ACSLS 8.3 は、Oracle Linux Release 6 Update 3 および Oracle Linux Release 6 Update 4 で動作するように設計およびテストされています。Oracle Linux 製品パックは Oracle E-Delivery サイトから入手できます。
https://edelivery.oracle.com/linux
この章で説明する手順は、"Linux のインストール"セクション記載の特定のパッケージが含まれている Linux 6.3 および 6.4 環境に準じています。そのセクションおよび"Linux のインストールのヒント"に忠実に従うことでスムーズなインストール作業が可能になり、ソフトウェアの非互換性問題や未解決のパッケージ依存関係問題を回避できます。規定外の組み合わせでのパッケージ使用は、経験豊富な Linux 管理者にしかお勧めしません。
この章の内容は次のとおりです。
このセクションの内容は次のとおりです。
ACSLS パッケージをインストールすると、3 つの ACSLS ユーザーアカウント (acsss
、acssa
、acsdb
) が自動的に追加されます。
パッケージをインストールすると acsls
グループが作成され、これら 3 つすべてのユーザーがこのグループに割り当てられます。また、root
も acsls
グループに追加されます。
3 つの acsls ユーザーのユーザーアカウントがすでに存在する場合、パッケージのインストールルーチンにより、ユーザーホームディレクトリとグループ ID の調整が自動的に行われます (必要な場合)。
ACSLS 8.3 では、ユーザー定義のホームディレクトリを ACSLS アプリケーションで使用できます。各ユーザーホームディレクトリの親ディレクトリは、$installDir
変数で参照されます。ACSLS のユーザーホームディレクトリは次のとおりです。
acsss $installDir/ACSSS acssa $installDir/ACSSA acsdb $installDir/acsdb/ACSDB1.0
これらのユーザーのユーザーアカウントがすでに存在する場合で、$installDir
を変更するときには、ユーザーのホームディレクトリが変更されるため、インストール中はこれらのユーザーはシステムからログアウトしている必要があります。
ユーザーアカウントがすでに存在する場合で、それらがロックされている場合は、パッケージのインストール前にロックを解除する必要があります。acsss アカウントがロックされているかどうかを確認するには、次のようにします。
# passwd -s acsss acsss LK
"LK" はアカウントがロックされていることを示します。アカウントをロック解除するには、次のようにします。
# passwd -u acsss
これを各ユーザーアカウントに対して行います。
これらのユーザーアカウントが LDAP または NIS サーバーに存在する場合で、ローカルマシンの root
ユーザーに LDAP または NIS サーバー上での usermod
権限がない場合、ACSLS のインストールを完了するには、システム管理者による手動介入が必要になります。ユーザーが acsls
グループに割り当てられていて、それらのユーザーのホームディレクトリが、このセクションで説明するガイドラインに従っていることを確認してください。ユーザーシェルは /bin/bash
である必要があります。
install.sh
ユーティリティーを実行すると、crontab という名で呼ばれている特定の自動スケジュールが acsss
および acsdb
ユーザーに対して作成されます。これらの crontab は ACSLS データベースの保守バックアップアクティビティーのために提供されます。
システム上にオプションファイル /etc/cron.d/cron.allow
が存在する場合があります。これは、crontab
コマンドを実行できるユーザーを制御するファイルです。cron.allow
が存在する場合、acsss
および acsdb
のユーザー ID がそのファイルに含まれていることを確認してから、install.sh
を実行してください。そうしなかった場合、これらのユーザーに対する crontab
の作成が失敗します。
ほとんどのシステムには、デフォルトで cron.deny
ファイルが存在します。このファイルにリストされているユーザーは、crontab
コマンドへのアクセスが明示的に拒否されます。acsss
および acsdb
が、cron.deny
ファイルに含まれていないことを確認してください。
ACSLS 8.3 は任意のファイルシステムにインストールできます。SETUID を許可し、ユーザー acsss
を root
として実行できるようにするため、マウントされているディレクトリを選択する必要があります。ACSLS サービスの開始や停止、およびサポートへの連絡時などで診断情報の収集を行うスクリプトには、スーパーユーザーアクセス権限が必要です。
ACSLS クライアント通信を許可するには、ネットワークサービス (特に rpcbind
) を有効にする必要があります。
インストール中に acsss umask が 027 に設定されます。
