このチュートリアルではOracle JDeveloper 12c IDEのおもなコンポーネントについて確認し、Javaベースの基本的なアプリケーションを作成する方法について説明します。 はじめに、シンプルなJavaクラスを作成します。次に、この新しいクラスを使用して、コード・アシストやデバッガなど、JDeveloper IDEの機能について、いくつか確認します。最後に、ページ・フロー・ダイアグラムを作成し、JavaクラスをマネージドBeanとして追加し、このマネージドBeanをJSFページで使用します。

このチュートリアルを開始するには、Oracle JDeveloper 12.1.2にアクセスできるか、インストール済みである必要があります。この製品は、Oracle Technology Networkからダウンロードできます。任意のディレクトリにファイルをインストールしてください。このチュートリアルでは、このディレクトリをJDEVELOPER_HOMEと呼びます。

目的 所要時間 アプリケーション
このチュートリアルでは、JDeveloper IDEの使用方法について説明します。これから作成するアプリケーションの完成版を確認するには、「Download」ボタンをクリックして最終的なアプリケーションのzipファイルをダウンロードし、JDeveloperのmyworkフォルダに解凍してください。 105分 My First Application Solution.zipのダウンロード
ステップ1:JDeveloperの起動
  1. Start」→「Programs」→「JDEVELOPER_HOME」→「OracleHome」→「Oracle JDeveloper Studio」→「Oracle JDeveloper Studio」を選択して、JDeveloperを起動します。

    プログラム・メニュー

    以前のJDeveloperインストールからプリファレンスをインポートするかどうかを尋ねるダイアログ・ボックスが開いたら、「NO」をクリックします。

  2. Select Roleダイアログで、「Studio Developer」を選択して、「OK」をクリックします。

    ロールの選択
  3. JDeveloper環境では、ユーザーのロールに基づくシェイピング機能を使用して環境を調整できます。具体的には、メニュー、プリファレンス、新規ギャラリ、およびダイアログ上の個々のフィールドから、それぞれのロールで不要な項目が削除されます。

    また、シェイピング機能を使用してツール内のダイアログ・フィールドのデフォルト値をコントロールすることもできます。JDeveloperを最初に開始する場合、ロールを選択するように指示されます。ロールは、ユーザーがどのようにJDeveloperを使用するかを表します。"Java Developer"、"Database Developer"、"Customization Developer"のうち、どのロールを選択するかによって、ユーザー・エクスペリエンスがまったく異なります。

    Tip of the Dayウィンドウを閉じます。

  4. ロードが終了すると、JDeveloper IDEが表示されます。初めてJDeveloperを開く際には、Start Pageが表示されます。後でStart Pageを再表示する場合は、「Help」→「Start Page」を選択します。

    JDeveloperについて学習するためのさまざまなオプションが用意されています。 これらのオプションを確認したら、タブ上の「X」をクリックしてStart Pageを閉じます(タブにマウスを合わせると、「X」が表示されます)。

    Start Page
ステップ2:初めてのアプリケーション作成
  1. アプリケーション・ナビゲータで「New Application」リンクをクリックします。

    アプリケーション・ナビゲータで、New Applicationメニュー・オプションにカーソルを合わせた状態。
  2. New Galleryで、「Custom Application」を選択して、「OK」をクリックします。

    New GalleryでCustom Applicationを選択。
  3. Create Custom ApplicationウィザードのName your applicationページで、デフォルトのアプリケーション名をMyFirstApplicationに変更し、Application Package Prefixフィールドが空白であることを確認します。アプリケーション名の変更に従って、ディレクトリ名も変更されることに注意してください。「Next」をクリックします。

    デフォルトで、すべてのアプリケーションは\JDeveloper\mywork\ ディレクトリに保存されます。

    Create Custom Appウィザードの1ページ目、NameフィールドにMyFirstApplicationを指定。
  4. ウィザードのName your projectページで、デフォルトのプロジェクト名をMyProjectに変更します。Available Project Featuresのリストから「JavaServer Faces (JSF)」を選択し、「Add」ボタンをクリックしてSelectedペインに移動します。

    ウィザードの2ページ目、NameフィールドにMyProjectを指定、Availableテクノロジー・ペインからJavaServer Facesを選択。

    Java、JSP and Servlets、XMLもSelectedペインに移動したことを確認します。

    Selectedペインに表示されたJava、JavaServer Faces、JSP and Servlets。

    Next」をクリックします。

  5. ウィザードのProject Java Settingsページで、すべてをデフォルトのままにして「Finish」をクリックします。

    ウィザードの3ページ目、パッケージ名フィールドに'myproject'を指定。

  6. アプリケーションは、制御構造の最上位レベルです。これは作業に必要なすべてのオブジェクトのビューになります。Javaプログラムの開発中は、アプリケーションによってすべてのプロジェクトが追跡記録されます。

    アプリケーションは、.jws拡張子のファイルとして保存されます。JDeveloperを開くと、最後に使用したアプリケーションがデフォルトで開かれるため、作業を中止した場所から再開できます。

    JDeveloperでは、常に、アプリケーションに含まれるプロジェクトを使用して作業を行います。JDeveloperのプロジェクトは、関連するファイルを論理的にグループ化します。ソース・コードのアクセス、変更、および再利用を簡単にするために、複数のプロジェクトをアプリケーションに追加できます。
  7. アプリケーション・ナビゲータでは、プロジェクトは階層内の2番目のレベルとして、アプリケーションの下に表示されます。アプリケーション・ナビゲータは、次のように表示されます。

    MyProjectを表示したアプリケーション・ナビゲータ。
  8. アプリケーション・ナビゲータはJDeveloperのメイン・ウィンドウであり、アプリケーションのコンポーネントにアクセスする際に使用します。アプリケーション・ナビゲータの構造は階層化されており、特定のアプリケーションに対するプロジェクト、イメージ、.htmlファイルなどをサポートします。デフォルトでは、JDeveloper IDEの左側にアプリケーション・ナビゲータが表示されます。

    プロジェクト・フォルダはアプリケーション・フォルダの子オブジェクトであることに注意してください。

  9. アプリケーション・ナビゲータに表示された2つのアコーディオン・ペインに注目します。

    アプリケーション・ナビゲータで、MyProjectに加えて、ウィンドウ下部に3つのアコーディオンを表示。
  10. Application Resources」ノードをクリックして、これを開きます。

    アプリケーション・ナビゲータで、1つのアコーディオン・ノード(Application Resources)を開いた状態。
  11. 下に表示された4つのリソース・ノードを開いたら、「Application Resources」ノードを閉じます。

    上のイメージからアコーディオン・ノードを閉じた状態。
  12. StructureペインやResources Paletteなど、JDeveloperの他のペインでもアコーディオンを使用できます。

