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Oracle® Fusion Middlewareドメイン・テンプレート・リファレンス
12c リリース1 (12.1.2)
E48076-01
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1 概要

このドキュメントは、Fusion Middlewareドメインおよび拡張テンプレートに関する情報を説明します。拡張テンプレートは、WebLogicドメインの作成または拡張に必要なファイルやスクリプトが含まれるJava Archive (JAR)ファイルです。

このドキュメントは次のトピックから構成されています。

テンプレートの種類

テンプレートには次の種類があります。

WebLogic Serverテンプレートのインストール先

次の表に、WebLogic Serverのインストールにより提供される事前定義済のテンプレートの場所を示しています。WL_HOMEは製品のインストール・ディレクトリを示します。

表1-1 テンプレートの場所

テンプレートの種類 ディレクトリの場所

WebLogic Serverドメイン、拡張および再構成

WL_HOME\common\templates\wls

Fusion Middleware拡張および再構成

ORACLE_HOME\oracle _common\common\templates\wls

ORACLE_HOME\PRODUCT_HOME\common\templates\wls

テンプレート・ツール

次の表に、テンプレートの作成に使用できるツールと、テンプレートを使用してドメインの作成や拡張を実行できるツールを示します。

表1-2 テンプレート・ツール

目的 このツールを使用

ドメインの作成

  • 構成ウィザード

  • WLSTオフライン

  • unpackコマンド

既存のドメインの拡張

  • 構成ウィザード

  • WLSTオフライン

リモート・マシンでの新しい管理対象サーバー・ドメインの作成

  • unpackコマンド

  • WLST writeTemplateコマンド(オンライン)

ドメイン・テンプレートの作成

  • ドメイン・テンプレート・ビルダー

  • packコマンド

  • WLSTオフライン

拡張テンプレートの作成

ドメイン・テンプレート・ビルダー

管理対象サーバー・テンプレートの作成

packコマンド

ドメインのアップグレード

再構成ウィザード



注意:

ドメインの作成や拡張に使用されるすべてのツールは、構成フレームワークと呼ばれる基礎となる共通インフラストラクチャを利用します。


テンプレート依存

拡張テンプレートからリソースを追加する前に、ドメインにWebLogic Serverリソースがインストールされている必要があります。これが、テンプレート依存です。たとえば、製品とともに提供されるすべての拡張テンプレートは、最低限、基本WebLogic Serverドメイン・テンプレートにより構成されたセキュリティ・レルム・リソースおよび管理サーバーに依存します。他の拡張テンプレートは複数のテンプレートからのリソースに依存します。たとえば、WebLogic Serverサンプルをサポートするためにドメインを拡張するには、既存のドメインにすでに基本WebLogic Serverドメイン・テンプレートおよびWebLogic Serverデフォルト・ドメイン拡張テンプレートからのリソースが含まれている必要があります。

テンプレートJAR内のtemplate-info.xmlファイルは、特定のテンプレートにとってのテンプレート依存関係を定義します。依存関係は連鎖します。例:

この例では、構成ウィザードのテンプレート画面でテンプレートAを選択すると、テンプレートB、C、D、EおよびFがドメインに自動的に追加されます。これらのテンプレートのいずれかがテンプレート画面に表示されている場合、それらのテンプレートのチェック・ボックスが自動的に選択された状態になります。これにより、構成ウィザードのテンプレート画面で製品テンプレートを選択すると、選択した製品に必要なリソースを構成する他のすべての製品テンプレートが、構成ウィザードによって必ず自動的に追加されます。

同様に、WLSTスクリプトでテンプレートJARを指定すると、そのテンプレートが(直接的であれ間接的であれ)依存する他のテンプレートがすべてドメインに追加されます。上の例では、WLSTスクリプトでテンプレートAを指定すると、スクリプトで明示的に指定しなくても、テンプレートB、C、D、EおよびFもドメインに追加されます。

テンプレートに含まれるファイル

どのテンプレートにも含まれる基本的なファイルはconfig.xmlおよびtemplate-info.xmlです。これらのファイルとテンプレートに含まれている追加ファイルに基づいてドメインが作成または拡張されます。次の表では、ドメイン・テンプレートまたは拡張テンプレートに含まれているファイルについて説明します。