ACSLS 8.3 は、オプションの Security Enhanced Linux 環境で動作するように設計されています。2003 年、US National Security Agency のイニシアチブに従い、SELinux は Linux 2.6.0 カーネルに統合されました。これは、UNIX 環境で標準的な従来の保護よりも強力な、ファイル、ディレクトリ、およびその他のシステムリソースへのアクセス制御を提供します。SELinux には、owner-group-public アクセス権に加えて、ユーザーロール、ドメイン、およびコンテキストに基づいたアクセス制御も含まれています。すべてのシステムリソースにわたってアクセス制御を強制するエージェントは、Linux カーネルです。
Linux システム上の root
ユーザーは、setenforce
コマンドを使用すると強制をオンまたはオフに設定できます。
setenforce [Enforcing | Permissive | 1 | 0 ]
SELinux を強制モードにするには、Enforcing または 1 を使用します。SELinux を許容モードにするには、Permissive または 0 を使用します。
注: 現在のシステム強制ステータスを表示するには、getenforce コマンドを使用します。 |
ACSLS をインストールすると、3 つの SELinux ポリシーモジュール (allowPostgr
、acsdb
、acsdb1
) がカーネルにロードされます。これらのモジュールでは、SELinux の強制がアクティブなときに独自のデータベースおよびその他のシステムリソースにアクセスするために ACSLS で必要となる定義および強制例外が提供されます。これらのモジュールがインストールされていると、SELinux の強制を無効にすることなく、通常の ACSLS 操作 (bdb.acsss
、rdb.acsss
、db_export.sh
、db_import.sh
などのデータベース操作を含む) を実行できます。
詳細については、StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのトラブルシューティングに関する付録を参照してください。
Linux のインストールを開始する前に、IT システム管理者から次の情報を入手します。グラフィカルインストーラでは kdelibs パッケージが必要になりますが、これは Linux インストールプログラムメディアパックに含まれています。
ACSLS サーバーのホスト名および IP アドレス。
ネットワークのゲートウェイ IP アドレスとネットマスク、プライマリおよびセカンダリ DNS。
IP アドレス。
ネットワークプロキシ情報 (使用可能な場合)。
この手順では、次のような主要ソフトウェアコンポーネントをインストールします。
GNOME デスクトップ環境。
インターネットのサポート。
X Windows。
Resource Package Manager (RPM)、Yellowdog Updater, and Modified (yum)。
Java。
次はインストール (有効化) しないでください。
ソフトウェア開発
Web サーバー
データベース
ダイヤルアップネットワーク
Solaris または AIX マシン上の以前のリリースの ACSLS を移植する場合は、必ずそのマシンからデータベースおよび制御ファイルをエクスポートしてください。ローカルのライブラリ環境に合わせてカスタマイズされた data/external
ディレクトリ内のファイルも制御ファイルに含まれます。データベースおよび制御ファイルを ACSLS 8.3 Linux プラットフォームに移動するには、データベースおよび制御ファイルをエクスポートする必要があります。ユーザー acsss
として、コマンドを実行します。
db_export.sh -f myExport
前述の例で、myExport
はエクスポートファイルに割り当てる名前です。myExport
および myExport
.misc
は非揮発性の場所に保存する必要があります。OS を更新する場合は、保全のため、これらのファイルをリモートマシンに転送します。
詳細および手順については、StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのデータベース管理に関する章のデータベースのエクスポートを参照してください。
ACSLS 8.1 またはそれ以降のリリースで ACSLS GUI ユーザーを追加作成していた場合は、それらのユーザー ID を記録しておき、新しいバージョンの ACSLS のインストール後にふたたび追加できるようにしておきます。手順は次のとおりです。
ユーザー acsss
として
cd $ACS_HOME/install
root
としてログインします。
userAdmin.sh
を使用して、既存ユーザーの一覧を表示します。
./userAdmin.sh
「List Users」オプションを選択し、終了したら Exit オプションを選択します。
ユーザー ID を記録して、"ACSLS GUI のユーザーの追加."の説明に従って、それらをあとでふたたび追加できるようにしておきます。