ステップ3:初めてのJavaクラス作成
  1. アプリケーション・ナビゲータで「MyProject」ノードを右クリックし、コンテキスト・メニューから「New」→「From Gallery...」を選択します。

    アプリケーション・ナビゲータで、プロジェクトのコンテキスト・メニューでNewオプションが選択された状態。
  2. New Galleryが表示されます。デフォルトでは、Categoriesリストの最初のカテゴリであるGeneralが選択されています。別のカテゴリを使用すると、その他のJDeveloperテクノロジーを使用して、さまざまなアプリケーション層を作成できます。
    右側のペインにあるItemsリストで、「Java Class」を選択します。OK」をクリックします。

    New GalleryでJava Classを選択。
  3. Create Java Classダイアログで、デフォルトのクラス名をDogに変更します。
    その他はすべてデフォルトのままで、「OK」をクリックします。

    Create Java Classダイアログ。
  4. ソース・エディタ内に新しいクラスが自動的に開き、クラス定義のスケルトンが表示されます。
    クラスにメソッドを追加します。コンストラクタの後ろで[Enter]を押して新しい行を作成し、次のコードを入力します。

    public String sayHi()

    クラス定義のスケルトンが表示されたソース・エディタ。 Studentsの追加。

    入力した行の下に赤い波線が表示され、構文に問題があることが分かります。また、ソース・エディタの右側の余白に赤色の四角いマークが表示されます。この四角いマークや赤い波線にマウスを合わせると、ツールチップによってエラーに関する情報が表示されます。このチュートリアル内のコード・アシストの使用の項でも、同様の例が確認できます。

    ソース・エディタで、右側の余白内の赤いマークにカーソルを合わせた状態。 メソッドにreturn文が欠如していることを示すツールチップ。
  5. 行の最後で[Ctrl]と[Shift]を押しながら[Enter]を押すと、JDeveloperによってメソッド構造が自動的に補完され、いくつかのエラー・マークが表示されなくなります。しかし、いくつかのマークが残っており、構文がまだ完成していないことが分かります。

    ソース・エディタによる{}(中かっこ)の追加によってメソッド宣言を完了。 1つの赤いマーカーは表示されたまま。

    SourceComplete Statementメニュー・オプションからも自動補完機能にアクセスできます。

    トップ・メニュー・バーのSourceメニューで、「Complete Statement」メニュー・オプションを選択。
  6. 不足しているreturn文を追加します。
    メソッドに追加された{}(中かっこ)内の空白行に、次のコードを追加します。

    return " woof "+ "Jeff";

    Dogクラスのコードを表示したソース・エディタ。 新しいreturn文の追加。

    最初の2重引用符記号(")を入力すると、JDeveloperによって自動的に2番目の2重引用符が表示されてカーソルが囲まれるため、リテラルを簡単に入力できます。構文エラーがないことを意味する緑色の四角いマークが、右上の余白に表示されることを確認してください。

ステップ4:コード・テンプレートの使用

コード・テンプレートは、Javaソース・エディタに含まれる機能です。コード・テンプレートは、ソース・エディタ内でのコーディングをより効率良く、迅速にする機能です。既存のテンプレートを編集することも、独自のテンプレートを作成することもできます。このステップでは、Dogクラスで既存のコード・テンプレートを使用する方法について説明します。

  1. Javaクラスにmainメソッドを追加するコード・テンプレートがあります。
    sayHi()メソッドの後で[Enter]を押し、新しい行を作成します。文字mを入力して、[Ctrl]キーを押しながら[Enter]キーを押し、コード・テンプレートを起動します。

    ソース・エディタ:文字'm'の入力時にテンプレートを表示。

    mainメソッドのテンプレートが提示されます。

  2. 再度[Enter]を押して提示を受け入れ、テンプレートを組み込みます。

    ソース・エディタ:mainメソッドのコード・テンプレートをソースに追加。
  3. 以下のコードを追加して、mainメソッド内にDogオブジェクトを作成します。

    Dog myDog = new Dog();


    ソース・エディタ:mainメソッドに追加するDogオブジェクトを作成するコード。

    myDog変数にマウスを合わせると、変数が使用されていないことを知らせ、考えられる解決策を提示するツールチップが表示されます。

    ソース・エディタ:myDog変数に合わせたマウスと、変数が使用されていないことを知らせるツールチップ。

    このチュートリアル内のコード・アシストの使用においても、同様の例が確認できます。

  4. 新しい行を追加し、[Ctrl]キーを押しながら[Enter]キーを押して、使用できるコード・テンプレートのリストを表示します。

    ソース・エディタ - テンプレートのリストを表示。
  5. forタイプのコード・テンプレートを使用して、整数ベースのループを作成することにします。foと入力して、リストを制限します。

    ソース・エディタ:'fo'という文字列を入力すると、文字列'fo'を含むリストのみがテンプレートに表示されます

    4つのテンプレートが提示されます。

  6. 提示された4つのうち、3番目のテンプレートである「fori intBased "for" Loop (Simple Limit)」テンプレートをダブルクリックして選択します。

    ソース・エディタ:fori intBasedの選択。

    テンプレート・コードがファイルに組み込まれます。

    ソース・エディタ:テンプレート・コードの挿入。
  7. ソース・エディタ:'i'変数の代わりに'count'という語が表示される。

    ループの反復を3回までに制限します。

    ソース・エディタ:3つ目の'count'のインスタンスが'3'に置き換えられる。
  8. System.out.println文を入力します。
    forループの{}(中かっこ)内の空白行にカーソルを置いて、sopと入力します

    ソース・エディタ:新しい行に文字列'sop'を表示。

    Ctrl]キーを押しながら[Enter]キーを押して、テンプレート・コードを組み込みます。

    ソース・エディタ:テンプレート・コードの挿入。
  9. ループを使用してsayHiメッセージを表示するように、コードを追加します。()(丸かっこ)の中で、printlnの後に次のコードを入力します。count + myDog.sayHi().count + myDog.sと入力すると、JDeveloperによってsayHiメソッドが補完されます。

    ソース・エディタ: printlnの後ろの()(丸かっこ)内に挿入された'count + myDog.sayHi()'。

    補完された行は次のようになります。

    System.out.println(count + myDog.sayHi());

  10. エディタ内で右クリックして、メニューで「Reformat」を選択し、JDeveloperによるコードの再編成を行います。

    ソース・エディタのコンテキスト・メニュー:Reformatオプションの選択。
  11. コードは次のようになり、メソッド周囲の空白が少し広くなっています。

    ソース・エディタ:再編成されたコード。
  12. 変更を保存します。「File」→「Save All」を選択するか、またはツールバーの「Save All」ボタンをクリックします。コード内を含むすべてのケースで、保存されていないファイル名はイタリック体で表示されます。