表1-3 テンプレートに含まれるファイル

ファイル名 説明

製品コンポーネント・ファイル

個別のOracle製品コンポーネントでドメイン設定を完了するために使用される様々なファイル。このようなファイルでは、セキュリティとデフォルト・データベース設定用の情報が提供されることがあります。

*-jdbc.xml

製品コンポーネントで必要とされるJDBCシステム・リソースでドメインを設定または拡張します。テンプレートで、*-jdbc.xmlファイルはconfig\jdbcディレクトリに格納する必要があります。ドメイン内の各JDBCリソースに対して1つのXMLファイルがあります。これらのファイルは、ドメイン内にJDBCリソースがある場合のみ存在します。

*-jms.xml

製品コンポーネントで必要とされるJMSシステム・リソースでドメインを設定または拡張します。テンプレートでは、*-jms.xmlファイルはconfig\jmsディレクトリに格納する必要があります。これは、ドメインがJMSリソースを必要とする場合のみ適用します。

clusters.script

構成ウィザード・フレームワークにおけるクラスタのデフォルトの自動構成を変更するために使用されます。デフォルトでは、リソースはクラスタにターゲット指定されています。クラスタからリソースを割当て解除してから別のコンポーネントに割り当てることができます。ターゲットを指定するには、次の置換変数を使用できます。

  • %AManagedServer%: 任意の管理対象サーバー

  • %AllManagedServers%: すべての管理対象サーバーのカンマ区切りのリスト

  • %AdminServer%: 管理サーバー名

  • %Cluster%: クラスタ名

  • %ProxyServer%: プロキシ・サーバー名

  • %HTTPProxyApp%: httpプロキシ・アプリケーション定義

以下の追加の考慮事項に注意してください。

  • 置換される予定のオブジェクトの名前属性を使用する必要があります。

  • 「すべて」を意味するワイルドカードとしてアスタリスク(*)を使用できます。

このファイルは必要ありません。使用するときは、scriptディレクトリに配置する必要があります。このファイルが存在しない場合、デフォルトのターゲット指定が使用されます。

config.xml

テンプレートがドメインに作成または追加するリソースが定義されるファイル。テンプレートでは、config.xmlファイルはconfigディレクトリに格納する必要があります。

config-groups.xml

このファイルには、アプリケーション、サービス、サーバー、クラスタ、およびこれらのアイテム間の関連を作成するマッピングの定義が含まれます。これによって、1つのトポロジから別のトポロジに遷移するとき(1つのサーバーから複数のサーバーへの遷移、1つのサーバーから1つのクラスタへの遷移など)、機能的に関連するアプリケーションおよびサービスが単一の処理として動作できるようになります。これによって、ドメイン構成を拡張するときにアプリケーションとサービスの依存関係すべて合致することが保証されます。

注意: このファイルは決して変更しないでください。テンプレートで提供された状態のまま使用する必要があります。

アプリケーション/サービス・グループは、アプリケーションおよびサービスに関連する機能セットを指定します。アプリケーションおよびサービスは、特定のサーバーまたはクラスタ上でグループ化されます。

「ドメイン・トポロジ」セクションには、サーバーの定義や、固有のサーバーまたはグループ、あるいはサーバーやクラスタへのアプリケーションおよびサービスのターゲット指定が含まれます。これには次の定義が含まれます。

  • サーバー・グループ定義: アプリケーションとサービスのセットに関連した機能を含むサーバーを指定します。これによって、自動でクラスタを作成できるようになります。

  • クラスタ・グループ定義: アプリケーションとサービスのセットに関連した機能を含むクラスタを指定します。これによって、自動でクラスタを作成できるようになります。

  • アプリケーション/サービス・グループ・マッピング定義: アプリケーション/サービス・グループ名を介して、アプリケーション/サービス・グループを固有のサーバー、サーバーのグループ、またはクラスタにターゲット指定します。

