この章は、Oracle Event Processingスタンドアロンサーバー・ドメインを構成ウィザードで作成および更新する方法を、サーバーの起動および停止を含めて説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Event Processingをインストールした後、構成ウィザードを使用して新しいドメインを作成し、アプリケーションをデプロイします。構成ウィザードでは、デフォルトでは、ORACLE_CEP_HOME
/user_projects/domains
ディレクトリにドメインを作成します。ORACLE_CEP_HOME
はd:/oracle_cep
などのOracle Event Processingインストール・ディレクトリです。任意のディレクトリにドメインを作成することもできます。
構成ウィザードでは、ドメイン内に単一のデフォルト・サーバーが作成されます。サーバー関連ファイルはすべて、サーバーと同じ名前のドメイン・ディレクトリ(c:\oracle_cep\user_projects\domains\my_domain\defaultserver
など)のサブディレクトリに格納されます。また、構成ウィザードで次の処理を実行できます。
サーバーの管理者ユーザーとパスワードを構成します。
デフォルト以外のデータベースまたはデータベース・ドライバを使用するように、デフォルト・サーバーを構成します。この場合、適切なデータベースを参照するようにJDBC設定をカスタマイズする必要があります。
サーバーのリスニング・ポートを構成します。
IDキーストアおよび秘密鍵ストアのパスワードを構成します。
構成ウィザードでは、次のいずれかのモードを利用できます。
グラフィカル・モード: グラフィカル・モード構成は、対話型のGUIを使用してドメインを作成および構成する方法です。WindowsシステムとUNIXシステムの両方で実行できます。3.1.1項「グラフィカル・モードで構成ウィザードを使用してOracle Event Processingスタンドアロンサーバー・ドメインを作成する」を参照してください。
次の手順では、WindowsまたはUnixの両方の関連するコマンド・スクリプトを実行し、グラフィカル・モードで構成ウィザードの起動と使用方法について説明します。
注意: Windowsでは、「スタート」メニューを使用して構成ウィザードを起動できます。 Start > All Programs > Oracle Event Processing 11gR1 > Tools > Configuration Wizard |
注意: この新しいドメインからEclipse IDEへサーバーを追加する場合、ドメインの作成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Event Processing開発者ガイド for Eclipse』のローカルOracle Event Processingサーバーとサーバー・ランタイムの作成方法に関する項を参照してください。 |
グラフィカル・モードで構成ウィザードを使用してOracle Event Processingスタンドアロンサーバー・ドメインを作成するには:
コマンド・ウィンドウを開き、環境を設定します。『Oracle Fusion Middleware Oracle Event Processing開発者ガイド for Eclipse』の開発環境の設定に関する項を参照してください。
ORACLE_CEP_HOME
/ocep_11.1/common/bin
ディレクトリに変更します。ここで、ORACLE_CEP_HOME
は、/oracle_cep
のようなメインOracle Event Processingインストール・ディレクトリを示します。
prompt> cd /oracle_cep/ocep_11.1/common/bin
ウィザードを起動するには、config.cmd
(Windows)またはconfig.sh
(UNIX)コマンドを起動します。
prompt> config.sh
構成ウィザードのロードが終了すると、標準のOracleへようこそウィンドウが表示されます。
注意: Oracle Event Processing構成ウィザードはわかりやすいプログラムですが、ツールの使用方法について詳細情報が必要な場合は、次の手順説明に従ってください。 |
「次へ」をクリックします。
「ドメインの作成または更新の選択」ウィンドウで、新規Oracle Event Processingドメインの作成を選択します。
「次へ」をクリックします。
ドメインのデフォルト・サーバーの管理者ユーザー名を入力します。
「次へ」をクリックします。
ドメインのデフォルト・サーバーについての基本的な構成情報を入力します。具体的には:
デフォルト・サーバーの名前を入力します。この名前は、デフォルト・サーバーのファイルを格納するディレクトリの名前としても使用されます。
Oracle Event Processing自体のリスニング・ポート。デフォルトは9002です。
セキュリティ・リスニング・ポート。デフォルトは9003です。
「次へ」をクリックします。
Oracle Event Processingドメイン・アイデンティティ・キーストアのパスワードを入力し、確認します。
デフォルトでは、証明書秘密鍵のパスワードは、アイデンティティ・キーストアのパスワードと同じになります。
注意: 証明書秘密鍵のパスワードがアイデンティティ・キーストアのパスワードと同じでないと、Oracle Event Processingサーバーが起動しません。キーストア・パスワードを使用の選択を解除して、プライベート・キーのパスワードを入力しないでください。 |
「次へ」をクリックします。
JDBCデータソース構成を更新するかどうかを決定します。
構成ウィザードでは、Oracle Event Processingドメイン・テンプレートを基にして新しいドメインを作成します。デフォルトでは、このテンプレートではドメインに対するJDBCデータソースが構成されません。つまり、構成ウィザードで使用するデフォルトのドメイン・テンプレートを変更しないかぎり、この手順で「いいえ」を選択すると、JDBCデータ・ソースは構成されません。JDBCデータ・ソースを構成する場合は、この手順で「はい」を選択してデータ・ソース情報を入力できるページに進みます。
JDBCデータソースを作成するには:
「はい」を選択します。
「次へ」をクリックします。
「データベース・プロパティの構成」ウィンドウに新しいJDBCデータソースの値を入力します。
上のセクションで、データソース名を入力します。次に、データベース・タイプ(OracleまたはMicrosoft SQL Server)と該当のドライバを選択します。「Browse/Append」ボタンを使用して、新しいドライバを参照することもできます。
