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Oracle® Big Data Applianceオーナーズ・ガイド
リリース2 (2.2.1)
E48216-02
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8 Oracle Big Data Applianceラック内拡張キットの構成

Oracle Big Data Applianceのスタータ・ラックに最大2つのラック内拡張キットをインストールおよび構成できます。この章では、拡張キットで提供されるハードウェアを構成する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。


注意:

この章に説明されている手順の実行は、オラクル社のフィールド・エンジニアに任せることをお薦めします。

8.1 Oracle Big Data Applianceのスタータ・ラックの拡張について

Oracle Big Data Applianceのスタータ・ラックは、18ではなく6つのサーバーを搭載すること以外はフル・ラックと同じハードウェア構成です。スタータ・ラックにはすべてのスイッチおよび電源が含まれているため、追加のサーバーをサポートするためにアップグレードや補完する必要はありません。

ラック内拡張キットは、さらに6つのサーバーと、それらのインストールに必要なコンポーネントを提供します。1つの拡張キットをインストールして12サーバー・ラックを構成するか、または2つの拡張キットをインストールしてフルの18サーバー・ラックを構成できます。

後で2番目のラックをインストールする場合、この章に記載されている手順を繰り返す必要があります。または、12の新しいサーバーすべてを一緒にインストールおよび構成できます。

8.1.1 ラック内拡張キットのコンテンツの確認

インストールを開始する前に、次の表に示されているすべてのコンポーネント、ケーブル、およびアクセサリを受け取っていることを確認します。

表8-1に、コンポーネントおよびアクセサリをリストします。

表8-1 ラック内拡張キットのコンポーネントおよびアクセサリ

部品番号 数量 説明

250-2020

1

ベルクロ・ロール

7071129

1

ケーブル・ラベリング・キット


6

Sun Server X3-2L


350-1719

6

2Uスナップイン・スライド・レール・キット

7042273

6

1U-2UスリムレールCMAキット


1

Sun Server X3-2Lドキュメントおよびライセンス・パッケージ


表8-2に、ケーブルをリストします。

表8-2 ラック内拡張キットのケーブル

部品番号 長さ 数量 説明

530-4433

10フィート

6

赤イーサネット・カテゴリ5またはカテゴリ5e

530-4435

10フィート

6

イーサネット黒カテゴリ5またはカテゴリ5e

7019244

3m

12

インフィニバンドQSFP

180-2380

2m

12

電源


8.1.2 スタータ・ラックのステータスの確認

ラック内拡張キットをインストールする前に、スタータ・ラックが正常に動作することを確認します。

  • すべてのコンポーネントのLEDを確認して正常な動作状態を確認します。次に進む前に問題を解決します。

  • Sun Rack II PDUファームウェアの最小バージョンが1.06以上であることを確認します。「PDUファームウェア・バージョンの更新」を参照してください。

8.2 Oracle Big Data Applianceラックへのサーバーの設置

次の手順では、スタータ・ラックに新しいサーバーを物理的に設置する方法について説明します。


注意:

ラックにサーバーを設置するには2人必要です。

ラックにサーバーを設置するには、次の手順を実行します。

  1. すべての電源ケーブル、イーサネット・ケーブル、およびインフィニバンド・ケーブルを取り出し、キットで提供されるラベルを使用してマークを付けます。

    • ケーブルのそれぞれの端に適切なラベルを使用してマークを付けます。正しいほうの端に「from」ラベルおよび「to」ラベルを付けるように注意してください。

    • 設置環境に適したPDU電源コード・ラベルを選択します(単相または3相)。

  2. ケーブルの両端を差し込みます。付録Cのケーブル配線の表を参照してください。

  3. サーバー・ラック・マウント・キットをラックに設置します。最下部の最初の空ユニットから始め、ラックの最上部まで作業を進めます。

  4. ラック・レールにサーバーを設置します。各サーバーの設置後、サーバーおよびその下のユニットが正常に前後にスライドすることを確認してください。

  5. 最下部の最初の新しいサーバー(サーバー7またはサーバー13)から始めて最上部のユニットまで、ケーブル・アームおよびケーブルを各サーバーに設置します。すべてのインフィニバンド・ケーブルの両端が適切なポートに差し込まれていることを確認します。インフィニバンド・ケーブルおよびイーサネット・ケーブルを配線している間、電源ケーブルは邪魔にならないようにしておきます。


    注意:

    PDUを有効にして構成する準備ができるまでは、電源ケーブルをPDUストリップに差し込まないでください。ここで、電源ケーブルをサーバーにのみ差し込みます。

8.3 Oracle Big Data Applianceサーバーの構成

新しいサーバーは、ラックに設置した後、構成できます。

新しいサーバーを構成するには、次の手順を実行します。

  1. 工場出荷時のIPアドレスがローカル・ネットワークで重複する場合に備えて、ネットワークからCiscoスイッチ・アップリンク・ケーブル(ポート48)を外します。

