ACSLS 8.3 は、Solaris 10 Update 10 および Update 11 のほかに、Solaris 11 Update 1 での実行がサポートされています。
この章では、ACSLS 8.3 をインストールする手順について説明します。内容は次のとおりです。
ACSLS についての Oracle の使用権ライセンスに加え、この製品にはさまざまなサードパーティーコンポーネントが含まれており、それぞれに個別のライセンス条件があります。ACSLS_8.3.0 インストールディレクトリにある THIRDPARTYLICENSEREADME.txt 契約をお読みください。ソフトウェアコンポーネントのライセンスにソースコードの再配布が必要となるものについては、最初のパッケージインストールディレクトリである ACSLS_8.3.0 (通常、/opt
の下) 内にそれらのソースコードが含まれています。サブディレクトリ acsls_thirdPartySoftware/
内を確認してください。
以前のリリースからアップグレードする場合は、データベースおよび制御ファイルをエクスポートする必要があります。ユーザー acsss として、コマンドを実行します。
db_export.sh -f myExport
前述の例で、myExport はエクスポートファイルに割り当てる名前です。myExport および myExport.misc は非揮発性の場所に保存する必要があります。OS を更新する場合は、保全のため、これらのファイルをリモートマシンに転送します。
詳細および手順については、StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのデータベース管理に関する章のデータベースのエクスポートを参照してください。
ACSLS 8.1 またはそれ以降のリリースで ACSLS GUI ユーザーを追加作成していた場合は、それらのユーザー ID を記録しておき、新しいバージョンの ACSLS のインストール後にふたたび追加できるようにしておきます。手順は次のとおりです。
ユーザー acsss
として
cd $ACS_HOME/install
root
としてログインします。
userAdmin.sh
を使用して、既存ユーザーの一覧を表示します。
./userAdmin.sh
「List Users」オプションを選択し、終了したら Exit オプションを選択します。
ユーザー ID を記録して、"ACSLS GUI のユーザーの追加"の説明に従って、あとでそれらをふたたび追加できるようにしておきます。
このセクションでは Solaris をインストールするステップについて説明します。
インストール手順については、Solaris のインストール手順に従ってください。
ACSLS 8.3 は、「全体ディストリビューションサポート」を選択してインストールした Solaris 10 Update 11 および Solaris 11 Update 1 環境でテストされました。オラクル社では ACSLS に最低限必要なパッケージのリストを提供していませんが、「全体ディストリビューションサポート」をお勧めしています。
ネットワーククライアントアプリケーションと ACSLS サーバー間の通信を可能にするため、インストールした Solaris はリモートサービスを有効化する設定である必要があります。
Solaris の「デフォルトでセキュリティー保護あり」インストールオプションを選択した場合、rpc-bind
のネットワーク構成プロパティーを変更する必要があります。手順は次のとおりです。
プロパティー設定を確認します。
# svccfg -s rpc/bind listprop config/local_only
local_only
プロパティーの設定が true の場合、false に設定する必要があります。
# svccfg -s rpc/bind setprop config/local_only=false
ACSLS 8.3 は任意のファイルシステムにインストールできます。SETUID
を許可し、ユーザー acsss
を root
として実行できるようにするため、マウントされているディレクトリを選択する必要があります。ACSLS サービスの開始や停止、およびサポートへの連絡時などで診断情報の収集を行うスクリプトには、スーパーユーザーアクセス権限が必要です。
インストール中に acsss umask
が 027
に設定されます。
ACSLS パッケージをインストールすると、3 つの ACSLS ユーザーアカウント (acsss
、acssa
、acsdb
) が自動的に追加されます。
パッケージをインストールすると acsls
グループが作成され、これら 3 つすべてのユーザーがこのグループに割り当てられます。また、root
も acsls
グループに追加されます。
3 つの acsls ユーザーのユーザーアカウントがすでに存在する場合、パッケージのインストールルーチンにより、ユーザーホームディレクトリとグループ ID の調整が自動的に行われます (必要な場合)。