Oracle Linux は、DVD メディア、jump-start サーバー、またはリモートサーバー上の ISO イメージからインストールできます。最新の Oracle Sun X86 サーバーの多くには、Integrated Lights Out Manager (ILOM) を使用する高度なサービスプロセッサが搭載されています。ILOM により、リモートにマウントされているメディアを使用して同じマシン上に Linux オペレーティングシステムをインストールできます。Oracle ILOM の使用方法の詳細については、Sun サーバーのドキュメントを参照してください。
次の手順を使用して、Linux インストールプログラムメディアパックを Oracle Software Deliver Cloud Web サイトからダウンロードします。メディアパックは、圧縮された ISO イメージファイルとして提供されるため、抽出して選択したポータブルメディアに書き込むことができます。
システムで Web ブラウザを起動し、次の URL の Oracle Software Delivery Cloud Web サイトにナビゲートします。
サインイン/登録の部分をクリックします。
Oracle サポート担当者から提供されたユーザー ID およびパスワードを入力します。
使用条件と制約の画面で
製品パックを選択するメニューから Oracle Linux を選択します。
「x86 64 bit」を選択します。
実行をクリックします。
Oracle Linux Release 6 Update 3 または 4 Media Pack for x86 64 (64 bit) を選択します。
「ダウンロード」の部分をクリックし、media pack.zip ファイルを選択した場所に保存します。
解凍ツールを使用して、.zip ファイルから ISO イメージファイルを抽出します。
選択したメディア書き込みソフトウェアを使用して、選択したメディアに ISO イメージファイルに書き込みます。
Linux をインストールするには、次のステップを実行します。
"Linux メディアパックのダウンロード"で作成したメディアを接続します。
メディアの README ファイルの手順に従って、Linux インストールプログラムを開始します。
「Install or upgrade an existing system」を選択します。
インストールプログラムがシステムの調査を実行する間、一連のメッセージが表示されます。
DVD/CD-ROM からインストールする場合は、「CD Found」画面が表示されます。DVD/CD-ROM メディアのテストを実行することができますが、必須ではなく、時間がかかることがあります。メディアテストをスキップするには、次の手順を実行します。
「Tab」をクリックして、「Skip」オプションを強調表示します。
「Enter」をクリックします。
インストールプログラムが起動すると、情報画面が表示されます。このプロセスには、1-2 分かかることがあります。
「Oracle Linux 6 Welcome」画面で、「Next」をクリックします。
「Language Selection」画面で言語を選択し、「Next」をクリックします。
関連するキーボード言語を選択し、「Next」をクリックします。
「Basic Storage Devices」を選択し、「Next」をクリックします。
「Fresh Installation」を選択します。
ACSLS サーバーの <hostname
.domainname
> を入力し、「Configure Network」をクリックします。
「Network Connection」画面で次の手順を実行して、サーバーにネットワークを設定します。
「Network Connection: (eth0)」を選択し、「Edit」をクリックします。
「IPv4 Settings」をクリックします。
「Manual」の方法を選択します。
「Add」をクリックします。
ACSLS サーバーの IP アドレスを入力します。
ネットマスク (例: 255.255.255.0) を入力します
<gateway ip address> を入力します。
DNS サーバーをカンマで区切って入力します。
検索ドメインをカンマで区切って入力します。
「Apply」、「Close」、および「Next」をクリックします。
タイムゾーンの画面で、ACSLS サーバーのタイムゾーンを選択します。
パスワードの画面で、選択したサーバーの root
パスワードを入力および確認し、「Next」をクリックします。
「Use All Space」を選択し、「Next」をクリックします。
ディスクドライブを選択し、デバイスを「Install Target Devices」に移動します。
「Writing Storage configuration to disk」画面で、「Write Changes to disk」をクリックします。
ファイルシステムが作成されます。
ソフトウェア選択画面で「Basic Server」を選択しますが、リポジトリオプションは変更しないでください。次に、「Customize Now」を選択し、「Next」をクリックします。
左側のパネルで、「Base System」を選択します。
右側のパネルで、次のボックスにチェックマークが付いていることを確認します。
Base
オプションのパッケージ: kabi-yum-plugins およびすべての yum プラグイン。
Client Management Tools
Console Internet Tools
