1.35.32.102.100.48.98.101.102.100.99.102.52.
98.97.48.48.49.102.57.53.51.50.100.102.53.55.97.101.52.56.99.99.97.99

サンプルのMedRecServerを実行するコンピュータからこのコマンドを呼び出す場合、コマンドは以下のような出力を返します。

Response PDU received from /127.0.0.1, community: public
Object ID:
.1.3.6.1.4.1.140.625.360.1.60.32.102.100.48.98.101.102.100.99.102.52.
98.97.48.48.49.102.57.53.51.50.100.102.53.55.97.101.52.56.99.99.97.99
STRING: RUNNING
Object ID:
.1.3.6.1.4.1.140.625.360.1.35.32.102.100.48.98.101.102.100.99.102.52.
98.97.48.48.49.102.57.53.51.50.100.102.53.55.97.101.52.56.99.99.97.99
INTEGER: 7001

トラップをテストするためのコマンド

表4-6は、テスト目的でトラップを生成および受信するコマンドの概要です。

表4-6 WebLogic Serverに関する情報を取得するためのコマンドの概要

コマンド 説明
snmptrapd

トラップを受信してトラップについての情報を出力するデーモンを起動します。

「snmptrapd」を参照してください。

snmpv1trap 

SNMPv1トラップを作成して、指定したホスト上で動作し、指定したポート番号でリスニングするSNMPマネージャまたはトラップ・デーモンに、そのトラップを配信します。

「snmpv1trap」を参照してください。


snmptrapd

トラップを受信してトラップについての情報を出力するデーモンを起動します。

構文

java snmptrapd [-d] [-c snmpCommunity] [-p TrapDestinationPort]

表4-7に、snmptrapdコマンドに渡される引数を示します。

表4-7 snmptrapdの引数

引数 定義
-c snmpCommunity 

SNMPエージェント(またはsnmpv1trapコマンド)がトラップを生成するために使用したコミュニティ名。

値を指定しない場合、コマンドは-c publicであると仮定します。

-p TrapDestinationPort 

トラップ・デーモンがトラップを受信するポート番号。

値を指定しない場合、コマンドは-p 162であると仮定します。


以下のコマンドでは、トラップ・デーモンを起動して、リクエストをポート165でリスニングするように指示します。デーモンは、プロセスを強制終了するかシェルを終了するまで、そのシェルで実行されます。

java snmptrapd -p 165 

コマンドが成功すると、トラップ・デーモンはカーソルのある空白行を返します。トラップ・デーモンは、トラップを出力する位置で、トラップを受信するまでこの状態で待機します。

snmpv1trap

SNMPv1トラップを作成して、指定したホスト上で動作し、指定したポート番号でリスニングするSNMPマネージャまたはトラップ・デーモンに、そのトラップを配信します。

このコマンドの呼出しの一部として、送信するトラップ・パケット内のフィールドの値を指定します。指定する値は、WebLogic Server MIBで定義されているトラップに解決される必要があります。WebLogic Serverトラップとトラップ・パケットに必要なフィールドの詳細は、『Oracle WebLogic Server SNMP管理ガイド』のWebLogic Server通知のOIDに関する項を参照してください。

構文

java snmpv1trap [-d] [-c snmpCommunity] [-p TrapDestinationPort]
          TrapDestinationHost .1.3.6.1.4.140.625 
          agent-addr generic-trap specific-trap timestamp 
          [OID {INTEGER | STRING | GAUGE | TIMETICKS | OPAQUE |
          IPADDRESS | COUNTER} value] ...

表4-8に、snmpv1trapコマンドに渡される引数を示します。

表4-8 snmpv1trapの引数

引数 定義
-c snmpCommunity 

トラップのコミュニティ名。SNMPマネージャ(またはトラップ・デーモン)は、このコミュニティ名を使用するように構成されている場合にのみトラップにアクセスできます。

値を指定しない場合、コマンドは-c publicであると仮定します。

-p TrapDestinationPort 

SNMPマネージャまたはトラップ・デーモンがリスニングするポート番号。

値を指定しない場合、コマンドは-p 162であると仮定します。

TrapDestinationHost 

SNMPマネージャまたはトラップ・デーモンをホストするコンピュータのDNS名またはIPアドレス。

.1.3.6.1.4.140.625

トラップのenterpriseフィールドの値。このフィールドには、すべてのWebLogic ServerトラップのOIDの最初の部分が含まれます。

agent-addr 

トラップのagent addressフィールドの値。

このフィールドは、トラップが生成されたコンピュータを示します。

snmpv1trapコマンドを使用してトラップを生成する場合、有効なDNS名またはIPアドレスを指定できます。

generic-trap 

トラップのgeneric trap typeフィールドの値。

有効な値のリストについては、『Oracle WebLogic Server SNMP管理ガイド』のWebLogic Server通知のOIDに関する項を参照してください。

specific-trap 

トラップのspecific trap typeフィールドの値。

有効な値のリストについては、『Oracle WebLogic Server SNMP管理ガイド』のWebLogic Server通知のOIDに関する項を参照してください。

timestamp 

トラップのtimestampフィールドの値。

このフィールドは、SNMPエージェントが最後に再初期化した時からトラップが発行された時までの時間を示します。

snmpv1trapコマンドを使用してトラップを生成する場合、任意の秒数を指定できます。

OID {INTEGER | STRING | 
GAUGE | TIMETICKS | OPAQUE |
 IPADDRESS | COUNTER} value 

(オプション)トラップの「variable bindings」フィールドの値。このフィールドは、トラップ通知をより詳細に記述するための名前と値の組合せで構成されます。