ACSLS 8.3 では、ユーザー定義のホームディレクトリを ACSLS アプリケーションで使用できます。各ユーザーホームディレクトリの親ディレクトリは、$installDir
変数で参照されます。ACSLS のユーザーホームディレクトリは次のとおりです。
acsss $installDir/ACSSS acssa $installDir/ACSSA acsdb $installDir/acsdb/ACSDB1.0
これらのユーザーのユーザーアカウントがすでに存在する場合で、$installDir
を変更するときには、ユーザーのホームディレクトリが変更されるため、インストール中はこれらのユーザーはシステムからログアウトしている必要があります。
ユーザーアカウントがすでに存在する場合で、それらがロックされている場合は、パッケージのインストール前にロックを解除する必要があります。
acsss
アカウントがロックされているかどうかを確認するには、次のようにします。
# passwd -s acsss acsss LK
"LK" はアカウントがロックされていることを示します。アカウントをロック解除するには、次のようにします。
# passwd -u acsss
これを各ユーザーアカウントに対して行います。
これらのユーザーアカウントが LDAP または NIS サーバーに存在する場合で、ローカルマシンの root
ユーザーに LDAP または NIS サーバー上での usermod
権限がない場合、ACSLS のインストールを完了するには、システム管理者による手動介入が必要になります。ユーザーが acsls
グループに再割り当てされ、それらのユーザーのホームディレクトリが、4 番目の箇条書きのとおりになっていることを確認してください。ユーザーシェルは /bin/bash
である必要があります
install.sh
ユーティリティーを実行すると、crontab という名で呼ばれている特定の自動スケジュールが acsss
および acsdb
ユーザーに対して作成されます。これらの crontab は ACSLS データベースの保守バックアップアクティビティーのために提供されます。
システム上にオプションファイル /etc/cron.d/cron.allow
が存在する場合があります。これは、crontab
コマンドを実行できるユーザーを制御するファイルです。cron.allow
が存在する場合、acsss
および acsdb
のユーザー ID がそのファイルに含まれていることを確認してから、install.sh
を実行してください。そうしなかった場合、これらのユーザーに対する crontab
の作成が失敗します。
ほとんどのシステムには、デフォルトで cron.deny
ファイルが存在します。このファイルにリストされているユーザーは、crontab
コマンドへのアクセスが明示的に拒否されます。acsss
および acsdb
が、cron.deny
ファイルに含まれていないことを確認してください。
これは新規インストールですか。
はい - "ACSLS パッケージのインストール"に進みます
いいえ - db_export.sh
ユーティリティーコマンドを使用してデータベースをエクスポートしたことを確認してください。
ACSLS の停止
これを行うには、acsss
としてログインする必要があります。
acsss shutdown
acsss
および acsdb
crontab エントリがあれば、すべて削除します。
crontab -r acsss crontab -r acsdb
8.1 より前のリリースから移行する場合は、これらのユーザーアカウントを削除します。
ACSLS 8.1 では、acsss
、acsdb
、および acssa
ユーザーのグループ関連付けに影響する変更が加えられました。8.1 より前のリリースからインストールする場合は、8.3 の STKacsls パッケージをインストールする前に実行する必要のあるステップがあります。最初に、次のステップで説明するとおり ACSLS ユーザーアカウントを削除します。これらのアカウントは、ACSLS 8.3 用の新しい STKacsls
パッケージをインストールするときに再作成されます。
# userdel acsss # userdel acsdb # userdel acssa
su
で root
に切り替え、次を実行します。
cd /var/tmp rm -rf acsls cd /var/mail rm -f acsss acsdb acssa
ACSLS、バックアップファイル、およびその他のファイルを削除します。
ACSLS 6.0 または 6.0.1
cd /export/home rm -rf ACSSS informix cd /export/backup rm -rf informix misc
ACSLS 6.0 または 6.0.1 で、server_to_server ディレクトリが存在