ステップ5:Javaクラスのコンパイルと実行

  1. アプリケーション・ナビゲータまたはソース・エディタで「Dog.java」を右クリックし、コンテキスト・メニューから「Make」を選択します。

    アプリケーション・ナビゲータで、Dog.javaのコンテキスト・メニューからMakeオプションを選択。
  2. JDeveloper IDEの右下に表示されるログ・ウィンドウに、コンパイルが正しく完了したことが表示されます。ログ・ウィンドウが表示されない場合、「Window」→「Log」を使用します(または、[Ctrl]と[Shift]を押しながら[L]キーを押します)。

    コンパイルの成功を示すメッセージをハイライト表示したログ・ウィンドウ。

    コンパイルの成功を示すメッセージをハイライト表示したログ・ウィンドウ。
  3. .javaファイルのコンパイルが正しく完了すると、プロジェクトの\srcディレクトリ内に.classファイルが作成されます。JDeveloperでクラスをコンパイルすると、.javaファイルが自動的に保存されます。Makeオプションを使用してクラスをコンパイルすると、JDeveloperによってプロジェクト内のすべてのファイルが保存されます。クラスを実行すると、自動的にクラスがコンパイルされて保存されます。
  4. アプリケーション・ナビゲータまたはソース・エディタで「Dog.java」を右クリックし、コンテキスト・メニューから、今回は「Run」を選択します。

    ソース・エディタのコンテキスト・メニューでRunメニュー・オプションを選択。
  5. ログ・ウィンドウに、'woof Jeff'メッセージが3回表示されます。

    ログ・ウィンドウに、'woof Kate'メッセージが3回表示。

ステップ6:コード・アシストの使用

コード・アシストは、エディタ内のコードを確認し、一般的な問題の修正を支援します。ここでは、Dogクラスを使用して、表示される提案の例について確認していきます。

  1. Catオブジェクトを作成します。
    mainメソッドの開始位置(最初の{}(中かっこ)の後ろ)で[Enter]を押して新しい行を作成します。新しい行に、次のコードを入力します。

    Cat myCat = new Cat();


    ソース・エディタ:mainメソッド内のCatオブジェクト作成コード。
  2. 赤い波線およびマージン・インジケータが再度表示されていることを確認してください。 マージン・インジケータにカーソルを置くと、問題の詳細が表示されます。

    ソース・エディタのエラー・マーカーに合わせたカーソル、Cat型が見つからないことを示すメッセージ

    ポップアップ・ボックスが表示され、問題の詳細と同時に問題のある行が示されることを確認してください。

  3. 'cat'行の左側の余白にある電球マークにカーソルを合わせます。この行に対する'クイック修正とコード・アシスト'が提供可能であることを示すメッセージが表示されます。

    ソース・エディタに、電球アイコンに合わせたカーソル、この行に対する'クイック修正とコード・アシスト'が提供可能であることを示すメッセージが表示される。
  4. 詳細を表示するためにアイコンをクリックします。

    ソース・エディタに、この行に対するコード提案のリストが表示される。

    Catオブジェクトをインスタンス化するには、Catクラスが必要です。最初の提案をクリックすると、JDeveloperはCatという名前のクラスを作成します。
    ここでは、Catクラスをすぐに作成しません。後で実行することを忘れないようにするため、new Cat();の後ろで[Enter]を押して新しい行を作成し、この行に次のコードを入力します。

    //TODO create a Cat class


    ソース・エディタのタスク・リスト - Catオブジェクトを作成するためのメモ。
  5. Window」→「Issues」を選択して、作成したタスクのリストを表示します。

     メニュー項目:タスクの表示。
  6. タスク・ウィンドウには、作成したタスクのリストが表示されます(この例では、これが唯一のタスクです)。

    タスク・リストを表示したログ・ウィンドウの新規タブ(ここでは1件のみ)。

    また、すべてのエラー、警告、未完了項目、その他のメッセージが表示されます。
    左端から4つのアイコンをクリックして、それらのリストを削除すると、完了すべきタスクが表示されます。

    タスク・リストを表示したログ・ウィンドウの新規タブ(ここでは1件のみ)。
  7. リスト内のタスク(ここではcreate a Cat class)をダブルクリックすると、JDeveloperによって関連タスクが表示され、該当するコード行がハイライト表示されます。

    ソース・エディタ:コード内でハイライト表示されたTODO項目。
  8. エディタの右余白に薄緑色のマーカーが表示されていることを確認してください。これは、タスクを作成した場所を示しています。マウスを操作してマーカーにカーソルを合わせると、タスクの内容が表示されます。

    ソース・エディタ:右余白のピンクのマーカーに合わせたカーソル、タスク詳細の表示。
  9. Catオブジェクトを作成する行をコメント・アウトします。赤色のマーカーが消え、緑色のマーカーへ変わったことに注目してください。このマーカーは、コード内にエラーがないことを示します。

    ソース・エディタで、Catオブジェクトを作成する行の前にコメント・マーカーが表示される。
  10. クラスに変数を2つ追加します。[Enter]を押して、クラス宣言の後に新しい行を作成します。次のように2つの変数を宣言します。

    String name;
    int age;


    ソース・エディタで、name変数とage変数をDogクラスに追加。
  11. コード・エディタで右クリックして、コンテキスト・メニューから「Generate Accessors」オプションを選択します。

    ソース・エディタのコンテキスト・メニューで、Generate Accessorsメニュー・オプションの選択。

    コード・エディタ・ツールバーの「Generate Accessors」アイコンからもGenerate Accessorsオプションを使用できます。

    Generate Accessorsアイコンを示したソース・エディタのメニュー・バー。
  12. Generate AccessorsダイアログでDogボックスを選択して、2つの変数に対するGetterメソッドおよびSetterメソッドを生成します。

    Generate Accessorsダイアログ・ボックス:2つの変数に対してGetterおよびSetterを生成するチェック・ボックスの選択。

    メソッドのスコープを定義したり、リスナーの使用や新しい値の確認など、他のプロパティの実装をSetterメソッドに定義したりすることができます。

    OK」をクリックします。GetterメソッドおよびSetterメソッドがDogクラス内に生成されます。

    ソース・エディタ:name変数とage変数に対して生成されたGetterメソッドおよびSetterメソッド。
  13. コード・エディタの中を右クリックし、コンテキスト・メニューから「Source」→「Generate Constructor from Fields」を選択します。

    ソース・エディタのコンテキスト・メニューで、Source→Generate Constructor from Fieldsメニュー・オプションを選択。
  14. Generate Constructor from Fieldsダイアログで、両方のフィールドのチェック・ボックスを選択して「OK」をクリックします。

