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Oracle® Fusion Middleware Identity and Access Managementパッチ適用ガイド
11g リリース2 (11.1.2.1)
B71692-03
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3 Oracle Fusion Middlewareの最新パッチ・セットの適用

この章では、既存のOracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2)へのパッチの適用に必要なツールと手順について説明します。


注意:

この章で説明するパッチ適用タスクは、すべての環境またはアップグレード・パスで必要なわけではありません。固有のデプロイメントに該当するタスクのみを実行してください。


3.1 Oracle Fusion Middlewareのパッチ適用プロセスの概要

表3-1に、各パッチ適用手順の詳細情報へのリンクを記載します。

表3-1 パッチ適用手順の概要とドキュメントへのリンク

ステップ 説明

1

次の一般的なパッチ適用前のタスクを実行します。

  1. システム要件、動作保証および相互運用性に関する情報の確認

  2. Oracle SOA Suiteのパッチのインストール(Oracle Identity Managerユーザーのみ)

  3. アップグレード前のOracle Privileged Account Manager (OPAM)データのエクスポート(オプション)

  4. Oracle Identity Navigator 11.1.1.5.0メタデータのエクスポート(オプション)

  5. 管理サーバーおよび管理対象サーバーの停止

  6. Middlewareホーム、ドメイン・ホームおよびOracleインスタンスのバックアップ

  7. データベースおよびデータベース・スキーマのバックアップ

  8. サイレント・モードでのパッチ適用のためのemCCRファイルの名前変更

サイレント・モードでパッチを適用する場合は、第3.2.8項「サイレント・モードでのパッチ適用のためのemCCRファイルの名前変更」を参照してください。

2

製品に適したインストーラをダウンロードして起動します。

詳細は、「インストーラのダウンロードと起動」を参照してください。

3

ダウンロードしたインストーラを使用してOracleホームのソフトウェアを更新します。

4

パッチ・セット・アシスタントを実行して、必要なすべてのスキーマを更新します。

詳細は、「パッチ・セット・アシスタントによるスキーマの更新」を参照してください。

5

管理サーバーおよびSOA管理対象サーバーを起動します。

管理サーバーおよび管理対象サーバーの起動

注意: Oracle Identity Managerの管理対象サーバーは起動しないでください。

6

ご使用の環境に該当するパッチ適用後のタスクを実行します。

詳細は、「パッチ適用後の手順」を参照してください。

7

サーバーおよびプロセスを再起動します。

詳細は、「管理サーバーおよびOIM管理対象サーバーの再起動」を参照してください。

8

パッチのインストールが完了したことを確認します。

詳細は、「パッチ・セットのインストールの検証」を参照してください。


分散環境で製品を実行しており(たとえば、管理対象サーバーが複数のシステムの複数のドメインで稼働しており)、ドメインの一部である各マシンにマウントされた共有ネットワーク・ドライブに共有Middlewareホームを設定してある場合、このパッチ適用手順は一度実行するだけで済みます(「分散環境におけるパッチの適用」を参照してください)。

分散環境で、各システム上に個別のMiddlewareホームがある場合、このパッチ適用手順は各システムの各ドメインに対して繰り返す必要があります。

分散トポロジの詳細は、具体的な製品のエンタープライズ・デプロイメント・ガイドに記述されています。

3.2 一般的なパッチ適用前のタスク

この項では、ソフトウェアにパッチを適用する前に完了する必要のあるタスクについて説明します。

3.2.1 システム要件、動作保証および相互運用性に関する情報の確認

ソフトウェアの更新を開始する前に、更新を実行するためにインストールしたいソフトウェアの最小要件をシステムの環境と構成が満たしていることを確認してください。この項では、確認しておくことが必要なドキュメントの重要な部分へのリンクをいくつか示します。

3.2.1.1 システム要件と仕様

動作保証の詳細は、Oracle Fusion Middlewareドキュメントのシステム要件とサポートされているプラットフォームに関する項(次のURLにある、Oracle Fusion Middlewareでサポートされているシステム構成のページで入手可能)を参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html

このドキュメントには、ハードウェアとソフトウェアの要件、最小ディスク領域とメモリーの要件、データベース・スキーマの要件、および必要なシステム・ライブラリ、パッケージまたはパッチに関する情報が記載されています。

3.2.1.2 Identity and Access Managementの動作保証およびサポートされるプラットフォーム

Oracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2.x)のシステム要件とサポートされるプラットフォームの動作保証マトリックス・ドキュメントを参照してください。このマニュアルでは、サポートされる32ビットおよび64ビット・オペレーティング・システム、データベース、Webサーバー、LDAPサーバー、アダプタ、IPv6、JDKおよびサード・パーティ製品の動作保証に関する情報が記載されています。

3.2.1.3 相互運用性と互換性

Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Management相互運用性および互換性ガイド。Oracle Fusion Middleware製品が旧バージョンの他のOracle Fusion Middleware、Oracleまたはサード・パーティ製品と機能するために重要な情報がこのマニュアルに記載されています。この情報は、既存の環境をアップグレードする既存ユーザーと新しいOracle Fusion Middlewareユーザーの両方に適用されます。

3.2.2 Oracle SOA Suiteのパッチのインストール(Oracle Identity Managerユーザーのみ)

Oracle Identity Managerでリクエストの承認を管理するには、Oracle SOA Suite内のプロセス・ワークフローが必要です。Oracle Identity Managerをインストールする前に必須のSOAパッチを適用する必要があります。

このパッチの詳細は、11gリリース2の『Oracle Fusion Middlewareリリース・ノート』でOracle Identity Managerのインストールで必要とされる必須のパッチに関する項を参照してください。


注意:

前提条件となる必須のパッチを適用していないと、更新後のOracle Identity and Access Management 11gリリース2 (11.1.2)のデプロイメントおよびサポートしているサービスに問題が発生する場合があります。


