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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7.0)
B72084-02
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29 ドキュメント・サービスの統合

WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションにコンテンツを統合するには、いくつかの方法があります。詳細は、第25章「コンテンツの統合と公開の概要」を参照してください。

この章では、ドキュメント・サービスをFrameworkアプリケーションに統合して、コンテンツをアプリケーションに追加すると同時に、実行時にドキュメントを管理、表示および検索するためにアプリケーションに組み込まれたコンテンツおよびドキュメント・サービス・タスク・フローをエンド・ユーザーに提供する方法を説明します。

この章には次の項が含まれます:

29.1 ドキュメント・サービスの概要

ドキュメント・サービスは、フォルダとファイルへのアクセスとその追加および管理、ファイルおよびフォルダ・プロパティの構成と表示、ならびにContent Server、Oracle PortalまたはSharePointコンテンツ・リポジトリのファイルおよびフォルダ・コンテンツの検索を行うための機能を提供します。これらの機能は、ドキュメント・サービス・タスク・フロー、ドキュメント・コンポーネント(リンク、インライン・フレームおよびイメージ)、Wikiならびにブログを通して提供されます。


注意:

SharePointをコンテンツ・リポジトリとして使用するには、第3.6項「SharePoint用Oracle WebCenterアダプタのインストール」の説明に従って、SharePointアダプタのインストールが必要です。SharePointの管理は、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlコンソールではなくWLSTコマンドを使用して行います。


ドキュメント・サービスをFrameworkアプリケーションに統合するには、WebCenter Portal管理者は管理対象のドキュメントを含むコンテンツ・リポジトリへの接続を設定する必要があります。使用するコンテンツ・リポジトリで認証が必要な場合、第29.2項「接続の設定」の説明に従って、コンテンツ・リポジトリへの接続を構成する際に必ず外部アプリケーションを設定してください。

29.2 接続の設定

ドキュメント・サービスとタスク・フローを使用する前に、管理対象のドキュメントを含むContent Server、Oracle PortalまたはSharePointコンテンツ・リポジトリへの接続を設定する必要があります。作成済の接続を再利用することも、新たに作成することもできます。


注意:

Oracle JDeveloperで設計時にバックエンド・サーバーへの接続を設定できますが、デプロイ後の環境でEnterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して、後から接続を追加、削除または変更できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』を参照してください。


選択されたアプリケーション・セキュリティとコンテンツ・リポジトリ接続の認証が、互換性があることが必要です。たとえば、パブリック資格証明のみが定義されている外部アプリケーションを使用するように接続が構成されている場合、アプリケーションでユーザー認証を強制する必要はありません。接続構成の詳細は、第26.2項「コンテンツ・リポジトリ接続の構成」を参照してください。

29.3 ドキュメント・サービスのセキュリティの設定

ドキュメント・サービス・タスク・フローは、コンテンツ・リポジトリ接続でサポートされているセキュリティ・オプションと同じセキュリティ・オプションをサポートしています。Oracle Content ServerやOracle Portalなどのリモート・コンテンツ・リポジトリにアクセスするため、このサービスは専用のユーザー・アカウントで外部アプリケーションを使用できます。コンテンツ・リポジトリでのセキュリティの使用の詳細は、第27.4項「コンテンツ・リポジトリ・データ・コントロールの保護」を参照してください。外部アプリケーションの使用の詳細は、第68.13項「外部アプリケーションの使用」を参照してください。

Oracle PortalやOracle Content Serverといった自らの認証を処理するコンテンツ・リポジトリを使用する場合、そのコンテンツ・リポジトリを外部アプリケーション定義と関連付けて、資格証明プロビジョニングを実行できます。共有資格証明またはパブリック資格証明なしで外部アプリケーションを使用するようにコンテンツ・リポジトリへの接続を変更できます。これを行うと、エンド・ユーザーがその資格証明を提供できるように、外部アプリケーション - パスワードの変更タスク・フローが自動的に統合されます。

既存のコンテンツ・リポジトリ接続の外部アプリケーションを登録するには:

  1. 「アプリケーション・リソース」ペインで、接続名を右クリックして「プロパティ」を選択します。

  2. 「認証」の下の「コンテンツ・リポジトリ接続の編集」ダイアログ・ボックスで「外部アプリケーション」を選択します(図29-1)。

    図29-1 「コンテンツ・リポジトリ接続」ダイアログでの「外部アプリケーション」の選択

    「外部アプリケーション」の選択
  3. 緑色のプラス記号(+)をクリックして、外部アプリケーションの登録ウィザードを開始します。

  4. 名前ページで「アプリケーション名」および「アプリケーション表示名」を入力し(図29-2)、「次へ」をクリックします。

    図29-2 外部アプリケーションのネーミング

    外部アプリケーションのネーミング
  5. 「認証の詳細」の下の一般ページで、「認証方式」リストから「基本」を選択し(図29-3)、「次へ」をクリックします。

    図29-3 「Basic」認証方式の選択

    「Basic」認証方式
  6. 「追加フィールド」ページで、「次へ」をクリックします。

  7. 「共有資格証明」ページで、「次へ」をクリックします。

  8. 「パブリック資格証明」ページで、「パブリック資格証明を指定します」を選択し、コンテンツ・リポジトリの「ユーザー名」「パスワード」を入力します(図29-4)。

    図29-4 パブリック資格証明の指定

    パブリック資格証明の指定
  9. 「終了」をクリックします。これで、外部アプリケーションを使用して認証するように接続が設定されます(図29-5)。

    図29-5 新しい外部アプリケーションの使用

    新しい外部アプリケーションの使用
  10. 「コンテンツ・リポジトリ接続の編集」ダイアログ・ボックスで、「OK」をクリックします。「アプリケーション・リソース」パネルに、その外部アプリケーションが表示されます(図29-6)。

    図29-6 「アプリケーション・リソース」パネルの外部アプリケーション

    「アプリケーション・リソース」パネルの外部アプリケーション
    「図29-6 「アプリケーション・リソース」パネルの外部アプリケーション」の説明

セキュリティを適用しなかった場合、コンテンツ・リポジトリがコンテンツへのアクセスにログインを要求すると、ユーザーは認証できません。実行時にパブリック・コンテンツのみが表示されます。

29.4 他のWebCenterサービスとドキュメント・サービスの併用

ドキュメント・サービスは、他の様々なWebCenterサービスと併用できます。たとえば、コンテンツ・リポジトリのドキュメントにタグを追加して、アプリケーション全体にわたって検索し、その結果にドキュメントを取得したり、コンテンツ・リポジトリへの最近の変更を追跡できます。

タグ・サービスとドキュメント・サービスの併用方法の例は、第43.3.3項「ページにタグを表示するオプションの方法」を参照してください。

これらのサービスを併用する方法の詳細は、第2.4項「Oracle WebCenter Portal: Servicesの概要」を参照してください。


注意:

ドキュメント・サービスと検索サービスを統合すると、検索サービスによってすべてのコンテンツ・リポジトリ接続から結果が返されます。


29.5 コンテンツ・リポジトリにファイルをアップロードするためのパラメータの設定

ドキュメント・マネージャ、ドキュメント・エクスプローラおよびフォルダ・ビューア・タスク・フローによって、コンテンツ・リポジトリにファイルをアップロードできます。WebCenter Portal: FrameworkはApache MyFaces Trinidadを使用して、ブラウザからアプリケーション・サーバーへのファイルのアップロードを処理します。

Apache MyFaces Trinidadのデフォルト設定を変更するために、web.xmlファイルに3つのパラメータを追加できます。このファイルを編集するには、アプリケーションのViewControllerプロジェクトを開きます。「Webコンテンツ」で、web.xmlファイルを開きます。「概要」で、「アプリケーション」→「コンテキスト初期化パラメータ」に移動し、緑色のプラス記号(+)をクリックしてパラメータとその値を追加するか(表29-1の説明を参照)、または単純に「ソース」ビューでコードを更新します。変更を加えたら、web.xmlファイルを保存して、Oracle JDeveloperを再起動します。

表29-1 Apache MyFaces Trinidadのパラメータ

パラメータ 説明
org.apache.myfaces.trinidad.UPLOAD_MAX_MEMORY

1つのファイルがアップロード時に使用できる最大メモリー量(バイト単位)

org.apache.myfaces.trinidad.UPLOAD_MAX_DISK_SPACE

1つのファイルがアップロード時に使用できる最大ディスク領域(バイト単位)

org.apache.myfaces.trinidad.UPLOAD_TEMP_DIR

アップロードされるファイルを一時的に格納するディレクトリ


詳細は、Apache MyFaces Trinidadのドキュメント(http://myfaces.apache.org/trinidad/devguide/fileUpload.html)を参照してください。

29.6 ドキュメント・サービスによるアダプタの使用

コンテンツ・リポジトリ接続の既存アダプタの使用の詳細は、第26章「コンテンツ・リポジトリ接続の管理」を参照してください。