WebLogic Server 12.1.2の時点では、ドメイン・トポロジ・セクションにより、コンパクトおよび拡張ドメイン・プロファイルに対して別個のサーバー・グループ、起動グループ、およびアプリケーション/サービス・グループのマッピング定義を定義できます。ドメイン・プロファイルの詳細は、「config-groups.xmlおよびstartup-plan.xml」を参照してください。

config-mapping.xml

このファイルは、名前/値ペアを使用して、デプロイメント・プラン内で定義されたカスタム変数に動的に値を割り当てるために使用されます。

database.xml

このファイルは、JDBCデータ・ソース定義が必要なFusion Middleware製品テンプレートにのみ含まれます。これによって、データ・ソースは、Oracleリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を介してデータをデータベース・オブジェクトへ構成およびロードするのに必要なコンポーネント・スキーマへグループ化されます。また、適用可能なデータベース・ベンダーおよびドライバも含まれるため、Fusion Middleware構成ウィザードではサポートされていないデータベースを選択する可能性がなくなります。

注意: このファイルは決して変更しないでください。テンプレートで提供された状態のまま使用する必要があります。

file-definition.xml

Fusion Middleware製品テンプレートにのみ適用されます。ドメイン作成または拡張時に実行されるファイル・コピーおよび文字列置換操作を定義します。文字列置換操作は、WebLogic Serverでのみサポートされ、WebSphere環境ではサポートされません。

jdbc.index

データベースの設定に使用されるSQLスクリプトの場所を特定します。ファイルには、実行が必要な順序でスクリプトがリストされています。目的のスクリプトがテンプレートに含まれておらず、製品インストール・ディレクトリ内に存在する場合は、スクリプトを指定するパス名の中で、次のようにティルダ( ~ )文字を使用して製品インストール・ディレクトリを表すことができます。

~/integration/common/dbscripts/oracle/reporting_runtime.sql

具体的には、このティルダはstringsubs.xmlファイル内の$USER_INSTALL_DIR$変数に指定されたディレクトリ・パスを表します。

テンプレートでは、jdbc.indexファイルは_jdbc_\dbtype\dbversionディレクトリに格納する必要があります。dbtypeはOracleなどのデータベースのタイプ、dbversionは9iなどのデータベース・バージョンを示します。

データ・ソースに関連するSQLファイルのリストのほか、jdbc.indexファイルには、データ・ソースに関連付けられたカテゴリ情報が含まれます。利用可能なデフォルトのdbCategoriesは以下のとおりです。

  • p13n.jarドメイン・テンプレートの一部である、p13nDataSourceデータ・ソースに関連付けられた「Drop/Create P13Nデータベース・オブジェクトのドロップ/作成」カテゴリ。

  • wlp.jarドメイン・テンプレートの一部である、p13nDataSourceデータ・ソースに関連付けられた「Portalデータベース・オブジェクトのドロップ/作成」カテゴリ。

  • wlp_groupspacedb.jarドメイン・テンプレートの一部である、appsGroupSpaceDataSourceデータ・ソースに関連付けられた「GroupSpaceデータベース・オブジェクトのドロップ/作成」カテゴリ。

これらのすべてのテンプレートjarファイルは、WL_HOME\common\templates\applicationsディレクトリにあります。

jvm-config.xml

このファイルは、WebSphere環境のFMW製品インストール専用で、WebLogic Server環境では無視される可能性があります。

security.xml

ドメイン・リソースへのIDとアクセスを確立するユーザー・グループとロールを作成するために使用されます。デフォルトのAdminユーザーはドメイン・テンプレートのsecurity.xmlファイルからのみ作成できます。ただし、ドメインまたは拡張テンプレートのいずれかに含まれているsecurity.xmlファイルによってユーザー・グループとロールを作成できます。

startscript.xml

ドメインのルート・ディレクトリおよびbinディレクトリに配置される*.cmdおよび*.shファイルを作成するために使用します。

startup-plan.xml

ドメイン・レベルまたはサーバー・グループ・レベルで、WebLogic Serverインスタンスの起動パラメータを定義します。このファイルでは、次の1つ以上の起動パラメータが定義されます。