  2. 電源コードを適切なコンセントに差し込みます。最後にケーブルをPDU-Aに配線します。終了したら、Oracle ILOMが起動し、サービス・プロセッサのLEDが緑に点灯し、システムがスタンバイ・モードになってOK LEDが点滅します。

  3. サーバーの電源ボタンを押して、電源を入れます。システムは自動的に工場出荷時のIPアドレスを検出します。「工場出荷時のネットワーク設定」を参照してください。

  4. 最初の新しいサーバー(サーバー7または13)に接続されたラップトップを使用して、SSHを使用してrootとしてログインします。デフォルト・パスワードはwelcome1です。

  5. rootユーザーのパスワードなしSSHを設定します。rangeには、最初の拡張キットをインストールするときに[7:12]を入力して2番目の拡張キットに[13-18]を入力するか、または両方のキットに[7:18]を入力します。

    # setup-root-ssh -j "eth0_ips[range]" -p welcome1
    

    setup-root-ssh」を参照してください。

  6. すべての新しいサーバーで、パスワードなしSSHが適切に機能していることを確認します。rangeに手順5と同じ値を使用します。

    # dcli -j "eth0_ips[range]" "hostname; date"
    
  7. 次のコマンドの出力と、各システムの前面のシステム・シリアル番号(S/N)ステッカを比較します。各サーバーの割当ての順序を確認します。最初の拡張キットの範囲が7から12、2番目の拡張キットが13から18です。

    [# dcli -j "eth0_ips[7:12]" "dmidecode -s chassis-serial-number"
    192.168.1.7: 1143FMM064
         .
         .
         .
    192.168.1.12: 1144FMM1A0
    

    不一致を発見した場合、インフィニバンド・ケーブルが、各ノードのゲートウェイ・スイッチの適切なポートに差し込まれていることを確認してください。

  8. ILOMのラック・マスター・シリアル番号を、前面左側のラック・ステッカのS/N(PDU-Aの近くのラックの背面にも表示)に設定します。

    # dcli -j "eth0_ips[range]" "ipmitool sunoem cli 'set /SP \system_identifier="\"Oracle Big Data Appliance rack-master-serial-number\""'"
    

    この例では、最初の拡張キットに[7:12]の範囲を設定し、シリアル番号にAK00086253を設定します。

    # dcli -j "eth0_ips[7:12]" "ipmitool sunoem cli 'set /SP \system_identifier="\"Oracle Big Data Appliance AK00086253\""'"
    

    システム識別子には40文字の制限があります。

  9. ラック・マスター・シリアル番号が正しく設定されていることを確認します。この例では、最初の拡張ラックの範囲を使用します。

    # dcli -j "eth0_ips[7:12]" "ipmitool sunoem cli 'show /SP system_identifier'" | grep =
    192.168.1.7: system_identifier = Oracle Big Data Appliance AK00086253
         .
         .
         .
    192.168.1.12: system_identifier = Oracle Big Data Appliance AK00086253
    
  10. 「Oracle Big Data Applianceサーバーの構成」の手順7からの物理的なハードウェアの確認を完了します。すべてのdcliコマンドで、前に示したeth0_ips[range]構文を使用して範囲を入力してください。

8.4 ネットワークの設定

次のトピックでは、イーサネット管理ネットワークに新しいサーバーを追加する方法にするついて説明します。

8.4.1 構成ファイルのコピー

次の手順では、Oracle ILOMへのシリアル接続を使用します。かわりにSSH接続を使用する場合、「ネットワークの構成」でIPアドレスを工場出荷時の設定からカスタム設定に変更するときに、コンソール接続が切断されます。

次の手順に従って、構成ファイルをラックの最初の新しいサーバーにコピーします。

構成ファイルをコピーするには、次の手順を実行します。

  1. ラップトップを最初の新しいサーバー(サーバー7またはサーバー13)のOracle ILOM "SER MGT"ポートに差し込みます。

  2. デフォルトのwelcome1パスワードを使用して、rootとしてログインします。

    login as: root
    Using keyboard-interactive authentication.
    Password: welcome1
    Oracle(R) Integrated Lights Out Manager
    Version 3.1.2.12 r74388
    Copyright (c) 2012, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.
    ->
    
  3. コンソールを開き、同じ資格証明でログインします。

    -> start /SP/console
    Are you sure you want to start /SP/console (y/n)? y
    Serial console started. To stop, type ESC (
    bda07 login:
    User: root
    Password: welcome1
    #
    
  4. プロンプトが表示されない場合、[Enter]を押します。

  5. 元のOracle Big Data Appliance構成ファイルを、ラックの第1サーバー(サーバー1)からログインした新しいサーバーにコピーします。IP_addressをサーバー1の実際のIPアドレスに置換します。

    # scp root@IP_address:/opt/oracle/bda/BdaDeploy.json /opt/oracle/bda
    

    または、サーバー間のファイルのコピーにUSBフラッシュ・ドライブを使用します。

  6. 新しいBdaExpansion.json構成ファイルをUSBフラッシュ・ドライブから同じ/opt/oracle/dbaディレクトリにコピーします。

    # mkdir /mnt/usb
    # /opt/oracle/bda/bin/showusb /dev/sdm1
    # mount /dev/sdm1 /mnt/usb
    # cp /mnt/usb/BdaExpansion.json /opt/oracle/bda
    

    フラッシュ・ドライブの使用に関する一般的な手順は、「Oracle Big Data Applianceへの構成ファイルのコピー」を参照してください。

8.4.2 ネットワークの構成

ネットワークを構成するには、次の手順を実行します。

  1. networksetup-oneスクリプトを実行します。

    # cd /opt/oracle/bda
    # cd network
    # ./networksetup-one
    

    この手順を完了すると、サーバーはカスタムIPアドレスを取得します。

  2. Ciscoスイッチ・アップリンク・ケーブルをローカル・ネットワークに再接続します。

  3. IPアドレスを変更したときにSSH接続が切断された場合、再接続します。

    1. カスタムIPアドレスを使用し、SSHを使用して第1サーバーのOracle ILOMに接続します。

    2. デフォルトのwelcome1パスワードを使用して、rootユーザーとしてログインします。

    シリアル接続を使用している場合、networksetup-oneの完了後も接続されている可能性があります。そうではない場合、[Esc]+[(]を押して、再接続の前にOracle ILOMプロンプトを取得します。

  4. インフィニバンド・トポロジを確認します。

    # cd /opt/oracle/bda
    # bdacheckib BdaDeploy.json
    
  5. パスワードなしSSHがまだ動作していることを確認します。

    # cd /opt/oracle/bda
    [# dcli "hostname ; date"
    

    パスワードの入力を求められた場合、[Ctrl]+[C]を複数回押します。dcliコマンドが失敗した場合、サーバーを構成する最初の手順の手順5および6を繰り返します。

  6. 手順5dateユーティリティの出力を使用して、すべてのサーバーおよびスイッチのクロックが同期していることを確認します。時間は数秒以内である必要があります。

    同期されていない場合、手動で時間を変更するか、デバイスを再起動するか、またはCiscoスイッチを通じてNTPサーバーへのルーティングを確認できます。このコマンドを発行してNTPクライアントのステータスを確認します。

    # ntpq -p
    
  7. networksetup-twoを実行します。

    # ./networksetup-two | tee /tmp/bdanet_exp.out
    

    teeユーティリティは、出力を画面に表示しながら、ファイルに出力します。

  8. クラスタの第1サーバーでない場合、サーバーからログアウトします。

8.4.3 ネットワークの構成の確認

ネットワークが正常に動作していることを確認するには、次の手順を実行します。

  1. クラスタの第1サーバーにログインします。

  2. ネットワークおよびすべてのネットワーク・サービスが正常に動作していることを確認します。

    # bdachecknet | tee -a /tmp/bdanet_exp.out
    bdachecknet: check syntax and static semantics of opt/oracle/bda/BdaDeploy.json
    bdachecknet: passed
    bdachecknet: ping test private infiniband ips (bondib0 40gbs)
    bdachecknet: passed
    bdachecknet: ping test admin ips (eth0 1gbs)
    bdachecknet: passed
         .
         .
         .
    
  3. システムがDNS名を解決および使用できない場合、手動で/etc/resolv.confファイルを修正し、逆参照を確認します。

  4. My Oracle Supportのインストール・ベース更新サービス・リクエストを送信してアセットを更新します。

8.5 新しいサーバーへのOracle Big Data Applianceソフトウェアのインストール

新しいサーバーは、既存のクラスタに追加するか、または新しいクラスタとして構成できます。

既存のクラスタにサーバーを追加するには、次の手順を実行します。

サーバーを別のクラスタとして構成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Big Data Appliance構成ワークシートを完成します。

  2. ワークシートの情報をOracle Big Data Appliance構成ユーティリティに入力し、構成ファイルを生成します。第4章を参照してください。

  3. Mammothユーティリティを実行してソフトウェアをインストールします。「新規ラックへのソフトウェアのインストール」を参照してください。