Oracle TopLinkは、Javaオブジェクトをリレーショナル・データベースやNoSQLデータベースなどのデータ・ストアにストアしたり、JavaオブジェクトをXMLまたはJSON文書に変換する、強力で柔軟なJava永続性フレームワークです。TopLinkでは、Java Platform, Standard Edition (Java SEプラットフォーム)およびJava Platform, Enterprise Edition (Java EEプラットフォーム)アプリケーションに永続性レイヤーを実装するAPIおよびランタイム環境が提供されます。
TopLinkのコア機能は、オープン・ソースのEclipse Foundationの永続性フレームワークであるEclipseLinkによって提供されています。EclipseLinkでは、Java Persistence API (JPA)、Java Architecture for XML Binding (JAXB)、および標準に基づいたその他の永続性テクノロジと、それらの標準の拡張が実装されます。TopLinkには、EclipseLinkがすべて含まれ、加えEclipseLink JPAとOracle Coherenceのキャッシュを統合するOracle TopLink Gridなどのその他の機能が含まれます。
EclipseLinkプロジェクトの詳細は、http://www.eclipse.org/eclipselink/
のEclipse Persistence Services Project (EclipseLink)ホームを参照してください。
この『Oracle TopLinkソリューション・ガイド』では、TopLinkの機能および一般的な開発プロセスを示す、多数のシナリオまたはユース・ケースを説明します。これらは、プロジェクトを完了するために必要なすべてのタスクを順を追って説明するチュートリアルではありません。このドキュメントでは、特定の問題を解決するための概略プロセスおよび重要な部分のみの詳細を説明し、さらに詳細を説明する他のドキュメントへのリンクを示しています。
Oracle TopLinkおよびTopLinkは、含まれるすべてのEclipseLinkライブラリ、機能およびAPIとその他のOracle機能を加えた完全なOracle製品を意味します。このドキュメントでOracle TopLinkおよびTopLinkという名称は、製品全体についておよび特にOracleのみの機能について言及する場合に一般的に使用しています。EclipseLinkは、TopLinkに含まれるEclipseLink機能について言及する場合に使用しています。
このマニュアルを利用するには、次のことをすでによく理解している必要があります。
Java SEプラットフォームおよびJava EEプラットフォームの概念およびプログラミング技法。TopLinkの現在のリリースでは、Java EE 6がサポートされています。詳細は、次を参照してください。
Java
Javaのホーム・ページ: http://www.oracle.com/us/technologies/java/index.html
Java EE 5のチュートリアル: http://download.oracle.com/javaee/5/tutorial/doc/bnbpy.html
Java EE 6のチュートリアル: http://download.oracle.com/javaee/6/tutorial/doc/bnbpy.html
Javaに関する多数の書籍およびWebサイト。
Oracle Java EEアプリケーション・サーバー
Oracle WebLogic Serverのホーム・ページ: http://www.oracle.com/technetwork/middleware/weblogic/overview/index.html
Oracle GlassFish Serverのホーム・ページ: http://www.oracle.com/technetwork/middleware/glassfish/overview/index.html
Oracle Java EE統合開発環境
Oracle JDeveloper: http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/jdev/overview/index.html
Oracle Enterprise Pack for Eclipse: http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/eclipse/overview/index.html
EclipseLink JPAを使用して作業する場合は、http://jcp.org/aboutJava/communityprocess/final/jsr317/index.html
のJava Persistence 2.0標準に定義されているJPA 2.0の概念およびプログラミング技法をよく理解している必要があります。
EclipseLink JAXBを使用して作業する場合は、http://jcp.org/en/jsr/detail?id=222