cd /export/home rm -rf informix misc server_to_server cd / rm -rf INFORMIXTMP nsr
ACSLS 6.1 から 7.1
cd /export/home pkgrm STKacsls cd /export/backup rm -rf informix misc server_to_server cd / rm -rf INFORMIXTMP rm -rf /nsr d /var/tmp rm -rf acsls
ACSLS 7.2 から 7.3.1
cd /export/home pkgrm STKacsls rm -rf ACSSS ACSSA acsdb cd /export/backup rm -rf *
(これにより、バックアップディレクトリ内のすべてのコンテンツが削除されます)
ACSLS 8.0 から 8.0.2
cd /export/home pkgrm STKacsls rm -rf ACSSS ACSSA acsdb SSLM cd /export/backup rm -rf *
ACSLS 8.1 から ACSLS 8.3
cd /export/home pkgrm STKacsls rm -rf ACSSS ACSSA acsdb SSLM wlinstall Oracle cd /export/backup rm -rf *
データベースサーバーが実行しているために pkgrm STKacsls が失敗する場合は、postmaster プロセスの強制終了が必要になる場合があります。手順は次のとおりです。
実行: ps -rf | grep post
親の postmaster プロセスを強制終了します。
pkgrm STKacsls
を再度実行します。
リリース 7.2 より前の ACSLS の場合は、2 台目のディスク (設置されている場合) にあるファイルを削除します。
cd /second_disk
2 台目のディスクが /second_disk
以外のディレクトリに設置されている場合は、cd でそのディレクトリに移動します。
rm -rf data cd /second_disk/backup
2 台目のディスクが /second_disk/backup
以外のディレクトリに設置されている場合は、cd でそのディレクトリに移動します。
ACSLS 6.0 - 7.1 の場合、入力します。
rm -rf informix misc
インストールを開始する前に、実行中のデータベースプロセスがないことを確認します。わからない場合はリブートします。
注: ACSLS を削除し、新しいバージョンをインストールしない場合は、ACSLS のユーザー ID を/etc/cron.d/cron.allow から削除します。 |
ACSLS 8.3 は任意のディレクトリにインストールできます。ACSLS アプリケーションを配置するベースディレクトリを決定します。そのディレクトリが存在しない場合は、STKacsls パッケージをインストールする前にそのインストールディレクトリを作成する必要があります。ディレクトリの所有者は root
でアクセス権は 755
に設定する必要があります。
ユーザーが別途指定しないかぎり、ACSLS サービスは /export/home
にインストールされます。
デフォルトのインストール手順に従うには、次のようにします。
Oracle Software Delivery Cloud Web サイトに移動し、SPARC と X86 の両プラットフォームに対応する ACSLS_8.3.0 ソフトウェアバンドルを探します。
ACSLS_8.3.0_SPARC.zip
ACSLS_8.3.0_X86.zip
適切なソフトウェアバンドルを、/opt
などの一般的なインストールディレクトリにダウンロードし、圧縮ファイルを解凍します。抽出したパッケージセットは、ACSLS_8.3.0 サブディレクトリ内にあります。
ACSLS_8.3.0 ディレクトリに移動し、コマンドを実行します。
./pkg_install.sh
最初に pkg_install
スクリプトから、ACSLS 8.3 のインストールを実行することの確認を求められます。
ACSLS 8.3 インストールバンドルには多数のパッケージが含まれています。PostgreSQL をサポートする 5 つの SUNW パッケージと STKacsls が含まれます。通常 SUNW パッケージは Solaris 10 上にすでに存在しているはずですが、存在しない場合は pkg_install.sh
ルーチンによって自動的にインストールされます。
Solaris 11 の場合は前もってインストールされている SUNW パッケージがないため、pkg_install
スクリプトを実行したときに自動的にインストールされます。各パッケージのライセンスを確認し、y でパッケージを受け入れます。
STKacsls パッケージをインストールする前に、/export/home