    Generate Constructor from Fieldsダイアログ:nameフィールドとageフィールドの左にあるチェック・ボックスの選択。
  15. 新しいコンストラクタ・メソッドがコードに追加されます。

    ソース・エディタ:Dogクラスに追加されたコンストラクタ・メソッド。
  16. このチュートリアルではこのコンストラクタを使用しませんが、より興味深いコードをクラスに含めるため、このまま残しておきます。

ステップ7:検索およびコードのハイライト機能の使用

コード・エディタでテキストを検索すると、指定した検索条件に該当するすべての箇所を表示できます。オブジェクトのすべての該当箇所を取得するハイライト機能も使用できます。

  1. コード・ウィンドウにカーソルを合わせ、検索オプションのAuto Code Highlightが選択されていないことを確認します。メニューから「Search」を選択し、Auto Code Highlightの横にチェック・マークがないことを確認します。チェック・マークがある場合、このメニュー・オプションをクリックしてから再表示すると、チェックが表示されなくなります。

    メイン・メニューのSearchオプション:Auto Code Highlightは未選択。
  2. コード・エディタ・ツールバーの左にある検索ボックスにnameと入力します。コード・エディタ内のカーソル位置よりも後ろで最初に発見されたnameインスタンスがハイライト表示されます。

    ソース・エディタ:ウィンドウ左上の検索ボックスにnameを指定、name変数の選択。
  3. Find next」矢印をクリックして、次の該当する文字列に移動します。

    ソース・エディタのメニュー・バー:検索ボックス内の下矢印。
  4. 双眼鏡アイコン。虫メガネ・アイコンをクリックして追加オプションを表示し、「Highlight Occurrences」オプションを選択します。次に、「Find next」矢印をクリックして、すべての該当箇所をハイライトします。

    検索フィールド・オプションの表示: Highlight Occurrencesオプションの選択と、コード内で使用されたすべての'name'のハイライト表示。

    次に、「Find next」矢印をクリックして、すべての該当箇所をハイライトします。検索機能によって、コード内で使用されているすべての"name"がハイライト表示されていることを確認します。

    検索フィールド・オプションの表示。 Highlight Occurrencesオプションの選択と、コード内で使用されたすべてのnameのハイライト表示。

  5. エディタ・ツールバーの「Clear All Highlighting」アイコンをクリックします。

    Clear All Highlightingアイコンを示したソース・エディタのメニュー・バー。
  6. 検索フィールドからnameを削除します。

    ソース・エディタ:空白の検索フィールド。
  7. メニューから「Search」→「Auto Code Highlight」を選択します。

    ソース・エディタのメニュー・バー:Searchメニュー・オプションとAuto Code Highlightメニュー項目の選択。
  8. コード・エディタで、Dog(String name, int age)コンストラクタ内の「age」引数をクリックします。 ハイライトされている箇所が同じセマンティック・オブジェクト内に制限され、age変数は除外されていることに注意します。

    ソース・エディタ:'age'パラメータは黄色のハイライト表示、'age'変数はハイライトなし。
  9. 次に、クラス変数ageを選択して、この変数のすべての該当箇所をハイライト表示します。

    ソース・エディタ:次に、'age'変数に対するすべての該当箇所を黄色でハイライト表示。
  10. 右の余白で、マウスを上部の黄色マーカーの上に合わせて、メッセージを表示します。

    ソース・エディタ:右側の余白内の黄色マーカーにカーソルを合わせた状態。 'age'の使用を示したメッセージの表示。
  11. 黄色のマーカーをダブルクリックします。これによって、コード内の使用箇所に移動します。

    ソース・エディタ:'age'変数を黄色でハイライト表示
  12. コード・インサイトの動作(いつ、どのくらいの速さで表示するか)を設定できます。
    メイン・メニューから「Tools」→「Preferences」を選択します。

    ソース・エディタのメニュー・バーで、ToolsメニューからPreferencesオプションの選択。
  13. Preferencesダイアログで、「Code Editor」ノードを開き、「Code Insight」を選択します。
    これは、コーディング環境をカスタマイズするために設定できるプリファレンスの1つにすぎません。

    Preferencesダイアログの左側のペインで、Code Insightを選択、右側のペインは、コード・インサイトによるアシスタンスのポップアップ表示速度を上下するためのスクロール・バー。

    OK」をクリックします。

  14. 他のファイルへ移動したり、新しいエディタを開いたりすることなく、変数やメソッドの定義を表示できます。

    Shift]キーを押しながら変数やメソッドにカーソルを合わせると、その定義がゴースト・ウィンドウに表示されます。この機能は、カーソル・フォーカスを現在のコードから外すことなく、コードをすばやく確認するために便利です。

    構造ウィンドウで、いずれかのノード上にマウスを移動して、[Shift]キーを押します。こうすることで、クラス構造内にコード構造を表示できます。

    sayHiメソッドを選択した構造ウィンドウ:ポップアップ・ウィンドウにメソッド・シグネチャ全体を表示。

    ショートカット・キーを離すと、ゴースト・ウィンドウが閉じられます。

  15. コード・エディタ・ツールバーの「Reformat」アイコンをクリックし、コードを再編成します。

    ソース・エディタのメイン・メニュー・バーに表示されたReformatアイコン。


ステップ8:コードのリファクタリング

リファクタリングは、プログラムの動作を変更せずにコードの構造を修正する編集テクニックです。リファクタリング処理は、コンパイルや実行を正しく行いながらプログラム・コードを変換する、シンプルな編集の手順です。JDeveloperでは、一連のリファクタリング処理が提供されています。

  1. リファクタリング処理の1つの例として、メソッド内の定数表現をメソッド・パラメータで置き換える処理があります。定数表現は、パラメータ名で置き換えられます。新しいパラメータがメソッドのパラメータ・リストと、すべてのメソッド起動箇所に追加されます。
    これをDogクラスで実行するには、sayHi()メソッドにおいて、リテラルである「Jeff」を右クリックし、コンテキスト・メニューから「Refactor」→「Introduce Parameter...」を選択します。

    ソース・エディタで、'Kate'というリテラルからコンテキスト・メニューを起動: Refactor→Introduce Parameterメニュー・オプションの選択。
  2. Introduce Parameterダイアログで、Nameフィールドにnameと入力し、「OK」をクリックします。

    Nameフィールドに'name'を指定したIntroduce Parameterダイアログ。
  3. コードを調べて、リファクタリング処理の結果を確認します。メソッド宣言のパラメータ・リストにString nameが含まれており、メソッドの戻り値内のリテラルである'Jeff'はnameで置き換えられています。また、リテラル'Jeff'は、メソッド・コールのパラメータとして挿入されています。

