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Oracle® Fusion Middleware Oracle Infrastructure Webサービスの開発
12c (12.1.2)
E48045-01
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1 Oracle Infrastructure Webサービスの概要

この章では、Oracle Infrastructure Webサービスの概要を示し、サポートされている標準について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

Oracle Infrastructure Webサービスの概要

Oracle Fusion Middleware 12cには、次のタイプのWebサービスの開発、セキュリティおよび管理をサポートするためのWebサービス・カテゴリが2つあります。

次の図は、2つのWebサービス・カテゴリを示しています。図中でOracle Infrastructure Webサービスは(黄色で)ハイライト表示されています。

図1-1 Oracle Fusion Middleware 12c内のWebサービス

図1-1の説明が続きます。
「図1-1 Oracle Fusion Middleware 12c内のWebサービス」の説明


注意:

図に示されている全部のコンポーネント(開発、セキュリティおよび管理、ポリシー管理のツールを含む)の詳細は、『Webサービスの理解』に関する項を参照してください。


この章では、Oracle Infrastructure Webサービスを開発するための概念について説明します。Java EE Webサービスの詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの理解』を参照してください。

Oracle Infrastructure Webサービスおよびクライアントのタイプ

表1-1は、Oracle Fusion Middleware 12cでサポートされているOracle Infrastructure Webサービスのタイプをまとめたものです。

表1-1 Oracle Infrastructure Webサービス

Webサービス 説明

ADFビジネス・コンポーネント

ADF Business Componentsは、再利用可能なコンポーネントのライブラリの提供およびOracle JDeveloperの設計時機能のサポートを介して、Java EEプラットフォームのビジネス・アプリケーションの開発、配信およびカスタマイズを簡素化するものです。

開発者は、ADF Business Componentsを使用して次の作業を行う場合、通常のJava EEアプリケーションに必要なアプリケーション・インフラストラクチャ・コードを記述する必要はありません。

  • データベースへの接続。

  • データの取得。

  • データベース・レコードのロック。

  • トランザクションの管理。

また、Oracle JDeveloperの機能は、組み込まれたデータ操作とカスタム・メソッドをカプセル化するADF Business Componentのアプリケーション・モジュールをWebサービスとして公開するため、サービス対応のアプリケーション・モジュールはデプロイFusion Webアプリケーションの各モジュールで横断的に使用できます。

詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のサービス対応のアプリケーション・モジュールの統合に関する説明を参照してください。


表1-2は、Oracle Fusion Middleware 12cでサポートされているOracle Infrastructure Webサービス・クライアントのタイプをまとめたものです。

表1-2 Oracle Infrastructure Webサービス・クライアント

Webサービス・クライアント 説明

ADF Webアプリケーション

ADF Webアプリケーションは、WebLogic Webサービス、サービス対応のADFアプリケーション・モジュールなどのサービスを起動できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』を参照してください。

また、ADF Webアプリケーションは、Webサービス・データ・コントロールを使用してユーザー・インタフェースによるWebサービスとの連携が可能です。詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』を参照してください。


サポートされている標準

次の表は、Oracle実装の一部となるOracle Infrastructure Webサービス仕様をハイレベルな機能別に編成してまとめたものです。

オラクル社は、Webサービス・プラットフォームの相互運用性は、可能なあらゆるケースのWebサービス仕様に対してサポートを提供するよりも重要であると考えます。Oracleは、Web Services Interoperability Organizationによる次の仕様に準拠し、これらの仕様をWebサービスの相互運用性の基準として考えています。


注意:

Oracle Infrastructure Webサービスのセキュリティ標準の詳細は、『Oracle Web Services Managerの理解』のWebサービス・セキュリティ標準に関する説明を参照してください。


表1-3 Oracle Infrastructure Webサービスでサポートされる仕様

機能 仕様

(メタデータ注釈に基づく)プログラミング・モデルおよびランタイム・アーキテクチャ

Web Services Metadata Exchange (WS-MetadataExchange) 1.1: WS-Federationロードマップの一部であり、Webサービス・エンドポイントに関するメタデータの取得を可能にします。詳細は、http://xml.coverpages.org/WS-MetadataExchange.pdf『Web Services Metadata Exchange (WS-MetadataExchange)』を参照してください。

Webサービス記述

  • Web Services Description Language (WSDL) 1.1: Webサービスを記述するXMLベースの仕様。詳細は、http://www.w3.org/TR/wsdl『Web Services Description Language (WSDL)』を参照してください。

  • Web Services Policy Framework (WS-Policy) 1.5および1.2: Webサービスのポリシーを記述したり通信したりするための汎用目的のモデルおよびこれに対応する構文。詳細は、次を参照してください:

    WS-Policy 1.5 Framework(勧告): http://www.w3.org/TR/ws-policy/

    WS-Policy 1.2 Framework(メンバー投票): http://www.w3.org/Submission/WS-Policy

  • Web Services Policy Attachment (WS-PolicyAttachment) 1.5および1.2: ポリシーの抽象モデルおよびXMLベースの式の文法。詳細は、次を参照してください:

    『WS-Policy Attachment 1.5』(勧告): http://www.w3.org/TR/ws-policy-attach/

    『WS-PolicyAttachment 1.2』(メンバー購読): http://www.w3.org/Submission/WS-PolicyAttachment

Webサービスとリクエスト側クライアントの間のデータ交換

  • Simple Object Access Protocol (SOAP) 1.1および1.2: 非集中、分散環境における情報交換のための軽量プロトコル。詳細は、http://www.w3.org/TR/SOAP『Simple Object Access Protocol (SOAP)』を参照してください。

  • SOAP with Attachments API for Java (SAAJ) 1.3: 開発者がSOAP 1.1仕様および添付ファイル付きSOAPノートに準拠するメッセージを生成および消費するために使用できる実装。詳細は、https://saaj.dev.java.net『SOAP with Attachments API for Java (SAAJ)』を参照してください。

  • Message Transmission Optimization Mechanism (MTOM): Webサービスが添付ファイルを含むインバウンドSOAPメッセージを読み取る際に、メッセージ全体をメモリーに読み込むデフォルト動作をとらずにストリーミングAPIを使用することを指定できます。詳細は、http://www.w3.org/TR/soap12-mtom/『SOAP Message Transmission Optimization Mechanism』を参照してください。

セキュリティ

  • Web Services Security (WS-Security) 1.0および1.1: セキュアなWebサービスを構築してメッセージ・コンテンツの整合性と機密性を実装する際に使用できるSOAP [SOAP11、SOAP12]拡張の標準セット。詳細は、http://www.oasis-open.org/committees/tc_home.php?wg_abbrev=wss『OASIS Web Service Security Web』を参照してください。

    Webサービス・セキュリティは、次のセキュリティ・トークンをサポートします。

    - ユーザー名: Webサービス・コンシューマが、認証の資格証明としてユーザー名を指定する方法を定義します。

    - X.509証明書: 受信パーティに公開鍵を送信するために設計された署名付きデータ構造。

    - Kerberosチケット: バイナリ認証およびセッション・トークン。

    - Security Assertion Markup Language (SAML)アサーション: XMLドキュメントを介してインターネット上のセキュリティ情報を共有します。

    詳細は、『Oracle Web Services Managerの理解』のWebサービス・セキュリティ標準に関する説明を参照してください。

  • Web Services Security Policy (WS-SecurityPolicy) 1.3、1.2および1.1: WS-Policyの枠組みで使用するためのセキュリティ・ポリシー・アサーションのセット。詳細は次の項を参照してください。

    Web Services Security Policy (WS-SecurityPolicy) 1.3仕様 参照サイト: http://docs.oasis-open.org/ws-sx/ws-securitypolicy/200802

    Web Services Security Policy (WS-SecurityPolicy) 1.2仕様 参照サイト: http://docs.oasis-open.org/ws-sx/ws-securitypolicy/200702/ws-securitypolicy-1.2-spec-os.html

    Web Services Security Policy (WS-SecurityPolicy) 1.1仕様 参照サイト: http://specs.xmlsoap.org/ws/2005/07/securitypolicy/ws-securitypolicy.pdf

  • Security Assertion Markup Language (SAML) 2.0: セキュリティ・ドメイン間で認証および認可のデータを交換するためのXML標準。詳細は、http://docs.oasis-open.org/security/saml/v2.0/『Security Assertion Markup Language (SAML)』を参照してください。

  • Security Assertion Markup Language (SAML) Token Profile 1.1: SOAPメッセージの認証および暗号化を実装するSOAP拡張のセット。詳細は、http://www.oasis-open.org/committees/download.php/16768/wss-v1.1-spec-os-SAMLTokenProfile.pdf『Security Assertion Markup Language (SAML) Token Profile 1.1』仕様を参照してください。

  • WS-Trust: セキュリティ・トークンのリクエストおよび発行を行う際の枠組みを提供するWS-Securityへの拡張機能と、ブローカ・トラスト関係への拡張機能を定義します。詳細は、http://docs.oasis-open.org/ws-sx/ws-trust/v1.3/ws-trust.htmlを参照してください。

  • XML署名: デジタル署名用のXML構文を定義します。詳細は、http://www.w3.org/TR/xmldsig-core/『XML Signature Syntax and Processing』を参照してください。

  • XML暗号化: XML要素の内容を暗号化する方法を定義します。詳細は、http://www.w3.org/TR/xmlenc-core/『XML Encryption Syntax and Processing』を参照してください。