を ACSLS アプリケーションのデフォルトのベースディレクトリにするかどうかのプロンプトが表示されるので、y または n で回答します。
n で回答した場合は、パッケージのベースディレクトリにするパスの入力を求められます。指定したディレクトリが存在しない場合は、スクリプトによって、ディレクトリ作成の許可を求めるプロンプトが表示されます。
パッケージのインストールが完了すると、ACSLS_8.3.0
に含まれていたパッケージが、/var/spool/pkg
に移動していることを確認できます。再インストール作業を容易にするため、これらは手動で削除しないかぎり、その場所に残ります。ACSLS_8.3.0
内に残っているのは、pkg_install.sh
、pkg_uninstall.sh
、および README.txt です。これらのスクリプトを使用して、ACSLS をいつでもアンインストールまたは再インストールできます。
パッケージインストールユーティリティーによって、acsss
、acssa
、および acsdb
ユーザーのユーザーおよびグループ ID が作成されます。これは、これらのユーザーのホームディレクトリを割り当て、これらを acsls
グループに含めます。root
ユーザーも acsls
グループに追加されます。
システムに acsss
、acssa
、および acsdb
ユーザーがすでに存在する場合は、パッケージのインストール前にログアウトするよう、それらのユーザーに連絡してください。ユーザーのホームディレクトリの変更時にユーザーがログインしていると、パッケージのインストールは失敗します。これは、以前の ACSLS インストールと異なるインストールディレクトリを定義してアップグレードするような状況で発生します。
注: セキュアな管理技法として、パッケージのインストール直後にこれらのユーザーが使用できる初回パスワードを設定することが推奨されています。 |
ACSLS パッケージのインストール完了後、root
は ACSLS 環境属性を継承する必要があります。これを行うには、ログアウトして再度ログインするか、単に su -
で acsls
グループ識別情報を継承します。groups
コマンドで検証します。
su - # groups root acsls
(一覧にその他のグループが表示されることがあります)
シェルを ACSLS インストール環境に設定するには、.acsls_env
ファイルをソースにします。
. /var/tmp/acsls/.acsls_env
このステップにより、そのあとのインストール作業で $ACS_HOME
を参照できるようになります。
"install.sh の実行"に進みます。
install.sh
ユーティリティーでは、抽出した ACSLS 8.3 パッケージから固有の Oracle StorageTek ライブラリ環境で必要となる機能を選択できます。ACSLS 8.3 に加わった柔軟性により、グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) やファイバライブラリサポートなどのオプションをインストールするかどうかを選択できるようになりました。このユーティリティーを実行して製品全体または製品の一部をインストールしたり、フルインストールを行なわずにインストール済の製品を変更したりできます。
root
としてログインした状態で、コマンドを実行します。
cd $ACS_HOME/install ./install.sh
データベース作成は install.sh
ルーチンの最初のステップです。このステップは、パッケージをはじめてインストールするときには必ず実行する必要があります。すでに ACSLS データベースが存在し、再構築する予定がなければ、このステップを実行する必要はありません。このステップでは、PostgreSQL の下に新規のデータベースが作成され、データベースバックアップのための自動スケジュールが作成されます。
データベースを配置するディレクトリを決定します。そのディレクトリが存在しない場合は、最初にそのディレクトリを作成する必要があります。ディレクトリの所有者は root
でアクセス権は 755
に設定する必要があります。別途指定しないかぎり、バックアップディレクトリはベースディレクトリの直下に配置されます。"ACSLS パッケージのインストール"のステップ 1(c) を参照してください。
install.sh
ルーチンで次のことが確認されます。
Which file system will be used to store database backups? [/export/backup]
「Return」をクリックして提案されたディレクトリを選択するか、別のディレクトリを指定します。相対パスを割り当てた場合、前のセクション"ACSLS パッケージのインストール"のステップ 2 で割り当てた指定パスの直下に配置されます。
インストールルーチンがポリシーモジュールのロードを開始します。これにより、ACSLS アプリケーションが PostgreSQL データベースに自由にアクセスできるようになります。