    ソース・エディタ:リテラルを置き換えた'name'の該当箇所を黄色でハイライト表示。
  4. 別のリファクタリング処理では、既存クラス内で選択したメソッドから新規インタフェースを作成できます。
    Dogクラスでこれを実行するには、Dogクラス宣言メソッドを右クリックし、コンテキスト・メニューから「Refactor」→「Extract Interface...」を選択します。

    ソース・エディタ: Dogクラス宣言のコンテキスト・メニューから、Refactor→Extract Interfaceメニュー・オプションの選択。
  5. Extract Interfaceダイアログで、インタフェース名としてIntAnimalを入力し、Extract Interfaceリスト内の「sayHi(String)」メソッドを選択します。「OK」をクリックします。

    Extract Interfaceダイアログ: InterfaceフィールドにIntAnimalを入力、メソッド・リスト内のsayHi(String)のボックスをチェック。
  6. IntAnimalインタフェースが作成され、ソース・エディタで開かれます。

    ソース・エディタで、IntAnimalの宣言を表示。
  7. もう1つの簡単なリファクタリング処理例として、名前の変更があります。この処理を利用すると、すべての箇所のメソッド名が新しい名前で置き換えられます。
    IntAnimalインタフェースでこれを実行するには、sayHi()メソッド内で右クリックし、コンテキスト・メニューから「Refactor」→「Rename」を選択します。

    ソース・エディタのIntAnimalコンテキスト・メニュー: Refactor→Renameの選択。
  8. Renameダイアログで、メソッド名sayHi()sayHowDoYouDoに変更します。「Show Usages」チェック・ボックスを選択し、名前の変更によって影響を受けるすべての箇所を表示します。「OK」をクリックします。

    sayHiメソッドのRenameダイアログ:Renameフィールドに新しいメソッド名のsayHowDoYouDoを指定。 Previewチェック・ボックスの選択。
  9. ログ・ウィンドウに、sayHi()メソッドが使用されているすべての箇所のリストが表示されます。すべての使用箇所を調べて、sayHi()sayHowDoYouDo()に変更するかどうかを確認します。すべて変更する場合は、ログ・ウィンドウのツールバーにある「Do Refactoring」ボタンをクリックします。

    ソース・エディタ下部のログ・ウィンドウに、sayHiメソッドが使用されている3つの箇所が表示。 Do Refactoringアイコンに合わせたカーソル。
  10. IntAnimalインタフェース内で、名前の変更が実行されていることを確認します。

    IntAnimalのソース・エディタで、sayHiメソッドをsayHowDoYouDoで置換(黄色のハイライト表示)
  11. また、Dogクラス内でも名前が変更されています。

    ソース・エディタ:Dogクラス内で、新しい名前のメソッドの使用箇所を黄色でハイライト表示。
  12. メニュー・バーの「Navigate」をクリックします。「Back」メニュー・オプションを使用すると、前の場所に戻ることができます。

    ソース・エディタ:メイン・メニュー・バーでNavigateメニュー・オプションを選択し、メニュー項目からBackメニュー項目を選択。

    Backボタンを使用して、ツールバーからもこのオプションを使用できます。Backボタンの横の下矢印をクリックすると、ナビゲーションの履歴が表示されます。

    ソース・エディタのメニュー・バーで、下矢印アイコンにカーソルを合わせて、以前のロケーション・リストを表示。
  13. メニューから「Search」→「Auto Code Highlight」を選択して、コード・ハイライト・オプションを無効化します(または、コード・エディタ・ツールバーの「Clear All Highlighting」アイコンをクリックします)。

    メイン・メニュー・バーのSearchメニュー・オプションを選択: オプション・リストからAuto Code Highlightメニュー項目を選択。

ステップ9:コード変更履歴の表示

JDeveloperには、履歴機能が組み込まれています。このローカル履歴機能を使用すると、バージョン管理システムなしで最近の変更履歴を表示し、バージョン間の"差分"をビジュアル化することができます。バージョンは、保存、コンパイル、名前の変更など、ユーザー・インタラクションに基づいて自動的に作成されます。

  1. Dog.javaエディタ・ウィンドウに移動します。コード・エディタ・ウィンドウの下部にある2つのタブに注目してください。「History」タブをクリックします。

    ソース・エディタ:ウィンドウ下部に表示されたSource、Design、Historyタブ: Historyタブに合わせたカーソル。
  2. Historyウィンドウが表示されます。修正と日付のリストがウィンドウの最上部に表示され、コード変更のリストが下部に表示されています。2つのウィンドウは同期しているため、ウィンドウの下部に表示される情報は、上のリストで選択した内容と一致します。

    Dogクラスの変更履歴を表示したHistoryウィンドウ。
  3. 薄紫色のボックスは、コード変更を表示します。
    ウィンドウ上部で、リストの上端近くの「Introduce Parameter」を選択します。エディタの左下部分で、sayHi()メソッド宣言を含む薄紫色のボックス内の緑色の右矢印にマウスを合わせます。 メッセージが表示され、緑色の矢印をクリックすると直前の変更が置き換わることに注意してください。このケースで、緑色の矢印をクリックすると、sayHowDoYouDo()メソッドがsayHi()に戻ります。ここでは元に戻さないでください。

    Historyウィンドウの上部でIntroduce Parameterの変更を選択。 ウィンドウ下部でsayHiメソッドを選択、隣に変更されたsayHowDoYouDoの表示。
  4. Historyウィンドウの中央の領域では、Javaコードの構造に対する変更が記録されています。この例では、Dogクラスの3つのメソッドが含まれており、sayHi()メソッドの横の赤色のマイナス記号はこのメソッドが削除されたことを示しています。また、sayHowDoYouDo()メソッドの横の緑色のプラス記号は、このメソッドが追加されたものであることを示しています。これらの記号にマウスを合わせると、該当するメッセージが表示されます。

    Dogクラスのメソッド・リストを表示したHistoryウィンドウ中央部(Java構造への変更)に注目。



ステップ10:ソース・コード内のナビゲート
JDeveloperを使用すると、関連するコード項目やJavadoc間を簡単に移動し、コード内のセクションを展開および収縮することができるため、大きなプログラムにおけるナビゲーションが容易になります。これらの機能を確認するには、以下の手順に従います。
  1. エディタで、Dog.javaファイルの「Source」タブをクリックします。Dog.javaファイル内のsayHowDoYouDo()メソッドの横に表示されている矢印アイコンをクリックします。

