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Oracle® Traffic Directorインストレーション・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7.0)
B66147-03
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2 Oracle Traffic DirectorをインストールするためのExalogicにおける共有ストレージの構成

この章では、Oracle Traffic Directorをインストールする前に、ExalogicのZFSアプライアンスで共有ストレージを構成する方法を説明します。

この章で説明する設定は、Exalogic内のトラフィックを監視し形成するアプリケーションレベルのトラフィック管理機能を求めている場合に理想的です。これを実現するために、2つの計算ノードが割り当てられ、ここで受信トラフィックが適切にスクリーニングされ、いずれかのバックエンド・アプリケーション・サーバーにルーティングされます。このシナリオでは、Oracle Traffic Director (Web層)は通常2つの計算ノードでホストされ、アプリケーション層はその他の計算ノードに置かれます。Web層およびアプリケーション層のトラフィックは、ここでは物理レベルおよびネットワーク・レベルの両方で分離されます。


注意:

Exalogic (Solaris)では、Oracle Traffic Directorをグローバル・ゾーンにインストールした場合のみ、高可用性を得られるように構成できます。また、すべての管理ノードがグローバル・ゾーンで実行されている必要があります。


この章の構成は、次のとおりです。

2.1 Exalogicの共有ストレージの概要

Exalogic環境では、すべての計算ノードがInfiniBandファブリックにより共有ストレージ・アレイ(ZFSストレージ・アプライアンス)に接続されます。共有ストレージ・アレイはすべてのアプリケーションのインストールおよび構成に使用され、ネットワーク・ファイル・システム(NFS)によりこれらの各計算ノード内にローカル・マウントされます。

ExalogicにOracle Traffic Directorをインストールする前に、まず新規プロジェクトおよび共有を作成してから、これらの共有をローカル・マウントする必要があります。

Oracle Traffic Directorのインストールでは、Oracle Traffic Directorをホストする共有が計算ノードに対して一意になるようにすることをお薦めします。たとえば、高可用性を得るためにOracle Traffic Directorが2つの計算ノードにインストールされている場合、次のインストール・レイアウトにすることをお薦めします。

2.2 プロジェクトおよび共有の作成

高可用性を得るためにOracle Traffic Directorを構成する場合、管理サーバーおよび管理ノードには、インスタンス・ルート・ディレクトリ内にrootアクセス権が必要です。同様に、ZFS共有場所はrootユーザーがこの共有場所に読み書きできるよう適切に構成する必要があります。このためには、ZFSコンソール内でNFS例外としてroot accessを有効にします。

次の手順を実行して、rootアクセス権ありで共有を作成およびマウントします。


注意:

各ノードにOracle Traffic Directorをインストールすることをお薦めします。これは、Oracle Traffic Directorのパッチ適用中にアプリケーションの停止時間がなくなるようにするためです。


  1. 新規プロジェクトを作成してそのプロジェクト内に新規共有を作成するか、既存のプロジェクト内に新規共有を作成します。プロジェクトおよび共有の作成の詳細は、Oracle Exalogic Elastic Cloud Machine所有者ガイド(http://docs.oracle.com/cd/E18476_01/doc.220/e18478/storage.htm)の「Sun ZFSストレージ7320アプライアンスの構成」にある次の各項を参照してください。

    • カスタム・プロジェクトの作成

    • カスタム共有の作成

  2. ZFSストレージ・アプライアンスにログインします。

  3. 作成した共有が、Oracle Traffic Directorをホストする計算ノードに対するrootアクセスを許可するよう構成されていることを確認してください。これには次の操作を行います。

    • ZFS共有ストレージ管理コンソールの使用

      ZFS共有ストレージ管理コンソールのNFS例外セクションで、Oracle Traffic Director構成をホストする共有にrootアクセスを許可する適切なNFS例外があることを確認してください。

      さらに、プロジェクトの設定ページの「プロパティ」セクションで、次のオプションの選択を解除します。

      • 読取り時のアクセス時間の更新

      • 所有権の変更の制限

      これらのオプションの使用方法は、次のガイドを参照してください。

    • CLIの使用

      次のコマンドを実行します。

      sharenfs ="sec=sys,rw=@<ip-address-1>/<network-prefix-bits>,root=@<ip-address-2>/<network-prefix-bits>"
      
      • Exalogic物理構成では、ip-address-1およびip-address-2は計算ノードのBOND0 IPアドレスとなります。

      • Exalogic仮想構成では、ip-address-1およびip-address-2IPoIB-vServer-shared-storageネットワークのvServerのIPアドレスとなります。

      
      

      :

      set sharenfs="sec=sys,rw=@196.168.10.0/24,root=@192.168.10.1/24"
      

      注意:

      • BOND0およびBOND1という用語は、それぞれOracle Linuxオペレーティング・システムのIP over InfiniBand (IPoIB)およびEthernet over InfiniBand (EoIB)のデフォルト・インタフェースを指します。

      • Oracle Solarisは、IPマルチパス(IPMP)テクノロジを使用して、同じIPMPグループ名で構成された同一システム上の1つ以上の物理インタフェースからなるIPMPグループをサポートしています。このテクノロジは、Oracle Linuxの結合インタフェースと同じ機能を提供します。IPMPグループに任意の名前を付けることができます。このガイドでは、用語にOracle Linuxとの一貫性を持たせるために、BOND0およびBOND1をサンプル名として使用しています。


      rootアクセス権なしで作成された共有の場合、次のコマンドを実行します。これにより、Oracle Traffic Directorをホストする計算ノード内のrootユーザーは、管理サーバーおよび管理ノードを起動できるようになります。

      <ZFS-SharedStorage> shares
      <ZFS-SharedStorage> select <Project-used-for-OTD>
      <ZFS-SharedStorage> get sharenfs
      <ZFS-SharedStorage> set sharenfs ="sec=sys,rw=@<<ip-address-1>/<network-prefix-bits>,root=@<ip-address-2>/<network-prefix-bits>"
      <ZFS-SharedStorage> commit
      

2.3 共有のマウント

適切な権限ありで共有を作成した後、要件に基づいて共有をマウントします。

作成するマウント・ポイントは、Oracle Traffic Directorがインストールされる場所です。詳細は、第4章「Oracle Traffic Directorのインストール」を参照してください。