のJava Architecture for XML Binding (JAXB) 2.0標準に定義されているJAXB 2.0の概念およびプログラミング技法をよく理解している必要があります。
JSONデータ交換形式を使用して作業する場合は、http://www.json.org/
のJSONの概念およびプログラミング技法をよく理解している必要があります。XMLの詳細は、http://www.w3.org/XML/
を参照してください。
EclipseLink DBWSを使用して作業する場合は、http://jcp.org/en/jsr/detail?id=224
の「API for XML-Based Web Services (JAX-WS) 2.0」に定義されているJAX-WS 2.0の概念およびプログラミング技法をよく理解している必要があります。
REpresentational State Transfer (REST)サービスを使用して作業する場合は、http://jcp.org/en/jsr/detail?id=311
の「JSR 311: JAX-RS: The Java API for RESTful Web Services」に定義されているRESTの概念およびプログラミング技法をよく理解している必要があります。
このガイドでは、次のユース・ケースが説明されています。
第2章「Oracle TopLinkのインストール」: スタンドアロンのTopLinkをダウンロードおよびインストールする方法。
第3章「WebLogic ServerでのTopLinkの使用」: WebLogic ServerでTopLinkを使用する方法。
第4章「GlassFish ServerでのTopLinkの使用」: GlassFish ServerでTopLinkを使用する方法。
第5章「JBoss 7 Application ServerでのTopLinkの使用」: JBoss 7 Application ServerでTopLinkを使用する方法。
第6章「IBM WebSphere Application ServerでのTopLinkの使用」: IBM WebSphere Application ServerでTopLinkを使用する方法。
第7章「ネイティブTopLinkからの移行」: ネイティブTopLinkオブジェクト・リレーショナル・マッピング(ORM) APIの使用から現在のEclipseLink APIの使用へアプリケーションを移行する方法。
第8章「HibernateからTopLinkへの移行」: Hibernate JPAの使用からEclipseLink JPAの使用へアプリケーションを移行する方法。
第9章「コンポジット永続性ユニットによる複数データベースの使用」: 複数の永続性ユニット(エンティティ・タイプの独自のセットがそれぞれに指定されている)を単一の永続性コンテキストとして公開する方法。
第10章「クラスタ内のアプリケーションのスケーリング」: クラスタ化されたアプリケーション・サーバー環境でスケーラビリティを確保しながらEclipseLinkアプリケーションを構成する方法。
第11章「Software as a Serviceの提供」: TopLinkのSoftware as a Service (SaaS)機能の概要。
第12章「JPAエンティティおよびJAXB Beanの拡張可能化」: JPAエンティティまたはJAXB Beanを拡張可能にする方法。
第13章「外部メタデータ・ソースの使用」: 外部メタデータ・ソースの使用方法。
第14章「TopLinkを使用したテナントの分離」: 表およびスキーマを含むデータ・ソースを共有するアプリケーションで複数のテナントをサポートする方法。
第15章「XMLへのJPAのマッピング」: EclipseLink JAXBを使用して、JPAエンティティをXMLにマップする方法。
第17章「コンテナ外部のJPAのテスト」: コンテナ外部のEclipseLinkアプリケーションをテストする方法。
第18章「パフォーマンスの拡張」: TopLinkで最高のパフォーマンスを得る方法。
第19章「TopLink GridでのOracle Coherenceを使用したアプリケーションのスケーリング」: TopLink Gridを使用して可用性を高め、パフォーマンスを向上させる方法。
第20章「RESTfulデータ・サービスを介したJPAエンティティの公開」: EclipseLinkのJava Persistence API for RESTful Services (JPA-RS)を使用してRESTfulサービスを介してエンティティを公開する方法。
第21章「TopLinkライブ・データ問合せを使用したデータの更新」: TopLinkライブ問合せを使用してバッキング・データ・ストアに対する変更を追跡する方法。
第22章「キャッシュを無効にするためのデータベース・イベントの使用」: JPAの共有データベースで、EclipseLinkデータベース変更通知(DCN)を使用してキャッシングを実行する方法。
第23章「NoSQLデータベースでTopLinkを使用する方法」: EclipseLinkで非リレーショナル(非SQL)データ・ソースにオブジェクトをマップする方法。