Debugging Tools
Directory Client
Hardware Monitoring Utilities
Java Platform
Large Systems Performance
Network File System Client
Networking Tools (オプション)
Performance Tools
左側のパネルで、「Servers」を選択します。右側のパネルで、「Server Platform」ボックスにチェックマークが付いていることを確認します。
左側のパネルで、「Desktops」を選択します。右側のパネルで、次を実行します。
ローカルまたはリモートのグラフィックモニターをサポートする場合は、Desktop、Desktop Platform、General Purpose Desktop、および X Window System の各ボックスにチェックマークが付いていることを確認してください。
その他のすべてのチェックボックスはそのままにします。
「Next」はクリックしません。
左側のパネルで、「Applications」を選択します。右側のパネルで、「Internet Browser」を選択します。
「Next」をクリックします。
システムによって依存関係チェックが行われたあと、インストールプロセスが開始します。
「Congratulations」画面が表示されたら、インストールメディアを取り除き、「Reboot」をクリックします。
「Welcome」画面で、「Forward」をクリックします。
ライセンス契約書に同意し、「Forward」をクリックします。
「Set Up Software Updates」画面で、いま登録するかあとで登録するかを選択し、「Forward」をクリックします。
「Forward」をクリックして、ソフトウェア更新を完了します。
「Date and Time」画面で、必要に応じて設定を変更し、「Forward」をクリックします。
「Kdump」画面でデフォルト設定を受け入れ、「Forward」をクリックします。
Linux 6.3 および 6.4 では、ACSLS のインストールを成功させるためにインストールする必要がある依存関係パッケージがいくつかあります。これらは yum
を使用すると簡単にインストールできます。これを行うには、次の手順を実行します。
Oracle パブリック yum サーバーへのアクセスを構成します。
cd /etc/yum.repos.d server="public-yum.oracle.com" wget http://$server/public-yum-ovm2.repo
/etc/yum.conf
ファイルを編集し、次の行を追加します。
http_caching=packages
インストール済パッケージを最新レベルに更新します。
警告: 特定のパッケージ名なしで 'yum update' を実行しないでください。これは、入手可能な更新があるシステム上のすべてのパッケージを変更します。この変更には ACSLS 8.3 と互換性のないパッケージ更新も含まれます。 |
yum update pam yum update libstdc++
postgresql サーバーがシステムにすでにインストールされている場合、次のように libpq.so
を更新します。
yum update libpq.so yum install libpq.so.5
32 ビット PostgreSQL とサポートリソースを x86_64 yum サーバーからインストールします。
yum install unixODBC yum install glibc.i686 yum install pam.i686 yum install postgresql-libs.i686 yum install libxml2 yum install libxml2.i686 yum install libstdc++.i686 yum install postgresql.i686 yum install libodbc.so.2
PostgreSQL サーバーおよびサポートソフトウェアを i686 yum サーバーからダウンロードし、インストールします。
cd /opt server=public-yum.oracle.com subdir=repo/OracleLinux/OL6/3/base/i386 pkg1=postgresql-odbc-08.04.0200-1.el6.i686.rpm wget http://$server/$subdir/$pkg1 rpm -ivh $pkg1
PostgreSQL がすでにインストールされている場合は、それが 32 ビットバージョンであることを確認してください。64 ビットバージョンがインストールされている場合はアンインストールし、このステップ内の手順に従って 32 ビットバージョンをインストールします。64 ビットバージョンの PostgreSQL を削除するには、次のようにします。
yum list postgresql-server
yum remove postgresql-server.x86_64
rpm -ivh --nodeps postgresql-server-8.4.xx-x.el6_x.i686.rpm
(または、それ以降)
64 ビットバージョンの PostgreSQL を削除したあとに、32 ビットバージョンをインストールできます。
