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Oracle® Fusion Middleware Oracle Virtual Assembly Builderのインストール
12c (12.1.2)
E47989-02
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6 Oracle Virtual Assembly Builderのアップグレード

この章では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioおよびデプロイヤのインスタンスをリリース11g PS5 (11.1.1.6.0)から12c (12.1.2/12.1.3)にアップグレードするプロセスについて説明します。どちらのアップグレード・プロセスも標準的なOracleアップグレード・フレームワークは使用しませんが、フレームワークで採用しているガイドラインや手順には従います。この章には次の項が含まれます:

6.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioのアップグレード

Studioインスタンスのアップグレードはインプレースで実行され、インスタンスがPS5インスタンスから12cインスタンスに変換されます。PS5インスタンスに関連付けられた元のORACLE_HOMEはそのままで、PS5インスタンスがPS5 ORACLE_HOMEを参照しなくなるため、事実上孤立します。

アップグレード・プロセスでは、ファイルへの操作が行われる前に、変更または移動される各ファイルのバックアップが作成されます。バックアップ・ファイルは、作業中になんらかのエラーが発生した場合に、アップグレードをロールバックするために使用します。アップグレードが正常に実行されたら、これらのファイルは削除されます。

すでに12cバージョンになっているインスタンスでアップグレードを実行しても、操作は行われず、なにも変化しません。

6.1.1 アップグレード・プロセス

アップグレード・プロセスには、次の手順があります。

  • 新しい12c ORACLE_HOMEをインストールします(インスタンスを作成する必要はありません)。

  • PS5インスタンスでアップグレード・プロセスを実行します。

  • PS5インスタンスのアップグレードが正常に終了すると、インスタンスは12cバージョンになります。

  • PS5 ORACLE_HOMEをアーカイブまたは削除します。

6.1.2 アップグレードの実行

アップグレードを実行するには:

  1. $12c_ORACLE_HOMEに12c ORACLE_HOMEをインストールします。

  2. コマンドcd $12c_ORACLE_HOME/binを入力します。

  3. コマンド./upgradeInstance.sh <location of PS5 instance>を入力します。

6.1.3 アップグレード中に変更されるアイテム

アップグレード中に変更されるアイテムは次のとおりです。

  • PS5_INSTANCE/bin (abstudio.sh & abctl)内のスクリプト。

  • イントロスペクタ・プラグインがインスタンスにインストールされます。

  • PS5_INSTANCE/archivesのOVAが解凍、アップグレードおよび再圧縮されます。

  • カタログが新しいスキーマ・バージョンにアップグレードされます。

  • GUIのFCPメタデータがインスタンスにコピーされます。

6.1.4 upgradeコマンドのオプション

upgradeコマンドでは次のオプションが使用できます。

./upgradeInstance.sh <location of PS5 instance> -canUpgrade。これにより、インスタンスの場所がアップグレードできるかどうかが決定されます。

6.2 Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤのアップグレード

デプロイヤ・インスタンスのアップグレードはホーム外で実行され、PS5インスタンスは12cの場所にコピーされてからアップグレードされます。元のPS5インスタンスおよびORACLE_HOMEはそのまま残ります。

PS5デプロイヤが接続されているOVMプールは、アップグレードするか、または12cと互換性のあるプールに置き換える必要があります。

6.2.1 アップグレード・プロセス

アップグレード・プロセスには、次の手順があります。

  • 新しいコンパクト12cドメインをインストールします。

  • リポジトリおよび状態をPS5ドメインから12cドメインにコピーします。

  • 12cドメインでアップグレード・プロセスを実行します。

  • 管理サーバーを起動します。

6.2.2 アップグレードの実行

アップグレードでは次の重要な場所が定義されます。

  • OVAB_12c_DOMAIN - 新しい12cドメインの場所

  • OVAB_PS5_DOMAIN - 古いPS5ドメインの場所

  • OVAB_PS5_INSTANCE - ドメインの下のPS5インスタンスの場所通常、$OVAB_PS5_DOMAIN/ab_instanceです。

アップグレードを実行するには:

  1. 新しい12cデプロイヤ・コンパクト・ドメインを$OVAB_12c_DOMAINにWLSTスクリプトを使用してインストールします。第5章「コンパクト・ドメインの作成」を参照してください。

  2. 次のコマンドを実行して、PS5の状態を12c領域にコピーします。

    1. cd $OVAB_12c_DOMAIN/ab_instance

    2. cp -r $OVAB_PS5_INSTANCE/repository

    3. cp -r $OVAB_PS5_INSTANCE/state

    4. cp -r $OVAB_PS5_INSTANCE/config

  3. 次の手順を実行してPS5の状態をアップグレードします。

    1. JAVA_HOME環境変数を有効なJava 1.6ホームに設定(またはエクスポート)します。

    2. ORACLE_HOME環境変数を$OVAB_12c_DOMAINに設定(またはエクスポート)します。

    3. コマンドcd $ORACLE_HOME/binを入力します。

    4. コマンド./upgradeDeployer.sh -instanceDirPath $OVAB_PS5_INSTANCEを入力します。

      アップグレードで新しいOVMのURLおよびバージョンの入力が求められます。例:

      "新しいovm.urlを入力してください: <URL of OVM>"

      "新しいovm.vmmversionを入力してください: <new version, 3.2>"

  4. 管理サーバーを起動します。

  5. WLS管理コンソールを使用して"ovabAdmin"ユーザーを追加し、そのユーザーをグループ"CloudAdmins"および"ApplicationAdmins"に割り当てます。

    ovabAdminユーザーの追加
    図deployer1.gifの説明

    ovabAdminのグループへの割当て
    図deployer2.gifの説明

  6. 次のコマンドを健全性テストとして12c Studioインストールから実行します。

    • ./abctl describeTargets

    • ./abctl describeTargetUsers

    • ./abctl describeRegistrations

    • ./abctl describeAssemblyArchives

    • ./abctl describeAssemblyInstances

    • ./abctl describeApplianceInstance

6.2.3 アップグレード中に変更されるアイテム

アップグレード中に変更されるアイテムは次のとおりです。

  • プロセス・プラン

  • インスタンスのタグ

  • ターゲットのキャッシュ

  • メンバーのキャッシュ

6.2.4 upgradeコマンドのオプション

upgradeコマンドでは次のオプションが使用できます。

sh ./upgradeDeployer.sh -help。使用状況を出力します