  • 環境変数

  • Javaシステム・プロパティ

  • Javaプロトコル・ハンドラ

  • WLS PRE_CLASSPATH

  • WLS POST_CLASSPATH

  • Javaライブラリ・パス

  • WLS JVM初期ヒープ・サイズ

  • WLS JVM最大ヒープ・サイズ

  • WLS JVM Permanentサイズ

  • WLS JVM最大Permanentサイズ

  • その他のjava引数

テンプレートでコンパクト・ドメインと拡張ドメインの両方のプロファイルを定義する場合は、別個の起動パラメータ定義のグループが各プロファイル・タイプに対して1つ定義されます。ドメインに使用される起動パラメータは、コンパクト・ドメインと拡張ドメインのどちらを作成するかによって異なる場合があります。ドメイン・プロファイルと起動グループの詳細は、「config-groups.xmlおよびstartup-plan.xml」を参照してください。

stringsubs.xml

ドメイン作成または拡張時に文字列置換を受け取る文字列置換値とファイルを特定します。文字列置換を受け取るファイルは、置換変数とともに事前に準備されている必要があります。ドメイン作成時または拡張時に、構成ウィザード・フレームワークはマクロを実行し、WL_HOME\common\lib\macrorules.xml (WL_HOMEはWebLogic Serverインストール・ディレクトリ)からの情報に基づいて適切な文字列置換により変数を置き換えます。

template-info.xml

テンプレート名、ソフトウェア・バージョン、テンプレートのタイプ(ドメインまたはアプリケーション)、作成者、説明などのテンプレート識別情報を提供します。このファイルには(適用する場合)テンプレート依存情報も含まれます。

was-variable.xml

このファイルは、WebSphere環境のFMW製品インストール専用で、WebLogic Server環境では無視されます。


config-groups.xmlおよびstartup-plan.xml

多くのテンプレートにはconfig-groups.xmlファイルが含まれます。存在する場合、このファイルでは、次の1つ以上のアイテムが定義されます。

一部のテンプレートには、グローバル(ドメイン全体)レベルまたはサーバー・グループ・レベルでサーバー起動パラメータを定義するstartup-plan.xmlファイルも含まれます。

複数のテンプレートを使用してドメインを作成する場合、ドメインに含まれるすべてのテンプレートのconfig-group.xmlファイルを使用して、そのドメインのconfig-groups.xmlファイルが作成されます。

同様に、ドメインに含まれるすべてのテンプレートのstartup-plan.xmlファイルがマージされて、そのドメインのstartup-plan.xmlファイルが作成されます。ドメイン作成時に、マージされた起動プランが使用され、そのドメインに適切なスクリプトが生成されます。

マージされたconfig-groups.xmlおよびstartup-plan.xmlファイルは、ドメインのinit-infoディレクトリに格納されます。


注意:

init-infoディレクトリ内でconfig-groups.xmlファイルまたはstartup-plan.xmlファイルを手動で編集しないでください。


以降のセクションでは、これらのアイテムの詳細と、ドメイン内でそれらがどのように協働するかについて説明します。

ドメイン・トポロジ・プロファイル

ドメインの作成時に、そのドメインに使用するドメイン・トポロジ・プロファイル(コンパクトまたは拡張)を指定します。ドメイン・プロファイルは一部のFusion Middleware製品テンプレートでのみ定義されるため、WebLogic ServerにFusion Middleware製品がインストールされていないドメインには適用しないでください。


注意:

WLSTを使用してドメインを作成する場合にのみ、ドメイン・トポロジ・プロファイルを明示的に指定できます。グラフィカル・インタフェースにより、適切なプロファイルが自動的に構成されます。たとえば、JDeveloperドメイン作成ユーティリティを使用してドメインを作成する場合、ドメインはコンパクト・プロファイルで作成されます。Fusion Middleware構成ウィザードを使用してドメインを作成する場合、ドメインは拡張プロファイルで作成されます。


Fusion Middleware製品テンプレートのconfig-groups.xmlファイル内にある<domain-topology>要素のprofile属性で、ドメインのドメイン・プロファイルを定義できます。ドメイン・プロファイルはコンパクト(または単一インスタンス)または拡張(クラスタ化)のどちらかになります。<domain-topology>でカスタム・プロファイルと拡張プロファイルを別個に定義しない場合、<domain-topology>で定義される構成は、両方のタイプのドメインに使用されます。