pkg2=postgresql-server-8.4.xx-x.el6_x.i686.rpm
(または、それ以降)
wget http://$server/$subdir/$pkg2 rpm -ivh --nodeps $pkg2
Linux インストールに ACSLS で必要とされるパッケージがすべて含まれているとは限りません。rpm -ivh ACSLS-8.3.0.i686.rpm
を使用して ACSLS パッケージをインストールすると、パッケージの依存関係を満たしていないことを示すエラーが返されることがあります。確認された各依存関係のパッケージは、yum
を使用してインストールできます。依存関係エラーメッセージからパッケージ名をコピーし、そのパッケージ名を yum install
コマンドに発行します。
# yum install <package name>
ACSLS パッケージの依存関係のリストをパッケージのインストール前に取得するには、--test オプションを指定して rpm インストールコマンドを実行します。
# rpm -ivh --test ACSLS-8.3.0.i686.rpm
満たされていない依存関係が Linux システム上にまだ存在する場合、それらの依存関係がこのテスト操作によって表示されます。
ACSLS 8.3 パッケージは、Oracle eDelivery サイトからダウンロードできる ACSLS_8.3.0_Linux.zip ファイルに含まれています。通常このファイルは ACSLS サーバーの /opt
ディレクトリにダウンロードします。ファイルを解凍し、抽出した ACSLS_8.3.0 ディレクトリに移動して rpm パッケージ ACSLS-8.3.0.i686.rpm
にアクセスします。
ACSLS 8.3 は任意のディレクトリにインストールできます。ACSLS アプリケーションを配置するベースディレクトリを決定します。そのディレクトリが存在しない場合は、STKacsls パッケージをインストールする前にそのインストールディレクトリを作成する必要があります。ディレクトリの所有者は root
でアクセス権は 755
に設定する必要があります。
root
として、ACSLS_8.3.0 パッケージのインストールディレクトリに入り、ACSLS パッケージをインストールします。
pkg=ACSLS-8.3.0.i686.rpm rpm -i $pkg
この方法により、デフォルトのインストールディレクトリ /export/home
の下に ACSLS アプリケーションが配置されます。アプリケーションを別のディレクトリに配置するには、次の方法でパッケージを抽出します。
path=/my/desired/path
(ACSLS アプリケーションを配置するファイルシステム)
rpm -Uvh --prefix $path ACSLS-8.3.0.i686.rpm
rpm
ユーティリティーによって、acsss
、acssa
、および acsdb
ユーザーのユーザーおよびグループ ID が作成されます。これは、これらのユーザーのホームディレクトリを割り当て、これらを acsls
グループに含めます。root
ユーザーも acsls
グループに追加されます。
システムに acsss
、acssa
、および acsdb
ユーザーがすでに存在する場合は、パッケージのインストール前にログアウトするよう、それらのユーザーに連絡してください。ユーザーのホームディレクトリの変更時にユーザーがログインしていると、パッケージのインストールは失敗します。これは、以前の ACSLS インストールと異なるインストールディレクトリを定義してアップグレードするような状況で発生します。
注: セキュアな管理技法として、パッケージのインストール直後にこれらのユーザーが使用できる初回パスワードを設定することが推奨されています。 |
パッケージのインストール後、新しい ACSLS 環境を現在のシェルに継承させる必要があります。acsls
グループの識別情報を継承させるには、ログアウトして再度ログイン (または、単に su -
) する必要があります。groups
コマンドで検証します。
su - # groups root acsls
(一覧にその他のグループが表示されることがあります)
シェルを ACSLS インストール環境に設定するには、.acsls_env
ファイルをソースにします。
. /var/tmp/acsls/.acsls_env
このステップにより、そのあとのインストール作業で $ACS_HOME
を参照できるようになります。
install.sh
ユーティリティーでは、抽出した ACSLS 8.3 パッケージから固有の Oracle StorageTek ライブラリ環境で必要となる機能を選択できます。ACSLS 8.3 に加わった柔軟性により、グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) やファイバライブラリサポートなどのオプションをインストールするかどうかを選択できるようになりました。このユーティリティーを実行して製品全体または製品の一部をインストールしたり、フルインストールを行なわずにインストール済の製品を変更したりできます。
root
としてログインした状態で、コマンドを実行します。
cd $ACS_HOME/install ./install.sh
