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Oracle® Fusion Middleware Oracle Universal Installerによるインストール
12c (12.1.2)
E47980-01
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1 Oracle Universal Installerの使用方法

この章では、Oracle Fusion Middleware 12c (12.1.2)のOracle Universal Installerについて説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

1.1 システム要件の確認

使用するシステムのOracle Universal Installerの実行の確認および準備については、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様についてのドキュメントで、Oracle Universal Installerの要件の確認に関する説明を参照してください。

1.2 Oracle中央インベントリの理解

Oracle Universal Installerは実行されるたびに、システムでの中央インベントリの場所を確認します。製品がOracle Universal Installerを使用してインストールされた場合、Oracle中央インベントリには、使用するシステム上のすべてのOracleホームにインストールされているすべてのOracleソフトウェア製品に関する情報が格納されます。

インベントリ情報は、Extensible Markup Language (XML)形式で格納されます。XML形式によって、問題の診断が容易になり、データを短時間でロードできます。保護情報は直接インベントリには格納されません。このため、一部の製品の削除中に、検証に必要な資格証明の入力を求められることがあります。

中央インベントリは、そのシステム上のインストールで使用されるシステム固有のインベントリであるため、他のシステムと共有されないローカル・ファイルシステムに配置することをお薦めします。他のシステムのインストールによってインベントリが破損することがないよう、中央インベントリをローカル・ディスクに配置することを強くお薦めします。中央インベントリをOracleベースに配置しないでください。

ソース環境のすべてのOracleホームは、同じOracleインベントリに登録されている必要があります。複数のコンポーネントが1つのOracleホームにインストールされているものの、使用するOracleインベントリの場所が様々である場合は、スクリプトで一部のOracleホームを検出できません。

1.2.1 UNIXオペレーティング・システム上のOracleインベントリの検出

UNIXオペレーティング・システム上のOracleインベントリを検出するには、次のディレクトリ(デフォルトの場所)のoraInst.locファイルを検索します。

  • Linuxの場合: /etc/oraInst.loc

  • HP-UXおよびSolarisの場合: /var/opt/oracle/oraInst.loc

1.2.2 Windowsオペレーティング・システム上のOracleインベントリの検出

Windowsオペレーティング・システムの場合、インベントリ・ディレクトリのデフォルトの場所は、C:\Program Files\Oracle\Inventoryです。64ビットWindowsマシンで32ビットのインストーラを使用する場合、インベントリ・ディレクトリの場所はC:\Program Files (x86)\Oracle\Inventoryです。

1.3 Oracleホームの内容の表示

Oracle Fusion Middleware製品のインストール後に、viewInventory.sh (UNIXオペレーティング・システム)またはviewInventory.cmd (Windowsオペレーティング・システム)スクリプトを使用して、Oracleホーム・ディレクトリの内容を表示することができます。次の情報が出力されます。


注意:

ディストリビューションおよび機能セットの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の製品ディストリビューションに関する説明を参照してください。


スクリプト出力は、コンソール・ウィンドウ、XMLファイルまたはCSVファイル(スプレッドシートにインポート可能)に送ることができます。

このスクリプトは、ORACLE_HOME/oui/binディレクトリにあります。

UNIXオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。

./viewInventory.sh
   [-jreLoc jre_location]
   [-oracle_home oracle_home_location]
   [-output_format [report|xml|csv]]
   [-output_file output_file_location_and_name]

Windowsオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。

viewInventory.cmd
   [-jreLoc jre_location]
   [-oracle_home oracle_home_location]
   [-output_format [report|xml|csv]]
   [-output_file output_file_location_and_name]

このコマンドのパラメータはすべて省略可能です(表1-1を参照)。

表1-1 viewInventoryスクリプトのパラメータ

パラメータ 説明

-jreLoc

スクリプトを実行する前に、システムのJAVA_HOME環境変数を、動作保証されたJDKを指し示すように設定する必要があります(/binの上位ディレクトリまでのパス)。次に例を示します。

setenv JAVA_HOME /home/Java/jdk7_version

JAVA_HOMEを設定しない場合、コマンドラインから-jreLocパラメータを使用して場所を指定する必要があります。次に例を示します。

viewInventory.cmd -jreLoc /home/Java/jdk7_version

-oracle_home

インベントリ情報を表示するOracleホーム。Oracleホームを指定しない場合、デフォルトはスクリプトが実行されるOracleホームです。

-output_format

出力の記録形式。有効な値は次のとおりです。

  • report

    出力をコンソール・ウィンドウに送ります。第D.1.1項を参照してください。

  • xml

    出力をXMLファイルに送ります。第D.1.2項を参照してください。

  • csv

    出力をCSVファイルに送ります。第D.1.3項を参照してください。

出力形式を指定しない場合、デフォルトは-output_fileの指定内容に基づいて検出されます。

-output_file

出力ファイルの名前と形式。このパラメータは、出力をXMLまたはCSV形式に保存する場合にのみ必要です(出力ファイルを指定しない場合、スクリプトはデフォルトでコンソール・ウィンドウに出力します)。


1.4 2つのOracleホームの内容の比較

Oracle Fusion Middleware製品のインストール後に、compareInventory.sh (UNIXオペレーティング・システム)またはcompareInventory.cmd (Windowsオペレーティング・システム)スクリプトを使用して、2つのOracleホームの場所の内容を比較することができます。相違点が見つかると、次の情報が出力されます。


注意:

ディストリビューションおよび機能セットの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の製品ディストリビューションに関する説明を参照してください。


