次のトピックでは、Oracle HTTP Serverの新機能と変更された機能について、およびこのマニュアルに記載されるその他の重要な変更について紹介し、詳細情報へのリンクを提供します。このドキュメントは、以前はOracle HTTP Server管理者ガイドと呼ばれていたドキュメントの新しいエディションです。
この項には次の情報が含まれます:
12c (12.1.2)での新機能
12c (12.1.2)での重要な更新
この項では、Oracle HTTP Serverのこのバージョンでの新機能について説明します。次の機能が含まれます。
このバージョンのOracle HTTP Serverは、Oracle WebLogic 12c (12.1.2)インタフェースを活用するツール・セットであるWebLogic Management Frameworkを搭載し、Oracleを管理するための簡単で一貫性のある分散フレームワークを提供します。WebLogic Management Frameworkの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解』の「WebLogic Management Frameworkとは」を参照してください。
新しいフレームワークによって次の変更が行われました。
構成は、インストール後に行う作業になり、主に構成ウィザードを使用して、ドメインの作成から開始します。詳細は、『Oracle HTTP Serverのインストールと構成』を参照してください。
作成後、OHSインスタンスのリモート管理のサポートを追加することはできません。インストールの前に、必要なドメイン・タイプ(WebLogic Serverまたはスタンドアロン)が選択されている必要があります(1.4項「ドメイン・タイプ」を参照)。これは、J2EE以外の管理ツールを使用してOracleインスタンスを管理するために、WebLogicドメインにOracleインスタンスを後から登録することができたOracle HTTP Server 11gとは異なります。
WebLogic Serverドメインの一部であるインスタンスの構成ファイルは、管理対象サーバーではなく管理サーバー・ノードに保持されます。
管理対象サーバー上の構成ファイルに行われた変更は、たとえばFusion Middleware Controlを使用して、更新が管理サーバーで行われた場合には保持されません。
Oracle HTTP Serverを管理するためのコマンドは、オペレーティング・システムのシェルからではなく、主にWLST内に用意されています。既存のWLSTコマンドおよびこのリリースで追加された新しいコマンドは、Oracle HTTP Serverに適用可能です(3.6項「WebLogic Scripting Toolの使用」を参照)。
以前はopmn.xmlに保持されていたサーバー固有の構成は、Oracle HTTP Server構成ディレクトリのohs.plugins.nodemanager.properties内に構成されるようになりました。
Oracle HTTP Serverを起動または停止すると、コンソール出力は、特別なコンソールのログ・ファイルではなくノード・マネージャのログに書き込まれるようになりました。
サーバー構成ディレクトリには、Oracle HTTP Serverによって生成されるコンテンツで使用される、Apache HTTP Serverのドキュメント、FastCGIプログラム・ライブラリ、アイコン・ファイルなどの製品コードが含まれなくなりました。このコードは本番用ディレクトリ内にのみあります。
管理ポート(以前はProxy MBeanまたはAdmin Portと呼ばれていた)は、インスタンスがWebLogic Serverドメインの一部として管理されているかどうかに関係なく、使用されるようになりました。このポートはループバック・インタフェースに制限する必要があります。以前のリリースでは、管理サーバーがポートに接続されていました。
Fusion Middleware ControlまたはWLST内にあるOracle HTTP Server MBeansは、Oracleの管理ツールを使用するために提供されています。このインタフェースは、予告なしに変更される場合があり、他の使用目的ではサポートされていません。
Oracle HTTP Server 12.1.2は、米国連邦情報処理標準140番(FIPS 140)に準拠しています。このバージョンのOracle HTTP Serverで使用されているモジュールはまだFIPS 140の検証中ですが、正式なFIPS認証を受けた基底SSLライブラリのバージョンが使用されています。
Oracle HTTP ServerのFIPS 140準拠の一部として、mod_osslプラグインにSSLFIPSディレクティブが含まれるようになりました。このディレクティブは、Oracle HTTP Server構成ファイルで、SSLライブラリのFIPS_modeフラグをオンまたはオフに切り替えることによって、FIPSを有効化します。SSLFIPSはグローバル・サーバー・コンテキスト内に設定される必要があり、競合する設定(たとえば、SSLFIPS off
が続くSSLFIPS
on
など)があると構成できません。このモードはすべてのSSLライブラリ操作に適用されます。
SSLFIPSの詳細は、第G.2.6項「SSLFIPS」を参照してください。
Fusion Middleware Controlを使用してmod_wl_ohsを構成する場合、次の検索アイコンをクリックすることで、選択したOracle HTTP Serverインスタンスで使用可能なクラスタまたはサーバーのリストを表示できます。
このツールを選択すると、選択ダイアログ・ボックスが表示され、使用するクラスタまたはサーバーを選択できます。
「自動入力」ボタンをクリックすることで、指定したベースURLに対する有効なWebLogic Serverとエンドポイントの場所を、「mod_wl_ohs構成」画面の場所表に簡単に追加できるようになりました。同一名の場所のデータは更新され、新しい場所は表に追加されます。
この項では、Oracle HTTP Serverの以前のバージョンから大幅に更新された機能について説明します。次に、これらの機能を示します。
WebLogic ServerプラグインはOracle HTTP Serverのエラー・ログの一部になり、簡単に識別するためにweblogic
:という接頭辞が付きます。したがって、ディレクティブWLLogFile
およびDebug
は非推奨になりました。構成がこれらのいずれかを使用すると、次の注意メッセージがコンソールのログ・ファイルに表示されます。
The WLLogFile directive is ignored. The web server log file is used instead. The Debug directive is ignored. The web server log level is used instead.
Oracle HTTP Serverでは、sqlnet.oraのNZトレース・ロギング・メカニズムがサポートされなくなりました。12.1.2では、新しいSSLNZTraceLogLevel
ディレクティブを使用して、ssl.confファイルを使用したNZトレース・ロギングを有効化できます。詳細は、G.2.9項「SSLNZTraceLogLevel」を参照してください。
UNIXの特権ポートでのリスニングのサポートは、ルートとしてOracle HTTP Serverコードを実行する必要のない異なる実装を持ちます。ユーザー・ディレクティブとグループ・ディレクティブを構成する必要がなくなりました。
次の機能が12.1.2で削除されています。
Oracle Web Cacheは、Fusion Middleware 12cに含まれなくなりました。Oracle HTTP ServerによるOracle Web Cacheとの統合のサポートはなくなりました。
mod_oradavモジュールはOracle HTTP Serverに含まれなくなりました。Oracle HTTP ServerでのDAVのサポートを必要とする場合は、オープン・ソースのmod_davモジュールなどのサード・パーティのソリューションを使用する必要があります。
mod_ossoモジュールはOracle HTTP Serverに含まれなくなりました。かわりに、Oracle WebGateを使用することをお薦めします。WebGateがOracle HTTP Serverとともにインストールされるようになりました。
IISおよびiPlanet用のSSOプラグインはOracle HTTP Serverに含まれなくなりました。かわりに、Oracle WebGateを使用することをお薦めします。
IISおよびiPlanet用のプロキシ・プラグインはOracle HTTP Serverに含まれなくなりました。これらのWebサーバーに対するプロキシ・サポートを必要とする場合は、Webサーバーにバンドルされているプロキシ・サポートまたはサード・パーティのソリューションを使用できます。
SSLプロトコル・バージョン2およびエクスポート暗号のサポートが削除されました。セキュアな通信を行う場合に、これらの使用はお薦めできません。