3.2.3 アップグレード前のOracle Privileged Account Manager (OPAM)データのエクスポート

ターゲット、ユーザーなどのアップグレード前のOPAMデータは、11.1.2.1.0パッチの適用後に移行する必要があります。次の手順では、OPAMデータのXMLファイルへのエクスポートに使用されるプロセスを説明します。新しいバージョンではバックエンド・データ・ストアがOPSSスキーマからネイティブのOPAMデータ・ストアに移行しているため、エクスポートは手動で行う必要があります。パッチの適用後に、第3.7.5項の説明に従って、データをデータ・ストアにインポートする必要があります。

次の手順を使用して、パッチの適用前にOPAMデータをエクスポートする必要があります。

  1. 次の環境変数を設定します。

    変数 説明

    ORACLE_HOME

    Oracle Privileged Account Managerがインストールされている場所。

    JAVA_HOME

    WebLogicインストールに使用されるJDKの場所。


  2. $ORACLE_HOME/opam/binにナビゲートします。

  3. 次のパラメータを指定して、./opam.shを実行します。

    ./opam.sh 
    [-url <OPAM server url>]] (defaults to https://localhost:18102/opam)
    -u [user name] (the user should have OPAM_SECURITY_ADMIN and OPAM_USER_MANAGER roles)
    -p <password>
    -x export -f [export xml file]
    [-encpassword <encryption/decryption password>] (provide a value for encpassword for better security)
    [-enckeylen <Key Length for encryption/decryption of password>] (defaults to 128)
    [-log <log file Location>] (defaults to opamlog_<timestamp>.txt)
    

    注意:

    暗号パスワードなしでデータがエクスポートされている場合は、データのインポート時にパラメータ「-noencrypt true」でこれを指定します。


3.2.4 Oracle Identity Navigator 11.1.1.5.0メタデータのエクスポート

データ損失を防ぐため、アップグレード前のOracle Identity Navigator (OINAV)メタデータもパッチの適用前にXMLファイルにエクスポートする必要があります。

Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementアップグレードおよび移行ガイドのOracle Identity Navigator 11.1.1.5.0メタデータのエクスポートに関する項を参照してください。

3.2.5 管理サーバーと管理対象サーバーの停止

このパッチ適用プロセスには、バイナリおよびスキーマへの変更が含まれます。このため、パッチを適用する前に管理サーバーおよび管理対象サーバーを停止する必要があります。

サーバーを停止するには、次を実行します。

管理サーバーの停止

管理サーバーを停止するには、次を実行します。

UNIXの場合:

次のコマンドを実行します。

cd <MW_HOME>/user_projects/domains/<domain_name>/bin

./stopWebLogic.sh

Windowsの場合:

次のコマンドを実行します。

cd <MW_HOME>\user_projects\domains\<domain_name>\bin

stopWebLogic.cmd

管理対象サーバーの停止

管理対象サーバーを停止するには、次を実行します。

UNIXの場合:

  1. コマンドラインで次のコマンドを実行して、現在の作業ディレクトリから<MW_HOME>/user_projects/domains/<domain_name>/binディレクトリに移動します。

    cd <MW_HOME>/user_projects/domains/<domain_name>/bin

  2. 次のコマンドを実行してサーバーを停止します。

    ./stopManagedWebLogic.sh <server_name> <admin_url> <user_name> <password>

    説明は次のとおりです。

    <server_name>は、管理対象サーバーの名前です。

    <admin_url>は、管理コンソールのURLです。http://<host>:<port>/consoleという形式で指定します。WebLogic管理サーバーが異なるコンピュータ上にある場合にのみ指定します。

    <user_name>は、WebLogic管理サーバーのユーザー名です。

    <password>は、WebLogic管理サーバーのパスワードです。

Windowsの場合:

  1. コマンドラインで次のコマンドを実行して、現在の作業ディレクトリから<MW_HOME>\user_projects\domains\<domain_name>\binディレクトリに移動します。

    cd <MW_HOME>\user_projects\domains\<domain_name>\bin

  2. 次のコマンドを実行して管理対象サーバーを停止します。

    stopManagedWebLogic.cmd <server_name> <admin_url> <username> <password>

    説明は次のとおりです。

    <server_name>は、管理対象サーバーの名前です。

    <admin_url>は、管理コンソールのURLです。http://<host>:<port>/consoleという形式で指定します。WebLogic管理サーバーが異なるコンピュータ上にある場合にのみ指定します。

    <user_name>は、WebLogic管理サーバーのユーザー名です。

    <password>は、WebLogic管理サーバーのパスワードです。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementインストレーション・ガイド』のスタックの停止に関する項を参照してください。

3.2.6 Middlewareホーム、ドメイン・ホームおよびOracleインスタンスのバックアップ

サーバーとプロセスを停止したら、Middlewareホーム・ディレクトリ(Middlewareホーム内のOracleホーム・ディレクトリを含む)、ローカル・ドメイン・ホーム・ディレクトリ、ローカルOracleインスタンス、およびそのMiddlewareホームを使用するリモート・システム上のドメイン・ホームとOracleインスタンスをバックアップします。

パッチ・セットのインストールが予期せず中断された場合、またはインストールが完了する前にインストールの取消しを選択した場合、インストーラを再実行する前に環境を以前の構成にリストアしないと、パッチをインストールできないことがあります。


注意:

パッチ・セットのアンインストール手順はありません。通常のインストールに使用する-deinstallプロシージャでは、パッチ・セットは削除されません。


3.2.7 データベースとデータベース・スキーマのバックアップ

インストールする製品にデータベース・スキーマが関連付けられている場合、パッチの適用手順を開始する前に、データベースをバックアップする必要があります。このバックアップにスキーマ・バージョン・レジストリ表が含まれていることを確認します。これは、各Fusion Middlewareスキーマが、対応する行をその表内に持つためです。スキーマ・バージョン・レジストリ表の名前は、SYTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$です。この実行方法は、使用しているデータベースのドキュメントを参照してください。

パッチ・セット・アシスタントを実行して既存のスキーマを更新する際、正常に更新できなかった場合は、元のスキーマをリストアしてからやりなおす必要があります。必ず、既存のデータベース・スキーマをバックアップしてから、パッチ・セット・アシスタントを実行してください。

