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Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Swingアプリケーションの開発
12c (12.1.2)
E48100-01
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7 ADF Swingコントロールでの作業

この章では、ADF SwingフォームおよびパネルでのADF Swingコントロールの使用方法について説明します。ADF Swingは、ADF Swingアプリケーションの設計に使用できる標準Swingコントロールに加えて、ADF Swingコントロールと呼ばれる独自のコントロールのセットを備えています。

この章の構成は、次のとおりです。

7.1 ADF Swing固有のコントロールについて

ADF Swingは、ADF Swingアプリケーションの設計に使用できる標準Swingコントロールに加えて、独自のコントロールのセットを備えています。次の追加のコントロールが「データ・コントロール」パネルで使用できます。

指定されたADF Swingコントロールに使用されるコントロール・バインディングのタイプは、そのコントロールによって実行されるアクションによって異なります。表7-1は、バインディングおよびそれらでサポートされている各種ADF Swingコントロールを示しています。

表7-1 コントロール・バインディングとADF Swingコントロール

バインディング ADF Swingコントロール

属性バインディング

ラベル

JULovEditButton (LOVダイアログのボタン)

JUImageControl

JULabel

配列コンボボックス・バインディング

JUArrayComboBox

イテレータ・バインディング

JUNavigationBar

JUStatusBar

列挙モードでのリスト・バインディング

JUShuttlePanel

値リスト(LOV)モードでのリスト・バインディング

JURadioButtonGroupPanel


これらのコントロールも、これらが補足している標準Swingコントロールと同様に、MVC (Model-View-Controller)アーキテクチャに依存しています。ADF Swingコントロールは、Swingコントロールには存在しないコントローラに依存して、エンド・ユーザーの相互作用を管理する点で独特です。ADF Swingコントロールは、ADFモデル・バインディングとともに、多様なデータバインド機能を使用したJavaデスクトップ・アプリケーションの設計を可能にします。

7.2 JUArrayComboBoxコントロールの使用方法

配列コンボ・ボックスは、ADF Swing JUArrayComboBoxコントロールであり、タイプoracle.jbo.domain.arrayとしてマップされているビジネス・サービス・データ・コレクションの属性にバインドできます。配列コンボ・ボックスは、1つの属性からその値リストを表示するため、ADF属性バインディング(データ・コレクションの属性を介してデータベース内に格納されているデータにアクセスする)と連動します。現在、オブジェクト配列を編集するためのJDeveloperのデザインタイム・サポートがない場合、配列属性の要素は、数値、文字列、日付などスカラー値に制限されます。


注意:

JUArrayComboBoxは、オブジェクト配列を使用するためのデザインタイム・サポートを提供しませんが、JDeveloperで、ADF Swingインタフェースを実装する拡張を作成できます。


ユーザーは、配列コンボ・ボックスを使用して、既存の属性値を表示できます。また、表示されている値を追加、更新および削除することもできます。

スカラー型の配列属性にバインドする手順は次のとおりです。

  1. ユーザー・インタフェース・プロジェクトで、データ・パネルまたはフォームに対してJavaビジュアル・エディタを開きます。

  2. 「データ・コントロール」パネルで、イメージ・コントロールにバインドする属性を、開いているフォームまたはパネルにドラッグします。

  3. 子の追加ポップアップ・リストから、「JUArrayComboBox」を選択します。

    JDeveloperによって、クラス・ファイルに、配列コンボ・ボックスを属性にバインドする次のようなコードが追加されます。

    myJUArrayComboBox1.setDocument((Document)panelBinding.
    bindUIControl("MyAttribute", myJuArrayComboBox1"));

配列属性に値を挿入する手順は次のとおりです。

  1. Javaビジュアル・エディタで、ドロップダウン・リストを選択し、[Ctrl]キーを押しながらクリックし、新しい空のリスト・アイテムを作成します。

  2. 空のリスト・アイテム内に、値を入力し、[Enter]キーを押します。

配列属性の既存の値を更新する手順は次のとおりです。

配列属性から既存の値を削除する手順は次のとおりです。

7.3 JUImageコントロールの使用方法

イメージ・コントロールは、ADF Swing JUImageコントロールであり、ADF Swing属性バインディングを介してビジネス・サービス・コレクションの属性にバインドできます。属性バインディングは、特定のデータ・コレクションを介してデータベースに格納されているイメージにアクセスします。JUImageコントロールでサポートされているデータ型には、次のものとして格納されるイメージがあります。

フォームまたはパネルにデータバインドされたイメージ・コントロールを挿入する手順は次のとおりです。

  1. ユーザー・インタフェース・プロジェクトで、目的のデータ・パネルまたはフォームに対してJavaビジュアル・エディタを開きます。

  2. 「データ・コントロール」パネルで、イメージ・コントロールにバインドする属性を、開いているフォームまたはパネルにドラッグします。

  3. 子の追加ポップアップ・リストから、「JUImageControl」を選択します。

    JDeveloperによって、クラス・ファイルに、フォームと関連付けられているページ定義ファイルのMyImageAttributeバインディング定義を参照する次のようなコードが追加されます。

    myJUImageControl1.setModel((JUDefaultControlBinding)
    panelBinding.bindUIControl("MyImageAttribute",
    myJUImageControl1));

イメージにスクロール・リージョンを追加する手順は次のとおりです。

  1. 「プロパティ」ウィンドウで、「autoscrolls」フィールドをTrueに設定します。

ADF Swingフォーム内で、ユーザーは、データベース内に格納されているイメージ・ファイルを削除および更新できますが、イメージ自体を編集することはできません。

JUImageコントロールを使用する手順は次のとおりです。

イメージ・コントロールは、1つの表示エリアと2つのボタンがあるパネルで構成されます。

フォームまたはパネルのイメージ・コントロールのデータ・バインディングを変更する手順は次のとおりです。

  1. Javaビジュアル・エディタでJUImageコントロールが含まれるフォームまたはパネルを開きます。

  2. 変更するJUImageコントロールを右クリックし、メニューから「バインディングの編集」を選択します。

    JUImageのコントロール・バインディング・ダイアログが表示されます。

7.4 ADF Swingアプリケーションにおけるマルチメディアに関する必知事項

JUImage ADF Swingコントロールは、データベース内のマルチメディアにアクセスするために使用できます。JUImageコントロールは、イメージのみに制限されています。


注意:

JDeveloperでは、OrdMediaControlコンポーネントのオーディオおよびビデオの使用は現在サポートされていません。したがって、開発者はADF Swing interMediaコントロールを使用して新しいアプリケーションを作成することはできません。ただし、下位互換性のために、必須interMediaライブラリが、依然としてJDeveloperに同梱されています。interMediaを使用する、前のJDeveloperリリースのADF Swingアプリケーションは、ADF Swingにアップグレードしても、引き続き機能します。


JUImageコントロールは、データベースからイメージを表示するために使用されるADF Swingのコントロールの以前の実装です。データベースのサポート対象のinterMediaオブジェクト・タイプからイメージをストリームできる場合、アプリケーションのパフォーマンスが必ず向上します。JUImageコントロールの場合、そのイメージ・ファイルは、アプリケーションでそれを表示する前に完全にダウンロードしておく必要があります。さらに、JUImageは、RAW、LONG RAW、BLOBおよびinterMedia IMAGEタイプに制限されています。

7.5 JULabelコントロールの使用方法

JULabelは、ADF Swing属性バインディングを介してビジネス・サービス・コレクションの属性にバインドできるADF Swingコントロールです。属性バインディングは、特定のデータ・コレクションを介してデータベースに格納されているデータにアクセスします。JULabelコントロールは、ラベルとして属性値をレンダリングします。

または、ADFビジネス・コンポーネント属性用に定義されたコントロール・ヒントのラベルを表示できます。詳細は、第7.6項「ラベル・コントロールの使用方法」を参照してください。

フォームまたはパネルにデータバインドされたラベルを挿入する手順は次のとおりです。

  1. データ・パネルをJavaビジュアル・エディタで開きます。

    詳細は、第2.10項「空のADF Swingパネルの作成方法」を参照してください。

  2. 「ウィンドウ」メニューから、「アプリケーション」を選択します。

  3. 「アプリケーション」ウィンドウで、「データ・コントロール」パネルを開きます。

  4. 「データ・コントロール」パネルで、ラベルにバインドする属性を、開いているフォームまたはパネルにドラッグします。

  5. 子の追加ポップアップ・リストから、「JULabel」を選択します。

    JDeveloperによって、クラス・ファイルに、JULabelを属性にバインドする次のようなコードが追加されます。

    myJuLabel.setModel((JULabelBinding)panelBinding.bindUIControl("MyAttribute", myJuLabel));


    注意:

    テキスト・プロパティは、ADF Swingフォームを実行するときに上書きされます。


フォームまたはパネルのラベルのデータ・バインディングを変更する手順は次のとおりです。

  1. Javaビジュアル・エディタでJULabelコントロールが含まれるフォームまたはパネルを開きます。

  2. 変更するJULabelコントロールを右クリックし、メニューから「バインディングの編集」を選択します。

    「属性バインディングの編集」ダイアログが表示されます。

7.6 ラベル・コントロールの使用方法

ラベル・コントロールは、ADF Swing JULabelコントロールであり、ADF Swing属性バインディングを介してビジネス・サービス・コレクションの属性にバインドできます。このバインディングは、ADFビジネス・コンポーネント・ビュー・オブジェクトの属性に対して事前に定義されているコントロール・ヒントにアクセスします。JULabelコントロールは、定義済のヒントからラベルをレンダリングします。

または、属性値からラベルを表示できます。詳細は、第7.5項「JULabelコントロールの使用方法」を参照してください。

フォームまたはパネルにデータバインドされたラベルを挿入する手順は次のとおりです。

  1. ユーザー・インタフェース・プロジェクトで、データ・パネルまたはフォームに対してJavaビジュアル・エディタを開きます。

  2. 「データ・コントロール」パネルで、ラベル・コントロールにバインドする属性を、開いているフォームまたはパネルにドラッグします。

  3. 子の追加ポップアップ・リストから、「Label For」を選択します。

    JDeveloperによって、クラス・ファイルに、JULabelを属性にバインドする次のようなコードが追加されます。

    myjULabel1.setText(panelBinding.findCtrlValueBinding ("MyAttribute").getLabel());


    注意:

    テキスト・プロパティは、ADF Swingフォームを実行するときに上書きされます。


フォームまたはパネルのラベルのデータ・バインディングを変更する手順は次のとおりです。

  1. Javaビジュアル・エディタでラベル・コントロールが含まれるフォームまたはパネルを開きます。

  2. 変更するJULabelコントロールを右クリックし、メニューから「バインディングの編集」を選択します。

    「属性バインディングの編集」ダイアログが表示されます。

7.7 JULovEditButtonコントロールの使用方法

LOV編集ボタン・コントロールは、ADF Swing JULovEditButtonコントロールであり、ADF Swing属性バインディングを介してビジネス・サービス・コレクションの属性にバインドできます。JULovEditButtonコントロールによって、ユーザーは、表示されるシャトル・リストに対して複数選択を実行できます。

フォームまたはパネルにデータバインドされたLOV編集ボタンを挿入する手順は次のとおりです。

  1. ユーザー・インタフェース・プロジェクトで、Javaビジュアル・エディタでフォームまたはデータ・パネルを開きます。

  2. 「データ・コントロール」パネルで、JULovEditButtonコントロールにバインドするコレクションを、開いているフォームまたはパネルにドラッグします。

  3. 子の追加ポップアップ・リストから、「Button LOV」を選択します。

    JDeveloperによって、クラス・ファイルに、フォームと関連付けられているページ定義ファイルのDCShuttleバインディング定義を参照する次のようなコードが追加されます。

    myjButton.setModel((ButtonModel)panelBinding.bindUIControl
    ("Address1",myjButton));

フォームまたはパネルのLOV編集ボタンのデータ・バインディングを変更する手順は次のとおりです。

  1. Javaビジュアル・エディタでJULovEditButtonコントロールが含まれるフォームまたはパネルを開きます。

  2. 変更するJULovEditButtonコントロールを右クリックし、メニューから「バインディングの編集」を選択します。

    「ボタンLOVバインディングの作成」ダイアログが表示されます。

7.8 JUNavigationBarコントロールの使用方法

ナビゲーション・バーは、次のものにバインドできるADF Swing JUNavigationBarコントロールです。

これらのバインディングの効果によって、ナビゲーション・バー・アクションの有効範囲が決まります。データ・コレクションにバインドする場合、JUNavigationBarによって、同じパネルを共有していて、かつその属性を介して同じデータ・コレクションにバインドしているコントロール間を移動できます。一方、JUNavigationBarコントロールを、子パネルが含まれているパネルに追加し、パネル・バインディングを設定することで、子パネル内のコントロールのナビゲーションを制御できます。

データ・コレクションにバインドする手順は次のとおりです。

  1. ユーザー・インタフェース・プロジェクトで、データ・パネルまたはフォームに対してJavaビジュアル・エディタを開きます。

  2. 「データ・コントロール」パネルで、ナビゲーション・バー・コントロールにバインドするデータ・コレクションを、開いているフォームまたはパネルにドラッグします。

  3. 子の追加ポップアップ・リストから、「JUNavigationBar」を選択します。

    JDeveloperによって、クラス・ファイルに、JUNavigationBarをコレクションにバインドする次のようなコードが追加されます。

    jUNavigationBar1.setModel(JUNavigationBar.createViewBinding
    (panelBinding, jUNavigationBar1, "MyDataCollection", null, "MyCollectionIterator"));

JUPanelにバインドする手順は次のとおりです。

  1. ユーザー・インタフェース・プロジェクトで、ナビゲーションするパネルが含まれているレイアウト・パネルに対してJavaビジュアル・エディタを開きます。

  2. 「コンポーネント」ウィンドウのADF Swingコントロールページで、JUNavigationBarコントロールを、開いているフォームにドラッグします。

  3. JUNavigationBarコントロールの「プロパティ」ウィンドウで、「model」フィールドを選択し、「ADF Swingパネル・バインディング」を選択します。

    JDeveloperによって、クラス・ファイルに、JUNavigationBarを現在のパネルに渡されるパネル・バインディングにバインドする次のようなコードが追加されます。

    myNavBar.setModel(JUNavigationBar.createPanelBinding
    (panelBinding, myNavBar));

7.9 検索モードでのJUNavigationBarコントロールの使用方法

ADF Swingでは、検索モードを有効化したADF Swingデータ・パネルでJUNavigationBarコントロールを使用することで、パラメータ化された問合せをサポートできます。検索モードでは、ユーザーは、データ・パネルを使用して、サポートされているADF Swingコントロール・バインディングを介して検索基準を入力できます。

検索モードでパネルを実行する場合、ナビゲーションモードのコンポーネントによって検索基準コンポーネントが強制的に更新されることはなくなります。ユーザーが検索基準を入力できるようにするために、それらは空のままになります。

検索モードのデータ・パネルの一般的な使用法は、次のとおりです。

  1. ユーザーが、パネルを検索モードにします。

    たとえば、ユーザーが「Find」ボタンをクリックする場合があります。これはデフォルトでJUNavigationBar (ADFビジネス・コンポーネント・ビュー・オブジェクトにバインドされている)によって提供されています。

  2. ユーザーが、フォームにすでに返されたデータの結果を絞り込むための検索基準を入力します。

  3. 検索モードでは、アンカー付きのワイルドカード検索が実行されます。

    検索列の先頭文字がアンカーとして使用され、入力した文字列で始まるすべての文字列が検索されます。

  4. ADF Swingの同じビュー・オブジェクトにバインドする別のコントロール(JTableコントロールなど)は、パラメータ化された問合せの結果を表示します。

パラメータ付き問合せは、実行時に値が指定されるプレースホルダが含まれた問合せです。たとえば、次のPL/SQL文のmin_salaryは、パラメータ値のプレースホルダで、実行時に値が指定されます。

SELECT ename, job, mgr FROM emp WHERE sal < :min_salary

検索モードのデータ・パネルではADF Swingコントロール・バインディングを使用して、バインドされたADFビジネス・コンポーネント・ビュー・オブジェクトの属性のうち、queriableプロパティがtrueに設定されている属性ごとにフィールドを表示します。ビュー・オブジェクトは、ビジネス・コンポーネントにより実行される最初の問合せを定義します。

検索モード操作用のデータ・パネルを作成する最も簡単な方法は、JUNavigationBarを、そのデータ・パネルによる検索対象のADFビジネス・コンポーネント・ビュー・オブジェクトにバインドすることです。ナビゲーション・バーは、ADF SwingフォームのADF Swingコントロール・バインディングの動作を切り替えるためにユーザーが選択する「Find」ボタンを提供します。

検索モード・ボタンの状態は、JUNavigationBarhasFindButtonプロパティによって制御されます(デフォルトではtrue)。

7.10 パネル内のADF Swingコントロールに対して検索モードを無効化する方法

すべてのADF Swingコントロール・バインディングで検索モードがサポートされています。検索専用のデータ・パネルを作成する場合は、フォームが、ADFビジネス・コンポーネント・ビュー・オブジェクト属性にバインドされている次のコントロールを使用して検索基準を提供するように制限します。

ユーザーが検索モードを選択する場合、データ・パネルで、前述のリストにないコントロールを無効化することをお薦めします。検索モードをサポートしていないコントロールを無効化すると、ユーザーによる無効な検索基準の送信の試みが防止されます。

さらに、ナビゲーション・モードでADFリスト・バインディングを利用するUIコンポーネントは、検索モードに関与しません。ただし、データバインドされたComboBoxやJListなどナビゲーションモード・コンポーネントをパネルにドロップし、検索モードをアクティブ化すると、そのコンポーネントは無効化されず、ユーザーが、検索モードでは空に表示されるコンポーネントに意図せずにデータを表示できます。検索モードでナビゲーション・コンポーネントと他のコンポーネントとの相互作用を無効化するには、セカンダリ・イテレータを作成し、ナビゲーションモード・コンポーネントのデータ・バインディングがそのイテレータを使用するように編集できます。

検索モードでナビゲーション・コンポーネントと他のコンポーネントとの相互作用を無効化する手順は次のとおりです。

  1. ユーザー・インタフェース・プロジェクトで、ナビゲーションするパネルが含まれているレイアウト・パネルに対してJavaビジュアル・エディタを開きます。

  2. Javaビジュアル・エディタで、「バインディング」タブをクリックし、「実行可能ファイル」リストで「実行可能ファイル・バインディングを作成します。」をクリックします。

  3. 「アイテムの挿入」ダイアログで、イテレータを選択し、「OK」をクリックします。

  4. 「イテレータ・バインディングの作成」ダイアログで、他のコンポーネントのバインド先となるデータ・コレクションを選択し、「イテレータID」に新しい名前を入力し、「OK」をクリックします。

  5. 「バインディング」リストで、ナビゲーション・モードで動作するコンポーネントのバインディングをダブルクリックし、コントロール・バインディング・エディタで新しいイテレータを選択します。

7.11 検索モードでのイテレータ・バインディングに関する必知事項

イテレータ・バインディングは、基本的なデータ反復機能に加え、バインドされたデータ・コレクションと連携することにより、アプリケーション・データの例による問合せ機能の実装を単純化します。次のものが提供されています。

Oracle ADFでは、各データ・コレクションに、0 (ゼロ)以上のビュー基準行のビュー基準(ViewCriteria)コレクションが関連付けられています。各ビュー基準行(ViewCriteriaRow)の属性構造は、関連するデータ・コレクション内の行と同じです。ただし、属性値はすべて文字列データ型として処理されます。このデータ型では、ユーザーは比較演算子およびワイルドカード文字を含む問合せ基準を入力できます。

たとえば、部門番号が5より大きく、部門名が文字列「ACC%」と一致するすべての部門を検索するよう指定するには、よくあるSCOTTスキーマのDEPT表に対する問合せに基づき、DeptViewコレクションに関連するビュー基準行の属性を入力します。次のようになります。

イテレータ・バインディングの検索モードにより、例による問合せ機能用に、ビュー条件コレクションの属性を移入する検索ページが簡単に作成できます。イテレータ・バインディングを検索モードに設定すると、関連付けられているビュー条件コレクションに対して別の行セット・イテレータを使用するよう切り替わります。つまり、検索モードが使用可能に設定されると、イテレータ・バインディングを参照するコントロール・バインディングは、現行のビュー条件行で属性を表示および更新します。同様に、検索モードになっているイテレータ・バインディングを参照する範囲バインディングでは、現行の例による問合せビュー条件行から表をレンダリングできます。

検索モードが無効である場合、イテレータ・バインディングは、データ・コレクションに対して元の行セット・イテレータを使用するよう切り替えられます。これは、イテレータ・バインディングのsetFindMode()メソッドをコールすることで明示的に、またはexecuteQuery()メソッドをコールすることで暗黙的に実行できます。


注意:

検索モードでイテレータ・バインディングの行セット・イテレータに対してcreateRow()メソッドをコールすることにより、ビュー条件行を追加作成し、続けてその属性に追加条件を移入することが可能です。デフォルトのセマンティクスでは、同じビュー条件行内の例による問合せの条件は論理的にANDで結合され、一方、異なるビュー条件行から取得した条件は論理的にORで結合されています。

実際には、複数のビュー条件行を使用することは通常ありませんが、理解しておくと機能の説明に役立ちます。ただし、検索モードに入ると、元のコレクションに行を作成できません。検索モード以外の場合のみ、ビュー条件に含まれない行を作成することが可能です。


ADFイテレータ・バインディングで、選択したバックエンド・データ・コントロールの種類に関係なく検索モード機能が提供されますが、現状ではADFビジネス・コンポーネント・データ・コントロールにかぎり、実行時にビュー基準行のビュー基準コレクションが自動的に使用されます。このイテレータ・バインディングのビュー基準機能は、ADFビジネス・コンポーネント・データ・コントロールからその基礎であるADFビュー・オブジェクトに委譲されます。このADFビュー・オブジェクトは、ビュー基準行に基づいて適切なSQL WHERE句の述語を自動的に作成することで、例による問合せ基準を実装します。

現在、他のデータ・コントロール・タイプでは、ビュー基準コレクションから例による問合せ基準を読み込み、これらの基準を適切なランタイム検索実装に変換する、カスタム・コーディングを含むサブクラス化されたデータ・コントロール実装が必要です。

ADFビジネス・コンポーネントでのビュー基準の使用方法の詳細は、JavaDocでoracle.jbo.ViewCriteriaクラスを参照してください。

7.12 JURadioButtonGroupPanelコントロールの使用方法

ラジオ・ボタン・グループは、ADF Swing JURadioButtonGroupPanelコントロールであり、ADFナビゲート・バインディングを介してビジネス・サービス・データ・コレクションの属性グループにバインドできます。ユーザーが、ラジオ・ボタンの選択を変更すると、属性を介して同じデータ・コレクションにバインドされている親パネル内のコントロールはすべて、選択されたデータ・オブジェクトから表示されます。

ラジオ・ボタン・グループをナビゲート・データ・コレクションにバインドする手順は次のとおりです。

  1. ユーザー・インタフェース・プロジェクトで、目的のデータ・パネルまたはフォームに対してJavaビジュアル・エディタを開きます。

  2. 「データ・コントロール」パネルで、ラジオ・ボタン・グループ・コントロールにバインドするデータ・コレクションを、開いているフォームまたはパネルにドラッグします。

  3. 子の追加ポップアップ・リストから、「Radio Button Group」を選択します。

    JDeveloperによって、クラス・ファイルに、JURadioButtonGroupPanelをコレクションにバインドする次のようなコードが追加されます。

    jURadioButtonGroupPanel1.setModel((JUButtonGroupBinding)
    panelBinding.bindUIControl("MyDataCollection", jURadioButtonGroupPanel1));

  4. リスト・バインディング・エディタで、ラジオ・ボタン・パネルで使用する表示属性を選択します。

ラジオ・ボタン・グループのデータ・バインディングを変更する手順は次のとおりです。

  1. Javaビジュアル・エディタでJURadioButtonGroupPanelコントロールが含まれるフォームまたはパネルを開きます。

  2. 変更するJURadioButtonGroupPanelコントロールを右クリックし、メニューから「バインディングの編集」を選択します。

    「リスト・バインディングの編集」ダイアログが表示されます。

ラジオ・ボタン・パネルのレイアウトをカスタマイズする手順は次のとおりです。

ラジオ・ボタンのデフォルト・レイアウトは、行ごとですが、パネルのrowCountおよびcolumnCountプロパティを介してそのレイアウトを変更できます。

たとえば、列のラジオ・ボタン選択を表示する手順は次のとおりです。

7.13 JUShuttlePanelコントロールの使用方法

シャトル・コントロールは、ADF Swing JUShuttlePanelコントロールであり、ADF Swingリスト・バインディングを介してビジネス・サービス・コレクションの属性にバインドできます。JUShuttlePanelコントロールによって、ユーザーは、表示されるシャトル・リストに対して複数選択を実行できます。

フォームまたはパネルにデータバインドされたシャトル・パネルを挿入する手順は次のとおりです。

  1. ユーザー・インタフェース・プロジェクトで、Javaビジュアル・エディタでフォームまたはデータ・パネルを開きます。

  2. 「データ・コントロール」パネルで、JUShuttlePanelコントロールにバインドするコレクションを、開いているフォームまたはパネルにドラッグします。

  3. 子の追加ポップアップ・リストから、「Shuttle」を選択します。

    JDeveloperによって、クラス・ファイルに、フォームと関連付けられているページ定義ファイルのDCShuttleバインディング定義を参照する次のようなコードが追加されます。

    myjUShuttlePanel1.setModel((JUShuttleModel)
    (panelBinding.findNestedPanelBinding("DCShuttle")));

フォームまたはパネルのシャトル・パネルのデータ・バインディングを変更する手順は次のとおりです。

  1. Javaビジュアル・エディタでJUShuttlePanelコントロールが含まれるフォームまたはパネルを開きます。

  2. 変更するJUShuttlePanelコントロールを右クリックし、メニューから「バインディングの編集」を選択します。

    「シャトル・バインディングの編集」ダイアログが表示されます。

7.14 JUStatusBarコントロールの使用方法

ステータス・バーは、ADF Swing JUStatusBarコントロールであり、パネル・バインディングに依存して、そのパネル・バインディングを共有し、表示されているフォームまたはパネルに現在のフォーカスがあるUIコントロールのステータス情報を表示します。

フォームまたはパネルにステータス・バーを挿入する手順は次のとおりです。

  1. ユーザー・インタフェース・プロジェクトで、Javaビジュアル・エディタでフォームまたはデータ・パネルを開きます。

  2. 「データ・コントロール」パネルで、JUStatusBarコントロールにバインドするコレクションを、開いているフォームまたはパネルにドラッグします。

  3. 子の追加ポップアップ・リストから、「Status Bar」を選択します。

    JDeveloperによって、クラス・ファイルに、ステータス・バーのパネル・バインディングを定義する次のようなコードが追加されます。

    myjUStatusBar1.setModel(JUStatusBar.createPanelBinding(panelBinding, jUStatusBar1));