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Oracle® Real User Experience Insight管理者ガイド
12c Release 3 (12.1.0.4) for Linux x86-64
E49733-01
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1 レポートの制御

この章では、監視対象トラフィックのレポートを最適化する設定について説明します。これらには、失敗したデータ・ブラウザ・グループ内で使用可能な情報量の増加、デフォルトのユーザー・フロー制限の増加およびユーザー・イベント情報の取得が含まれます。

1.1 ユーザー・イベント情報の取得

RUEIデータベースには、ユーザー・イベント(ユーザーがレポートを開く、KPIアラート・ログを参照するまたはログオンおよびログオフする場合など)の情報が含まれます。ユーザーが特定のレポートを開くまたはダウンロードする頻度の確認または最も頻繁にアクセスするデータ・ブラウザ・グループの取得など、この情報を様々な目的に使用できます。この方法で、RUEIインストールを最適化して、ユーザーのニーズを最も満たすことができます。

ユーザー・イベントの記録は、C_config表内のuser_events_enabled設定によって制御されます。1(デフォルト)に設定すると、ユーザー・イベントが記録され、0に設定すると、ユーザー・イベントが記録されません。

デフォルトで、ユーザー・イベントの情報は、最大31日間データベースに保持されます。これは、C_config表内のdb_max_user_eventsエントリによって制御されます。この設定のいずれかを変更する手順は、次のとおりです。

RUEI_USERユーザーになり、次のコマンドを発行して、ユーザー・イベント保存設定を変更します。

execsql config_set_value processor db_max_user_events days

daysでは、ユーザー・イベント情報を格納する最大日数を指定します。この設定はデータベース使用率に影響するので注意してください。

ユーザー・イベント表の構造

表1-1に示すC_USER_EVENTS表には、ユーザー・イベント情報が含まれます。

表1-1 C_EVENTS表

説明

ID

NUMBER

ユーザー・イベントの識別に使用する一意のID。

STAMP

TIMESTAMP

ユーザーがイベントを実行した場合の時間(UTC形式)。

USERNAME

VARCHAR2 (255 BYTE)

ユーザーのログオン名。

CODE

NUMBER

これはイベント・コードです。

EVENT

VARCHAR2 (4000 BYTE)