3.2.8 サイレント・モードでのパッチ適用のためのemCCRファイルの名前変更

サイレント・モードでソフトウェアにパッチを適用する場合に、次のようなエラー・メッセージが表示されることがあります。

"SEVERE:Values for the following variables could not be obtained from the command line or response file(s):
MYORACLESUPPORT_USERNAME(MyOracleSupportUsername)"

この問題を回避するには、ORACLE_HOME/ccr/bin/emCCRファイル(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはORACLE_HOME\ccr\bin\emCCRファイル(Windowsオペレーティング・システムの場合)の名前を変更します。


注意:

パッチの適用プロセスが完了したら、名前を元の名前に戻します。これを行わなかった場合、他の操作(My Oracle Supportやその他のインストーラなど)でエラーが発生する可能性があります。


たとえば、UNIXオペレーティング・システムの場合:

cd ORACLE_HOME/ccr/bin
mv emCCR emCCR_LAST

Windowsオペレーティング・システムの場合:

cd ORACLE_HOME\ccr\bin
mv emCCR emCCR_LAST

サイレント・インストールの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のOracle Fusion Middlewareのサイレント・インストールおよびサイレント・アンインストールに関する項を参照してください。

3.3 インストーラのダウンロードと起動

次の各項では、製品へのパッチ適用に必要なインストーラを入手する手順について説明します。

3.3.1 パッチ適用に使用するインストーラについて

Identity and Access Management用のインストーラは、更新インストーラとしても機能できる完全インストーラです。これは、既存のIdentity and Access Managementホームの更新にも、新規のIdentity and Access Managementホーム全体のインストールにも使用できます。

3.3.2 必要なインストーラのダウンロード

製品用のインストーラ・ファイルをダウンロードして解凍する手順は次のとおりです。

  1. Oracle Technology Network、My Oracle SupportまたはOracle Software Delivery Cloud(旧称E-Delivery)からインストーラをダウンロードします。

    詳細は、Oracle Fusion Middlewareのダウンロード、インストールおよび構成のReadMeファイルで、Oracle Fusion Middlewareソフトウェアのダウンロード・サイトの選択に関する項、および開始点に必要なソフトウェアのダウンロードに関する項を参照してください。

  2. インストーラおよびターゲット・コンピュータ上のディレクトリにインストールするソフトウェアを含む、ダウンロード済アーカイブを解凍します。

3.3.3 インストーラの起動

ダウンロードして解凍したインストーラを起動する手順は次のとおりです。

  1. ディレクトリを、解凍したアーカイブ・フォルダ内のDisk1フォルダに変更します。

  2. 次のようにしてインストーラを起動します。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    ./runInstaller
    

    Windowsオペレーティング・システムでは次を実行します。

    setup.exe
    

システム環境および更新中の製品によっては、インストーラの起動時に、システム上のJRE/JDKの場所を指定するように求められることがあります。Oracle WebLogic Serverをインストールしたときに、Middlewareホーム内のjdk160_versionディレクトリにJREがインストールされています。この場所を使用してインストーラを起動できます。


注意:

64ビット・プラットフォームにインストールする場合は、Oracle WebLogic Serverのインストール前に64ビットJREをインストールする必要があります。このリリースに必要なバージョンを判定するには、Oracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2.x)のシステム要件とサポートされているプラットフォームを参照してください。


システムにOracle WebLogic Serverをインストールしていない場合は、Oracleホーム内のjdkディレクトリにあるJDKを使用できます。

JRE/JDKの場所への絶対パスを指定してください。相対パスはサポートされていません。

インストーラは、サイレント・モードで実行することもできます。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のOracle Fusion Middlewareのサイレント・インストールおよびサイレント・アンインストールに関する項を参照してください。

3.4 パッチ・セットの適用

インストーラを起動したら、画面上の説明に従って既存のMiddlewareホームにパッチ・セットを適用します。


注意:

ドメインに複数のホスト・コンピュータが含まれている場合は、ホストごとにインストーラを個別に実行し、ホスト上のソフトウェアを更新する必要があります。


パッチ・セット・インストーラの各画面を確認する際は、パッチ・セットの適用時とソフトウェアの初回インストール時で違いが存在する場合があることに注意してください。


注意:

パッチ・セットを適用する場合は、「インストール場所の指定」画面で既存のMiddlewareホームを特定する必要があります。


表3-2は、既存のMiddlewareホームにパッチ・セットを適用する場合に表示される、一般的なインストール画面の概要を示しています。

インストール画面の詳細なヘルプが必要な場合は、「ヘルプ」をクリックしてオンライン・ヘルプにアクセスします。

表3-2 パッチ・セットをインストールするための一般的な手順

画面 この画面はいつ表示されるか 説明

ようこそ


常時

このページがOracle Fusion Middlewareインストーラの最初の画面です。

ソフトウェア更新のインストール


常時

ソフトウェア更新の入手に使用する方法を選択するか、更新しない場合は「ソフトウェア更新のスキップ」を選択します。

更新が見つかった場合、インストーラは、この時点で更新の適用を自動的に試みるため、インストールの実行に使用しているサーバーがインターネットに接続されていることを確認してください。

前提条件のチェック


常時

必要なすべての前提条件をシステムが満たしていることを確認します。

インストール場所の指定


常時

既存のOracle Middlewareホームおよび製品のOracleホームの場所を指定します。

インストール・サマリー


常時

この画面上の情報を確認し、「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

インストールの進行状況


常時

この画面には、インストールの進行状況が表示されます。

インストールが100%完了になったら、「次へ」をクリックします。

インストール完了


常時

「保存」をクリックして構成情報をファイルに保存します。この情報には、後でアクセスするために必要になる可能性のあるポート番号、インストール・ディレクトリ、URLおよびコンポーネント名が含まれます。

アップグレードの詳細は、MW_HOME/oracle_common/upgrade/logs (UNIXオペレーティング・システム)またはMW_HOME\oracle_common\upgrade\logs (Windowsオペレーティング・システム)のディレクトリにあるログ・ファイルを参照してください。