ドメイン・プロファイルでは、次のものが定義されます。

  • プロファイルのサーバー・グループ

  • どちらのサーバー・グループが管理サーバー・サーバー・グループか。管理サーバー・グループは、ユーザーが展開できません。

  • サーバー・グループをユーザーが展開可能かどうか、つまりユーザーが管理対象サーバーをそれに割り当てることができるかどうか。ただし、サーバー・グループをユーザーが展開可能ではない場合でも、サーバー・グループにすでに割り当てられた既存のサーバーをクローニングすることで、管理対象サーバーをサーバー・グループに割り当てることができます。


    注意:

    ドメイン内のユーザーが展開可能なサーバー・グループをすべてリストするには、WLSTオフライン・コマンドlistServerGroups()を使用します。


  • 各定義済サーバー・グループにターゲット指定されたアプリケーション・サービス・グループ。そのターゲットを継承するサーバー・グループに割り当てられるすべてのサーバー。

  • サーバー・グループに追加される任意のサーバーの名前に接頭辞が割り当てられるかどうか。たとえば、接頭辞「xyz」がサーバー・グループに定義されており、「server2」という名前のサーバーをそのグループに追加する場合、サーバー名は「xyz_server2」として登録されます。

表1-4は、拡張ドメイン・プロファイルとコンパクト・ドメイン・プロファイルの違いを示しています。

表1-4 拡張ドメインとコンパクト・ドメインの違い

拡張ドメイン コンパクト・ドメイン

クラスタ化ドメインとも呼ばれます。

単一インスタンス・ドメインとも呼ばれます。

管理サーバーを含みます。ドメイン内に、Fusion Middleware製品の管理対象サーバーを含みます。Fusion Middleware管理対象サーバーはクラスタに割当て可能です。

管理サーバーのみを含み、ドメイン内のFusion Middleware製品の管理対象サーバーまたはクラスタは含みません。このドメイン・タイプは主に開発目的で使用されます。

1つの管理サーバー・サーバー・グループと、1つ以上の管理対象サーバー・サーバー・グループを定義します。

管理対象サーバー・サーバー・グループを定義します。管理対象サーバー・サーバー・グループはconfig-groups.xmlで定義可能ですが、使用されません。

config-groups.xmlで定義されるすべてのアプリケーション・サービス・グループがターゲット指定されます。一部のアプリケーション・サービス・グループは管理サーバー・サーバー・グループにターゲット指定され、その他のアプリケーション・サービス・グループは管理対象サーバー・サーバー・グループにターゲット指定されます。

定義済アプリケーション・サービス・グループの全部または一部が管理サーバー・サーバー・グループにターゲット指定されます。一部のアプリケーション・サービス・グループはターゲット指定できません。


新規ドメインに対してドメイン・プロファイルを選択するには、次の2つの方法があります。

  • FMW構成ウィザードを使用してドメインを作成する場合、「構成タイプ」画面で、使用するプロファイルを選択します。『構成ウィザードによるドメインの作成』の構成タイプに関する項を参照してください。

  • WLSTを使用してドメインを作成する場合、readTemplateコマンドで使用するプロファイルを指定します。『WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のreadTemplateに関する項を参照してください。デフォルトのプロファイル・タイプは拡張です。

アプリケーション・サービス・グループ、サーバー・グループおよびアプリケーション・サービス・マッピング

Fusion Middlewareテンプレートのconfig-groups.xmlファイルで、アプリケーション・サービス・グループ、サーバー・グループおよびアプリケーション・サービス・マッピングを定義できます。これにより、アプリケーションとサービスを、ドメイン内の適切なアプリケーション・サーバーに自動的に割り当てることができます。

  • アプリケーション・サービス・グループ - これらは<app-svc-groups>要素内で定義されます。各<group>要素は、一意のアプリケーション・サービス・グループを定義します。これには、アプリケーション・デプロイメント、ワーク・マネージャ、JMSシステム・リソース、ライブラリ、製品ドメイン内で必要となるその他のアイテムなど、ドメインに含める様々なアプリケーションおよびサービスが含まれます。一部のアプリケーション・サービス・グループはコンパクト・ドメインで使用できませんが、アプリケーション・サービス・グループは各ドメイン・プロファイルに対して常に同じになります。アプリケーション・サービス・グループは、複数のサーバー・グループにマップできます。

