Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド 11g リリース1 (11.1.1.7.0) B72084-02 |
|
前 |
次 |
ピープル・コネクション・サービスは、プロジェクト・チーム内および企業全体にわたるコネクションおよびコミュニケーションの向上に使用するソーシャル・ネットワーキング・ツールを提供します。これは、次のものを含む一連の機能により実現されます。
アクティビティ・ストリーム: アプリケーションまたはソーシャル・ネットワーキング・アクションによって生成されるユーザー・アクティビティを表示します。
コネクション: 情報の共有、パフォーマンスへのコメント、メッセージの交換、およびアクティビティの追跡を行うために他のアプリケーション・ユーザーとのつながりを作ります
フィードバック: 他のユーザーに非定型なパフォーマンス・フィードバックを送ります
メッセージ・ボード: 他のユーザーにメッセージを投稿します
プロファイル: 個人の連絡先情報を入力し、他のユーザーの連絡先情報を表示します
パブリッシャ: ステータス・メッセージを公開し、ファイルおよびリンクを投稿します
この章では、ピープル・コネクション・サービスに関連するタスク・フローについて説明し、いくつかのトラブルシューティングのヒントを提供します。
この章には次の項が含まれます:
ピープル・コネクション・サービスは、ユーザーのコネクションを作成し、そのコネクションと対話し、そのコネクションのアクティビティを追跡するためのソーシャル・ネットワーキング・ツールを提供します。その機能によって、ユーザーは、自身の個人プロファイルの管理、他のユーザーのプロファイルへのアクセス、非定型のフィードバックの提供、メッセージの投稿、アクティビティの追跡、および他のユーザーとつながりを持つことができます。
本番環境では、企業は、可能性のあるコネクションの移入をピープル・コネクションに提供する手段としてそのバックエンド・アイデンティティ・ストアを利用できます。開発環境では、開発者はテストユーザーをjazn-data.xml
ファイルに追加できます。
関連項目: アプリケーションの本番バージョン向けのバックエンド(LDAP)アイデンティティ・ストアへの接続の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のセキュリティの管理に関する項の章を参照してください。 |
この項では、ピープル・コネクション・サービスの概要について説明します。次のサブセクションが含まれます:
ピープル・コネクション・サービスの機能は、5つのカテゴリに分かれています。各カテゴリには、ピープル・コネクションの機能をエンド・ユーザーに公開する一連のタスク・フローが含まれています。パブリッシャ・タスク・フローはこれらのカテゴリには含まれず、アクティビティ・ストリームと連携して機能します。
この項では、次のカテゴリを紹介します。次のサブセクションが含まれます:
関連項目: 実行時のピープル・コネクション・サービスの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spaceユーザーズ・ガイドの第VIII部 共同のソーシャル・ネットワーキング環境の編成に関する項を参照してください。 ピープル・コネクション・タスク・フローの詳細は、第37.1.1項「ピープル・コネクション・サービス・タスク・フロー」を参照してください。 |
アクティビティ・ストリーム機能は、ユーザーのコネクションのアプリケーション・アクティビティを追跡します。表37-1は、アクティビティ・ストリームによって追跡できるアクティビティのタイプを示しています。
表37-1 アクティビティ・ストリームによって追跡されるアクティビティ
サービス | 追跡されるアクティビティ |
---|---|
お知らせ |
|
ブログ |
|
コネクション |
|
ディスカッション |
|
ドキュメント |
|
イベント |
|
フィードバック |
|
リスト |
|
メッセージ・ボード |
|
ページ |
次のアクティビティが、サービス・フレームワークの範囲内で実行された場合、それらが追跡されます(たとえば、ユーザーが
|
プロファイル |
|
タグ付け |
|
