この章では、Oracle Coherence for Java(略してCoherence)のインストールおよび実行手順について説明します。Coherence*Extendクライアント・ディストリビューション(C++および.NET)またはCoherence*Webのインストール手順については説明していません。これらのコンポーネントのインストール手順の詳細は、それぞれ『Oracle Coherenceリモート・クライアントの開発』および『Oracle Coherence*WebでのHTTPセッション・マネージメントの管理』を参照してください。
この章には次の項が含まれます:
Coherenceインストーラを実行するための最小要件は次のとおりです。
300MHz CPU
512 MBスワップ領域
256カラー・モニター(GUIベースのインストールにのみ必要)
JDK 1.6.0_4以上
開発環境でCoherenceを実行するために推奨される最小限のシステム要件を次に示します。
100 MBのディスク領域(APIのドキュメントおよびサンプルを含む完全なインストールの場合)
1GBのRAM (Javaの最大ヒープ・サイズを512MBとした場合) - この容量のRAMでは、すべてのデータのバックアップを格納するように構成された単一ノード上での理想的な150MBの最大キャッシュ・サイズ(150MB x 2)がサポートされ、1/3以上のヒープをスクラッチおよびJVMタスクに使用できます。キャッシュ・サイズの計算の詳細は、『Oracle Coherenceの管理』を参照してください。
キャッシュ・サーバーおよびクライアント – JVM 1.7以降。Coherence*Extendクライアント – JVM 1.6以降
必要なJavaのバージョンをサポートするWindowsベースまたはUNIXベースのシステム
ネットワーク・アダプタ
Coherenceは、Oracle Universal Installerを使用してインストールします。このインストーラは、Oracle製品のインストールとパッチ・サービスの両方を提供します。Coherenceに使用可能なインストーラは次のとおりで、この項で詳細を説明します。
coherence_version.jar - 完全なCoherenceのインストールで、グラフィカル・モードとサイレント・モードのどちらでも実行できます。「Coherenceインストーラの実行」を参照してください。
coherence_quick_version.jar - 最小限のCoherenceのインストールで、常にサイレント・モードで実行されます。クイック・インストーラではフットプリントが少なくなりますが、APIのドキュメントおよびサンプルは含まれません。「Coherenceクイック・インストーラの実行」を参照してください。
coherence_quick_supp_version.jar - サプリメンタル・インストールで、常にサイレント・モードで実行されます。サプリメンタル・インストーラには、APIのドキュメントおよびサンプルのみが含まれます。「Coherenceサプリメンタル・インストーラの実行」を参照してください。
wls_version.jar - 完全なWebLogic Serverのインストールで、Coherenceも含まれます。「WebLogic ServerとCoherenceのインストール」を参照してください。
Coherenceは、常にORACLE_HOME/coherenceディレクトリにインストールされます。Coherenceのドキュメントでは、coherenceディレクトリへの完全なパスをCOHERENCE_HOMEと呼びます。
Coherenceインストーラは、coherence_version.jarという実行可能なJava ARchive (JAR)ファイルとして配布されます。ターゲット・コンピュータでインストーラを実行するには、javaコマンドを使用します。このインストーラでは、グラフィカル・モードとサイレント・モードのどちらもサポートされています。インストーラのオプションに関する詳細なヘルプについては、インストーラの実行中に-help引数を使用してください。
この項には次のトピックが含まれます:
グラフィカル・モードでのCoherenceのインストールの実行手順は、次のとおりです。
coherence_version.jarファイルをターゲット・コンピュータにコピーします。
コマンド・プロンプトから、ディレクトリをcoherence_version.jarファイルの場所に変更し、次のコマンドを実行します(JAVA_HOME/binがコンピュータのPATHにあると想定します)。
java -jar coherence_version.jar
Oracle Coherenceのインストーラが起動し、「ようこそ」画面が表示されます。UNIXベースのプラットフォームの場合は、(「ようこそ」画面より前に)最初に、Oracle製品のインベントリ・データが書き込まれるインベントリ・ディレクトリを選択するように指示されます。インベントリ・ディレクトリを作成するには、画面上の指示に従います。
「次へ」をクリックします。「インストールの場所」画面が表示されます。ドロップダウン・リストを使用して、Coherenceのインストール先の既存のORACLE_HOMEディレクトリを選択するか、絶対パスを入力して新しいCoherence ORACLE_HOMEディレクトリを作成します。必要に応じて「参照」をクリックしてディレクトリを検索します。
「次へ」をクリックします。「インストール・タイプ」画面が表示されます。インストールするオプションを選択します。
「次へ」をクリックします。「インストール・サマリー」画面が表示されます。インストールを確認します。今回のインストールを別のコンピュータに複製する予定がある場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックします。まったく同じインストール設定でサイレント・インストールを実行する際に使用可能なレスポンス・ファイルが作成されます。サイレント・インストールの実行の詳細は、「サイレント・モードでのCoherenceのインストールの実行」を参照してください。
「インストール」をクリックします。「インストールの進行状況」画面が表示され、成功および失敗したタスクがすべて表示されます。
「次へ」をクリックします。「インストール 完了」画面が表示され、インストールのサマリーが表示されます。
「終了」をクリックし、Oracle Coherenceインストーラを閉じます。
サイレント・モードでは、グラフィカル・インタフェースを使用せずにCoherenceをインストールでき、リモート・インストールの場合またはスクリプトの一部としてインストールを組み込む場合に便利です。サイレント・モードでは、一般的に、name=valueのペアとしてインストール・パラメータを含むレスポンス・ファイル(.rsp)を使用します。グラフィカル・モードでインストーラを実行し、「インストール・サマリー」画面でインストール・パラメータをレスポンス・ファイルに保存することでレスポンス・ファイルを作成します。保存したファイルを使用して他のコンピュータでインストールをレプリケートするか、必要に応じてファイルを編集してインストールを変更します。
サイレント・モードでのCoherenceのインストールの実行手順は、次のとおりです。
coherence_version.jarファイルおよびレスポンス・ファイルをターゲット・コンピュータにコピーします。
コマンド・プロンプトから、ディレクトリをcoherence_version.jarファイルの場所に変更し、次のコマンドを実行します(JAVA_HOME/binがコンピュータのPATHにあると想定します)。
java -jar coherence_version.jar -silent -responseFile full_path_to_response_file -waitForCompletion
UNIXベースのプラットフォームの場合は、oraInst.locインベントリ・ディレクトリ・ポインタ・ファイルがデフォルトの場所(/etc)に見つからないと、そのファイルの場所を要求されます。このコンピュータにOracle製品をインストールしたのが初めてである場合は、createCentralInventory.shスクリプトを使用して、/etcディレクトリのインベントリ・ディレクトリ・ポインタ・ファイルを設定できます。このスクリプトには、ルート権限が必要です。
oraInst.locファイルにカスタムの場所を使用する場合は、-invPtrLocインストーラ・オプションを使用して場所を指定します。例:
java -jar coherence_version.jar -silent -responseFile full_path_to_response_file -waitForCompletion -invPtrLoc /MyDirectory/oraInst.loc
oraInst.locファイルの内容には、インベントリ・ディレクトリの場所および所有者グループが含まれます。例:
inventory_loc=/MyDirectory/oraInventory
inst_group=group
クイック・インストールは、coherence_quick_version.jarという実行可能なJARファイルとして配布されます。ターゲット・コンピュータでインストーラを実行するには、javaコマンドを使用します。インストーラのオプションに関する詳細なヘルプについては、インストーラの実行中に-help引数を使用してください。
クイック・インストールは、オプションのないサイレント・インストールを実行します。この配布に含まれるライフサイクル・ツールは多くありませんが、Oracleインベントリの一部としてCoherenceコンポーネントを登録します(将来、ライフサイクル操作を使用できます)。また、このインストールには、APIのドキュメントおよびコード・サンプルは含まれません。結果として、通常のCoherenceインストーラよりもインストール・プロセスが高速になり、インストール・フットプリントが小さくなります。ユーザーの操作を必要とせずにスクリプトの一部としてCoherenceをインストールする理想的な方法です。
Coherenceのクイック・インストールの実行手順は、次のとおりです。
coherence_quick_version.jarファイルをターゲット・コンピュータのディレクトリにコピーします。
コマンド・プロンプトから、ディレクトリをcoherence_quick_version.jarファイルの場所に変更し、次のコマンドを実行します(JAVA_HOME/binがコンピュータのPATHにあると想定します)。
java -jar coherence_quick_version.jar ORACLE_HOME=/oracle
ORACLE_HOME変数の値は、CoherenceがインストールされるORACLE_HOMEディレクトリを指定します。この値は絶対パスである必要があります。ディレクトリが存在しない場合は、インストーラによって作成されます。ディレクトリがすでに存在する場合は、空であるか、または既存の有効なORACLE_HOMEである必要があります。また、空である現在の作業ディレクトリからインストールを開始し、ORACLE_HOME変数を省略することも可能で、この場合は現在の作業ディレクトリがORACLE_HOMEディレクトリになります。例:
cd /oracle
java -jar /tmp/coherence_quick_version.jar
UNIXベースのプラットフォームの場合、クイック・インストーラは/etcディレクトリ内のoraInst.locインベントリ・ディレクトリ・ポインタ・ファイルを見つけようとします。ファイルが見つからない場合は、/tmpディレクトリがインベントリ・ディレクトリとして使用されます。このコンピュータにOracle製品をインストールしたのが初めてである場合は、createCentralInventory.shスクリプトを使用して、/etcディレクトリのインベントリ・ディレクトリ・ポインタ・ファイルを設定できます。このスクリプトには、ルート権限が必要です。
oraInst.locファイルにカスタムの場所を使用する場合は、-invPtrLocインストーラ・オプションを使用して場所を指定します。例:
java -jar coherence_quick_version.jar -invPtrLoc /MyDirectory/oraInst.loc
oraInst.locファイルの内容には、インベントリ・ディレクトリの場所および所有者グループが含まれます。例:
inventory_loc=/MyDirectory/oraInventory
inst_group=group
サプリメンタル・インストールは、coherence_quick_supp_version.jarという実行可能なJARファイルとして配布されます。この配布は、既存のCoherenceインストールにAPIのドキュメントおよびコード・サンプルをインストールするために使用します。サプリメンタル・インストーラは、オプションなしのサイレント・インストールを実行します。通常は、ユーザーの操作なしでスクリプトの一部としてインストールを実行するクイック・インストーラとあわせて使用します。APIのドキュメントおよびコード・サンプルが不要な場合は、サプリメンタル・インストールをスキップできます。
coherence_quick_supp_version.jarファイルをCoherenceのインストール先のORACLE_HOMEディレクトリにコピーします。
コマンド・プロンプトから、ディレクトリをcoherence_quick_supp_version.jarファイルの場所に変更し、次のコマンドを実行します(JAVA_HOME/binがコンピュータのPATHにあると想定します)。
java -jar coherence_quick_supp_version.jar
インストールが開始され、ステータス・メッセージが出力されます。
WebLogic ServerインストーラにはCoherenceの配布が含まれており、WebLogic Serverと同じORACLE_HOMEディレクトリにCoherenceがインストールされます。WebLogic Serverには、WebLogic Serverドメイン内でのCoherenceの管理方法およびデプロイ方法を標準化するCoherence統合が用意されています。この統合により、CoherenceをWebLogic Serverのサブシステムにして、Coherence環境の管理にWebLogic Serverのツールおよびインフラストラクチャ(Java EEスタイルのパッケージ化およびデプロイ、リモート・サーバー管理、サーバー・クラスタ、WebLogic Scripting Tool (WLST)の自動化、管理コンソールによる構成など)を使用できます。WebLogic ServerとCoherenceのインストールの詳細は、『Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceのインストールと構成』を参照してください。
COHERENCE_HOMEには、次のディレクトリが含まれます。
bin - このディレクトリには、キャッシュ・サーバーの起動、開発ツールの起動、ネットワーク・タスクの実行など、様々なタスクを実行するための共通のスクリプト・セットが含まれています。スクリプトは、Windowsベース(.cmd)とUNIXベース(.sh)の両方の形式が用意されています。
doc - このディレクトリには、Coherence Java APIリファレンスおよびOracle Technology Network (OTN)上のCoherenceのドキュメントへのリンクが含まれています。Coherence Java APIリファレンスは、JARファイルとして配布されており、抽出する必要があります。このJARは、開発中にアクセスを容易にするためにIDEにインポートすることもできます。
Coherence Java APIリファレンスを抽出するには、次のコマンドを/apiディレクトリから実行します(JAVA_HOME/binがコンピュータのPATHにあると想定します)。
jar -xvf CoherenceJavaDoc-version.jar
example - このディレクトリには、多くのCoherence機能を示す一連の例とCoherence APIの使用方法が含まれています。例の構築および実行の詳細は、次を参照してください。
lib - このディレクトリには、提供されているすべてのライブラリが含まれています。coherence.jarライブラリは主要な開発およびランタイム・ライブラリです。このライブラリについては、このドキュメント全体を通じて詳細に説明しています。
plugins - このディレクトリには、CoherenceをMavenビルド・プロセスの一部として統合するために使用されるMavenプラグインが含まれます。CoherenceのMavenプラグインの詳細は、「Mavenとの統合」を参照してください。
次のシステム環境変数を設定することもできますが、Coherenceを実行するために必ず設定しなければならないわけではありません。
JAVA_HOME - この変数はCOHERENCE_HOME/binディレクトリに含まれるスクリプトを実行するときに使用されます。この変数の値はJavaインストール・ディレクトリへのフル・パスです。JAVA_HOMEが設定されていない場合は、コンピュータのデフォルトのJavaインストール・ディレクトリが使用されます。この変数を設定すると、スクリプトで特定のJavaバージョンが使用されるようにすることができます。
COHERENCE_HOME - この変数は、通常は便宜上設定されるものです。この変数の値はORACLE_HOME/coherenceディレクトリへのフル・パスです。
COHERENCE_HOME/binディレクトリには、開発およびテストの際に使用される、設計用に提供されたスクリプトが含まれています。cache-serverスクリプトはデフォルト構成を使用してキャッシュ・サーバーを起動します。coherenceスクリプトは、デフォルト構成を使用してキャッシュ・ファクトリ・インスタンスを起動します。キャッシュ・ファクトリ・インスタンスには、特にキャッシュの作成と操作に使用されるコマンドライン・ツールが含まれています。
この例では、基本的なクラスタを作成した後、クラスタにホストされるキャッシュをコマンドライン・ツールを使用して作成および操作します。
この手順では、キャッシュ・サーバーと2つのキャッシュ・ファクトリ・インスタンスという3つの独立したJavaプロセスで構成される基本的なクラスタを作成します。簡素化を図るため、この2つのプロセスは単一のマシン上に置かれます。この3つのプロセスは1つのコンピュータ上に共存します。キャッシュ・サーバーは、デフォルトで、バックアップ・データを格納するように構成されます。2つのキャッシュ・ファクトリ・インスタンスは、デフォルトで、バックアップ・データを格納しないように構成されます。各プロセスが起動されるたびに、それら3つのプロセスが自動的に結合され、クラスタ・メンバー(クラスタ・ノードとも呼ばれる)となります。
この例では、これらのクラスタ・メンバーがネットワーク上で実行されている可能性のある既存のCoherenceクラスタに参加しないようにするために、Coherenceの出荷状態のデフォルト構成を多少修正してプライベートなクラスタを作成します。
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注意: Coherenceは、デフォルトではマルチキャストを使用してクラスタ・メンバーを検出します。ネットワークでマルチキャストを使用できない場合は、ユニキャストを使用するようにCoherenceを構成できます。詳細は、「Well Knownアドレスの使用」を参照してください。 |
基本的なクラスタを作成するには:
テキスト・エディタを使用してCOHERENCE_HOME/bin/cache-serverスクリプトを開きます。
java_opts変数を修正します。次のように、システム・プロパティtangosol.coherence.clusterおよびtangosol.coherence.clusterportを含めてください。
set java_opts="-Xms%memory% -Xmx%memory% -Dtangosol.coherence.cluster=cluster_name -Dtangosol.coherence.clusterport=port"
cluster_nameおよびportを、クラスタ内で一意の値に置き換えます。たとえば、クラスタ名に自分の名前を使用し、ポート番号に電話番号の最後の4桁を使用します。
cache-serverスクリプトを保存して閉じます。
COHERENCE_HOME/bin/coherenceスクリプトに対してステップ1から3を繰り返します。
cache-serverスクリプトを実行します。キャッシュ・サーバーが起動し、このクラスタ・メンバーに関する情報が出力されます。
coherenceスクリプトの2つのインスタンスを実行します。インスタンスが起動するたびに、それぞれのクラスタ・メンバーに関する情報が出力されます。インスタンスはそれぞれ、コマンドライン・ツールのコマンド・プロンプトを返します。
この手順では、キャッシュが作成され、基本クラスタ上でホストされます。最初のキャッシュ・ファクトリ・インスタンスのコマンドライン・ツールを使用して、単純な文字列がキャッシュに入力されます。次に、2番目のキャッシュ・ファクトリ・インスタンスのコマンドライン・ツールを使用して、キャッシュから文字列が読み出されます。サンプルは非常に単純であり、あまり実用的ではありませんが、Coherenceキャッシュの出荷時の特性を端的に示しています。さらに、これらの手順は、通常はCoherence APIを使用して直接実行されます。
キャッシュを作成するには:
いずれかのキャッシュ・ファクトリ・インスタンスのコマンド・プロンプトで、cacheコマンドを使用してTestという名前のキャッシュを作成します。
cache Test
コマンド・プロンプトでputコマンドを使用してキーと値の組合せを入力することにより(空白で区切る)、単純な文字列を新しいキャッシュに配置します。
put key1 Hello
コマンドによってnullが返され、表示されます。putコマンドは、所定のキーに対して常に前の値を返します。null値が返されたのは、これがそのキーに最初に入力された値だったためです。
もう1つのキャッシュ・ファクトリ・インスタンスに切り替えて、コマンド・プロンプトでcacheコマンドを使用してTestという名前のキャッシュを作成します。
cache Test
このコマンド・プロンプトで、getコマンドを使用してキャッシュ内の文字列を読み出して、次のキー名を入力します。
get key1
コマンドによってhelloが返され、表示されます。キャッシュ・ファクトリ・プロセスが両方とも同一クラスタに属しており、Testキャッシュがすべてのクラスタ・メンバーに認識されているため、どちらのプロセスを使用してもキャッシュ・エントリの追加または削除が可能です。また、キャッシュ・サーバーにキャッシュ・データのバックアップが格納されているため、いずれの(または両方の)キャッシュ・ファクトリ・プロセスがシャットダウンされてもキャッシュ・データは保持されます。
Mavenは、プロジェクトの依存性、サード・パーティの依存性およびビルドのライフサイクル定義の構成を可能にするビルドおよび依存性システムです。ソフトウェアのプロジェクトでは、ビルド・プロセスを容易化および標準化するためにMavenがよく使用されます。Mavenの詳細は、http://maven.apache.org/を参照してください。
Oracle Middlewareには、Oracleホーム・ディレクトリをMavenリポジトリと同期化し、Mavenの使用とネーミング規則を標準化するプラグインが用意されています。このプラグインを使用すると、CoherenceアーティファクトをMavenリポジトリにアップロードできるようになり、それによってアーティファクトが開発プロジェクトでどのように消費されているかが容易化されます。Mavenの設定および同期化プラグインの使用の詳細は、『Continuous Integrationを使用したアプリケーションの開発』を参照してください。
また、Mavenの統合には、Coherenceグリッド・アーカイブ(GAR)用のアーキタイプおよびパッケージ化プラグインが含まれます。Coherence GARは、CoherenceアプリケーションをWLSドメイン内にデプロイする際に通常使用されるモジュール・タイプです。Mavenアーキタイプ・プラグインはGAR構造を生成し、サンプルの構成ファイルを提供します。パッケージ化プラグインは、プロジェクトの内容および依存性に基づいてGARを生成し、依存性、ソースおよび構成ファイルが正しくGARにコピーされるようにします。
Coherence用のMavenプラグインおよび構成ファイルは、COHERENCE_HOME/pluginsディレクトリにあります。Maven GARプラグインおよびアーキタイプは、同期化プラグインの一部としてエンタープライズ・リポジトリにインストールされます。プラグインを使用してCoherenceをビルド・プロセスに組み込む手順については、『Continuous Integrationを使用したアプリケーションの開発』を参照してください。
Coherenceをアンインストールするには、Oracle Fusion Middleware Deinstallerを使用します。アンインストーラでは、アンインストールするCoherenceのORACLE_HOMEディレクトリのコンポーネントを選択することができ、CoherenceのORACLE_HOMEディレクトリを完全に削除する場合にも使用できます。
アンインストール・ウィザードを使用してCoherenceをアンインストールするには:
UNIXベースのプラットフォームの場合はCoherenceのORACLE_HOME/oui/bin/deinstall.shスクリプトを使用して、Windowsの場合はCoherenceのORACLE_HOME\oui\bin\deinstall.cmdスクリプトを使用して、アンインストーラを起動します。Windowsの場合は、スクリプトへのショートカットが使用可能で、これはスタート・メニューのOracleプログラム・グループの中にあります。Oracle Fusion Middleware Deinstallerが起動し、「ようこそ」画面が表示されます。
「次へ」をクリックします。「アンインストール・サマリー」画面が表示され、アンインストールされる機能の一覧が表示されます。
「アンインストール」をクリックします。「アンインストールの進行状況」画面が表示され、成功および失敗したタスクがすべて表示されます。
「次へ」をクリックします。「アンインストール完了」画面が表示され、アンインストールのサマリーが表示されます。
「終了」をクリックし、Oracle Fusion Middleware Deinstallerを閉じます。
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