    Dogクラスのソース・エディタ: sayHowDoYouDoメソッドの横の左余白にある青色の上矢印に合わせたカーソル。

  2. コード内のある部分から、関連する他の部分へとナビゲートできます。1つの例としては、メソッドからインタフェース内でのメソッド宣言へのナビゲートがあります。

    インタフェースの宣言を実装するメソッドには、左側の余白にコールアウト・アイコンが表示されます。このアイコンをクリックすると、メソッドが宣言されている箇所に移動します。

  3. JDeveloperによって、IntAnimalインタフェースのメソッド宣言箇所に移動し、適切な行がハイライトされます。

    IntAnimalインタフェースのソース・エディタ:sayHowDoYouDoメソッドの宣言箇所。
  4. Dogクラス内の元の場所に戻るには、ツールバーに表示されている緑の「Back」ボタンをクリックします。

    ソース・エディタのメイン・メニュー・バー。 緑色の左矢印をクリックするとDogクラスへ戻ることを示したカーソル。

    Alt]を押しながら左矢印または右矢印のキーを押して、前後に移動することもできます。

  5. また、特定の要素に対するJavadocへ移動することもできます。エディタのDog.javaファイルで、sayHowDoYouDo()メソッド内を右クリックします。コンテキスト・メニューから「Quick Javadoc」を選択します。

    ソース・エディタのコンテキスト・メニュー:Quick Javadocメニュー・オプションの選択。
  6. Javadocポップアップ・ウィンドウに選択したメソッドの追加情報が表示されます。

    ソース・エディタ:選択したメソッドに関するJavadoc情報を表示したウィンドウの表示。
  7. String」リンクをクリックして、Stringクラスの詳細情報を取得します。

    ソース・エディタ上に重ねて表示されたウィンドウ:Stringクラスに関する詳細情報の表示。
  8. Ctrl]を押しながら[-](マイナス)キーを押して、Go to Java Typeダイアログをポップアップ表示します。選択したクラスのソースまたはJavadoc情報を表示できます。

    ソース・エディタ上に重ねて表示された小さい'Go to Java Type'ウィンドウ。

    NameフィールドにStringと入力し、ハイライトされている「String - java.lang」を選択します。[Enter]を押します。

    上記と同じウィンドウでNameフィールドにStringと入力し、その下のStringベースのクラスのリストでString - java.langを選択。
  9. エディタでStringクラスのソース・コードが開きます。

    新しいタブでStringクラスのソース・コードが表示。

    String.javaタブを閉じます。

    String.javaタブのXにカーソルを合わせて、ウィンドウをクローズ。
  10. コードの折りたたみ機能を利用すると、コード内のセクションを展開および収縮できるため、サイズの大きなプログラムの管理が容易になります。
    Cat行の左側にある、点線と実線の間の青色の余白にマウスを合わせます。

    ソース・エディタで、mainメソッド本体の左側に青色の細い縦線を表示。

    mainメソッド本体の横に、青色の縦線が表示されることに注目してください。

  11. 青色の縦線の最上部に表示される「-」マイナス記号をクリックすると、このセクションが折りたたまれます。

    Dogクラスのソース・エディタ:コードが縮小され、非表示になった箇所の+記号に合わせたカーソル。
  12. 縮小されたセクションの横に表示された「+プラスのサインにマウスを合わせます。収縮されたコードが、青色のボックス内に表示されます。

    ソース・エディタ:+記号にカーソルを合わせると、青色のボックスに'非表示'コードを表示。
  13. Quick Outline Navigatorを使用すると、クラスとそのスーパークラスのメソッドおよびフィールドへ素早く移動できます。
    コード・エディタのツールバーにある「Quick Outline」アイコンをクリックします。

    ソース・エディタのメイン・メニュー・バー:ツールバー上の'Quick Outline'アイコンを示したカーソル。

    Quick Outlineの'ゴースト'ウィンドウが表示されます。

  14. Show Methods」アイコン('ゴースト'ウィンドウで一番左側のアイコン)をクリックし、Dogクラス内のすべてのメソッドを表示します。

    ソース・エディタの一番手前にQuick Outlineゴースト・ウィンドウが濃い青色で表示:Show Methodsアイコンにカーソルが置かれている。
  15. Show Methods」ボタンの選択を解除し、フィールドにgeと入力してリストをフィルタリングします。

    前の手順と同じウィンドウ。 Show Methods入力ボックスに入力された'ge'、Dogクラスのメソッドを表示。
  16. 矢印キーかマウスを使用して「getName()」メソッドを選択し、[Enter]キーを押します。

    前の手順と同じウィンドウで、getNameメソッドの選択。

    ソース・コード内のgetName()メソッドにフォーカスが移動し、メソッドがハイライト表示されます。

    コード内のgetNameメソッドを表示したソース・エディタ。
  17. 上部のmain()メソッドにスクロールして戻り、行末の省略記号{...}をダブルクリックします。

    折りたたまれたコードを表示したソース・エディタ:宣言行の最後にある省略記号に合わせたカーソル。

    JDeveloperは、折りたたまれているコードを開きます。

ステップ11:JDeveloperデバッガの使用

JDeveloperに組み込まれたデバッガを使用すると、ソース・エディタ内でJavaプログラムをデバッグすることができます。このステップでは、ブレーク・ポイントの設定によって、プログラムの実行を制御する方法について説明します。実行中のプログラムがブレーク・ポイントを発見すると、プログラムは実行を停止し、デバッガによってソース・エディタ内のブレーク・ポイントを含む行が表示されます。ここで、プログラムの状態を参照できます。

  1. Dog.javaファイルにブレーク・ポイントを設定します。実行するには、次の行の左余白をクリックします。

    System.out.println(count + myDog.sayHowDoYouDo("Jeff"));

    Dogクラスのソース・エディタ:選択した行の横の左余白に表示されたブレーク・ポイント(赤い丸印)

    赤い丸印のブレーク・ポイント・アイコンが余白に表示されます。ブレーク・ポイントにマウスを合わせると、ポップアップが表示され、ブレーク・ポイントのプロパティを指定できます。

  2. ソース・エディタ内で右クリックし、コンテキスト・メニューから「Debug」を選択します。

    コンテキスト・メニューでDebugオプションを選択したソース・エディタ。
  3. プログラムは、ブレーク・ポイントまで実行されます。ソース・エディタの左側の余白に表示される赤の矢印は、ブレークの発生場所を表しています。デバッガ・ウィンドウが開き、デバッギング・トレースが表示されます。

    ソース・エディタで、ブレーク・ポイント行を青色で表示し、左余白に赤色の矢印を表示。
  4. ツールバーの「Step Over」アイコンをクリックして、myDog.sayHowDoYouDo()メソッドの最初の反復を実行します。

