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Oracle® Traffic Director管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7.0)
B66436-03
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6.5 Oracle WebLogic Server Clusterのオリジン・サーバー・プールとしての構成


注意:

Oracle Traffic Directorは、WebLogic Serverプラグインで提供される一部の一般機能をビルトイン機能によってサポートします。そのため、WebLogic Serverとの相互運用性を実現するためにOracle Traffic Directorにプラグインを追加する必要はありません。


Oracle WebLogic Server管理対象サーバーのクラスタを表すオリジン・サーバー・プールを作成する場合、クラスタ内の各管理対象サーバーをオリジン・サーバーとして指定する必要はありません。管理対象サーバーのいずれかを、プール内の1つのオリジン・サーバーとして指定するだけで十分です。Oracle Traffic Directorを、クラスタ内のその他のOracle WebLogic Serverインスタンスの存在を動的に検出し、オリジン・サーバーとして構成されている管理対象サーバー、および同じクラスタ内の動的に検出された管理対象サーバーにクライアント・リクエストを分散するように構成できます。

動的検出が有効な場合、クラスタ内の管理対象サーバーのいずれかが停止、追加または削除されたとき、オリジン・サーバー・プールの定義を更新する必要はありません。ただし、Oracle WebLogic Serverクラスタ内の変更を検出するために、Oracle Traffic Directorは、指定された間隔でヘルス・チェック・リクエストを送信するため、多少のオーバーヘッドが発生します。

6.5.1 動的検出の方法

オリジン・サーバー・プールの動的検出が有効な場合、Oracle Traffic Directorは次に示すように、クラスタ内の残りのOracle WebLogic Server管理対象サーバーを検出します。

  1. Oracle Traffic Directorインスタンスは起動時に、プール内で指定済のオリジン・サーバーがOracle WebLogic Server管理対象サーバーであるかどうか、およびサーバーがクラスタに属しているかどうかを、各構成済オリジン・サーバーにHTTPヘルス・チェック・リクエストを送信することでチェックします。

    オリジン・サーバーのレスポンスにより、サーバーがOracle WebLogic Server管理対象サーバーであるかどうかが示されます。オリジン・サーバーが、クラスタに属するOracle WebLogic Server管理対象サーバーである場合、レスポンスには、クラスタ内の管理対象サーバーのリストが含まれます。

  2. Oracle Traffic Directorは、オリジン・サーバーからのレスポンス内の情報を使用して、検出された管理対象サーバーの構成を更新します。

    動的に検出されたオリジン・サーバーでは、構成済オリジン・サーバーに指定されたすべてのプロパティ(重み、最大接続数など)が継承されます。

  3. 続いて、オリジン・サーバー・プールに構成された各ヘルス・チェック間隔(デフォルト: 30秒)で、Oracle Traffic Directorは、プール内でオリジン・サーバーとして構成されているOracle WebLogic Serverインスタンスに動的検出ヘルス・チェック・リクエストを送信し、変更の検出を試みます。

    レスポンスに、前回のヘルス・チェック後クラスタ内に変更(管理対象サーバーの削除または追加)があることが示されている場合、Oracle Traffic Directorにより、動的に検出されたオリジン・サーバーの新しいセットで構成が更新されます。


注意:

  • 動的に検出されたオリジン・サーバーは、インスタンス構成のオリジン・サーバー・プール定義に永久的に格納されません。したがって、Oracle Traffic Directorインスタンスを再起動すると、動的検出のプロセスは再び最初から開始されます。

  • Oracle Traffic Directorが動的検出のために送信するHTTPリクエスト・タイプは、オリジン・サーバー・プールに現在構成されているヘルス・チェック・リクエスト・タイプ(OPTIONS(デフォルト)またはGET)です。詳細は、14.3項「オリジン・サーバー・プールのヘルス・チェック設定の構成」を参照してください。


6.5.2 動的検出の有効化

オリジン・サーバー・プールの作成時、クラスタ内のOracle WebLogic Server管理対象サーバーの動的検出は、デフォルトでは有効化されません。管理コンソールまたはCLIのいずれかを使用して、動的検出を有効化できます。


注意:

  • オリジン・サーバー・プールを変更すると、実質的には構成が変更されます。更新したオリジン・サーバー・プールの設定をOracle Traffic Directorインスタンスに反映するには、4.3項「構成のデプロイ」の説明に従い、構成を再デプロイする必要があります。

  • この項のCLIの例はシェル・モード(tadm>)で示されています。CLIシェルの起動の詳細は、2.3.1項「コマンドライン・インタフェースへのアクセス」を参照してください。


管理コンソールを使用した動的検出の有効化

管理コンソールを使用して、クラスタ内のWebLogic Server管理対象サーバーの動的検出を有効化するには、次の操作を行います。

  1. 2.3.2項「管理コンソールへのアクセス」の説明に従って、管理コンソールにログインします。

  2. ページの左上隅にある「構成」ボタンをクリックします。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  3. 動的検出を有効化する構成を選択します。

  4. ナビゲーション・ペインで、「サーバー・プール」を展開し、動的検出を有効化するオリジン・サーバー・プールを選択します。

    「サーバー・プール設定」ページが表示されます。

  5. ページの「詳細設定」セクションに移動します。

  6. 「ヘルス・チェック」サブセクションで、「プロトコル」がHTTPであることを確認し、「動的検出」チェック・ボックスを選択します。

  7. 「保存」をクリックします。


    注意:

    現在のヘルス・チェック・プロトコルがTCPの場合、動的検出を有効化するために、プロトコルをHTTPに変更する必要があることを示すエラー・メッセージが表示されます。


    「コンソール・メッセージ」ペインに、更新されたヘルス・チェック設定が保存されたことを確認するメッセージが表示されます。

    さらに、「デプロイメント保留中」メッセージが、メイン・ペインの上部に表示されます。4.3項「構成のデプロイ」の説明に従い、「変更のデプロイ」をクリックして更新された構成を即座にデプロイすることも、さらに変更を行いその後でデプロイすることもできます。

CLIを使用した動的検出の有効化

クラスタ内のOracle WebLogic Server管理対象サーバーの動的検出を有効化するには、set-health-check-propコマンドを実行します。

たとえば、次のコマンドでは、wls-1オリジン・サーバー・プールであるOracle WebLogic Serverクラスタの管理対象サーバーの動的検出が有効化されます。

tadm> set-health-check-prop --config=soa.example.com --origin-server-pool=wls-1 dynamic-server-discovery=true
OTD-70201 Command 'set-health-check-prop' ran successfully.

注意:

現在のヘルス・チェック・プロトコルがTCPの場合、動的検出を有効化するために、プロトコルをHTTPに変更する必要があることを示すエラー・メッセージが表示されます。


更新された構成を有効にするには、deploy-configコマンドを使用して、構成をOracle Traffic Directorインスタンスにデプロイする必要があります。

set-health-check-propの詳細は、『Oracle Traffic Directorコマンドライン・リファレンス』を参照するか、--helpオプションを付けてコマンドを実行してください。