注: Linux 6.4 のインストール中に、「Linux 6.4 may not be supported 」というメッセージが表示された場合は、「’y’」と入力してインストールを続けます。 |
データベース作成は install.sh
ルーチンの最初のステップです。このステップは、パッケージをはじめてインストールするときには必ず実行する必要があります。すでに ACSLS データベースが存在し、再構築する予定がなければ、このステップを実行する必要はありません。
このステップでは、PostgreSQL の下に新規のデータベースが作成され、データベースバックアップのための自動スケジュールが作成されます。Linux 6 の場合、SE Linux ポリシーモジュールがロードされ、PostgreSQL データベースエンジンに対するセキュアながら無制限なアクセス権が ACSLS に付与されます。
データベースを配置するディレクトリを決定します。そのディレクトリが存在しない場合は、最初にそのディレクトリを作成する必要があります。ディレクトリの所有者は root
でアクセス権は 755
に設定する必要があります。別途指定しないかぎり、データベースは export/backup
にインストールされます。
install.sh
ルーチンで次のことが確認されます。
Which file system will be used to store database backups? [/export/backup]
「Return」をクリックして提案されたディレクトリを選択するか、別のディレクトリを指定します。相対パスを割り当てた場合、前のセクション"ACSLS 8.3 パッケージのインストール."のステップ 1 で割り当てた指定パスの直下に配置されます
インストールルーチンが SE Linux ポリシーモジュールのロードを開始します。別途指定しないかぎり、データベースバックアップ用のディレクトリはステップ 1 で割り当てた指定パスの直下に配置されます。
mchanger ドライバが関係するのは、ファイバ接続または SCSI 接続のライブラリ構成の場合のみです。install.sh
ルーチンで次のことが確認されます。
Shall we install the mchanger driver for fibre-attached libraries? (y/n)
ライブラリ環境にファイバ接続ライブラリ (SL500 または SL150 ライブラリ) が含まれているかどうかについて、y または n で回答します。
y と入力した場合、接続されている SAN 環境をルーチンがスキャンし、StorageTek ライブラリデバイスを探します。検出されたデバイスが報告され、その他に接続されているライブラリがあるかどうか尋ねられます。古い SCSI 接続の L700 または L180 ライブラリがある場合は、プロンプトに y で回答します。
SCSI 接続のライブラリの場合、各ライブラリの target:lun アドレスをスペースで区切って入力するだけです。例:
==> 4:0 5:0 5:1
SL500 や SL150 などのファイバ接続ライブラリを制御する際、ACSLS は mchanger という名前を使用して、SCSI メディアチェンジャーデバイスのデバイスドライバを参照します。Linux で、/dev/mchanger*
は SCSI 汎用 sg ドライバへのシンボリックリンクです。'sg' は Linux の標準デバイスドライバであるため、ここでの目的は 'sg' を削除することではありません。単に 'mchanger' と 'sg' 間のデバイスリンクを削除します。通常このタスクは、ACSLS rpm パッケージを削除するときに行われます。ACSLS パッケージを削除せずに mchanger を削除する場合は、次の手順を実行します。
/dev
内の mchanger のデバイスリンクを削除します。
# cd /dev # rm mchanger*
ステップ 1 で削除したデバイスリンクを作成したルールを削除します。
# cd /etc/udev/rules.d # rm persistent-storage-tape-acsls.rules
mchanger デバイスリンクを再作成するには、次のようにします。
root
としてログインします。
ACSLS 環境をソースにします。
# . /var/tmp/acsls/.acsls_env
mchanger デバイスリンクを作成します。
# $ACS_HOME/install/install_scsi_Linux.sh
グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) はオプションです。GUI のインストールを選択した場合:
次のプロンプトで y と入力します。
Do you want to install the ACSLS Graphical User Interface? (y/n)
マイナーな更新や構成変更の場合 (新規インストールでない場合)、ACSLS GUI はすでにインストールされている場合があります。
この場合、GUI を再インストールするか、またはこのセクションを省略して現在の ACSLS GUI ドメインを維持するかのいずれかを選択できます。インストールルーチンのプロンプトは次のとおりです。