構成情報を保存後、「終了」をクリックして画面を終了します。


3.5 パッチ・セット・アシスタントの実行

第3.4項の説明に従ってパッチ・セットを適用した後は、パッチ・セット・アシスタントを実行して必要なすべてのスキーマを更新します。詳細は、「パッチ・セット・アシスタントによるスキーマの更新」を参照してください。

スキーマが更新された後に、第3.7項の説明に従って使用するインストールに該当するパッチ適用後の手順を完了します。


注意:

サーバーを起動してインストールを検証する前に、第3.7項「パッチ適用後の手順」を確認して、必要なパッチ適用後のタスクを実行します。一部のタスクは、実行後にサーバーの再起動が必要な場合があります。


3.6 管理サーバーおよび管理対象サーバーの起動


注意:

Oracle Identity Managerの管理対象サーバーは起動しないでください。


アップグレードが完了したら、WebLogic Administration Server、Oracle Identity Managementが含まれるドメインの管理サーバーおよび管理対象サーバーを起動します。

管理サーバーの起動

管理サーバーを起動するには、次を実行します。

UNIXの場合:

次のコマンドを実行します。

cd <MW_HOME>/user_projects/domains/<domain_name>/bin

./startWebLogic.sh

Windowsの場合:

次のコマンドを実行します。

cd <MW_HOME>\user_projects\domains\<domain_name>\bin

startWebLogic.cmd

管理対象サーバーの起動

管理対象サーバーを起動するには、次を実行します。

UNIXの場合:

  1. コマンドラインで次のコマンドを実行して、現在の作業ディレクトリから<MW_HOME>/user_projects/domains/<domain_name>/binディレクトリに移動します。

    cd <MW_HOME>/user_projects/domains/<domain_name>/bin

  2. 次のコマンドを実行してサーバーを起動します。

    ./startManagedWebLogic.sh <managed_server_name> <admin_url> <user_name> <password>

    説明は次のとおりです。

    <managed_server_name>は、管理対象サーバーの名前です。

    <admin_url>は、管理コンソールのURLです。http://<host>:<port>/consoleという形式で指定します。WebLogic管理サーバーが異なるコンピュータ上にある場合にのみ指定します。

    <user_name>は、WebLogic管理サーバーのユーザー名です。

    <password>は、WebLogic管理サーバーのパスワードです。

Windowsの場合:

  1. コマンドラインで次のコマンドを実行して、現在の作業ディレクトリから<MW_HOME>\user_projects\domains\<domain_name>\binディレクトリに移動します。

    cd <MW_HOME>\user_projects\domains\<domain_name>\bin

  2. 次のコマンドを実行して管理対象サーバーを起動します。

    startManagedWebLogic.cmd <managed_server_name> <admin_url> <user_name> <password>

    説明は次のとおりです。

    <managed_server_name>は、管理対象サーバーの名前です。

    <admin_url>は、管理コンソールのURLです。http://<host>:<port>/consoleという形式で指定します。WebLogic管理サーバーが異なるコンピュータ上にある場合にのみ指定します。

    <user_name>は、WebLogic管理サーバーのユーザー名です。

    <password>は、WebLogic管理サーバーのパスワードです。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementインストレーション・ガイド』のスタックの起動に関する項を参照してください。

3.7 パッチ適用後の手順

この項では、リリース11.1.2.1.0パッチのインストールの完了後に実行する必要のある手動のタスクについて説明します。該当する製品が使用されていない可能性があるため、これらのタスクの一部が環境に適用されない場合があります。

3.7.1 プロパティ・ファイルを使用したOracle Identity Managerの中間層のアップグレード

11.1.2.1.0のパッチ・セットの適用後は、追加のアップグレード・ユーティリティを実行してOracle Identity Managerの中間層をアップグレードする必要があります。次の手順では、手動プロセスを説明しています。


注意:

このプロセスを開始する前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。

  • 第3.2.6項の説明に従った既存のMiddlewareホーム、ドメイン・ホームおよびその他の関連データのバックアップ。

  • 管理サーバーおよびSOAサーバーを起動します。OIMサーバーを実行中の場合は、中間層のアップグレード・スクリプトの実行前に停止します。


UNIXの場合:

  1. コマンドラインで次のコマンドを実行して、現在の作業ディレクトリから<OIM_ORACLE_HOME>/server/binディレクトリに移動します。

    cd <OIM_ORACLE_HOME>/server/bin

  2. <OIM_ORACLE_HOME>/binへのパスを変更します。

  3. テキスト・エディタで次のファイルを開きます。

    oim_upgrade_input.properties

  4. 表3-3のリストに従ってパラメータを追加します。

  5. コマンドラインで次のコマンドを実行して、現在の作業ディレクトリから<MW_HOME>/Oracle_IDM1/server/binディレクトリに移動します。

    cd <MW_HOME>/Oracle_IDM1/server/bin

  6. 次のコマンドを実行します。

    ./OIMUpgrade.sh


    注意:

    次の警告が表示されます。

    [WARN][jrockit] PermSize=128M ignored: Not a valid option for JRockit

    [WARN][jrockit] MaxPermSize=256M ignored: Not a valid option for JRockit

    このメッセージは無視できます。


Windowsの場合:

  1. コマンドラインで次のコマンドを実行して、現在の作業ディレクトリから<OIM_ORACLE_HOME>\server\binディレクトリに移動します。

    cd <OIM_ORACLE_HOME>\server\bin

  2. <OIM_ORACLE_HOME>\binへのパスを変更します。

  3. テキスト・エディタで次のファイルを開きます。

    oim_upgrade_input.properties

  4. 表3-3のリストに従ってパラメータを追加します。

  5. コマンドラインで次のコマンドを実行して、現在の作業ディレクトリから<MW_HOME>\<OIM_ORACLE_HOME>\server\binディレクトリに移動します。

    cd <MW_HOME>\<OIM_ORACLE_HOME>\server\bin

  6. 次のコマンドを実行します。

    OIMUpgrade.bat


    注意:

    次の警告が表示されます。

    [WARN][jrockit] PermSize=128M ignored: Not a valid option for JRockit

    [WARN][jrockit] MaxPermSize=256M ignored: Not a valid option for JRockit

    このメッセージは無視できます。


  7. 中間層のアップグレードを確認します。

    第3.9.3項「Oracle Identity Manager中間層のアップグレードの確認」を参照してください。

  8. Restart the servers as described in 第3.8項「管理サーバーおよびOIM管理対象サーバーの再起動」の説明に従ってサーバーを再起動します。

表3-3 Oracle Identity Manager中間層のアップグレード・パラメータ

パラメータ 説明

oim.jdbcurl

Oracle Identity ManagerのJDBC URLを指定します。

oim.oimschemaowner

Oracle Identity Managerのスキーマ所有者を指定します。

oim.oimmdsjdbcurl

MDS JDBC URLを指定します。

oim.mdsschemaowner

MDSスキーマの所有者名を指定します。

oim.adminhostname

Oracle WebLogic Serverの管理ホスト名を指定します。

oim.adminport

Oracle WebLogic Serverの管理ポートを指定します。

oim.adminUserName

Oracle WebLogic Serverの管理ユーザー名を指定します

oim.soahostmachine

SOAサーバーが稼働しているSOAホスト名を指定します。

oim.soaportnumber

SOAサーバーのポートを指定します。

oim.soausername

SOA管理対象サーバーのユーザー名を指定します。

oim.domain

Oracle Identity Managerのドメインの場所を指定します。


パラメータ例

oim.jdbcurl=db.example.com:5521/dbmode.example.com
oim.oimschemaowner=test_oim23
oim.oimmdsjdbcurl=db.example.com:5521/dbmode.example.com
oim.mdsschemaowner=test_mds
oim.adminport=7001
oim.adminhostname=<oim_host>:<oim_port>
oim.adminUserName=weblogic
oim.soahostmachine=<oim_soa_host>:<oim_soa_port>
oim.soaportnumber=8001
oim.soausername=weblogic
oim.domain=/<MW_HOME>/user_projects/domains/<base_domain>

3.7.2 Oracle Identity Navigatorアプリケーションのアップグレード


注意:

Oracle Identity Navigatorのバージョン番号は11.1.2.1.0ですが、OINAVのバージョン番号は11.1.1.3.0です。

これはエラーではありません。この不一致は、OINAVリリースとIdentity Access Managementリリースの内部的な追跡方法の違いによるものです。


Oracle Identity Navigatorをアップグレードすると、Oracle Identity Navigator 11.1.2.1.0リリース用のoinav.earを使用してOracle Identity Navigatorが再デプロイされます。oinav.earの再デプロイには、2つの方法があります。

  • WebLogic Server管理コンソールを使用したoinavのアップグレード

  • WebLogic Scripting Tool (WLST)を使用したoinavのアップグレード

WebLogic Server管理コンソールの使用

次の手順を実行して、WebLogic管理コンソールからOracle Identity Navigatorをアップグレードします。

  1. WebLogic管理コンソールにログインします。

    http://<管理サーバー・ホスト>:<管理サーバー・ポート>/console

  2. 「ドメイン構造」の下で、「デプロイメント」をクリックします。

  3. 「名前」表からoinav (11.1.1.3.0)を選択します。

  4. 「アプリケーション更新アシスタント」画面でソース・パスを確認した後、「更新」をクリックし、「終了」をクリックします。


    注意:

    WebLogicを本番モードで実行している場合は、「更新」をクリックする前に「ロックして編集」をクリックします。


WebLogic Scripting Tool (WLST)の使用

次の手順を実行して、WLSTコンソールからOracle Identity Navigatorをアップグレードします。

UNIXの場合

  1. コマンドラインで次のコマンドを実行して、現在の作業ディレクトリから<MW_HOME>/wlserver_10.3/common/binディレクトリに移動します。

    cd <MW_HOME>/wlserver_10.3/common/bin

  2. 次のコマンドを実行して、WebLogic Scripting Tool (WLST)を起動します。

    ./wlst.sh

  3. 次のコマンドを使用して管理サーバーに接続します。

    connect('weblogic-username','weblogic-password','weblogic-url')

  4. WLSTプロンプトで、次のコマンドを実行します。

    redeploy('oinav#11.1.1.3.0')

  5. exit()コマンドを使用してWLSTコンソールを終了します。

Windowsの場合

  1. コマンドラインで次のコマンドを実行し、現在の作業ディレクトリから<MW_HOME>\wlserver_10.3\common\binディレクトリに移動します。

    cd <MW_HOME>\wlserver_10.3\common\bin

  2. 次のコマンドを実行して、WebLogic Scripting Tool (WLST)を起動します。

    wlst.cmd

  3. 次のコマンドを使用して管理サーバーに接続します。

    connect('weblogic-username','weblogic-password','weblogic-url')

  4. WLSTプロンプトで、次のコマンドを実行します。

    redeploy('oinav#11.1.1.3.0')

  5. exit()コマンドを使用してWLSTコンソールを終了します。

3.7.3 Oracle Identity Navigator 11.1.2メタデータのインポート

パッチ・セットの適用後は、エクスポートしておいたアップグレード前のOINAVメタデータのすべてをインポートする必要があります。

Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementアップグレードおよび移行ガイドのOracle Identity Navigator 11.1.2のメタデータのインポートに関する項を参照してください。

3.7.4 Oracle Privileged Account Manager (OPAM)アプリケーションのアップグレード


注意:

Oracle Privileged Account Managerのバージョン番号は11.1.2.1.0ですが、OPAMのバージョン番号は11.1.2.0.0です。

これはエラーではありません。この不一致は、OPAMリリースとIdentity Access Managementリリースの内部的な追跡方法の違いによるものです。


Oracle Privileged Account Managerをアップグレードすると、Oracle Privileged Account Manager 11.1.2.1.0リリース用のopam.earを使用してOracle Privileged Account Managerが再デプロイされます。opam.earの再デプロイには、2つの方法があります。