mchanger ドライバが関係するのは、ファイバ接続または SCSI 接続のライブラリ構成の場合のみです。install.sh
ルーチンで次のことが確認されます。
Shall we install the mchanger driver for fibre-attached libraries? (y/n)
ライブラリ環境にファイバ接続ライブラリ (SL500 または SL150 ライブラリ) が含まれているかどうかについて、y または n で回答します。
y と入力した場合、接続されている SAN 環境をルーチンがスキャンし、StorageTek ライブラリデバイスを探します。検出されたデバイスが報告され、その他に接続されているライブラリがあるかどうか尋ねられます。古い SCSI 接続の L700 または L180 ライブラリがある場合は、プロンプトに y で回答します。
SCSI 接続のライブラリの場合、各ライブラリの target:lun アドレスをスペースで区切って入力するだけです。例:
==> 4:0 5:0 5:1
ACSLS はファイバ接続を介して、クライアントアプリケーションに論理ライブラリを提示できます。接続されている物理ライブラリのどの部分も、ファイバターゲットポートを持つ (SCSI) ファイバ接続ライブラリとして表示できます。この機能を実装するには、QLogic ファイバ HBA が必要です。このステップでは、1 つ以上の QLogic HBA ポートをデフォルトの initiator モードから target モードに変換します。
認定されている HBA を検出するため install.sh
ルーチンがシステム内を調査し、見つかったポートを次のプロンプトで一覧表示します。
Please select the HBA port you intend for Target-mode operation: 1) HBA Port WWN xxxyyyzzz Not connected 2) HBA Port WWN aaabbbccc Connected to a remote HBA
目的のポートに対応する番号を選択します。選択するポートはリモート HBA に接続されている必要があります。
論理ライブラリを設置する場合、ACSLS GUI は必須機能です。次の GUI インストール手順に進んでください。
論理ライブラリのサポートのインストールを選択しなかった場合は、GUI のインストールはオプションです。GUI をインストールするには、次のようにします。
次のプロンプトで y と入力します。
Do you want to install the ACSLS Graphical User Interface? (y/n)
マイナーな更新や構成変更の場合 (新規インストールでない場合)、ACSLS GUI はすでにインストールされている場合があります。
この場合、GUI を再インストールするか、またはこのセクションを省略して現在の ACSLS GUI ドメインを維持するかのいずれかを選択できます。インストールルーチンのプロンプトは次のとおりです。
The Acsls GUI Domain exists. Do you want to re-install it? (y/n
次のいずれかを選択します。
新しい ACSLS リリースをインストールする場合は、y を入力します。
WebLogic サーバーパッケージが抽出され、デフォルトの GUI 管理ユーザーアカウントが acsls_admin
というユーザー名で作成されます。
管理ユーザーのパスワードを割り当てるよう求められます。パスワードは 8 - 16 文字以内で、英字と数字の両方を使用する必要があります。
インストールプロシージャーによって ACSLS GUI アプリケーションの解凍と配備が行われ、Acsls
ユーザーグループが作成されます。userAdmin.sh
管理ツールを使用して、あとで GUI ユーザーをこのグループに追加できます。
n を入力した場合、既存の GUI 構成を削除するかどうかについて (y/n) で選択できます。
ACSLS サーバーに WebLogic をインストールすると、自動的に簡易 512 ビット公開鍵が使用可能になり、クライアントブラウザとの基本的な https 交換がサポートされます。通常、追加の構成作業が必要になることはありません。ただし、Microsoft Internet Explorer などの一部のブラウザでは、1024 ビット以上の長さの鍵が必要になります。SSL 暗号化鍵の説明および構成手順については、"SSL 暗号化鍵の構成"を参照してください。
lib_cmd
機能はコマンド行インタフェースで、ACSLS GUI で実行できる操作の多くを実行できます。このツールは、GUI のインストールを選択すると自動的にインストールされます。lib_cmd