イベントの簡単な説明。


イベント・コードおよび説明

使用可能なCODEイベントおよび関連付けられた説明を表1-2に示します。

表1-2 C_LANG_CATALOG_DATA表

コード 説明

0

ユーザー・ログオン。

1

ユーザー・ログアウト。

2

ダッシュボード・タブのロード/リロード。

3

追加された新規ダッシュボード(%1%s)。

4

更新されたダッシュボード(%1$s)。

5

削除されたダッシュボード(%1$s)。

6

レポート・タブのロード/リロード。

7

レポートの表示(%1$s)。

8

プレビュー・レポートのロード/リロード(%1$s)。

9

レポートの保存(%1$s)。

10

新規レポートとして保存(%1$s)。

11

レポートをPDFとしてダウンロード(%1$s)。

12

レポートをCSVとしてダウンロード(%1$s)。

13

レポートをTSVとしてダウンロード(%1$s)。

14

レポートをXLSとしてダウンロード(%1$s)。

15

レポートをXMLとしてダウンロード(%1$s)。

16

レポートをお気に入りに追加(%1$s)。

17

レポートをお気に入りから削除(%1$s)。

18

レポート%1$sメーリングの切替え(%2$s)。

19

%1$sメーリングからレポートを削除(%2$s)。

20

今すぐ%1$sメーリングを送信。

21

参照タブのロード/リロード。

22

グラフの選択(%1$s)。

23

グラフ・カテゴリの選択(%1$s)。

24

グループの選択(%1$s)。

25

診断のロード/リロード。

26

レポートの参照(%1$s)。

27

KPI概要タブのロード/リロード(%1$s)。

28

KPIの全体的なアラート・ログのロード/リロード。

29

KPI固有のアラート・ログの表示(%1$s)。

30

KPI相関のロード/リロード(%1$s)。

31

ユーザー%1$sが追加されました。

32

ユーザー%1$sが削除されました。

33

アプリケーション%1$sが追加されました。

34

アプリケーション%1$sが削除されました。

35

サービス%1$sが追加されました。

36

サービス%1$sが削除されました。

37

スイート%1$sが追加されました。

38

スイート%1$sが削除されました。

39

コレクタ・プロファイル%1$sが追加されました。

40

コレクタ・プロファイル%1$sが削除されました。

41

コレクタ%1$sがプロファイル%2$sに登録されました。

42

コレクタ%1$sがプロファイル%2$sから登録解除されました。

43

コレクタ%1$s(プロファイル%2$s)が再起動されました。

44

コレクタ%1$s(プロファイル%2$s)が無効になりました。

45

コレクタ%1$sがプロファイル%2$sに移動されました。

46

トラフィック・フィルタ(プロファイル%1$s)が%2$sに変更されました。

47

VLANフィルタ(プロファイル%1$s)が%2$sに変更されました。

48

ポート番号(%1$s)がプロファイル%2$sに追加されました。

49

ポート番号(%1$s)がプロファイル%2$sから削除されました。

50

IPフィルタ(%1$s)がプロファイル%2$sに追加されました。

51

IPフィルタ(%1$s)がプロファイル%2$sから削除されました。

52

ユーザー・アカウント%1$sが有効になりました。

53

ユーザー・アカウント%1$sが無効になりました。

54

ユーザー・アカウント%1$sがロックされました。

55

ユーザー・アカウント%1$sのロックが解除されました。

56

ユーザー・アカウント%1$sの最大ログイン試行に達しました。

57

ユーザー%1$sのパスワードの有効期限が過ぎています。

58

ユーザー%1$sの初期パスワードの有効期限が過ぎています。

59

パスワードに使用できる最小長が%1$sに変更されました。

60

最大パスワード期間が%1$sに変更されました。

61

レポートの削除(%1$s)。

62

URL接頭辞%1$sとアクション: %2$sが追加されました。

63

URL接頭辞%1$sとアクション: %2$sが削除されました。

64

URL接頭辞%1$sとアクション: %2$sが更新されました。

65

デフォルトのリプレイ・アクションが%1$sに変更されました。

66

リプレイIP範囲アクションが%1$sに変更されました。

67

リプレイIP範囲%1$sが追加されました。

68

リプレイIP範囲%1$sが削除されました。

69

すべてのIP範囲のリプレイが削除されました。

70

リプレイIP範囲%1$sが変更されました。

71

リプレイIP範囲がアップロードされました。

72

ソース値: %2$sとアクション: %3$sの%1$sアクションが追加されました。

73

ソース値: %2$sとアクション: %3$sの%1$sアクションが削除されました。

74

ソース値: %2$sとアクション: %3$sの%1$sアクションが更新されました。

75

%1$sのデフォルト・アクションが%2$sに変更されました。


1.2 失敗したグループのサイズの増加

『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』の12.10項で説明するように、「失敗したURL」、失敗したサービスおよび「失敗したページ」グループは、最大グループ・サイズ設定を使用しません。かわりに、event_max_fail設定によってサイズが制御されます。この設定により、グループのメイン・データベース表に1分間に追加できる最大行数を指定します。デフォルトでは1000行です。「遅いURL」グループにはevent_max_slow設定が使用され、1分間ごとに記録される最も遅いURLの数を指定します。デフォルトでは1000行です。

event_max_failまたはevent_max_slow設定を変更する場合、daily_max_fail設定も再確認する必要があります。これは、グループの表に入る最大行数を指定します。最大行数は、1440 * event_max_failの式から導出されます。デフォルトは140万行です。

前述の設定を変更するには、次のコマンドを発行します。

execsql config_set_value processor event_max_fail 10000
execsql config_set_value processor daily_max_fail 4320000

event_max_fail設定は、最大10,000行に制限されます。

後述の手順を開始する前に、次のようにする必要があります。

重要:

デフォルトの1000のエラー・ページを変更する前に、次の点を検討する必要があります。

1.3 ユーザー・フローのデフォルトの制限の増加

ユーザー・フロー内で定義できるステップのデフォルトの最大数は、15です。txn_max_steps設定で、これを変更できます。定義できるユーザー・フローのデフォルトの最大数は、200です。txn_max_trans設定で、これを変更できます。いずれかの設定を変更するには、次のようにします。

  1. RUEI_USERユーザーとしてレポータ・システムにログオンします。

  2. 次のコマンドを発行します。

    execsql config_set_value processor txn_max_steps steps
    execsql config_set_value processor txn_max_trans flows
    

    説明:

    • stepsでは、ユーザー・フローで許可されるステップの新しい最大数を指定します。

    • flowsでは、定義できるユーザー・フローの新しい最大数を指定します。

重要:

いずれかのデフォルトの最大値を増やすとパフォーマンスのオーバーヘッドが発生するので注意してください。また、ユーザー・フロー内のステップの最大数が大幅に増えると、ユーザー・フローのグラフィカル・レポート(フロー・ステータスやフロー遷移など)が読みにくくなる場合があります。