  • WebLogic Server管理コンソールを使用したopamのアップグレード

  • WebLogic Scripting Tool (WLST)を使用したopamのアップグレード

WebLogic Server管理コンソールの使用

次の手順を実行して、WebLogic管理コンソールからOracle Privileged Account Managerをアップグレードします。

  1. WebLogic管理コンソールにログインします。

    http://<管理サーバー・ホスト>:<管理サーバー・ポート>/console

  2. 「ドメイン構造」の下で、「デプロイメント」をクリックします。

  3. 「名前」表からopam (11.1.2.0.0)を選択します。

  4. 「アプリケーション更新アシスタント」画面でソース・パスを確認した後、「更新」をクリックし、「終了」をクリックします。


    注意:

    WebLogicを本番モードで実行している場合は、「更新」をクリックする前に「ロックして編集」をクリックします。


WebLogic Scripting Tool (WLST)の使用

次の手順を実行して、WLSTコンソールからOracle Privileged Account Managerをアップグレードします。

UNIXの場合

  1. コマンドラインで次のコマンドを実行して、現在の作業ディレクトリから<MW_HOME>/wlserver_10.3/common/binディレクトリに移動します。

    cd <MW_HOME>/wlserver_10.3/common/bin

  2. 次のコマンドを実行して、WebLogic Scripting Tool (WLST)を起動します。

    ./wlst.sh

  3. 次のコマンドを使用して管理サーバーに接続します。

    connect('weblogic-username','weblogic-password','weblogic-url')

  4. WLSTプロンプトで、次のコマンドを実行します。

    redeploy('opam#11.1.2.0.0')

  5. exit()コマンドを使用してWLSTコンソールを終了します。

Windowsの場合

  1. コマンドラインで次のコマンドを実行し、現在の作業ディレクトリから<MW_HOME>\wlserver_10.3\common\binディレクトリに移動します。

    cd <MW_HOME>\wlserver_10.3\common\bin

  2. 次のコマンドを実行して、WebLogic Scripting Tool (WLST)を起動します。

    wlst.cmd

  3. 次のコマンドを使用して管理サーバーに接続します。

    connect('weblogic-username','weblogic-password','weblogic-url')

  4. WLSTプロンプトで、次のコマンドを実行します。

    redeploy('opam#11.1.2.0.0')

  5. exit()コマンドを使用してWLSTコンソールを終了します。

3.7.5 アップグレード前のOPAMデータのインポート

パッチ・セットの適用後は、次の説明に従ってアップグレード前のOPAMデータをインポートする必要があります。

  1. 次の環境変数を設定します。

    変数 説明

    ORACLE_HOME

    Oracle Privileged Account Managerがインストールされている場所。

    JAVA_HOME

    WebLogicインストールに使用されるJDKの場所。


  2. $ORACLE_HOME/opam/binにナビゲートします。

  3. 次のパラメータを指定して、opam.shスクリプトを実行します。

    ./opam.sh 
    -url <OPAM server url> (defaults to https://localhost:18102/opam)
    -u <user name> (the user should have OPAM_SECURITY_ADMIN and OPAM_USER_MANAGER roles)
    -p <password>
    -x import -f <import xml file>
    -encpassword <encryption/decryption password> 
    -enckeylen <Key Length for encryption/decryption of password> (Defaults to 128)
    -log <log file Location> (defaults to opamlog_<timestamp>.txt)
    

3.7.6 オプション: Oracle Privileged Account Managerデータ・ストアでのTDEの有効化

Oracle Privileged Account Managerは、Oracle Database TDE (透過的データ暗号化)モードで動作できます。TDEモードを有効または無効にするよう選択できます。セキュリティ強化のためTDEモードを有効化することを強くお薦めします。

この項の内容は次のとおりです。

3.7.6.1 データベースでのTDEの有効化

Oracle Privileged Account Managerのデータベースにおける透過的データ暗号化(TDE)の有効化の詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』透過的データ暗号化の有効化に関する説明を参照してください。

詳細は、『Oracle Database Advanced Security管理者ガイド』透過的データ暗号化を使用した保存データの保護に関する項を参照してください。

Oracle Privileged Account ManagerのデータベースでTDEを有効にした後は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementインストレーション・ガイド』のOPAMスキーマの暗号化の有効化に関する項の説明に従って、OPAMスキーマで暗号化を有効にする必要があります。

3.7.6.2 OPAMスキーマにおける暗号化の有効化

OPAMスキーマで暗号化を有効にするには、sqlplusまたは他のクライアントを使用して、OPAMスキーマ・ユーザーとしてopamxencrypt.sqlスクリプトを実行します。

IAM_HOME/opam/sql/opamxencrypt.sql

例:

sqlplus DEV_OPAM/welcome1 @IAM_HOME/opam/sql/opamxencrypt.sql

3.7.7 オプション: 非TDEモードの構成


注意:

この手順は、第3.7.6.1項「データベースでのTDEの有効化」で説明されているTDEの有効化を実行していない場合のみ必要になります。


非推奨ですが、ユーザーが非TDEモードを必要とする場合はフラグ「tdemode」をfalseに設定する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementインストレーション・ガイド』の非TDEモードの設定に関する項を参照してください。


注意:

常に透過的データ暗号化(TDE)を使用するようにお薦めしています。TDEがないと、データの保護が低下します。

2つのモードの切り替えの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Privileged Account Manager管理者ガイド』のディスク上のデータの保護に関する項を参照してください。


3.7.8 Oracle Entitlements Serverドメインおよびポリシー・ストアのアップグレード

Oracle Entitlements Server管理サーバーおよびポリシー・ストアをアップグレードするには、Oracle Identity and Access Management 11.1.2.1.0インストーラを使用する必要があります。この手順の間は、ミドルウェア・ホームを既存の11.1.2.0.0ミドルウェア・ホームに向けます。Oracleホームは11.1.2.0.0から11.1.2.1.0にアップグレードされます。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementインストレーション・ガイド』のOracle Identity and Access Management (11.1.2)のインストールと構成に関する項を参照してください。

インストール後は、第4.3.2項「パッチ・セット・アシスタントの起動」の説明に従って、パッチ・セット・アシスタントを使用して、OPSSスキーマ(prefix_OPSS)をアップグレードする必要があります。