    Step Overアイコンにカーソルを合わせたソース・エディタのツールバー。
  5. ログ・ウィンドウの下部の「Debugging: MyProject.jpr」タブをクリックし、デバッガ・ウィンドウの「Log」タブをクリックします。 ログ・ウィンドウに、1回目の0 woof Jeff メッセージが表示されます。

    ログ・ウィンドウが下部に表示されたソース・エディタ:最初のブレーク・ポイントまでの実行を表示。
  6. Smart Dataタブの右側の「Data」ウィンドウをクリックします。count変数を選択してから、「Value」列をダブルクリックし、「Modify Value」ダイアログを表示します。

    countを選択したSmart DataウィンドウとModify Valueダイアログ:現在の値として0を表示。
  7. 新しい値として、2を入力します。「OK」をクリックします。

    新しい値として2を入力したModify Valueウィンドウ。
  8. ツールバーで、「Resume」をクリックしてプログラム実行を継続します。

    Resumeアイコンにカーソルを合わせたソース・エディタのツールバー。
  9. count変数が増加して上限を超えたため、プログラムは終了し、デバッガは切断されます。

    プログラムが終了されたことを示すメッセージを表示したDebuggingウィンドウ。


ステップ12:ファイルの管理

JDeveloperを使用すると、現在のアプリケーションに属するファイルを探したり、複数のアプリケーションからファイルを探したりすることができます。

  1. メニューから「Application」→「Find Application Files」を選択します。

    ソース・エディタで、メイン・メニューからApplicationメニュー・オプションを選択し、Find Application Filesメニュー項目を選択。
  2. File Listタブで、Look inフィールドを使用して検索の範囲を定義します。「MyProject.jpr」を選択します。

    File Listタブのドロップダウン・メニューでMyProject.jprを選択。
  3. File Extension」を選択し、.javaを入力してこのタイプのすべてのファイルを取得します。次に、「Search」をクリックします。

    File Listタブの検索フィールドに.javaを入力、Searchボタンに合わせたカーソル。
  4. Resultsウィンドウに検索条件と一致するファイル名が返されます。

    検索結果を表示したFile Listタブ。

    リストからファイル名をダブルクリックすると、エディタにファイルが開きます。

  5. プラス・アイコン。Addアイコンをクリックし、論理的一致演算子を選択すると、複雑な検索基準を使用できます。

    File Listタブ:緑色の+を使用して検索条件を追加。
  6. また、アプリケーション・ナビゲータから最近使用したファイルを取得できます。「Recently Opened Files」アコーディオンをクリックします。

    Recently Opened Filesアコーディオンを開いたアプリケーション・ナビゲータ:Dog.javaファイルとIntAnimal.javaファイルの表示。
  7. または、[Ctrl]を押しながら[=]キーを押してRecent Filesダイアログを開き、ファイルを選択することもできます。

    Dog.javaファイルとIntAnimal.javaファイルを表示したRecent Filesダイアログ・ボックス

ステップ13:マネージドBeanの作成とJSFページでの使用
このセクションでは、JDeveloperを使用してページ・フロー・ダイアグラムを作成し、JavaクラスをマネージドBeanとして追加し、このマネージドBeanをJSFページで使用する方法について説明します。次の手順で使用する例はこれらのコンポーネントの相互関係を示すためだけに作成されたものであり、適切な使用法を示すためのものではありません。

  1. MyProjectプロジェクトの下で「Web Content」ノードを開きます。

    アプリケーション・ナビゲータで、Web Contentノードにカーソルを合わせ(て開い)た状態。
  2. WEB-INF」ノードを開き、「faces-config.xml」をダブルクリックします。

    アプリケーション・ナビゲータで、WEB-INFノードを開き、faces-config.xmlを開いた状態。

    ページ・フロー・ダイアグラマが開きます。

    faces-config.xmlタブで、空白のページ・フロー・ダイアグラムを表示。
  3. インタフェース右上のコンポーネント・パレットに、ページ・フロー・ダイアグラムのコンテキストで使用できるコンポーネントが表示されます。

    ページ・フロー・ダイアグラムの左側のコンポーネント・パレット:ページ・フロー・ダイアグラムで使用できるコンポーネントを表示。
  4. JSF Page」を選択してページ・フロー・ダイアグラムの画面中央にドラッグします。

    前の図のコンポーネント・パレットでJSF Pageを選択、選択したコンポーネントをダイアグラムにドロップできる状態。
  5. ページ名としてpage1.jspxと入力します。

    名前を指定したダイアグラム上のページ・アイコン。

    変更を保存します。

  6. ページ・フロー・ダイアグラムの「Overview」タブをクリックします。

    下部にタブの表示されたページ・フロー・ダイアグラム、Overviewタブ上に合わせたカーソル。
  7. OverviewページのManaged Beansタブを選択した状態で、「プラス・アイコン。AddボタンをクリックしてマネージドBeanを作成します。

    faces-configのOverviewページ:マネージドBeanフィンガー・タブの選択。 マネージドBeanを作成するための緑色の+に合わせたカーソル。
  8. Create Managed BeanダイアログでBean名としてDogと入力し、クラス名の横の「Browse」ボタンをクリックします。

    Bean名としてDogを指定したCreate Managed Beanダイアログ:Class Nameフィールドの横のBrowseボタン上にあるカーソル。
  9. Class Browserで「Hierarchy」タブをクリックし、「myproject」ノードを開いて「Dog」クラスを選択します。「OK」をクリックします。

    Hierarchyタブを選択したClass Browser:myprojectノードを開いてDogを選択。

    Create Managed Beanダイアログで「Configuration File」ラジオ・ボタンをクリックし、「OK」をクリックします。

    Configuration Fileラジオ・ボタンを選択したCreate Managed Beanダイアログ。

  10. Dogという名前のマネージドBeanがページ・フローに追加され、ページからこのクラスを使用できるようになりました。

    作成されたマネージドBeanのDogを表示した、Overviewタブ内のManaged Beanタブ。
  11. faces-config.xmlエディタで「Diagram」タブをクリックし、「page1.jspx」ページをダブルクリックしてこのページを作成します。

    ページ・アイコンにカーソルを合わせたfaces-config.xmlのDiagramタブ。
  12. Create JSF PageダイアログでJSP XMLラジオ・ボタンが選択されていることを確認します。

    page1.jspxに対する値を指定したCreate JSF Pageダイアログ。 JSP XMLラジオ・ボタンに合わせたカーソル・

    OK」をクリックします。

  13. 新しいページ設計が開きます。

    ダイアグラマ内に開いたpage1.jspx。
  14. コンポーネント・パレットに、JSF Pageで使用できるコンポーネントが表示されます。「inputText」コンポーネントを選択して、ページにドロップします。