  • サーバー・グループ - 名前付きサーバー・グループです。通常、ドメインのconfig-groups.xmlファイルには、少なくとも1つの管理サーバー・グループと管理対象サーバー・グループがそれぞれ定義されています。これらは、<domain-topology>要素内の<server-group>要素により定義されます。コンパクト・プロファイルで管理サーバー・サーバー・グループと管理対象サーバー・サーバー・グループの両方を定義できますが、コンパクト・ドメインで使用されるのは管理サーバー・サーバー・グループのみであることに注意してください。

    サーバー・グループをユーザーが展開可能なグループとして定義している場合、管理対象サーバーをサーバー・グループに追加できます。ユーザーが展開可能なサーバーは、Fusion Middleware構成ウィザードの「管理対象サーバー」画面の「サーバー・グループ」ドロップダウン・リストにリストされています。WLSTでは、listServerGroupsコマンドを使用して、どのサーバー・グループをユーザーが展開可能かどうかを判別できます。

  • アプリケーション・サービス・マッピング - 各定義済サーバー・グループに対してどのアプリケーション・サービス・グループがマップされるかを定義します。これらのマッピングはドメイン・プロファイルによって異なります。これらは、config-groups.xmlの<domain-topology>要素内の<app-svc-group-mapping>要素で定義されます。

サーバー・グループは、定義済アプリケーション・サービス・グループを各定義済サーバー・グループにマップすることにより、Fusion Middlewareアプリケーションおよびサービスを1つ以上のサーバーにターゲット指定します。必要に応じて、特定のアプリケーション・サービス・グループを複数のサーバー・グループにマップできます。特定のサーバー・グループにマップされた任意のアプリケーション・サービスは、そのグループに割り当てられたすべてのサーバーに自動的にターゲット指定されます。

たとえば、config-groups.xmlで次のアイテムが定義されているとします。

  • サーバー・グループADMIN-SVR(管理サーバーのサーバー・グループ)

  • サーバー・グループMGD-SVRS(管理対象サーバーのサーバー・グループ)

  • アプリケーション・サービス・グループADMIN-APPS(管理サーバー上でのみ実行されるアプリケーション・サービスを定義)

  • アプリケーション・サービス・グループMAIN-APPS(管理対象サーバー上で実行されるアプリケーションを定義)

  • アプリケーション・サービス・グループMAIN-LIBS(管理サーバーと管理対象サーバーにターゲット指定される必要のあるライブラリを定義)

  • MAIN-APPSをMGD-SRVSサーバー・グループにマップするアプリケーション・サービス・マッピング

  • ADMIN-APPSをADMIN-SVRサーバー・グループにマップするアプリケーション・サービス・マッピング

  • MAIN-LIBSをADMIN-SVRサーバー・グループにマップするアプリケーション・サービス・マッピング

  • MAIN-LIBSをMGD-SVRSサーバー・グループにマップするアプリケーション・サービス・マッピング

この例では、ADMIN-APPSで定義されるすべてのアプリケーションとその他のリソースは、管理サーバーにターゲット指定されます。MAIN-APPSで定義されるすべてのアプリケーションとその他のリソースは、すべての管理対象サーバーにターゲット指定されます。MAIN-LIBSで定義されるすべてのライブラリは、管理サーバーとすべての管理対象サーバーにターゲット指定されます。

サーバー・グループでのサーバーの追加または削除

WLST setServerGroups()コマンドを使用して、ユーザーが展開可能な任意のサーバー・グループ、またはユーザーが作成した任意のサーバー・グループにサーバーを追加できます。任意のサーバー・グループからサーバーを削除することもできます。次に、この例を示します。

# add a server to a server group
setServerGroups('my_server4', 'XYZ-MAN-SRVS', '180000')

# remove a server from a server group by setting the group to null
serverGroup = []
setServerGroups('my_server3', serverGroup

起動グループ

テンプレート内のstartup-plan.xmlファイルは、様々な起動パラメータがドメイン内の異なるサーバーまたはサーバー・グループ用に定義されるようにする、起動グループを定義します。ドメイン・テンプレートには、次のものが含まれます。

  • グローバル起動定義。これにより、ドメイン内のすべてのサーバーに対するドメイン全体の起動設定が定義されます。

  • 1つ以上のサーバー起動グループ。これらはサーバー・グループに関連付けられます。存在する場合、これらはサーバー・グループに割り当てられたすべてのサーバーに対する起動設定を定義します。サーバー起動グループがグローバル・レベルですでに定義されている設定を定義する場合、サーバー・レベルの定義が優先されます。