3.7.9 BI Publisherレポートの構成

次の手順を実行して、BI Publisherレポートを構成します。

  1. 次の場所から、レポート・バンドルoim_product_BIP11gReports_11_1_2_1_0.zipを入手します。

    MW_HOME/IAM_HOME/server/reports/oim_product_BIP11gReports_11_1_2_1_0.zip
    
  2. 次の場所でoim_product_BIP11gReports_11_1_2_1_0.zipを解凍します。

    IAM_HOME/Middleware/user_projects/domains/domain_name/config/bipublisher/repository/Reports/
     
    
  3. 『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Manager開発者ガイド』のOracle Identity Managerレポートの構成に関する項の説明に従って、レポートを構成します。

3.7.10 SOAサーバーのデフォルト・コンポジットの更新

統合環境で、Oracle Identity ManagementはOHSによってフロントエンド処理されます。すべてのSOAサーバーのデフォルト・コンポジットを更新する必要があります。次のステップを実行します。

  1. Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールにログインします。

  2. 「SOA」「soa-infra」(SOAサーバー名)「デフォルト」にナビゲートします。

    環境に適したコンポジット・タイプを更新します。たとえば、ApprovalTaskHuman WorkflowDisconnectedProvisiongなどとなります。


    関連項目:

    Fusion Middleware Controlのオンライン・ヘルプおよびSOA Suiteのドキュメント


  3. デフォルトのコンポジットごとに、次の手順を実行します。

    1. コンポジット名をクリックします。

    2. 「コンポーネント・メトリック」からコンポジット・タイプを選択します。たとえば、「ApprovalTask」をクリックします。

    3. 「管理」タブを選択し、次のようにフィールドを更新します。

      ホスト名: OHSホスト名

      HTTPポート: SSLモードの場合、空白のままにします。SSL以外のモードの場合、OHS HTTPポートを入力します。

      HTTPSポート: SSLモードの場合、OHS HTTSポートを入力します。SSL以外のモードの場合、空白のままにします。

    4. 「適用」をクリックします。

3.7.11 Oracle Access Manager MBean XMLファイルのコピー

オフラインWLSTコマンドcopyMbeanXmlFiles()を使用し、MBean XMLファイルをOracle Identity Management 11g リリース2 (11.1.2.1) MBean XMLファイルで更新します。このコマンドでは、Oracle Access ManagerおよびOracle Identity ConnectのMBean XMLファイルがOAM_ORACLE_HOMEからDOMAIN_HOMEへコピーされます。

Oracle Access ManagerおよびOracle Identity ConnectのMBeanファイルをDOMAIN_HOMEへコピーする手順は次のとおりです。

  1. 次のディレクトリに移動します。

    OAM_ORACLE_HOME/common/bin
    
  2. 次のコマンドを実行して、WebLogic Scripting Tool (WLST)を起動します。

    ./wlst.sh
    
  3. 次のコマンドを実行します。

    copyMbeanXmlFiles('DOMAIN_HOME','ORACLE_HOME')
    

    例:

    Linuxの場合:

    copyMbeanXmlFiles('/scratch/ste/MW_HOME/user_projects/domains/test_domain',' '/scratch/ste/MW_HOME/Oracle_IDM1') 
    

    ここで、2番目のパラメータのOAM_ORACLE_HOMEはオプションです。

    Windowsの場合:

    copyMbeanXmlFiles('C:\\Oracle\\MW_HOME\\user_projects\domains\\test_domain','C:\\Oracle\\MW_HOME\\Oracle_IDM1')
    

3.8 管理サーバーおよびOIM管理対象サーバーの再起動


注意:

ここでは、Oracle Identity Manager (OIM)管理対象サーバーのみを起動します。


管理サーバーおよびOracle Identity Manager管理対象サーバーを再起動するには、まずこれらを停止してから起動しなおします。

サーバーの停止は、「管理サーバーおよび管理対象サーバーの停止」を参照してください。

サーバーの起動の詳細は、「管理サーバーおよび管理対象サーバーの起動」を参照してください。

Oracle Identity Managerの管理対象サーバーを起動する手順は次のとおりです。

UNIXの場合:

  1. コマンドラインで次のコマンドを実行して、現在の作業ディレクトリから<MW_HOME>/user_projects/domains/<domain_name>/binディレクトリに移動します。

    cd <MW_HOME>/user_projects/domains/<domain_name>/bin

  2. 次のコマンドを実行してサーバーを起動します。

    ./startManagedWebLogic.sh <managed_server_name> <admin_url> <user_name> <password>

    説明は次のとおりです。

    <managed_server_name>は、管理対象サーバーの名前です。

    <admin_url>は、管理コンソールのURLです。http://<host>:<port>/consoleという形式で指定します。WebLogic管理サーバーが異なるコンピュータ上にある場合にのみ指定します。

    <user_name>は、WebLogic管理サーバーのユーザー名です。

    <password>は、WebLogic管理サーバーのパスワードです。

Windowsの場合:

  1. コマンドラインで次のコマンドを実行して、現在の作業ディレクトリから<MW_HOME>\user_projects\domains\<domain_name>\binディレクトリに移動します。

    cd <MW_HOME>\user_projects\domains\<domain_name>\bin

  2. 次のコマンドを実行して管理対象サーバーを起動します。

    startManagedWebLogic.cmd <managed_server_name> <admin_url> <user_name> <password>

    説明は次のとおりです。

    <managed_server_name>は、管理対象サーバーの名前です。

    <admin_url>は、管理コンソールのURLです。http://<host>:<port>/consoleという形式で指定します。WebLogic管理サーバーが異なるコンピュータ上にある場合にのみ指定します。

    <user_name>は、WebLogic管理サーバーのユーザー名です。

    <password>は、WebLogic管理サーバーのパスワードです。

3.9 パッチ・セットのインストールの検証

環境へのパッチ適用が正常に終了したら、次の手順を任意に組み合せて実行し、インストールのステータスを確認できます。


注意:

OPAMユーザー: パッチが正しく適用されていることを確認した後に、第3.9.6項の説明に従ってアップグレード前のインスタンスのOPSSアーティファクトをクリアする必要があります。


