この章では、Oracle ADFアプリケーションをアプリケーション・サーバーにデプロイする際の概念とプロセスについて説明します。
この章には次の項が含まれます:
デプロイは、アプリケーション・ファイルをアーカイブ・ファイルとしてパッケージ化し、ターゲット・アプリケーション・サーバーに転送するプロセスです。JDeveloperを使用して、ADFアプリケーションをアプリケーション・サーバーに直接デプロイするか、またはデプロイ・ターゲットとしてアーカイブ・ファイルに間接的にデプロイし、このアーカイブ・ファイルを対象のサーバーにインストールできます。
この項では、ADFアプリケーションのデプロイの準備から完了までのプロセスについて主要面を概説します。
開発の際にアプリケーションの実行テストをする場合は、JDeveloperを使用して、統合WebLogic Serverでアプリケーションを実行できます。統合WebLogic Serverでアプリケーションを実行する場合、スタンドアロン・サーバーへのデプロイに必要な多くの手順を手動で完了する必要はありません。たとえば、デプロイメント・プロファイルやEARファイルを作成する必要はなく、ADFランタイム・ライブラリは、自動的に統合WebLogic Serverインスタンスに追加されます。
スタンドアロン・サーバーへのデプロイメントの場合、次のツールおよび方法から選択できます。
Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control
WebLogic Scripting Tool (WLST)など特定のアプリケーション・サーバーに固有のスクリプト・ツール
Oracle WebLogic管理コンソールなどの管理コンソール
コマンド・スクリプトおよびAntスクリプト
JDeveloper
アプリケーションを本番サーバーにデプロイする前に、本番環境にはないスタンドアロン・サーバー・インスタンスでアプリケーションをテストする必要がある場合があります。そのテストにより、アプリケーションがリモート環境で想定どおりにデプロイされることを確認できます。内部WebLogic Serverインスタンスでアプリケーションを実行しても明らかにならないような、デプロイメントにおける潜在的な問題を特定して解決するために、この手順をお薦めします。この場合、大半の手順は、開発ワークフローにとってプラスとなるように自動的に実行され、本番のサーバー環境を対象としていません。
この項では、ADFアプリケーションをアプリケーション・サーバーにデプロイするために必要な主要要素について概説します。
ADFアプリケーションは、通常、EARファイルとしてアプリケーション・サーバーにデプロイされます。EARファイルはコンポジット・アーカイブであり、EARファイルにはWARファイル、JARファイル、MARファイルなど1つまたは複数の他のアーカイブ、および1つまたは複数のデプロイメント・ディスクリプタが含まれています。
アプリケーションを開発したら、次の手順に従って、そのアプリケーションをスタンドアロン・サーバーにデプロイします。これらの手順には、JDeveloperからのIntegrated WebLogic Serverにおけるアプリケーションの実行が含まれていません。
デプロイメント・プロファイルを作成して、対象となる環境にデプロイするアーカイブ・ファイルに、アプリケーション・コンテンツをパッケージ化する方法を定義します。アーカイブ・ファイルの形式とコンテンツを指定する以外に、デプロイメント・プロファイルには依存性の情報、プラットフォーム固有の手順などの情報が含まれています。
対象となるサーバーに必要なデプロイメント・ディスクリプタを作成または編集します。デプロイメント・ディスクリプタは、アプリケーションのデプロイ構成を定義するXMLサーバー構成ファイルで、必要に応じてアプリケーションとともにデプロイされます。
JDeveloperでアプリケーションを開発すると、Oracle WebLogic Serverに必要なデプロイメント・ディスクリプタ・ファイルが生成されます。JDeveloperには、これらのファイルに対するビジュアル・エディタも用意されていて、プロパティを表示および設定する際に使用できます。
スタンドアロン・サーバーへの移行には、アプリケーションのセキュリティ・ポリシーと資格証明を準備します。これには、テストの目的で設定したポリシーおよび資格証明がアプリケーション構成ファイルから削除されていることの確認、およびターゲット・サーバーで標準ロールにマップするアプリケーション・ロールの設定があります。
ユーザー・インタフェース・プロジェクトのweb.xml
ファイルに、使用するADF MBeansを登録します。
ADF MBeansは各種構成ファイルに対応します。アプリケーションがデプロイされたら、Enterprise Manager Fusion Middleware ControlのMBeanブラウザを使用してADF MBeanにアクセスし、構成プロパティを変更することができます。
JDeveloperで、デプロイメント・プロファイルからEARファイルを生成します。
テスト・デプロイ用のターゲット・アプリケーション・サーバーのスタンドアロン・インスタンスを設定し、そのインスタンスにADFを実行時にインストールします。
アプリケーションのポリシー・ストアをスタンドアロン・サーバー・インスタンスのドメイン・レベルに移行します。
通常、移行タスクは、JDeveloperの外部で、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlのようなツールを使用して処理します。JDeveloperの外部でのツールの使用による、ポリシー・ストアのスタンドアロン環境におけるドメインレベルへの移行に関する詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』を参照してください。
第11.2.2項に記載された方法のいずれかを使用してアプリケーションをテスト・デプロイし、発生した問題を解決します。
ターゲット・サーバーで、ADFランタイム・ライブラリがインストールされていることを確認し、アプリケーションのポリシー・ストアを追加します。
アプリケーションをターゲット・サーバーにデプロイします。
デプロイメントに向けたアプリケーションの準備の詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のFusion Webアプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。
アプリケーションをデプロイするスタンドアロン・サーバーの設定、アプリケーションのデプロイ、およびデプロイしたアプリケーションの構成と管理の詳細は、『Oracle ADFアプリケーションの管理』を参照してください。
ターゲット・サーバーへのセキュリティ・ポリシーと資格証明の移行の詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』を参照してください。
GlassFishへのOracle ADF Essentialsアプリケーションのデプロイの詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のGlassFishへのADFアプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。