アクティビティ・ストリームは、同様にアプリケーション・アクティビティを追跡およびレポートする最近のアクティビティ・サービスと、いくらか類似しています(詳細は、第49章「最近のアクティビティ・サービスの統合」を参照してください)。両方により統合サービスのアプリケーション・アクティビティを追跡しますが、アクティビティ・ストリームにより幅の広いサービスが追跡されます。たとえば、最近のアクティビティは、ドキュメント(Wikiやブログなど)、お知らせ、ディスカッションおよびページ・サービスを追跡します。アクティビティ・ストリームは、これらのサービスとピープル・コネクションを追跡します。アクションを実行した人に関係なく、最近のアクティビティによりアクティビティが追跡されます。ユーザーの接続により実行されるアクティビティがアクティビティ・ストリームにより追跡され、アクティビティ実行者に関する情報が含まれます。最近のアクティビティには名前が含まれません。
これらの2つのサービスにおける基本的な相違点は、アプリケーションにおける処理内容の概要を最近のアクティビティにより提供することにまとめることができます。アクティビティ・ストリームにより、ユーザーの接続で実行した処理の概要を提供します。
パブリッシャ・タスク・フローは、アクティビティ・ストリームと連携して機能し、ユーザー・メッセージの形式でコンテンツを提供します。パブリッシャ・タスク・フローを介して投稿されたメッセージは、それを入力したユーザーおよびそのユーザーのコネクションのアクティビティ・ストリームに公開されます。
アクティビティ・ストリーム・メッセージには、ファイルやリンクなどが添付されている場合があります。ファイルのMIMEタイプに応じて、アクティビティ・ストリームで、そのような添付のプレビューを表示できます。アクティビティ・ストリームでは、ネイティブのWeb形式またはUCMのスライド・レンダリングを使用してファイルをプレビューします。使用されるプレビューアは、プレビューするファイルのMIMEタイプに応じて異なります。
ネイティブなWeb形式を使用するMIMEタイプには、次のものがあります。
image
htm
text
UCMのスライド・レンダリングを使用するMIMEタイプには、次のものがあります。
pdf
powerpoint
powerpnt
pptx
注意: PDFファイル・プレビューは、MIMEタイプが |
プレビューされるMIMEタイプは、これらの箇条書きに示すMIMEタイプのみです。その他のMIMEタイプはリンクとして表示されます。MIMEタイプdocx
およびxlsx
は、アクティビティ・ストリームでプレビューされません。アクティビティ・ストリーム・タスク・フロー・インスタンスと関連付けられたパラメータを設定すると、ファイルのプレビューを省略できます(詳細は、第39.2項「ピープル・コネクション・タスク・フロー・バインディング・パラメータ」を参照してください)。
リソース・パレットから、次の2つのアクティビティ・ストリーム・タスク・フローを使用できます。
アクティビティ・ストリーム - それぞれのコネクションの最近のアクティビティのメイン・ビューをユーザーに提供します(図37-1)。
アクティビティ・ストリーム - クイック・ビュー - ユーザーのコネクションの最近のアクティビティのみが表示される、ストリームされたアクティビティの切捨て済のビューをユーザーに提供します。すべてのアクティビティを表示するには、「詳細」リンクをクリックし、タスク・フローのメイン・ビュー(アクティビティ・ストリーム)にナビゲートします(図37-2)。
関連項目: 実行時のアクティビティ・ストリーム・タスク・フローの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド』のアクティビティ・ストリーム・タスク・フローの使用に関する項を参照してください。 |
コネクションは、ユーザーに、自身のコネクションを管理し、他のユーザーのコネクションを表示する手段を提供します。コネクションを使用して、ビジネス上の友人を集め、1つ以上の小さいソーシャル・グループに連絡を取ります。コネクション・リストを使用して、コネクションの表示を管理します。
リソース・パレットから、次の3つのコネクション・タスク・フローを使用できます。
コネクション - それぞれのコネクションの表示と管理、コネクション・リストの作成、接続するための招待の送信と応答を実行する手段をユーザーに提供します(図37-3)。
vcard
: コネクションの写真、役職およびステータス・メッセージを表示します。
iconic
: コネクションの写真およびユーザー名を表示します。
list