名前と値の組合せごとに、OID、値のタイプ、値を指定します。

たとえば、ログ・メッセージ・トラップには、トラップが生成される時刻を示すためにtrapTimeバインドが含まれます。生成するテスト・トラップにこの変数バインドを含めるには、trapTime変数バインドのOID、STRINGキーワード、および時刻を表す文字列を指定します。

.1.3.6.1.4.1.140.625.100.5 STRING "2:00 pm" 

以下の例では、trapTimeおよびtrapServerName変数バインドを含むログ・メッセージ・トラップを生成します。ポート165からトラップをブロードキャストします。例:

java snmpv1trap -p 165 localhost .1.3.6.1.4.140.625 localhost 6 60 1000
.1.3.6.1.4.1.140.625.100.5 STRING "2:00 pm" .1.3.6.1.4.1.140.625.100.10
STRING localhost 

上記の例で注目すべき点は以下のとおりです。

  • 6は「他のWebLogic Serverトラップ」を指定するgeneric trap値。

  • 60はWebLogic Serverがログ・メッセージ・トラップの識別に使用するspecific trap値。

  • .1.3.6.1.4.1.140.625.100.5trapTime変数バインドのOID。.1.3.6.1.4.1.140.625.100.10は、trapServerName変数バインドのOID。

ポート番号165でリスニングするSNMPマネージャ(またはトラップ・デーモン)がトラップを受信します。トラップ・デーモンが165でリスニングしている場合は、次のように返します。

Trap received from: /127.0.0.1, community: public
Enterprise: .1.3.6.1.4.140.625
Agent: /127.0.0.1
TRAP_TYPE: 6
SPECIFIC NUMBER: 60
Time: 1000
VARBINDS:
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.100.5
STRING: 2:00 pm
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.100.10
STRING: localhost 

例: snmpv1trapによるトラップ・デーモンへのトラップの送信

snmpv1trapコマンドを使用してWebLogic Serverトラップを生成し、トラップ・デーモンを介してそれらを受信するには、次の手順に従います。

  1. コマンド・プロンプト(シェル)を開いて、次のスクリプトを呼び出します。

    WL_HOME\server\bin\setWLSEnv.sh (WindowsではsetWLSEnv.cmd)

    ここで、WL_HOMEは、WebLogic Serverのインストール先ディレクトリです。

  2. トラップ・デーモンを起動するには、次のコマンドを入力します。

    java snmptrapd 
    
  3. 別のシェルを開いて、次のスクリプトを呼び出します。

    WL_HOME\server\bin\setWLSEnv.sh (WindowsではsetWLSEnv.cmd)

  4. トラップを生成するには、次のコマンドを入力します。

    java snmpv1trap localhost .1.3.6.1.4.140.625 localhost 6 60 1000 
    

snmpv1trapコマンドはserverStartトラップを生成して、ポート162からブロードキャストします。

トラップ・デーモンが動作するシェルでは、デーモンが次のように出力します。

Trap received from: /127.0.0.1, community: public
Enterprise: .1.3.6.1.4.140.625
Agent: /127.0.0.1
TRAP_TYPE: 6
SPECIFIC NUMBER: 60
Time: 1000
VARBINDS: 

例: WebLogic SNMPエージェントによるトラップ・デーモンへのトラップの送信

WebLogic SNMPエージェントを使用してWebLogic Serverトラップを生成し、トラップ・デーモンを介してそれらを受信するには、次の手順に従います。

  1. ドメインの管理サーバーを起動し、SNMPエージェントを有効にします。

    Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプSNMPエージェントの作成に関する項を参照してください。

  2. トラップ・デーモンを表すトラップ宛先を作成します。トラップ宛先がポート165を使用するように構成します。管理コンソールのその他のデフォルト値はそのままにしておきます。

    Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプトラップ宛先の作成に関する項を参照してください。

  3. コマンド・プロンプト(シェル)を開いて、次のスクリプトを呼び出します。

    WL_HOME\server\bin\setWLSEnv.sh (WindowsではsetWLSEnv.cmd)

    ここで、WL_HOMEは、WebLogic Serverのインストール先ディレクトリです。

  4. トラップ・デーモンを起動するには、次のコマンドを入力します。

    java snmptrapd -p 165
    
  5. 管理サーバーを再起動します。

管理サーバーが起動すると、SNMPエージェントはserverStartトラップを生成して、ポート165からそれをブロードキャストします。

トラップ・デーモンが動作するシェルでは、デーモンが次のように出力します。

Trap received from: /127.0.0.1, community: public
Enterprise: .1.3.6.1.4.140.625
Agent: /127.0.0.1
TRAP_TYPE: 6
SPECIFIC NUMBER: 65
Time: 1000
VARBINDS: