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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverのアップグレード
12c (12.1.2)
E48023-03
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3 WebLogicドメインの再構成

この章では、再構成ウィザードを使用して、WebLogic Server 10.3.1以降またはWebLogic Server 12.1.1を使用して作成されたWebLogic Serverドメインを再構成する方法について説明します。

再構成ウィザードを実行して、WebLogic Serverドメインを再構成する場合は、ドメインのアプリケーションによって、次の項目が自動的に更新されます。


注意:

再構成ウィザードでは、ドメインに含まれる独自のアプリケーションは更新されません。独自のアプリケーションのアップグレード方法の詳細は、付録A「WebLogic Server 12.1.2の旧リリースとの互換性」を参照してください。


この章の内容は次のとおりです。

始める前に

アップグレード・プロセスを開始する前に、次の2つのセクションを参照してください。

WebLogic Server 10.3.0より前に作成されたドメインのアップグレード

ドメインがWebLogic Server 10.3.0より前に作成された場合は、最初にWebLogic Server 10.3.6にアップグレードする必要があります。WebLogic Server 10.3.6にアップグレードした後で、ドメイン・アップグレード・ウィザードを実行して、ドメインをアップグレードします。

WebLogic Server 10.3.6へのアップグレードおよびドメイン・アップグレード・ウィザードの実行の詳細は、次のURLにある『Oracle WebLogic Serverアップグレード・ガイド(10.3.6)』を参照してください。

http://docs.oracle.com/cd/E23943_01/web.1111/e13754/toc.htm

UNIXおよびLinuxシステムでのCONFIG_JVM_ARGSの設定

再構成ウィザードを実行してUNIXまたはLinuxオペレーティング・システムのドメインを再構成する前に、オペレーティング・システムの乱数ジェネレータを使用するためにCONFIG_JVM_ARGS環境変数を次の値に設定します(まだ設定していない場合)。

-Djava.security.egd=file:/dev/./urandom

これにより、再構成ウィザードでドメインを再構成するのにかかる時間が短縮されます。

ドメインのバックアップ

再構成ウィザードを実行する前に、ドメイン・ディレクトリのバックアップ・コピーを作成します。たとえば、C:\domains\mydomainをC:\domains\mydomain_backupにコピーします。

各リモート管理対象サーバーのドメインを更新する前に、各リモート・マシンのドメイン・ディレクトリのバックアップ・コピーを作成します。

ドメインの再構成がなんらかの理由で失敗した場合は、再構成を実行する前に、すべてのファイルおよびディレクトリをバックアップ・ディレクトリから元のドメイン・ディレクトリにコピーしてドメインを完全に元の状態に戻す必要があります。

WebLogicドメインの再構成

WebLogicドメインは次のように再構成できます。

ドメインを再構成する場合:

ドメインを再構成する場合は次の項目に注意してください。

グラフィカル・モードでのWebLogicドメインの再構成

グラフィカル・モードで再構成ウィザードを使用してWebLogicドメインを再構成するには、次のようにウィザードを起動します。DOSコマンド・プロンプト・ウィンドウまたはUNIXシェルからのみ再構成ウィザードを起動できます。


注意:

ドメインの再構成プロセスを開始すると、元に戻すことはできません。再構成ウィザードを実行する前に、「ドメインのバックアップ」の説明に従ってドメインをバックアップしてあることを確認してください。再構成ウィザードの実行中にエラーまたはその他の中断が発生した場合は、ファイルおよびディレクトリをバックアップの場所から元のドメイン・ディレクトリにコピーしてドメインをリストアする必要があります。これは、再構成前にドメインを確実に元の状態に戻す唯一の方法です。



注意:

GUIモードで再構成ウィザードを実行できない状況では、WLSTスクリプトを使用してドメインを再構成することをお薦めします。詳細は、「WebLogic Scripting Toolを使用したWebLogicドメインの再構成」を参照してください。


Windowsコマンド・プロンプトまたはUNIXシステムから、再構成ウィザードをグラフィカル・モードで起動する手順は次のとおりです。

  1. ドメインが存在するシステムにログインします。

  2. MS-DOSコマンド・プロンプト・ウィンドウ(Windows)またはコマンド・シェル(UNIX)を開きます。

  3. 次のディレクトリに移動します:

    Windowsの場合: ORACLE_HOME\oracle_common\common\bin

    UNIX:の場合: ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin

    ORACLE_HOMEはOracleホーム・ディレクトリです。

  4. 次のコマンドを実行します。

    Windowsの場合: reconfig.cmd

    UNIXの場合: sh reconfig.sh


    注意:

    reconfig.cmdまたはreconfig.shコマンドを実行すると、デフォルトのキャッシュ・ディレクトリが無効であることを示す次のエラー・メッセージが表示される場合があります。

    *sys-package-mgr*: パッケージ・キャッシュ・ディレクトリを作成できません。

    コマンドに-Dpython.cachedir=valid_directoryオプションを含めることで、キャッシュ・ディレクトリを変更できます。


    「ドメインの選択」画面が表示されます。

再構成ウィザードでは、表3-1にリストされる順序で一連の画面が表示されます。各画面の詳細は、第5章「再構成ウィザードの画面」の関連項目を参照するか、または「画面」列のリンクをクリックします。


注意:

ドメインおよび他の要因により、アプリケーションによって、次の表に表示される画面のほかに、追加の構成画面が表示される場合もあります。これらの画面の詳細は、画面の「ヘルプ」ボタンをクリックするか、または第5章を参照してくだい。

再構成中に「拡張構成」画面が表示される場合は、オプションを選択しないで、すべての拡張構成をスキップしてくだい。必要に応じて、後でWLST、構成ウィザードまたは管理コンソールを使用して、サーバーおよびクラスタの追加やデプロイメント・ターゲット指定の変更などの拡張構成を実行できます。


表3-1 既存のWebLogicドメインの再構成

画面 画面がいつ表示されるか 次のアクションを実行

ドメインの選択


常時

ドメイン・ディレクトリへのフルパスを入力するか、「参照」をクリックして、ドメイン・ディレクトリに移動して選択します。

「次へ」をクリックして、続行します。

再構成セットアップの進行状況


常時

再構成テンプレートのアプリケーションの進行状況を表示します。

処理が終了したら、「次へ」をクリックして、続行します。

ドメイン・モードおよびJDK


常時

ドメイン・モードは変更できません。

ドメインで使用するJDKを選択するか、「参照」をクリックして使用するJDKに移動します。

「次へ」をクリックして、続行します。

この時点で追加のドメイン構成画面が表示される場合があります。

追加の画面はドメイン構成によって異なります。

画面の「ヘルプ」ボタンをクリックするか、または表示順に画面のすべてが説明されている第5章を参照してください。

拡張構成


常時

詳細構成タスクを実行する各カテゴリ(存在する場合)のチェック・ボックスを選択します。

使用可能なチェック・ボックスは、ドメイン構成によって異なります。

「次へ」をクリックして、続行します。

この時点で追加のドメイン構成画面が表示される場合があります。

追加の画面は、選択した「拡張構成」オプションによって異なります。

画面の「ヘルプ」ボタンをクリックするか、または表示順に画面のすべてが説明されている第5章を参照してください。

構成のサマリー


常時

構成を確認します。

構成を変更するには「戻る」ボタンをクリックし、ドメイン再構成プロセスを完了するには「再構成」ボタンをクリックします。

再構成に成功しました


常時

再構成プロセスの最終ステータスを表示します。

構成ウィザードを終了するには、「終了」をクリックします。


WebLogic Scripting Toolを使用したWebLogicドメインの再構成

この項では、readDomainForUpgradeコマンドを使用し、オフライン・モードでWebLogic Scripting Tool (WLST)を使用してドメインを再構成する方法について説明します。


注意:

ドメインの再構成プロセスを開始すると、元に戻すことはできません。WLSTを使用してドメインの再構成を実行する前に、「ドメインのバックアップ」の説明に従ってドメインをバックアップしてあることを確認してください。再構成の実行中にエラーまたはその他の中断が発生した場合は、ファイルおよびディレクトリをバックアップの場所から元のドメイン・ディレクトリにコピーしてドメインをリストアする必要があります。これは、再構成前にドメインを確実に元の状態に戻す唯一の方法です。


次の例のスクリプトは、オフラインでWLSTを使用してmy_domainというドメインを再構成する方法を示しています。

例3-1 WebLogicドメインの再構成

# Open the domain for upgrade.
wls:/offline> readDomainForUpgrade('c:/domains/my_domain')

# Save the updated domain.
wls:/offline/my_domain> updateDomain()

# Close the domain.
wls:/offline/my_domain> closeDomain()

ノード・マネージャ構成の完了

ドメインを再構成した後で、次の手順を実行してノード・マネージャ構成を完了します。


注意:

次の手順は、1つのノード・マネージャを使用してドメインのすべてを制御するように、以前のインストール時と同様にノード・マネージャを実行するよう構成する方法について説明します。


  1. 新しいWebLogic Serverのインストールでは、ORACLE_HOME/oracle_common/commonにnodemanagerディレクトリを作成します。

  2. nodemanager.propertiesおよびnodemanager.domainsファイルを以前のWebLogic ServerインストールのWL_HOME/common/nodemanagerディレクトリから、手順1で作成したディレクトリにコピーします。

  3. 以前のインストールにnm_data.properties、SerializedSystemIni.dataまたはsecurity/SerializedSystemIni.datファイルが含まれている場合は、それを手順1で作成したディレクトリにコピーします。SerializedSystemIni.datをコピーする場合は、nodemanagerディレクトリの下にsecurityディレクトリを作成して、そこにファイルを格納します。

  4. nodemanager.propertiesファイルに次の編集を行います。ORACLE_HOMEは、WebLogic Server 12.1.2インストールのOracleホーム・ディレクトリです。

    • DomainsFileORACLE_HOME/oracle_common/common/nodemanager/nodemanager.domainsファイルを指すように更新します。

    • ファイルにjavaHomeプロパティ設定が含まれる場合は、必要でない場合は削除します。

    • JavaHomeをWebLogic Server 12.1.2に対して使用しているJDKのjreディレクトリを指すように更新します。

    • NodeManagerHomeORACLE_HOME/oracle_common/common/nodemanagerを指すように更新します。

    • LogFileORACLE_HOME/oracle_common/common/nodemanager/nodemanager.logを指すように更新します。

  5. 独自のセキュリティ証明書を使用している場合は、これらの証明書の場所がnodemanager.propertiesで正しいことを確認します。証明書を別の場所に移動した場合はパスを更新する必要がある場合があります。

    以前のインストールでWebLogic Serverデモ証明書を使用していた場合は、CertGenを実行してこのインストールのデモ・キーストアを作成する必要があります。

    1. setWLSEnvを実行します。

      cd WL_HOME/server/bin

      . ./setWLSEnv.sh (UNIX)

      setWLSEnv.cmd (Windows)


      注意:

      UNIXオペレーティング・システムでは、setWLSEnv.shコマンドはすべてのコマンド・シェルで環境変数を設定しません。Kornシェルまたはbashシェルを使用してこのコマンドを実行することをお薦めします。


    2. ORACLE_HOME/oracle_common/common/nodemanager/ディレクトリに変更し、存在しない場合はセキュリティ・ディレクトリを作成します。

    3. セキュリティ・ディレクトリに変更し、次のコマンドを入力します。

      java utils.CertGen -certfile democert -keyfile demokey -keyfilepass DemoIdentityPassPhrase

    4. 次のコマンドを入力して、DemoIdentity.jksファイルを生成します。

      java utils.ImportPrivateKey -certfile democert.pem -keyfile demokey.pem -keyfilepass DemoIdentityPassPhrase -keystore DemoIdentity.jks -storepass DemoIdentityKeyStorePassPhrase -alias demoidentity

  6. ORACLE_HOME/wlserver/server/bin directoryから、startNodeManager.cmd (Windows)またはstartNodeManager.sh (UNIX)を実行します。

  7. ノード・マネージャを使用してサーバーを起動できることを確認します。詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のノード・マネージャを使用したサーバーの制御に関する項を参照してください。permgen設定がサーバーの起動に十分であることを確認するには、次の方法のいずれかを使用できます。

    • startManagedWebLogicスクリプトを使用して管理対象サーバーを起動します。

    • nodemanager.propertiesStartScriptEnabled値をtrueに設定します。これにより、管理対象サーバーの起動時にStartManagedWebLogicスクリプトを起動できます。

    • Setting permgen space.で説明されるようにpermgenスペースを設定します。

    • サーバーを起動するためにsetUserOverridesスクリプトを使用してpermgen設定を指定します。詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のドメイン全体のサーバー・パラメータのカスタマイズに関する項を参照してください。

リモート・マシンの管理対象サーバー・ドメインの更新

WebLogicドメインに複数の管理対象サーバーが含まれ、各管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリが管理サーバーが存在しないリモート・マシン上にある場合、そのリモート・マシン上のドメインを更新するには次の方法のいずれかを使用できます。

import os
 
wlsHome = os.getenv('WL_HOME')
mwHome = os.path.join(wlsHome, '..')
 
#Substitute the administrator user name and password values below as needed
connect('adminuser','adminpassword','admin_server_url')
 
#Create the path on the local machine where the template will be stored, 
#The specified template JAR should not already exist. The timeout value 
#specifies the number of milliseconds to elapse before the connection between
#the Administration Server and remote machine times out (default is 120000).
templatePath = '/user_templates/myTemplate.jar'
timeout = '180000'
 
#get the packed template from the Administration Server
writeTemplate(templatePath, timeout)
 
#disconnect from online WLST connection to the Administration Server
disconnect()
 
#read the template that was downloaded from the Administration Server
readTemplate(templatePath)
 
#specify the domain directory where the domain needs to be created
domainPath = 'domains/myDomain')
 
#create the domain
writeDomain(domainPath)

ドメインのアップグレード・プロセスに関する重要な注意事項

アップグレード・プロセスには次の重要な情報があります。

アップグレード後のタスクの実行

アプリケーション環境をアップグレードした後で、次のタスクを実行する必要がある場合があります。

必ずしもすべての手順を実行する必要があるわけではありません。以下の説明に基づいて、アプリケーション環境に必要な手順を決定してください。互換性の問題が環境に適用されるかどうかについては、付録A「WebLogic Server 12.1.1の旧リリースとの互換性」で互換性問題を確認してください。

起動スクリプトへのカスタマイズの再適用

アプリケーション環境の12.1.2へのアップグレードを完了するには、起動スクリプトへのカスタマイズの再適用が必要になる場合があります。次の節では、デフォルト起動スクリプトおよびカスタム起動スクリプトをカスタマイズする方法について説明します。

デフォルト起動スクリプト

再構成ウィザードによるアップグレード・プロセスでは、デフォルト起動スクリプトに対して行われたカスタマイズの内容(JAVA_OPTIONS環境変数の設定など)は保持されません。アップグレード・プロセスが完了した後に、デフォルト起動スクリプトを再びカスタマイズする必要があります。

ドメインを12.1.2にアップグレードすると同時にPointBaseを継続して使用する場合は、PointBaseのJARファイルをCLASSPATH環境変数定義の先頭に追加する必要があります。これを行うには、setDomainEnvファイル内のset CLASSPATH文を変更します。


注意:

WebLogic Server 12.1.2ではPointBase 5.7がサポートされますが、PointBaseの任意のバージョンをWebLogic Server 10.3.3以上で使用するには、http://www.pointbase.comで入手できるPointBaseのライセンスが必要です。


カスタム起動スクリプト

カスタム起動スクリプトを作成した場合は、次の手順に従って手動で更新する必要があります。

  • JDKバージョンをWebLogic Serverで使用しているJDKに設定します。

  • 次のようにCLASSPATH変数を更新します。

    • WebLogic Server 12.1.2のクラスを変数の先頭に追加します。

    • 使用されていない10.3より前のバージョンのWebLogicのクラスをすべて削除します。

    • PointBaseを継続して使用するには、PointBaseデータベースのJARをCLASSPATH環境変数定義の最初に追加します。

      評価版データベースを使用するドメインのアップグレードの詳細は、「評価版データベースを使用するドメインのアップグレード」を参照してください。

ファイル権限の確認

次のようにファイル権限を確認します。

  • アップグレード・プロセスにおいてドメイン・ディレクトリのバックアップを行った場合、バックアップ・ファイルには機密情報が含まれている可能性があるため、バックアップ・ファイルを保護する必要があります。

  • アップグレード・プロセスでは、ファイル権限は保持されません。デフォルト以外のファイル権限がファイルに設定されている場合は、これらを確認し、リセットする必要があります。

  • UNIXシステムでは、アップグレード・プロセス中に作成される新しいファイルの所有権と権限は、アップグレードを実行するユーザーに割り当てられます。たとえば、アップグレードがrootにより実行される場合、新しいファイルの所有権はrootに割り当てられます。このため、後でドメイン内のこれらのファイルを更新するユーザーにはroot権限が必要となります。したがって、アップグレード・プロセス中に作成されたファイルに設定されている権限を確認または修正することをお薦めします。

リモート・サーバー起動オプションの確認

管理サーバーを起動したら、JAVA_HOMEBEA_HOMECLASSPATHなどのリモート・サーバー起動オプションが、対象の管理対象サーバーにインストールされているWebLogic Server 12.1.2を参照していることを確認します。これは管理コンソールを使用して行います。詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプ管理対象サーバーの起動引数の構成に関する項を参照してください。


注意:

リモート・サーバー起動オプションが正しく設定されていないと、ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動するときに、次のようなメッセージがログ・ファイルに書き込まれることがあります。このメッセージは再帰的に送信されるため、最終的に使用可能なディスク容量がすべて消費されるおそれがあります。


No config.xml was found.

Would you like the server to create a default configuration and boot? (y/n): 
java.io.IOException: The handle is invalid 

アプリケーション環境の本番環境へのプロモート

アプリケーション環境を本番環境にプロモートする前に、標準的な品質保証およびパフォーマンス・チューニングを行います。テスト・アプリケーション環境でアプリケーション(外部クライアント・アプリケーションを含む)の動作をテストすることをお薦めします。非推奨となったAPIまたは削除されたAPIがアプリケーションで使用されている場合は、実行時に警告または例外が発生するおそれがあります。発生した場合は、アプリケーション環境を本番環境にプロモートする前に、必要な修正を行う必要があります。

すべてのテスト基準をクリアしていれば、「ステップ4: アップグレード計画の作成」で定義したアップグレード計画に従って、アプリケーション環境を本番環境にプロモートできます。

新しい12.1.2のアプリケーション環境が本番環境にデプロイされたら、既存の環境から新しい環境にリクエストをリダイレクトできるようになります。このようにして、最終的には、既存の環境を安全な停止状態にすることができます。これは、ロード・バランサなどを使用して行います。

評価版データベースを使用するドメインのアップグレード

WebLogic 10.3.3以降、インストール・プログラムに含まれる評価版データベースが、PointBaseからDerbyに変更されています。評価版データベースは、サンプル・アプリケーションやコード例で使用されるため、またデモンストレーション・データベースとして使用するために提供されます。PointBaseを使用していたサンプルやデモのドメインをアップグレードする場合は、ドメインのPointBaseを引き続き使用するオプションがあります。

WebLogic 12.1.2にアップグレードするドメインでデータベースとして引き続きPointBaseを使用するには、次の手順を実行します。

  1. 「アップグレードの準備」の説明に従ってWebLogic Server 12.1.2をインストールするとき、フル・インストーラを使用する必要があります。フル・インストーラを使用すると、前のWebLogic ServerインストールのPointBaseインストールが保存されません。

  2. 「アプリケーション環境のアップグレード」「アップグレード後のタスクの実行」で説明されている手順を実行します。

    PointBaseに関するドメインの構成設定が保存されます。

  3. http://www.pointbase.comでPointBaseのライセンスを取得します。

  4. PointBaseインストールをリストアします。PointBaseは、WL_HOME/common/eval/pointbaseディレクトリにインストールされます。

  5. PointBaseデータベースのJARをCLASSPATH環境変数定義の最初に追加します。