操作の多くは論理ライブラリ機能に適用されますが、物理的なライブラリ、ボリューム、およびドライブのステータスを表示するときにも便利です。論理ライブラリのサポートを選択しなかった場合、lib_cmd
をインストールするオプションが提示されます。
Shall we install the optional lib_cmd interface (y or n):
前述のインストールダイアログで選択した機能セットに応じ、この最終ステップでは Solaris SMF サービスをインストールして、選択した各 ACSLS 機能の自動開始、自動停止、およびステータス機能を制御できるようにします。
サービスリストには、次のサブセットが含まれます。
acsdb acsls smce rmi-registry surrogate stmf weblogic
install.sh の実行中、acsls_admin ユーザーが作成されました。このユーザーは、ACSLS Webベース GUI アプリケーションのその他のユーザーのアカウントを作成し、パスワードを割り当てることができます。保存した GUI ユーザーのリストを参照できます。ユーザーを追加するには、次の手順を実行します。
root として、/export/home/ACSSS/install
ディレクトリに移動します。
./userAdmin.sh
を実行します。
"グラフィカルユーザーインタフェースのインストール."で割り当てた acsls_admin
のパスワードを入力します
メニューから (1) を選択して新しいユーザーを追加します。
追加するユーザーの ID を入力します。
そのユーザーのパスワードを割り当てます。
パスワードは 8 文字で英字と数字または特殊文字の組み合わせである必要があります。
userAdmin.sh
ユーティリティーを使用して、いつでもユーザーを追加または削除したり、すべての ACSLS GUI ユーザーのパスワードを変更したりできます。StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのユーティリティーの章の userAdmin.sh
を参照してください。
データベースおよび制御ファイルをエクスポートした場合は、それらをインポートする必要があります。特定の環境に合わせてカスタマイズされた data/external
ディレクトリ内のファイルも制御ファイルに含まれます。
以前のリリースから ACSLS 8.3 に移行する場合で、動的または静的変数をカスタマイズしていた場合は、それらをインポートする必要があります。この方法の詳細は、StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのデータベース管理の章のデータベースのインポートを参照してください。
サーバーシステムハードウェアが正しく構成および接続され、電源が投入され準備が整っていることを確認します。
サーバーとライブラリハードウェア間の各物理接続 (Ethernet、ファイバ、SCSI など) を確認します。
ACSLS をライブラリコンプレックスに構成する前に、すべてのライブラリ、レール、および CAP の構成が完全に終了し、電源が投入され準備が整っていることを確認します。
ライブラリ構成を作成またはインポートします。詳細については、ACSLS 8.3 の管理者ガイドを参照してください。
以前の ACSLS リリースから構成をインポートする場合は、データベース管理の章のデータベースのインポートに関するセクションを参照してください。
新しいライブラリ構成を作成する場合は、ライブラリハードウェアの設置および構成の章のライブラリハードウェアの構成または再構成に関するセクションを参照してください。
論理ライブラリを使用しファイバチャネルを介して SCSI クライアントをサポートする場合は、クライアントの HBA ポートと ACSLS サーバー上の適切な HBA ポートの間に FC 接続を設定します。論理ライブラリのクライアントマシンへの接続は、ACSLS のインストール時にアクティブになっている必要があります。
接続の問題のヘルプについては、ACSLS 8.3 の管理者ガイドのトラブルシューティングの章を参照してください。
ACSLS 8.3 の管理者ガイドのライブラリハードウェアの設置および構成の章を参照してください。acsss_config を使用したライブラリハードウェアの構成に関するセクションを参照してください。
次の手順を実行し、ACSLS の検証を行います。acsss
としてログインする必要があります。この手順では、カートリッジのマウントまたはマウント解除を行います。
ACSLS ソフトウェアを開始するには、acsss
ユーザーとしてログインし、acsss enable
コマンドを実行します。StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのユーティリティーの章の acsss
を参照してください。
cmd_proc
