この章では、Oracle Fusion Middleware 12c (12.1.2)のOracle Universal Installerについて説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
使用するシステムのOracle Universal Installerの実行の確認および準備については、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様についてのドキュメントで、Oracle Universal Installerの要件の確認に関する説明を参照してください。
Oracle Universal Installerは実行されるたびに、システムでの中央インベントリの場所を確認します。製品がOracle Universal Installerを使用してインストールされた場合、Oracle中央インベントリには、使用するシステム上のすべてのOracleホームにインストールされているすべてのOracleソフトウェア製品に関する情報が格納されます。
インベントリ情報は、Extensible Markup Language (XML)形式で格納されます。XML形式によって、問題の診断が容易になり、データを短時間でロードできます。保護情報は直接インベントリには格納されません。このため、一部の製品の削除中に、検証に必要な資格証明の入力を求められることがあります。
中央インベントリは、そのシステム上のインストールで使用されるシステム固有のインベントリであるため、他のシステムと共有されないローカル・ファイルシステムに配置することをお薦めします。他のシステムのインストールによってインベントリが破損することがないよう、中央インベントリをローカル・ディスクに配置することを強くお薦めします。中央インベントリをOracleベースに配置しないでください。
ソース環境のすべてのOracleホームは、同じOracleインベントリに登録されている必要があります。複数のコンポーネントが1つのOracleホームにインストールされているものの、使用するOracleインベントリの場所が様々である場合は、スクリプトで一部のOracleホームを検出できません。
UNIXオペレーティング・システム上のOracleインベントリを検出するには、次のディレクトリ(デフォルトの場所)のoraInst.loc
ファイルを検索します。
Linuxの場合: /etc/oraInst.loc
HP-UXおよびSolarisの場合: /var/opt/oracle/oraInst.loc
Oracle Fusion Middleware製品のインストール後に、viewInventory.sh
(UNIXオペレーティング・システム)またはviewInventory.cmd
(Windowsオペレーティング・システム)スクリプトを使用して、Oracleホーム・ディレクトリの内容を表示することができます。次の情報が出力されます。
インストールされているディストリビューションの名前およびバージョン。
インストールされている機能セットの名前およびバージョン。
インストールされているコンポーネントの名前およびバージョン。
インストールされているパッチのパッチIDおよび一意のID。
注意: ディストリビューションおよび機能セットの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の製品ディストリビューションに関する説明を参照してください。 |
スクリプト出力は、コンソール・ウィンドウ、XMLファイルまたはCSVファイル(スプレッドシートにインポート可能)に送ることができます。
このスクリプトは、ORACLE_HOME
/oui/bin
ディレクトリにあります。
UNIXオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。
./viewInventory.sh [-jreLoc jre_location] [-oracle_home oracle_home_location] [-output_format [report|xml|csv]] [-output_file output_file_location_and_name]
Windowsオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。
viewInventory.cmd [-jreLoc jre_location] [-oracle_home oracle_home_location] [-output_format [report|xml|csv]] [-output_file output_file_location_and_name]
このコマンドのパラメータはすべて省略可能です(表1-1を参照)。
表1-1 viewInventoryスクリプトのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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スクリプトを実行する前に、システムの
setenv JAVA_HOME /home/Java/jdk7_version
viewInventory.cmd -jreLoc /home/Java/jdk7_version
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インベントリ情報を表示するOracleホーム。Oracleホームを指定しない場合、デフォルトはスクリプトが実行されるOracleホームです。 |
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出力の記録形式。有効な値は次のとおりです。
出力形式を指定しない場合、デフォルトは |
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出力ファイルの名前と形式。このパラメータは、出力をXMLまたはCSV形式に保存する場合にのみ必要です(出力ファイルを指定しない場合、スクリプトはデフォルトでコンソール・ウィンドウに出力します)。 |
Oracle Fusion Middleware製品のインストール後に、compareInventory.sh
(UNIXオペレーティング・システム)またはcompareInventory.cmd
(Windowsオペレーティング・システム)スクリプトを使用して、2つのOracleホームの場所の内容を比較することができます。相違点が見つかると、次の情報が出力されます。
Oracleホームの場所。
ディストリビューションの名前およびバージョン。
機能セットの名前およびバージョン。
コンポーネントの名前およびバージョン。
パッチのパッチIDおよび一意のID。
注意: ディストリビューションおよび機能セットの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の製品ディストリビューションに関する説明を参照してください。 |
スクリプト出力は、コンソール・ウィンドウ、XMLファイルまたはCSVファイル(スプレッドシートにインポート可能)に送ることができます。
このスクリプトは、ORACLE_HOME
/oui/bin
ディレクトリにあります。
UNIXオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。
./compareInventory.sh -oracle_home1 oracle_home1_location -oracle_home2 oracle_home2_location [-jreLoc jre_location] [-input_type1 [dir|xml]] [-input_type2 [dir|xml]] [-output_file output_file_location_and_name]