3.9.1 アップグレードの確認

Oracle Identity Managerのアップグレードを確認するには、次の手順を実行します。

  1. Webブラウザの次のURLを使用して、Oracle Identity Manager 11.1.2.1.0が稼働していることを確認します。

    http://<oim.example.com>:<oim_port>/sysadmin

    http://oim.example.com:14000/identity

    説明は次のとおりです。

    <oim.example.com>は、管理コンソールのパスです。

    <oim_port>はポート番号です。

  2. Fusion Middleware Controlを使用して、Oracle Identity Managerとその他のOracle Identity ManagementコンポーネントがOracle Fusion Middleware環境で稼働していることを確認できます。

  3. 診断ダッシュボードをインストールして次のテストを実行します。

    • Oracle Databaseの接続チェック

    • アカウント・ロックのステータス

    • データ暗号化キーの検証

    • JMSメッセージ機能の検証

    • SOA-OIA構成の確認

    • SPML Webサービス

    • OWSM設定のテスト

    • Oracle Identity Managerに対するSPMLリクエスト呼出しのテスト

    • Oracle Identity Manager属性に対するSPML属性

    • ユーザー名テスト

3.9.2 ドメイン・サーバー・ログの検証

ドメイン・サーバー・ログを確認します。このファイルは、ドメイン・ホーム・ディレクトリ内のserversディレクトリにあります。たとえば、UNIXシステムの場合は次のスクリプトを使用します。

MW_HOME/user_projects/domains/domain_name/servers/server_name

Windowsシステムの場合:

MW_HOME\user_projects\domains\domain_name\servers\server_name

3.9.3 Oracle Identity Manager中間層のアップグレードの確認

Oracle Identity Managerの中間層のアップグレードを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 次の場所に作成されるログ・ファイルを確認します。

    UNIXの場合:

    <OIM_HOME>/server/upgrade/logs/MT

    Windowsの場合:

    <OIM_HOME>\server\upgrade\logs\MT

    次のログ・ファイルが生成されます。

    • OIMUpgrade<timestamp>.log

    • SeedSchedulerData.log

  2. OIMupgrade.shでは詳細レポートが作成されます。Oracle Identity Managerの中間層のアップグレードを確認するには、次の手順を実行します。

    1. 次のパスに移動します。

      UNIXの場合:

      <Oracle_IDM1>/server/upgrade/logs/MT/oimUpgradeReportDir

      Windowsの場合:

      <Oracle_IDM1>\server\upgrade\logs\MT\oimUpgradeReportDir

    2. index.htmlをクリックします。

      これには、Oracle Identity Managerのすべての機能と中間層の最後の実行におけるアップグレード・ステータスが表形式でリストされています。

    3. 各機能の詳細機能レポートに対応するリンクをクリックします。

3.9.4 OPMNのステータスの確認

インスタンス・ホームの場所にあるINSTANCE_HOME/binディレクトリ(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはINSTANCE_HOME\binディレクトリ(Windowsオペレーティング・システムの場合)から、opmnctl statusコマンドを実行します。次に示すのは、UNIXシステムでの出力例です。

> ./opmnctl status

Processes in Instance: asinst_1
---------------------------------+--------------------+---------+---------
ias-component                    | process-type       |     pid | status  
---------------------------------+--------------------+---------+---------
emagent_asinst_1                 | EMAGENT            |   11849 | Alive   
wc1                              | WebCache-admin     |   11333 | Alive   
wc1                              | WebCache           |   11332 | Alive   
ohs1                             | OHS                |   11207 | Alive 

この情報は、このインストールについて構成されたコンポーネントを示しています。ステータス「アライブ」は、コンポーネントが起動され実行中であることを意味します。

opmnctl status -lコマンドを実行して、コンポーネントで使用されているポートのリストを取得することもできます。次に示すのは、UNIXシステムでの出力例です。

> ./opmnctl status -l

Processes in Instance: asinst_1
---------------------------------+--------------------+---------+----------+------------+----------+-----------+------
ias-component                    | process-type       |     pid | status   |        uid |  memused |    uptime | ports
---------------------------------+--------------------+---------+----------+------------+----------+-----------+------
emagent_asinst_1                 | EMAGENT            |   11849 | Alive    | 1133259606 |     4204 |   0:09:38 | N/A
wc1                              | WebCache-admin     |   11333 | Alive    | 1133259605 |    43736 |   0:15:35 | http_admin:8091
wc1                              | WebCache           |   11332 | Alive    | 1133259604 |    63940 |   0:15:35 | http_stat:8092,http_invalidation:8093,https_listen:8094,http_listen:8090
ohs1                             | OHS                |   11207 | Alive    | 1133259603 |    50744 |   0:15:43 | https:8889,https:8890,http:8888

3.9.5 ブラウザのURLの確認

表3-4に示されるように、インストールおよび構成した製品にアクセスできることを確認します。

表3-4 インストールされた製品のURL

製品またはコンポーネント URL

管理サーバー・コンソール

http://host:port/console

Enterprise Managerコンソール

http://host:port/em

Enterprise Manager Agent

http://host:port/emd/main

Oracle Identity Manager

http://oim.example.com:14000/identity

システム管理者

http://<oim.example.com>:<oim_port>/sysadmin


3.9.6 OPAMのアップグレード前のOPSSアーティファクトのクリア

この手順は、Oracle Privileged Account Manager (OPAM)にパッチを適用した場合のみ必要になります。

パッチが正しく適用されていることを確認した後に、アップグレード前のインスタンスのOPSSアーティファクトをクリアする必要があります。

UNIXオペレーティング・システムの場合:

$ORACLE_HOME/common/bin/wlst.sh $ORACLE_HOME/opam/config/clean-opss.py <WebLogic Administrator Username> <WebLogic Administrator Password> <t3://<adminserver-host>:<adminserver-port>

Windowsオペレーティング・システムの場合:

$ORACLE_HOME\common\bin\wlst.cmd $ORACLE_HOME\opam\config\clean-opss.py <WebLogic Administrator Username> <WebLogic Administrator Password> <t3://<adminserver-host>:<adminserver-port>