スクリプト出力は、コンソール・ウィンドウ、XMLファイルまたはCSVファイル(スプレッドシートにインポート可能)に送ることができます。

このスクリプトは、ORACLE_HOME/oui/binディレクトリにあります。

UNIXオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。

./compareInventory.sh
   -oracle_home1 oracle_home1_location
   -oracle_home2 oracle_home2_location
   [-jreLoc jre_location]
   [-input_type1 [dir|xml]]
   [-input_type2 [dir|xml]]
   [-output_file output_file_location_and_name]

Windowsオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。

compareInventory.cmd
   -oracle_home1 oracle_home1_location
   -oracle_home2 oracle_home2_location
   [-jreLoc jre_location]
   [-input_type1 [dir|xml]]
   [-input_type2 [dir|xml]]
   [-output_file output_file_location_and_name]

-oracle_home1および-oracle_home2パラメータのみ必須です。このコマンドのパラメータはすべて省略可能です(表1-2を参照)。

表1-2 compareInventoryスクリプトのパラメータ

パラメータ 説明

-oracle_home1

比較する2つのOracleホームの場所のいずれかへのフルパス。

-oracle_home2

比較する2つ目のOracleホームの場所へのフルパス。

-jreLoc

スクリプトを実行する前に、システムのJAVA_HOME環境変数を、動作保証されたJDKを指し示すように設定する必要があります(/binの上位ディレクトリまでのパス)。次に例を示します。

setenv JAVA_HOME /home/Java/jdk7_version

JAVA_HOMEを設定しない場合、コマンドラインから-jreLocパラメータを使用して場所を指定する必要があります。次に例を示します。

compareInventory.cmd -jreLoc /home/Java/jdk7_version

-input_type1

-oracle_home1からのデータがXMLファイルとして提供されるか、ディレクトリの場所として提供されるかを指定します。有効な値は次のとおりです。

  • dir (ディレクトリの場所の場合)

  • xml (XMLファイルの場合)

値を指定しない場合、スクリプトは自動的にソースの形式を検出します。

-input_type2

-oracle_home2からのデータがXMLファイルとして提供されるか、ディレクトリの場所として提供されるかを指定します。有効な値は次のとおりです。

  • dir (ディレクトリの場所の場合)

  • xml (XMLファイルの場合)

値を指定しない場合、スクリプトは自動的にソースの形式を検出します。

-output_file

出力ファイルの名前と形式。このパラメータは、出力をXMLまたはCSV形式に保存する場合にのみ必要です(出力ファイルを指定しない場合、スクリプトはデフォルトでコンソール・ウィンドウに出力します)。

  • 端末ウィンドウへの出力例については、第D.2.1項を参照してください。

  • CSVファイルへの出力例については、第D.2.2項を参照してください。

  • XMLファイルへの出力例については、第D.2.3項を参照してください。


1.5 可能なインストール・モードの理解

Oracle Universal Installerは、次のモードで実行できます。

1.6 Oracle Universal Installerの起動

Oracle Universal Installerは、製品ディストリビューションのパッケージ方法に応じて、様々な方法で起動できます。

1.6.1 汎用(.jar)ディストリビューションでのOracle Universal Installerの起動

.jarディストリビューションでパッケージ化されているOracle Universal Installerを起動するには、動作保証されたJDKがすでにシステムにインストールされていることを確認してください。Oracle Fusion Middlewareでサポートされるシステム構成に関するページで、12c (12.1.2)の適切な動作保証のドキュメントを参照してください。

環境変数を設定せずにインストーラを起動するには、次の手順を実行します。

  1. 製品ディストリビューションをダウンロードしたディレクトリに移動します。

  2. JDKディレクトリからjava -jarコマンドを呼び出します。次に例を示します。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    /home/Oracle/jdk7_15/jdk1.7.0_15/bin/java -jar distribution_name.jar
    

    Windowsオペレーティング・システムの場合:

    C:\Program Files\Java\jdk7_15\bin\java -jar distribution_name.jar
    

JAVA_HOMEおよびPATH環境変数を設定してインストーラを実行することもできます。

  1. システムのJAVA_HOME環境変数に、JDKディレクトリを設定します。次に例を示します。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    JAVA_HOME=/home/Oracle/jdk7_15/jdk1.7.0_15; export $JAVA_HOME
    

    Windowsオペレーティング・システムの場合:

    set JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.7.0_15
    
  2. 適切なJDKのディレクトリを、ターゲット・システムのPATH変数の定義に追加します。次に例を示します。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH; export PATH
    

    Windowsオペレーティング・システムの場合:

    set PATH=%JAVA_HOME%\bin:%PATH%
    
  3. インストール・プログラムをダウンロードしたディレクトリに移動します。

  4. 次のコマンドを入力して、インストール・プログラムを起動します。

    java -jar distribution_name.jar
    

1.6.2 プラットフォーム固有のディストリビューションでのOracle Universal Installerの起動

Oracle HTTP Serverなど、一部の製品では製品固有のディストリビューションを入手できます。そのディストリビューションは、UNIXオペレーティング・システムでは.binファイルとして、Windowsオペレーティング・システムでは.exeファイルとして入手できます。

.binディストリビューションでOracle Universal Installerを起動するには、次の手順を実行します。

  1. .binファイルの権限を変更します。

    chmod a+x distribution_name.bin
    
  2. .binファイルを実行します。

    ./distribution_name.bin
    

.exeディストリビューションでOracle Universal Installerを起動するには、Windowsフォルダを使用してディストリビューションを含むディレクトリにナビゲートし、distribution_name.exeファイルをダブルクリックします。