Windowsオペレーティング・システムでスクリプトを実行するには、次の構文を使用します。
compareInventory.cmd -oracle_home1 oracle_home1_location -oracle_home2 oracle_home2_location [-jreLoc jre_location] [-input_type1 [dir|xml]] [-input_type2 [dir|xml]] [-output_file output_file_location_and_name]
-oracle_home1
および-oracle_home2
パラメータのみ必須です。このコマンドのパラメータはすべて省略可能です(表1-2を参照)。
表1-2 compareInventoryスクリプトのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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比較する2つのOracleホームの場所のいずれかへのフルパス。 |
|
比較する2つ目のOracleホームの場所へのフルパス。 |
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スクリプトを実行する前に、システムの
setenv JAVA_HOME /home/Java/jdk7_version
compareInventory.cmd -jreLoc /home/Java/jdk7_version
|
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値を指定しない場合、スクリプトは自動的にソースの形式を検出します。 |
|
値を指定しない場合、スクリプトは自動的にソースの形式を検出します。 |
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出力ファイルの名前と形式。このパラメータは、出力をXMLまたはCSV形式に保存する場合にのみ必要です(出力ファイルを指定しない場合、スクリプトはデフォルトでコンソール・ウィンドウに出力します)。 |
Oracle Universal Installerは、次のモードで実行できます。
グラフィカル・モード
グラフィカル・モードのインストールは、対話型のGUIベースのソフトウェア・インストール方法です。WindowsとUNIXシステムの両方で実行できます。
UNIXオペレーティング・システムでグラフィカル・モードでインストール・プログラムを実行するには、ソフトウェアのインストール先のマシンに接続されているコンソールで、JavaベースのGUIがサポートされている必要があります。JavaベースのGUIは、Windowsシステムではすべてのコンソールでサポートされていますが、UNIXシステムでは一部のコンソールでサポートされていません。
またUNIXオペレーティング・システムでは、DISPLAY
環境変数を、インストーラGUIを表示するモニターに設定する必要があり、インストールを実行するユーザーはDISPLAY
に設定されたマシンへのアクセス権を持つ必要があります。手順はオペレーティング・システムに応じて異なるため、これを行う具体的な手順については、使用するオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。
サイレント・モード
サイレント・モード・インストールは、非対話型のソフトウェア・インストール方法です。インストール・オプションの指定にはプロパティ・ファイル(レスポンス・ファイルと呼ばれる)を使用します。サイレント・モード・インストールは、スクリプトまたはコマンドラインから実行できます。サイレント・モード・インストールでは、インストール構成を一度定義するだけで、この構成を使用して多くのマシンにインストールを繰り返すことができます。
サイレント・モード・インストールの詳細、およびレスポンス・ファイルの作成方法については、第2章を参照してください。サンプル・レスポンス・ファイルについては、付録Cを参照してください。
Oracle Universal Installerは、製品ディストリビューションのパッケージ方法に応じて、様々な方法で起動できます。
.jar
ディストリビューションでパッケージ化されているOracle Universal Installerを起動するには、動作保証されたJDKがすでにシステムにインストールされていることを確認してください。Oracle Fusion Middlewareでサポートされるシステム構成に関するページで、12c (12.1.2)の適切な動作保証のドキュメントを参照してください。
環境変数を設定せずにインストーラを起動するには、次の手順を実行します。
製品ディストリビューションをダウンロードしたディレクトリに移動します。
JDKディレクトリからjava -jar
コマンドを呼び出します。次に例を示します。
UNIXオペレーティング・システムの場合:
/home/Oracle/jdk7_15/jdk1.7.0_15/bin/java -jar distribution_name.jar
Windowsオペレーティング・システムの場合:
C:\Program Files\Java\jdk7_15\bin\java -jar distribution_name.jar
JAVA_HOME
およびPATH
環境変数を設定してインストーラを実行することもできます。
システムのJAVA_HOME
環境変数に、JDKディレクトリを設定します。次に例を示します。
UNIXオペレーティング・システムの場合:
JAVA_HOME=/home/Oracle/jdk7_15/jdk1.7.0_15; export $JAVA_HOME
Windowsオペレーティング・システムの場合:
set JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.7.0_15
適切なJDKのディレクトリを、ターゲット・システムのPATH
変数の定義に追加します。次に例を示します。
UNIXオペレーティング・システムの場合:
PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH; export PATH
Windowsオペレーティング・システムの場合:
set PATH=%JAVA_HOME%\bin:%PATH%
インストール・プログラムをダウンロードしたディレクトリに移動します。
次のコマンドを入力して、インストール・プログラムを起動します。
java -jar distribution_name.jar
Oracle HTTP Serverなど、一部の製品では製品固有のディストリビューションを入手できます。そのディストリビューションは、UNIXオペレーティング・システムでは.bin
ファイルとして、Windowsオペレーティング・システムでは.exe
ファイルとして入手できます。
.bin
ディストリビューションでOracle Universal Installerを起動するには、次の手順を実行します。
.bin
ファイルの権限を変更します。
chmod a+x distribution_name.bin
.bin
ファイルを実行します。
./distribution_name.bin
.exe
ディストリビューションでOracle Universal Installerを起動するには、Windowsフォルダを使用してディストリビューションを含むディレクトリにナビゲートし、distribution_name
.exe
ファイルをダブルクリックします。