1.4 デスクトップ仮想化環境内のクライアントIPアドレスの取得

デフォルトで、クライアントIPアドレスは、クライアントから送信されたIPヘッダー・パケットから取得されます。IPパケットには、パケットの送信元および送信先の数値アドレスが含まれます。RUEIがNATデバイス(ロード・バランサなど)の後に配置されている場合、IPパケットではなく指定されたヘッダー(NATデバイスで設定)を参照するようRUEIを構成できます。この手順については、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』のP.2項を参照してください。ただし、監視されるクライアントがデスクトップ仮想化環境(Citrixサーバーなど)を使用している場合、サーバーのIPアドレスがクライアントIPアドレスとして戻ります。

次の重要な点を考慮する必要があります。


重要:

次の手順には、正しいユーザー・クライアントIPアドレス・マッピングが必要です。

RUEIを構成して優先クライアントIPアドレスを構成するには、次のようにします。

  1. 再マッピングするIPアドレス範囲のリストを含むファイルを作成します。形式10.1.1.0/24を使用して、各範囲を指定する必要があります。ファイルip-map-ranges-file.tsvを呼び出すことをお薦めします。次に例を示します。

    RANGE
    169.254.0.0/16
    172.16.0.0/12
    
  2. 必要なユーザーIDおよびクライアントIPアドレスのリストを含むタブ区切りファイルを作成します。ファイルip-map-users-file.tsvを呼び出すことをお薦めします。次に例を示します。

    USER_ID\tCLIENT_IP
    JohnSmith\t10.10.10.50
    FredWhite\t10.10.10.51
    SteveBrown\t10.10.10.52
    

    前述の例で、\tはタブ文字を示します。両方のファイルに先頭または末尾の文字が含まれず、空白または特殊文字(/n/rなど)のみを含む行がないことを確認します。

  3. RUEI_USERユーザーとしてRUEIレポータ・システムにログオンします。

  4. RUEIレポータ・システムの適切な場所に2つの作成されたファイルをインポートします。

  5. 次のコマンドを使用して、(RUEI_DATA/processor/binディレクトリの)import-ip-mapスクリプトを実行します。

    import-ip-map -r ip-map-ranges-file -u ip-map-users-file
    

    ip-map-ranges-fileおよびip-map-users-fileは、前述の作成およびインポートされた2つのファイルです。

    この機能によって行われたレポート変更は、約5分以内に反映されます。

デフォルト機能のリストア

デフォルトのクライアントIPアドレス・レポートをリストアするには、列ヘッダーのみを含む2つのファイルを作成して、前述の手順を繰り返します。

1.5 最大セッション継続時間およびアイドル時間の制御

デフォルトでは、ビジターの非アクティブ状態が60分を超えると、ビジター・セッションが終了したとみなされます。これは、session_idle_time設定で制御されます。また、ユーザーIDおよびカスタム・ディメンションがセッションに保持されるデフォルトの時間は、12時間です。これは、max_age_session設定によって制御されます。

session_idle_time設定を小さくすると、CPU使用率の観点からレポータ・システム・パフォーマンスが向上します。メモリー使用率には影響しません。ただし、この設定を小さくする場合の短所は、指定されたセッション・アイドル時間内に戻る識別されたビジターが匿名としてレポートされることです。

レポータ・システムでメモリーが不足し、スワップが開始される場合、max_age_session設定を小さくすることを検討してください。この設定を小さくすると、監視対象トラフィックに主に長いセッションが含まれ、ユーザーIDが失われる可能性があります。この設定をsession_idle_time設定より小さくしないでください。

次のコマンドを使用して、現在の設定値を取得します。

execsql config_get_value processor session_idle_time
execsql config_get_value processor max_age_session

次のコマンドを使用して、設定値を変更します。

execsql config_set_value processor session_idle_time idle_time
execsql config_set_value processor max_age_session max_age

説明:

1.6 処理の同時実行性の向上

デフォルトで、3つのスレッドがレポータ・システムでトラフィック処理に使用されます。lookup_threads設定で制御されます。この設定を大きくすると、(処理の追加の同時実行性によって)パフォーマンスを向上できます。この設定が小さすぎると、次の内部エラーがイベント・ログに表示されます。

Processing backlog larger than %d minutes, restarting logr (the backlog will be skipped).

レポータ・システムが受信データの処理に追いつかないことを意味します。

次のコマンドを使用して、現在の設定値を取得します。

execsql config_get_value processor lookup_threads

次のコマンドを使用して、設定値を変更します。

execsql config_set_value processor lookup_threads threads

threadsでは、レポータ・システムで使用される使用可能なスレッドの数を指定します。この設定は、レポータ・システムで使用可能なコア数より大きくしないでください。

レポータ・ユーザー・インタフェースのパフォーマンスを制御するには別の設定を使用できますが、それについては3.3項「GUIパフォーマンスの向上」に説明されています。