: リストにコネクションを表示します。リストの各行には、プロファイル写真、ユーザー名、役職および「リストに追加」ボタンが表示されます。
tiled
: コネクションの個人プロファイル写真をレンダリングし、その写真に加えてユーザー名および役職を表示します。
ヒント: すべてのビューにおいて、名前はユーザーのプロファイルのサマリー・ビューにリンクしています。 |
タスク・フロー・バインディングを通じてこれらのビューのいずれかを選択します(詳細は、第39章「ピープル・コネクション・タスク・フロー・パラメータ」を参照してください)(図37-4)。
コネクション - クイック・ビュー - それぞれのコネクションのアップロードされたプロファイル写真のビューとそれぞれのプロファイルのサマリー・ビューへのリンクをユーザーに提供します(図37-5)。
関連項目: 実行時のコネクション・タスク・フローの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド』のソーシャル・ネットワークの設定に関する項を参照してください。 |
フィードバックは、ユーザーに、フィードバックを表示、投稿、および管理する手段を提供します。デフォルトでは、ユーザーは、独自のフィードバック・ビューでフィードバックを表示できます。ユーザーは、他のユーザーのフィードバック・ビューでフィードバックを表示および投稿できます。
リソース・パレットから、次の2つのフィードバック・タスク・フローを使用できます。
フィードバック - ユーザーに、フィードバック・タスク・フローのメイン・ビューを提供します。メイン・ビューには、送信および受信したフィードバックを表示、投稿、ソート、およびフィルタリングするためのコントロールと、受信したフィードバックを非表示にするためのコントロールが含まれています(図37-6)。
フィードバック - クイック・ビュー - 最新の投稿のみが表示されている、フィードバック・タスク・フローの切捨て済ビューを、ユーザーに提供します。初期のビューに表示できる数を超える投稿がある場合、ユーザーは「詳細」リンクをクリックして、フィードバック・タスク・フローのメイン・ビューにナビゲートできます。ユーザーA
がユーザーB
のフィードバック - クイック・ビューのビューにアクセスすると、ユーザーA
には、さらに「フィードバックの追加」オプションが表示されます(図37-7)。
関連項目: 実行時のフィードバック・タスク・フローの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド』のフィードバック・タスク・フローの使用に関する項を参照してください。 |
メッセージ・ボードは、メッセージ・ボードおよびアクティビティ・ストリームへのメッセージおよび添付を表示および投稿する手段を提供します。
リソース・パレットから、次の2つのメッセージ・ボード・タスク・フローを使用できます。
メッセージ・ボード - メッセージ・ボードは、メッセージ・ボードのメッセージのメイン・ビューと、メッセージのビューを追加、表示、更新、非表示、削除および管理する手段やメッセージをプライベートとしてマークしたりプライベート・メッセージを共有したりする手段をユーザーに提供します(図37-8)。
メッセージ・ボード - クイック・ビュー - ユーザーに、メッセージ・ボード・メッセージの切捨て済ビューを提供し、メッセージの追加、表示、更新、非表示および削除を行う手段と、メッセージをプライベートとしてマークしたり、プライベート・メッセージを共有する手段を提供します。ユーザーは、「詳細」リンクをクリックすることで、詳細ビューにナビゲートできます(図37-9)。
関連項目: 実行時のメッセージ・ボード・タスク・フローの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド』のメッセージ・ボード・タスク・フローの使用に関する項を参照してください。 |
プロファイルは、ユーザーに、自分自身および他のユーザーの個人プロファイル情報の様々なビューを提供します。そのような情報には、ユーザーの電子メール・アドレス、電話番号、勤務先の場所、部門、上司、直属の部下などが含まれます。プロファイルは、WebCenter Portalアプリケーションにそのユーザーを提供しているバックエンド・アイデンティティ・ストアからその情報をまとめて取得します。さらに、プロファイルから、この情報の一部を変更したり、そのアイデンティティ・ストアに含まれていない追加のデータを入力する機会が提供されることもあります。