の使用方法については、StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドの cmd_proc の使用を参照してください。
入力して、cmd_proc
からサーバーを問い合わせます
query server
サーバーが待機モードであることを示すメッセージが表示された場合は、サーバーが実行中になったことを示すメッセージが表示されるまで待ちます。
次がオンラインであることを確認します。それぞれの少なくとも 1 つがオンラインになっている必要があります。そうでない場合は、vary
コマンドでオンラインにします。
query port all query acs all query lsm all query drive all
LSM に少なくとも 1 つのカートリッジがありますか。
はい - 手順を続けます。
いいえ - カートリッジを LSM に挿入します。
入力してボリュームをマウントします。
mount vol_id drive_id
query drive
コマンドを使用して使用可能なドライブの ID を取得し、query volume
コマンドを使用してライブラリカートリッジの ID を取得します。StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのライブラリハードウェアの設置および構成の章を参照してください。
マウント成功のメッセージが表示されましたか。マウント成功メッセージ:
Mount: vol_id mounted on drive_id
はい - 手順は終了です。
いいえ - エラーメッセージが表示された場合は、有効で使用可能なドライブおよびライブラリカートリッジを指定していることを確認し、この検証手順をふたたび実行します。それでもマウントまたはマウント解除に失敗する場合は、Oracle Support に連絡して支援を求めてください。
入力して、カートリッジをマウント解除します。
dismount vol_id drive_id force
前述のコマンドで、vol_id
はボリュームで、drive_id
はステップ 4 で指定したドライブです。
インストールの最後のステップは、ライブラリの監査です。次の場合はライブラリの監査も必要です。
これは新規インストールです。
新しいライブラリを既存の構成に追加しています。
StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのライブラリ管理の章のライブラリの監査を参照してください。
注: ACSLS の別のリリースにアップグレードする場合は、StorageTek ACSLS 8.3 の管理者ガイドのユーティリティーの章に記載されているdb_export.sh ユーティリティーコマンドを使用して、ACSLS データベースをエクスポートしてください。 |
ACSLS をアンインストールするには、次のようにします。
acsss
としてログインします。
acsss shutdown
と入力します。
パッケージを削除します。手順は次のとおりです。
root
としてログインします。
ACSLS_8.3.0 パッケージのインストールディレクトリに移動し (通常、/opt/ACSLS_8.3.0
)、pkg_uninstall.sh
を実行します。
pkg_uninstall
スクリプトにより ACSLS ファイルシステムの多く (すべてではありません) が削除され、acsss
、acssa
、および acsdb
のユーザーアカウントはそのまま残ります。この手法により、ACSLS のアップグレードを短時間で実行できます。
Solaris 11 の pkg_uninstall
ユーティリティーでは、PostgreSQL パッケージをアンインストールするかどうかを尋ねるプロンプトが表示されます。ACSLS アプリケーションを完全に削除する予定でなければ、通常このプロンプトには "n" で回答します。
ACSLS データベースのバックアップディレクトリの中身を削除するには、次のようにします。
rm -rf $ACSDB_BKUP
次の理由から、WebLogic および ACSLS GUI がパッケージのアンインストール中に自動的に削除されることはありません。
ACSLS のアップグレードに WebLogic または ACSLS GUI のアップグレードは必須ではありません。
WebLogic および ACSLS GUI をアンインストールすると、ACSLS GUI ユーザーとそのパスワードが削除されます。
WebLogic および ACSLS GUI をアンインストールすると、ACSLS GUI に構成されていたカスタムの SSL キーストアが削除されます。
WebLogic の再インストールには時間 (5 分以上) がかかります。
システムから ACSLS を完全に削除するには、次のステップを実行します。
cd $installDir rm -rf Oracle, SSLM userdel acsss userdel acssa userdel acsdb
リブートします。