信頼性のある通信

  • Web Services Addressing (WS-Addressing) 1.0: Webサービスおよびメッセージのアドレッシングを行うための、トランスポートに依存しないメカニズム。詳細は、http://www.w3.org/TR/ws-addr-coreのWeb Services Addressing (WS-Addressing)仕様を参照してください。

  • Web Services Reliable Messaging (WS-ReliableMessaging) 1.0および1.1: 異なるWebLogic Serverインスタンス上で動作する2つのWebサービスが、ソフトウェア・コンポーネント、システムまたはネットワークに障害が発生しても信頼性のある通信をできるようにする実装。詳細は、次を参照してください:

    http://docs.oasis-open.org/ws-rx/wsrm/200702/wsrm-1.1-spec-os-01.pdf『Web Services Reliable Messaging (WS-ReliableMessaging) 1.1』

    http://specs.xmlsoap.org/ws/2005/02/rm/ws-reliablemessaging.pdf『Web Services Reliable Messaging (WS-ReliableMessaging) 1.0』

  • Web Services Reliable Messaging Policy (WS-ReliableMessaging Policy) 1.1: WS-PolicyおよびWS-ReliableMessagingの使用時に信頼性のあるメッセージングを行うためのドメイン固有のポリシー・アサーション。詳細は、http://docs.oasis-open.org/ws-rx/wsrmp/200702/wsrmp-1.1-spec-os-01.pdf『Web Services Reliable Messaging Policy (WS-ReliableMessaging Policy)』仕様を参照してください。

原子性トランザクション

Webサービス原子性トランザクション: Web Services Coordination仕様で説明されている拡張可能調整フレームワークとともに使用する原子性トランザクション調整タイプを定義します。WS-AtomicTransaction仕様およびWS-Coordination仕様では、一連の参加者の間で分散されたアクティビティを調整するための拡張可能フレームワークを定義しています。詳細は、次を参照してください:

XML送信の最適化

  • Fast Infoset: 圧縮されたバイナリ・エンコーディング形式で、テキストベースのXML形式よりも効果的なシリアライズを実現します。Fast Infosetは、ドキュメント・サイズと処理パフォーマンスの両方を最適化します。Fast Infoset仕様、ITU-T Rec.X.891およびISO/IEC 24824-1 (Fast Infoset)は、ITU-TおよびISOの両方の標準化団体によって定義されています。この仕様は次のITUのWebサイトhttp://www.itu.int/rec/T-REC-X.891-200505-I/enでダウンロードできます。

  • Message Transmission Optimization Mechanism (MTOM): SOAPメッセージ内のxs:base64Binaryまたはxs:hexBinaryタイプのXMLデータの転送を最適化するためのメソッドを定義します。

通知(登録および検出)

  • Universal Description, Discovery, and Integration (UDDI) 2.0: Webサービスの記述、既知のレジストリへのWebサービスの登録、および他の登録済Webサービスの検出を行うための標準。詳細は、http://uddi.xml.org『Universal Description, Discovery, and Integration (UDDI)』を参照してください。

  • Web Services Inspection Language 1.0: 使用可能なサービスのサイトの検査に役立つXMLフォーマットを提供します。詳細は、http://download.boulder.ibm.com/ibmdl/pub/software/dw/specs/ws-wsilspec/ws-wsilspec.pdfのWeb Services Inspection Language (WS-Inspection) 1.0仕様を参照してください。


関連ドキュメント

次の表は、Oracle Infrastructure Webサービスの開発、セキュリティおよび管理に関連するドキュメントをまとめたものです。

表1-4 関連ドキュメント

ドキュメント 説明

『Webサービスの理解』


Oracle Fusion Middleware 12cのWebサービスの概要を示します。

『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの理解』


WebLogic Web Services (Java EE)の概要を示します。

『Oracle Web Services Managerの理解』


Webサービスのポリシーのアタッチメントと管理に使用するOracle Web Services Manager (OWSM)の概要を示します。

『Webサービスの管理』


Webサービスの保護および管理の方法について説明します。

『Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』


OWSMポリシーを使用したWebサービスの保護方法について説明します。このドキュメントではまた、OWSMポリシーの作成および管理方法についても説明します。

『Oracle Web Services Manager Extensibility Guide』

OWSMのカスタム・ポリシー・アサーションの構築方法について説明します。

『Oracle Web Services Manager相互運用性ソリューション・ガイド』


OWSMの最も一般的な相互運用性シナリオの実装方法が説明されています。

『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』


ADFコンポーネントの開発方法について説明します。

『Oracle Jdeveloperによるアプリケーションの開発』のWebサービスの開発および保護に関する説明

Oracle JDeveloperを使用したWebサービスの開発およびポリシーのアタッチの方法について説明します。

Oracle Workshop for WebLogic

ソース・コードの記述と管理、および最先端のビジュアル・ツールやJavaフレームワークを使用した設計のためにWorkshopを活用する方法について説明します。