この章では、グローバル・ゾーンおよび非グローバル・ゾーンについて説明し、さらにOracle SuperClusterにOracle Traffic Directorをインストールするための様々なオプションについて説明します。
この章で説明する設定は、Oracle SuperCluster内のトラフィックを監視し形成するアプリケーションレベルのトラフィック管理機能を求めている場合に理想的です。Oracle SuperClusterでは、2つのゾーン(グローバルまたは非グローバル)が割り当てられ、ここで受信トラフィックがスクリーニングされ、いずれかのバックエンド・アプリケーション・サーバーにルーティングされます。このシナリオでは、Oracle Traffic Director (Web層)は通常2つのゾーンでホストされ、アプリケーション層はその他のゾーンに置かれます。
この章では、次の内容を説明します。
第3.1項「Oracle SuperClusterにおけるOracle Traffic Directorのインストールの概要」
第3.2項「Oracle SuperClusterにおけるOracle Traffic Directorのインストール」
Oracle SuperClusterにOracle Traffic Directorをインストールする前に、次の点について考慮する必要があります。
Oracle Traffic Directorを正常に実行するためには、Oracle VM Server for SPARC (以前は論理ドメインと呼ばれていたもの)など、Solaris 11.1を実行するアプリケーション・ドメインが必要です。
Oracle VM Server for SPARCでは、Oracle Traffic Directorをグローバル・ゾーンまたは非グローバル・ゾーンのいずれかにインストールできます。
グローバル・ゾーンはデフォルト・オペレーティング・システムで、すべてのプロセスを制御できます。グローバル・ゾーンは、他のゾーンが構成されていないときでも常に存在します。グローバル・ゾーンはシステム全体の管理制御にも使用されます。
非グローバル・ゾーンは、ゾーンとも呼ばれ、グローバル・ゾーンの内部に構成されます。各ゾーンは、アプリケーションの実行に使用できる独立したOS環境です。あるゾーンで実行中のアプリケーションおよびプロセスは、別のゾーンで実行中のアプリケーションやプロセスに影響を与えません。
グローバル・ゾーンおよび非グローバル・ゾーンの詳細は、Oracle Solaris 11.1の管理: Oracle Solaris Zones、Oracle Solaris 10 Zonesおよびリソース管理(http://docs.oracle.com/cd/E26502_01/html/E29024/zone.html)のOracle Solaris Zonesに関する項を参照してください。
グローバルまたは非グローバルを選択する際に考慮する1つの重要な要素は、Oracle Traffic Directorはグローバル・ゾーンにインストールした場合のみ高可用性を得る目的で構成できるということです。また、すべての管理ノードがグローバル・ゾーンで実行されている必要があります。
注意: VRRPの構成およびその後のフェイルオーバー・グループの構成は、グローバル・ゾーンで、権限を持つユーザーにのみサポートされます。これは、Solaris VRRPの制約によるものです。詳細は、Oracle Solaris 11.1ネットワーク・パフォーマンスの管理ガイド(http://docs.oracle.com/cd/E26502_01/html/E28993/gkmfl.html)のVRRPの制約に関する項を参照してください。 |
Oracle Traffic Directorは、グローバル・ゾーンまたは非グローバル・ゾーンにインストールできます。Oracle Traffic Directorの高可用性機能を利用するには、グローバル・ゾーンにインストールする必要があることに注意してください。
注意: Oracle Traffic Directorの高可用性を得るための構成のもう1つのオプションは、Oracle Solaris Clusterをインストールすることです。詳細は、Oracle Solaris Clusterデータ・サービス計画および管理ガイド(http://docs.oracle.com/cd/E29086_01/html/E29475/index.html)を参照してください。 |
Oracle Traffic Directorのインストールでは、Oracle Traffic Directorをホストするゾーン(グローバルまたは非グローバル)が一意になるようにすることをお薦めします。Oracle Traffic Directorを非グローバル・ゾーンにインストールするためには、適切なディスクおよびネットワーク情報を使用して構成する必要があることに注意してください。
Oracle Traffic DirectorをOracle SuperClusterにインストールする手順は、次のとおりです。
新規ゾーンを、グローバルまたは非グローバルのいずれかで構成および作成します。ゾーンの活用の詳細は、Oracle Solaris 11.1の管理: Oracle Solaris Zones、Oracle Solaris 10 Zonesおよびリソース管理のOracle Solaris Zonesに関する項を参照してください。
Oracle Traffic Directorをゾーンにダウンロードし、インストールします。詳細は、第4章「Oracle Traffic Directorのインストール」を参照してください。