The Acsls GUI Domain exists. Do you want to re-install it? (y/n)
次のいずれかを選択します。
新しい ACSLS リリースをインストールする場合は、y を入力します。
WebLogic サーバーパッケージが抽出され、デフォルトの GUI 管理ユーザーアカウントが acsls_admin
というユーザー名で作成されます。
管理ユーザーのパスワードを割り当てるよう求められます。パスワードは 8 - 16 文字以内で、英字と数字の両方を使用する必要があります。
インストールプロシージャーによって ACSLS GUI アプリケーションの解凍と配備が行われ、Acsls
ユーザーグループが作成されます。userAdmin.sh
管理ツールを使用して、あとで GUI ユーザーをこのグループに追加できます。
n を入力した場合、既存の GUI 構成を削除するかどうかについて (y/n) で選択できます。
ACSLS サーバーに WebLogic をインストールすると、自動的に簡易 512 ビット公開鍵が使用可能になり、クライアントブラウザとの基本的な https 交換がサポートされます。通常、追加の構成作業が必要になることはありません。ただし、Microsoft Internet Explorer などの一部のブラウザでは、1024 ビット以上の長さの鍵が必要になります。SSL 暗号化鍵の説明および構成手順については、"SSL 暗号化鍵の構成"を参照してください。
lib_cmd
機能はコマンド行インタフェースで、ACSLS GUI で実行できる操作の多くを実行できます。このツールは、GUI のインストールを選択すると自動的にインストールされます。lib_cmd
操作の多くは論理ライブラリ機能に適用されますが、物理的なライブラリ、ボリューム、およびドライブのステータスを表示するときにも便利です。論理ライブラリのサポートを選択しなかった場合、lib_cmd
をインストールするオプションが提示されます。
Shall we install the optional lib_cmd interface (y or n):
前述のインストールダイアログで選択した機能セットに応じ、この最終ステップでは Linux init.d
サービスをインストールして、選択した各 ACSLS 機能の自動開始、自動停止、およびステータス機能を制御できるようにします。
サービスリストには、次のサブセットが含まれます。
acsdb acsls rmi-registry surrogate weblogic
install.sh の実行中、acsls_admin ユーザーが作成されました。このユーザーは、ACSLS Webベース GUI アプリケーションのその他のユーザーのアカウントを作成し、パスワードを割り当てることができます。保存した GUI ユーザーのリストを参照できます。ユーザーを追加するには、次の手順を実行します。
root として、/export/home/ACSSS/install
ディレクトリに移動します。
./userAdmin.sh
を実行します。
"グラフィカルユーザーインタフェースのインストール."で割り当てた acsls_admin
のパスワードを入力します
メニューから (1) を選択して新しいユーザーを追加します。
追加するユーザーの ID を入力します。
そのユーザーのパスワードを割り当てます。
パスワードは 8 文字で英字と数字または特殊文字の組み合わせである必要があります。
userAdmin.sh
ユーティリティーを使用して、いつでもユーザーを追加または削除したり、すべての ACSLS GUI ユーザーのパスワードを変更したりできます。StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのユーティリティーの章の userAdmin.sh
を参照してください。
データベースおよび制御ファイルをエクスポートした場合は、それらをインポートする必要があります。この方法の詳細は、StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのデータベース管理の章のデータベースのインポートを参照してください。
サーバーシステムハードウェアが正しく構成および接続され、電源が投入され準備が整っていることを確認します。
サーバーとライブラリハードウェア間の各物理接続 (Ethernet、ファイバ、SCSI など) を確認します。
ACSLS をライブラリコンプレックスに構成する前に、すべてのライブラリ、レール、および CAP の構成が完全に終了し、電源が投入され準備が整っていることを確認します。
ライブラリ構成を作成またはインポートします。詳細については、ACSLS 8.3 の管理者ガイドを参照してください。
以前の ACSLS リリースから構成をインポートする場合は、データベース管理の章のデータベースのインポートに関するセクションを参照してください。
新しいライブラリ構成を作成する場合は、ライブラリハードウェアの設置および構成の章のライブラリハードウェアの構成または再構成に関するセクションを参照してください。
接続の問題のヘルプについては、StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのトラブルシューティングの章を参照してください。
StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのライブラリハードウェアの設置および構成の章を参照してください。acsss_config を使用したライブラリハードウェアの構成に関するセクションを参照してください。
次の手順を実行し、ACSLS の検証を行います。acsss
としてログインする必要があります。この手順では、カートリッジのマウントまたはマウント解除を行います。
ACSLS ソフトウェアを開始するには、acsss
ユーザーとしてログインし、acsss enable
コマンドを実行します。StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのユーティリティーの章の acsss
を参照してください。
cmd_proc
の使用方法については、StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドの cmd_proc の使用を参照してください。
入力して、cmd_proc
からサーバーを問い合わせます
query server
サーバーが待機モードであることを示すメッセージが表示された場合は、サーバーが実行中になったことを示すメッセージが表示されるまで待ちます。
次がオンラインであることを確認します。それぞれの少なくとも 1 つがオンラインになっている必要があります。そうでない場合は、vary
コマンドでオンラインにします。
query port all query acs all query lsm all query drive all
LSM に少なくとも 1 つのカートリッジがありますか。
はい - 手順を続けます。
いいえ - カートリッジを LSM に挿入します。
入力してボリュームをマウントします。
mount vol_id drive_id
query drive コマンドを使用して使用可能なドライブの ID を取得し、query volume コマンドを使用してライブラリカートリッジの ID を取得します。ACSLS の管理者ガイドのライブラリハードウェアの設置および構成の章を参照してください。
マウント成功のメッセージが表示されましたか。
マウント成功メッセージ:
Mount: vol_id mounted on drive_id
はい - 手順は終了です。
いいえ - エラーメッセージが表示された場合は、有効で使用可能なドライブおよびライブラリカートリッジを指定していることを確認し、この検証手順をふたたび実行します。それでもマウントまたはマウント解除に失敗する場合は、Oracle Support に連絡して支援を求めてください。
入力して、カートリッジをマウント解除します。
dismount vol_id drive_id force
ここで、vol_id
はボリュームで、drive_id
はステップ 4 で指定したドライブです。
インストールの最後のステップは、ライブラリの監査です。次の場合はライブラリの監査が必要です。
これは新規インストールです。
新しいライブラリを既存の構成に追加しています。
StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのライブラリ管理の章のライブラリの監査を参照してください。
注: ACSLS の別のリリースにアップグレードする場合は、StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのユーティリティーの章に記載されているdb_export.sh ユーティリティーコマンドを使用して、ACSLS データベースをエクスポートしてください。 |
ACSLS をアンインストールするには、次のようにします。
acsss
としてログインします。
acsss shutdown
と入力します。
パッケージを削除します。
root
としてログインします。
rpm -e ACSLS-8.3.0-0.i686
と入力します
rpm スクリプトにより ACSLS ファイルシステムの多く (すべてではありません) が削除され、acsss
、acssa
、および acsdb
のユーザーアカウントはそのまま残ります。この手法により、ACSLS のアップグレードを短時間で実行できます。
ACSLS データベースのバックアップディレクトリの中身を削除するには、次のようにします。
rm -rf $ACSDB_BKUP
次の理由から、WebLogic および ACSLS GUI がパッケージのアンインストール中に自動的に削除されることはありません。
ACSLS のアップグレードに WebLogic または ACSLS GUI のアップグレードは必須ではありません。
WebLogic および ACSLS GUI をアンインストールすると、ACSLS GUI ユーザーとそのパスワードが削除されます。
WebLogic および ACSLS GUI をアンインストールすると、ACSLS GUI に構成されていたカスタムの SSL キーストアが削除されます。
WebLogic の再インストールには時間 (5 分以上) がかかります。
システムから ACSLS を完全に削除するには、次のステップを実行します。
cd $installDir rm -rf Oracle, SSLM userdel acsss userdel acssa userdel acsdb
リブートします。