リソース・パレットから、次の3つのプロファイル・タスク・フローを使用できます。
プロファイル - ユーザーの電子メール・アドレス、電話番号、勤務先の場所、部門、上司、直属の部下などユーザーのプロファイル詳細を公開します。また、ユーザーが提供した個人イメージおよびユーザーの個人ステータス・メッセージも公開します(図37-10)。
プロファイル - スナップショット - ユーザーがアップロードした個人イメージを公開し、選択した対象読者にメッセージ、ファイルおよびリンクを公開する手段を提供します(図37-11)。
注意: 実行時にADFベースのアプリケーションにユーザーが任意のものをアップロードできるようにするには、そのアップロード・タスク・フローを配置したページでフォーム上に |
プロファイル・ギャラリ - 各ピープル・コネクション・タスク・フローのサマリー・ビューを提供します。たとえば、アクティビティ・ストリーム - クイック・ビュー、コネクション - クイック・ビューなどです(図37-12)。
関連項目: 実行時のプロファイル・タスク・フローの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド』の個人プロファイルの表示と編集に関する項を参照してください。 |
パブリッシャ・タスク・フローは、アクティビティ・ストリームと連携して機能します。ユーザーは、パブリッシャにコンテンツを入力し、そのコンテンツを投稿したユーザーのアクティビティ・ストリームと、そのユーザーのコネクションのアクティビティ・ストリームにコンテンツが公開されます(図37-13)。
関連項目: 実行時のパブリッシャ・タスク・フローの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド』のパブリッシャ・タスク・フローを使用したアイテム、ファイルおよびURLの共有に関する項を参照してください。 |
ピープル・コネクションをご使用のWebCenter Portal: Frameworkアプリケーションと適切に統合するには、次の手順に従ってください。
WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションを作成します(詳細は、第5.2項「Frameworkアプリケーションの作成」を参照してください)。
WebCenterスキーマを設定し、それへのデータベース接続を作成します(詳細は、第7章「WebCenter Portal Services用アプリケーションの準備」を参照してください)。
JSF (.jspx
)ページを作成します(詳細は、第5.3項「ポータルへのページの追加」を参照してください)。
アプリケーションを保護し、いくつかのテスト・ユーザーを作成します(詳細は、第68章「WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションの保護」および第23.2.2章「jazn-data.xmlファイルでのロールおよび付与権限の定義方法」を参照してください)。
ピープル・コネクション・タスク・フローをページにドラッグ・アンド・ドロップします(詳細は、第38.2項「ピープル・コネクション・タスク・フローをページに追加する方法」を参照してください)。
タスク・フロー・バインディングに必要な値を提供します(詳細は、第39章「ピープル・コネクション・タスク・フロー・パラメータ」を参照してください)。
ページを実行します。
必要に応じて、手順4で作成したテスト・ユーザーのユーザー名とパスワードを入力します。
この項では、ピープル・コネクション・サービスの使用中に発生する可能性がある問題のトラブルシューティングに役立つ情報を提供します。
ピープル・コネクション・タスク・フローは、空であってもフル・ブラウザに表示されます
これにより、Internet Explorerバージョン8 (IE8)を使用している場合に問題が発生することがあります。IE8で、「ツール」→「互換表示設定」に移動します。「互換表示設定」ダイアログで、次のチェック・ボックスを選択解除します。
イントラネット サイトを互換表示で表示する
すべてのWebサイトを互換表示で表示する
新しいプロファイル・イメージが表示されない
プロファイル・イメージに対する変更は、古いWebCenterデータベース・キャッシュが原因で、ただちにレンダリングされないことがあります。古いイメージの下にある「リフレッシュ」アイコンをクリックすると、イメージが更新されます。