Oracle Traffic Directorは、バックエンドのサーバーに対するHTTP/SおよびTCPトラフィックのロード・バランシングを行うためのソフトウェア・ロード・バランサです。これらのバックエンド・サーバーは、Oracle Traffic Director内でオリジン・サーバーと見なされており、アプリケーション・サーバー、Webサーバー、LDAPサーバーなどがあります。製品の機能の詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』のOracle Traffic Directorのスタート・ガイドを参照してください。
このガイドでは、Oracle LinuxまたはOracle Solarisのいずれか、およびOracle SuperClusterを実行しているExalogicへのOracle Traffic Directorのインストールについて説明します。
注意: Oracle Traffic Directorのインストールを開始する前に、この製品およびその機能、関連用語、インストール・トポロジなどについて基本的に理解しておくことをお薦めします。詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』のOracle Traffic Directorのスタート・ガイドを参照してください。 |
この章に含まれる項は、次のとおりです。
表1-1では、Exalogicの物理構成と仮想構成、およびOracle SuperClusterでOracle Traffic Directorをインストールするために実行する必要がある作業について説明します。さらに、Oracle Traffic Directorのアンインストールと再インストールについても説明します。
表1-1 インストール、アンインストールおよび再インストールのタスク・フロー
タスク | 詳細の参照先... |
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Exalogicでのプロジェクトおよび共有の作成 |
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Exalogicでの共有のマウント |
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Oracle SuperClusterのグローバル・ゾーンおよび非グローバル・ゾーン |
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Oracle Traffic Directorのインストール |
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管理サーバーの作成 |
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管理ノードの作成 |
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インストールの確認 |
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Oracle Traffic Directorのアンインストール |
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Oracle Traffic Directorの再インストール |
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Oracle Traffic Directorを11.1.1.6.0から11.1.1.7.0にアップグレードする方法は、第7章「Oracle Traffic Directorのアップグレード」を参照してください。
この項の内容は次のとおりです。
次に、ExalogicにOracle Traffic Directorをインストールする場合の前提条件を示します。
基礎となるInfiniBandファブリックがInfiniBandパーティション・テクノロジを活用している環境では、Oracle Traffic Directorはパーティションの一部でありフル・メンバーシップを持つことが必要となります。IBパーティションのフル・メンバーは、パーティションの他のメンバーと通信できます。フル・メンバーシップにより、Oracle Traffic Director管理サーバーおよびすべての管理ノードが問題なく相互に通信できることが保証されます。さらに、Oracle Traffic Directorインスタンスにはアプリケーション層ノードとの双方向通信が必要です。そのため、Oracle Traffic Directorを実行中の計算ノードおよびアプリケーション層の計算ノードは、すべてIBパーティションのフル・メンバーである必要があります。InfiniBandパーティションの活用の詳細は、Oracle Exalogic Elastic Cloud Machine所有者ガイドのExalogic物理環境におけるInfiniBandパーティションの使用に関する項を参照してください。
サポートされるプラットフォーム: Exalogic物理構成および仮想構成。
最小メモリー: 2GB RAM (管理サーバーをホストするvServer)。
注意:
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管理サーバー/ノード当たりのCPUの数: CPU 2台(Exalogic物理構成)、vCPU 2から4台(Exalogic仮想構成)。
Java Runtime Environment (JRE): JRE 6 (インストーラに含まれます)。
Oracle Traffic DirectorをOracle Linux 5にインストールする場合の必須パッケージを次に示します。
compat-glibc-2.3.4-x86_64以上
compat-libstdc++-33-3.2.3-x86_64以上
compat-libstdc++-33-3.2.3-i386
glibc-2.5-12-x86_64以上
glibc-devel-2.5-x86_64以上
glibc-devel-2.5-12-i386
libgcc-4.1.1-x86_64以上
libgcc-4.1.1-i386
libstdc++-4.1.1-x86_64以上
libstdc++-4.1.1-i386
sysstat-8.0.4-5.fc10.x86_64.rpm以上
libaio-devel-0.3.106-5.x86_64.rpm以上
libaio-0.3.106-i386
Exalogic内にホスト2台(物理計算ノードまたは仮想マシンのいずれか)。
注意: Oracle Traffic Directorを2台のホストにインストールする必要があるのは、高可用性を得る場合のみです。高可用性を得る目的で構成する必要がない場合は、Oracle Traffic Directorを1台のホストにインストールできます。 |
高可用性を得るためにOracle Traffic Directorを構成する場合、ネットワーク・インタフェース内の浮動/仮想IPアドレスが必要です。仮想IPアドレスには、同一サブネット内で使用されていないアドレスを指定できます。
次に、Oracle SuperClusterにOracle Traffic Directorをインストールする場合の前提条件を示します。
サポートされるプラットフォーム: Oracle SuperClusterドメイン内のSolaris 11.1グローバル・ゾーン
注意: Oracle Traffic Directorは非グローバル・ゾーンにデプロイできますが、高可用性の機能は備わりません。 |
最小メモリー: 管理サーバーをホストするOracle VM Server for SPARC用2GB RAM
注意:
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Java Runtime Environment (JRE): JRE 6 (インストーラに含まれます)。
Oracle SuperCluster内でグローバル・ゾーンまたは非グローバル・ゾーンをホストするOracle VM Servers for SPARC
注意: Oracle Traffic Directorを高可用性を得られるように構成する場合は、2つのグローバル・ゾーンにインストールする必要があります。また、すべての管理ノードがグローバル・ゾーンで実行されている必要があります。 高可用性を得る目的で構成する必要がない場合は、Oracle Traffic Directorを1つのグローバル・ゾーンまたは非グローバル・ゾーンにインストールできます。Oracle Traffic Directorの高可用性を得るための構成の詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』の高可用性を得るためのOracle Traffic Directorの構成に関する項を参照してください。 |
高可用性を得るためにOracle Traffic Directorを構成する場合、ネットワーク・インタフェース内の浮動/仮想IPアドレスが必要です。仮想IPアドレスには、同一サブネット内で使用されていないアドレスを指定できます。