拡張ドメイン・プロファイルとコンパクト・ドメイン・プロファイルに対して、異なる起動設定を定義できます。また、ドメインを作成する場合、ドメインに複数のテンプレートを適用できます。そのため、すべての可能な起動設定と起動グループは、ドメインの/init-infoディレクトリ内の単一のstartup-plan.xmlファイルに結合されます。サーバーを起動する際に、このファイルを参照して次のことが特定されます。

  • サーバーの割当て先のサーバー・グループとサーバー・グループの割当て先の起動グループに基づく、サーバーの割当て先の起動グループ(存在する場合)。

  • サーバーのサーバー・グループの割当て先の起動グループに基づく、サーバー用の起動設定。

サーバーがサーバー・グループに割り当てられていない場合は、startup-plan.xmlで定義されているグローバル設定を使用して起動されます。

表1-3startup-plan.xmlに、このファイルで構成可能な起動パラメータを示します。

サーバーの起動構成の管理

ドメインのマージされたstartup-plan.xmlファイルには、そのドメイン内のサーバーの起動パラメータが定義されていますが、オフラインのWebLogic Scripting Tool (WLST)を使用して、次の操作を実行する必要が生じる場合があります。

  • 独自の起動グループの作成による、ドメイン内の1つ以上のサーバーに対する一意の起動パラメータの定義。

  • サーバー・グループの起動パラメータの調整。

  • 起動グループでのサーバーの追加または削除。サーバーの削除は、ユーザーが変更不可能なサーバー・グループでも実行可能ですが、サーバーの追加は、ユーザーが変更可能なサーバー・グループか、自分で作成したサーバー・グループでのみ行えることに注意してください。

ドメインのstartup-plan.xmlファイルは、起動構成に加えた変更で自動的に更新されます。

起動グループの作成および変更

ドメイン内の既存のサーバー・グループから、新しい起動グループを作成できます。新しい起動グループは、起動グループの作成に使用したサーバー・グループから起動パラメータのみを継承します。次に、新しい起動グループの起動パラメータ設定を変更して、それに個々のサーバーを割り当てることができます。

ドメイン内のサーバー・グループを特定するには、次の2つの方法があります。

  • WLSTコマンドlistServerGroups()を入力します。これはユーザーが展開可能なサーバー・グループのみを表示します。

  • ドメインのinit-info/config-groups.xmlファイルを開きます。サーバー・グループ名は、このファイル内の<server group>要素のname属性により定義されます。

次のWLSTの例は、サーバー・グループJRF-MAN-SVRに基づいてXYZ-MGD-SVRSという名前の新しい起動グループを作成し、サーバーをそのグループに追加し、新しいグループの設定を表示および調整する方法を示しています。

例1-1 起動グループの作成および変更

# Create a new startup group called XYZ-MGD-SVRS based on the startup settings 
# for server group JRF-MAN-SVR
addStartupGroup('XYZ-MGD-SRVS', 'JRF-MAN-SVR')

# Set the startup group for my_server1 to XYZ-MGD-SRVS
setStartupGroup('my_server1', 'XYZ-MGD-SRVS')
# select the XYZ-MGD-SRVS startup group for modification
cd('/StartupGroupConfig/XYZ-MGD-SRVS')

# display the setting for MaxHeapSize 
get('MaxHeapSize')
'1024'
# change the setting for MaxHeapSize
set('MaxHeapSize', '1536')

# get Java system properties for a startup group as a Python dictionary
dictionary = get('SystemProperties')

# set Java system properties for a startup group
dictionary['key.1'] = 'value.1'
dictionary['key.2'] = 'value.2'
set('SystemProperties',dictionary)

# get Java environment settings for a startup group as a Python dictionary
dictionary = get('EnvVars')

# set Java system properties for a startup group
dictionary['env.1'] = 'value.1'
dictionary['env.2'] = 'value.2'
set('EnvVars',dictionary)

注意:

set('EnvVars',{})をコールするとすべてのカスタマイズがリセットされ、起動グループの環境変数が、起動グループに関連付けられたサーバー・グループから派生した設定に戻ります。