この章では、Oracle Infrastructure Webサービスの概要を示し、サポートされている標準について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Fusion Middleware 12cには、次のタイプのWebサービスの開発、セキュリティおよび管理をサポートするためのWebサービス・カテゴリが2つあります。
Oracle Infrastructure Webサービス
Java EE (WebLogic) Webサービス
次の図は、2つのWebサービス・カテゴリを示しています。図中でOracle Infrastructure Webサービスは(黄色で)ハイライト表示されています。
注意: 図に示されている全部のコンポーネント(開発、セキュリティおよび管理、ポリシー管理のツールを含む)の詳細は、『Webサービスの理解』に関する項を参照してください。 |
この章では、Oracle Infrastructure Webサービスを開発するための概念について説明します。Java EE Webサービスの詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの理解』を参照してください。
表1-1は、Oracle Fusion Middleware 12cでサポートされているOracle Infrastructure Webサービスのタイプをまとめたものです。
表1-1 Oracle Infrastructure Webサービス
Webサービス | 説明 |
---|---|
ADFビジネス・コンポーネント |
ADF Business Componentsは、再利用可能なコンポーネントのライブラリの提供およびOracle JDeveloperの設計時機能のサポートを介して、Java EEプラットフォームのビジネス・アプリケーションの開発、配信およびカスタマイズを簡素化するものです。 開発者は、ADF Business Componentsを使用して次の作業を行う場合、通常のJava EEアプリケーションに必要なアプリケーション・インフラストラクチャ・コードを記述する必要はありません。
また、Oracle JDeveloperの機能は、組み込まれたデータ操作とカスタム・メソッドをカプセル化するADF Business Componentのアプリケーション・モジュールをWebサービスとして公開するため、サービス対応のアプリケーション・モジュールはデプロイFusion Webアプリケーションの各モジュールで横断的に使用できます。 詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のサービス対応のアプリケーション・モジュールの統合に関する説明を参照してください。 |
表1-2は、Oracle Fusion Middleware 12cでサポートされているOracle Infrastructure Webサービス・クライアントのタイプをまとめたものです。
表1-2 Oracle Infrastructure Webサービス・クライアント
Webサービス・クライアント | 説明 |
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ADF Webアプリケーション |
ADF Webアプリケーションは、WebLogic Webサービス、サービス対応のADFアプリケーション・モジュールなどのサービスを起動できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』を参照してください。 また、ADF Webアプリケーションは、Webサービス・データ・コントロールを使用してユーザー・インタフェースによるWebサービスとの連携が可能です。詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』を参照してください。 |
次の表は、Oracle実装の一部となるOracle Infrastructure Webサービス仕様をハイレベルな機能別に編成してまとめたものです。
オラクル社は、Webサービス・プラットフォームの相互運用性は、可能なあらゆるケースのWebサービス仕様に対してサポートを提供するよりも重要であると考えます。Oracleは、Web Services Interoperability Organizationによる次の仕様に準拠し、これらの仕様をWebサービスの相互運用性の基準として考えています。
Basic Profile 1.1および1.0: http://www.ws-i.org/Profiles/BasicProfile-1.1-2004-08-24.html
Basic Security Profile 1.0: http://www.ws-i.org/Profiles/BasicSecurityProfile-1.0.html
WS-I Attachments Profile 1.0: http://www.ws-i.org/Profiles/AttachmentsProfile-1.0.html
注意: Oracle Infrastructure Webサービスのセキュリティ標準の詳細は、『Oracle Web Services Managerの理解』のWebサービス・セキュリティ標準に関する説明を参照してください。 |
表1-3 Oracle Infrastructure Webサービスでサポートされる仕様
機能 | 仕様 |
---|---|
(メタデータ注釈に基づく)プログラミング・モデルおよびランタイム・アーキテクチャ |
Web Services Metadata Exchange (WS-MetadataExchange) 1.1: WS-Federationロードマップの一部であり、Webサービス・エンドポイントに関するメタデータの取得を可能にします。詳細は、 |
Webサービス記述 |
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Webサービスとリクエスト側クライアントの間のデータ交換 |
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セキュリティ |
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信頼性のある通信 |
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原子性トランザクション |
Webサービス原子性トランザクション: Web Services Coordination仕様で説明されている拡張可能調整フレームワークとともに使用する原子性トランザクション調整タイプを定義します。WS-AtomicTransaction仕様およびWS-Coordination仕様では、一連の参加者の間で分散されたアクティビティを調整するための拡張可能フレームワークを定義しています。詳細は、次を参照してください: |
XML送信の最適化 |
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通知(登録および検出) |
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次の表は、Oracle Infrastructure Webサービスの開発、セキュリティおよび管理に関連するドキュメントをまとめたものです。
表1-4 関連ドキュメント
ドキュメント | 説明 |
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『Webサービスの理解』 |
Oracle Fusion Middleware 12cのWebサービスの概要を示します。 |
『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの理解』 |
WebLogic Web Services (Java EE)の概要を示します。 |
『Oracle Web Services Managerの理解』 |
Webサービスのポリシーのアタッチメントと管理に使用するOracle Web Services Manager (OWSM)の概要を示します。 |
『Webサービスの管理』 |
Webサービスの保護および管理の方法について説明します。 |
『Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』 |
OWSMポリシーを使用したWebサービスの保護方法について説明します。このドキュメントではまた、OWSMポリシーの作成および管理方法についても説明します。 |
『Oracle Web Services Manager Extensibility Guide』 |
OWSMのカスタム・ポリシー・アサーションの構築方法について説明します。 |
『Oracle Web Services Manager相互運用性ソリューション・ガイド』 |
OWSMの最も一般的な相互運用性シナリオの実装方法が説明されています。 |
『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』 |
ADFコンポーネントの開発方法について説明します。 |
『Oracle Jdeveloperによるアプリケーションの開発』のWebサービスの開発および保護に関する説明 |
Oracle JDeveloperを使用したWebサービスの開発およびポリシーのアタッチの方法について説明します。 |
ソース・コードの記述と管理、および最先端のビジュアル・ツールやJavaフレームワークを使用した設計のためにWorkshopを活用する方法について説明します。 |