    右側にコンポーネント・パレットの表示されたpage1.jspxタブ:Input Textコンポーネントの選択とページへのコンポーネントのドラッグ。
  15. コンポーネント・パレットから「Command Button」コンポーネントを選択し、ページ内のinputTextコンポーネントの横にドロップします。

    page1.jspxタブとInput Textコンポーネント。 Command Buttonコンポーネントを選択したコンポーネント・パレットと、このコンポーネントをページ上にドラッグしているカーソル。
  16. ボタンを選択した状態でプロパティ・インスペクタを見つけ、Command ButtonプロパティのValueフィールドにClick Meを設定します。プロパティ・インスペクタが表示されていない場合、[CTRL]を押しながら[Shift]と[I]キーを押すか「View」→「Property Inspector」を選択して表示します。

    2つのコンポーネントを配置したpage1.jspx:commandButtonの選択、右側のプロパティ・インスペクタでValueプロパティにClick Meを表示。


    別のプロパティに移動すると、エディタが更新されます。

    2つのコンポーネントを配置したpage1.jspx:commandButtonの選択、右側のプロパティ・インスペクタでValueプロパティにClick Meを表示。
  17. page1.jspx」タブを右クリックして、「Split Horizontally」を選択します。

    コンテキスト・メニューを表示したpage1.jspxの設計エディタ:Split Documentメニュー項目の選択。
  18. 分割したドキュメントの一方で「Source」タブをクリックすると、DesignビューとSourceビューの両方を同時にページに表示できます。Sourceペインで文字列Click Meの最後に感嘆符(!)を追加します。両方のビューが同期を取って更新されます。

    page1.jspxの設計エディタとソース・エディタ:両方のエディタで文字列Click Meを選択。
  19. Structureウィンドウで、「h:inputText」コンポーネントを選択します。ダイアグラムやSourceタブでも同じコンポーネントが選択されていることを確認します。Structureウィンドウが表示されていない場合は、[CTRL]を押しながら[Shift]と[S]キーを押すか、「View」→「Structure」を選択してウィンドウを表示します。

    inputTextコンポーネントを選択したpage1.jspxのStructureウィンドウ:ソース・エディタや設計エディタでも同じコンポーネントを選択。
  20. inputTextのプロパティ・インスペクタで、Valueフィールドの横にある下矢印をクリックし、「Expression Builder」を選択します。

    inputTextのプロパティ・インスペクタ:Valueプロパティの右にあるドロップダウン・ボックスとExpression Builderメニュー項目の選択。
  21. Expression Builderで、「JSF Managed Beans」→「Dog」→「name」の順に選択します。「OK」をクリックします。

    Expression Builderダイアログ:JSF Managed Beansノードを開き、マネージドBeanのDogでname変数を選択。 Expressionに変数のEL値を表示。
  22. Dogクラスに戻り、name変数の静的な値として"Rex"と入力します。

    String name =というコードを表示したDog.javaのソース・エディタ。

    変更を保存します。

  23. page1.jspx」を右クリックして、コンテキスト・メニューから「Run」を選択します。

    page1.jspxを選択したアプリケーション・ナビゲータ:コンテキスト・メニューでRunメニュー項目を選択。
  24. これが初めての統合WebLogicサーバーの実行である場合、管理者パスワードが要求される場合があります。デフォルトのパスワードはweblogic1です。

  25. WebLogicサーバーが起動され、page1ページがブラウザにロードされます。マネージドBeanから取得されたnameの値と、コンポーネント・パレットのコンポーネントを使用して定義されたClick Meコマンド・ボタンが表示されます。

    'Rex'という名前を含む入力フィールドとClick Me!コマンド・ボタンを表示したブラウザ・ウィンドウ。


ステップ14:Dependency Explorerの使用法の確認
ここでは、アプリケーション内の依存性を参照する方法について確認します。

ここでは、メソッド名またはクラス名に対するリファクタリング要求が寄せられているものの、

むやみにRefactorRenameを使用して処理を実行したくないとします。影響のあるすべてのファイルを確認する必要があります。このセクションでは、Dependency Explorerを使用して、アプリケーション・コンポーネントの使用を確認する方法を説明します。
  1. Web Content」ノードを開き、「page1.jspx」ファイルを選択します。

    メニューから「Search」→「Explore Dependencies」を選択します。

    アプリケーション・ナビゲータで、Web Contentノードにカーソルを合わせ(て開い)た状態。
  2. エディタ・ペインにDependency Explorerが開きます。page1.jspxから、このページが消費するDog.javaクラスに向けて矢印が表示されています。

    WEB-INFノードを開き、faces-config.xmlを開いたアプリケーション・ナビゲータ。
  3. Dog.javaアイコンの左下にある「1」をクリックします。このページがDog.javaを使用するのは、inputText項目での1回のみです。

    WEB-INFノードを開き、faces-config.xmlを開いたアプリケーション・ナビゲータ。
  4. アプリケーション・ナビゲータで「Page Flows」ノードを開き、「faces-config.xml」を選択します。コンテキスト・メニューから「Explore Dependencies」を選択します。

    アプリケーション・ナビゲータで、Page Flowsノードを開き、faces-config.xmlを開いた状態。
  5. 再度Dependency Explorerが開き、今回はDog.javaを使用しているfaces-config.xmlファイルが表示されます。Dog.javaの左下の「1」をクリックすると、faces-config.xmlはマネージドBeanとしてこのクラスを使用していることが分かります。

    WEB-INFノードを開き、faces-config.xmlを開いたアプリケーション・ナビゲータ。
  6. ファイル間の依存性は確認できましたが、さらに詳しく確認するにはどうすれば良いのでしょうか。

    アプリケーション・ナビゲータで、「IntAnimal.java」ファイルをダブルクリックしてエディタで開きます。

    WEB-INFノードを開き、faces-config.xmlを開いたアプリケーション・ナビゲータ。
  7. sayHowDoYouDoが使用されているすべての箇所を確認するため、これを選択します。次に、コンテキスト・メニューから「Find Usages...」を選択します。

    WEB-INFノードを開き、faces-config.xmlを開いたアプリケーション・ナビゲータ。

  8. このペインでは使用箇所検索の範囲として、どこから何を探すかを指定できます。デフォルト値のままにして、「OK」をクリックします。

    WEB-INFノードを開き、faces-config.xmlを開いたアプリケーション・ナビゲータ。
  9. 結果ウィンドウに、使用が見つかったすべての箇所が表示されます。

    WEB-INFノードを開き、faces-config.xmlを開いたアプリケーション・ナビゲータ。
  10. これでチュートリアルは完了です。




まとめ

このチュートリアルでは、JDeveloper IDEの使用方法を学習しました。このチュートリアルで学習した内容は、以下のとおりです。

JDeveloper IDEについて、詳しくは次のWebサイトを参照してください。

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