下のセクションで、データベース名、データベース・サーバーをホストするコンピュータ名、ポート、およびデータベースに接続するユーザーの名前とパスワードなど、このデータ・ソースから接続するデータベースの詳細を入力します。この情報に基づいて、使用するJDBC接続URLが自動的に生成されます。
「次へ」をクリックします。
JDBCデータソースを作成しない場合は、次の手順を実行します。
「いいえ」を選択します。
「次へ」をクリックします。
「サーバーの構成」ウィンドウで、新しいドメインの名前およびドメインの場所のフル・パス名を入力します。
構成ウィザードでは、ドメインの場所ディレクトリのドメイン名を使用してドメインを作成します。
注意: ドメインを作成する場合、常にデフォルトのドメイン場所を使用することをお薦めします。
|
「作成」をクリックします。
ドメインが正常に作成されると、「Creating Domain」ウィンドウに次のようなメッセージが表示されます。
Domain created successfully! Domain location: C:\oracle_cep\user_projects\domains\ocep_domain
「完了」をクリックします。
この新しいドメインからEclipse IDEへサーバーを追加する場合、ドメインの作成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Event Processing開発者ガイド for Eclipse』のローカルOracle Event Processingサーバーとサーバー・ランタイムの作成方法に関する項を参照してください。
構成ウィザードを使用して、ドメイン内の既存のサーバーを更新します。
構成ウィザードでは、デフォルトでは、ORACLE_CEP_HOME
/user_projects/domains
ディレクトリにドメインを作成します。ORACLE_CEP_HOME
はd:/oracle_cep
などのOracle Event Processingインストール・ディレクトリです。任意のディレクトリにドメインを作成することもできます。
構成ウィザードでは、ドメイン内に単一のデフォルト・サーバーが作成されます。すべてのサーバー関連ファイルは、サーバーと同じ名前のドメイン・ディレクトリ(c:\oracle_cep\user_projects\domains\my_domain\defaultserver
など)のサブディレクトリに格納されます。
ドメイン内の既存スタンドアロンサーバーの構成オプションのうち、更新できるのは次のオプションのみです。
リスニング・ポート。
JDBCデータソースの構成。
構成ウィザードでは、次のいずれかのモードを利用できます。
グラフィカル・モード: グラフィカル・モードは、対話型のGUIを使用してドメインを更新する方法です。WindowsシステムとUNIXシステムの両方で実行できます。3.2.1項「グラフィカル・モードで構成ウィザードを使用してOracle Event Processingスタンドアロンサーバー・ドメインを更新する方法」を参照してください。
次の手順では、WindowsまたはUnixの両方の関連するコマンド・スクリプトを実行し、グラフィカル・モードで構成ウィザードの起動と使用方法について説明します。
注意: Windowsでは、「スタート」メニューを使用して構成ウィザードを起動できます。 Start > All Programs > Oracle Event Processing 11gR1 > Tools > Configuration Wizard |
わかりやすくするために、この項では、productionServer
というサーバーを更新し、サーバー関連ファイルはC:\oracle_cep\user_projects\domains\mydomain\productionServer
ディレクトリに格納されていると想定します。
グラフィカル・モードで構成ウィザードを使用してOracle Event Processingスタンドアロンサーバー・ドメインを更新するには:
コマンド・ウィンドウを開き、環境を設定します。『Oracle Fusion Middleware Oracle Event Processing開発者ガイド for Eclipse』の開発環境の設定に関する項を参照してください。
ORACLE_CEP_HOME
/ocep_11.1/common/bin
ディレクトリに変更します。ここで、ORACLE_CEP_HOME
は、/oracle_cep
のようなメインOracle Event Processingインストール・ディレクトリを示します。
prompt> cd /oracle_cep/ocep_11.1/common/bin
ウィザードを起動するには、config.cmd
(Windows)またはconfig.sh
(UNIX)コマンドを起動します。
prompt> config.sh
構成ウィザードのロードが終了すると、標準のOracleへようこそウィンドウが表示されます。
注意: Oracle Event Processing構成ウィザードはわかりやすいプログラムですが、ツールの使用方法について詳細情報が必要な場合は、次の手順説明に従ってください。 |
「次へ」をクリックします。
「ドメインの作成または更新の選択」ウィンドウで、既存のOracle Event Processingドメインの更新を選択します。
「次へ」をクリックします。
テキスト・ボックスに、更新するサーバーのファイルがあるサーバー・ディレクトリのフル・パス名を入力します。
この例では、値はC:\oracle_cep\user_projects\domains\mydomain\productionServer
です。
「次へ」をクリックします。
サーバーのリスニング・ポートを更新します。
注意: すべてのサーバーが同時に実行しているときに競合を避けるために、ドメイン内の他のサーバーが使用する同じ値を入力しないでください。 |
「次へ」をクリックします。
JDBCデータソース構成を更新するかどうかを決定します。
JDBCデータソース構成を更新するには:
「はい」を選択します。
「次へ」をクリックします。
新しいJDBCデータソース値を入力します。
JDBCデータソース構成を変更しない場合は、次の手順を実行します。
「いいえ」を選択します。
「次へ」をクリックします。
「更新」をクリックして、サーバーを更新します。
Oracle Event Processing Visualizer、Oracle Event Processing IDE for Eclipse、またはコマンドライン・スクリプトのいずれかを使用してOracle Event Processingスタンドアロンサーバーを起動および停止できます。
この項では次の内容について説明します。
3.3.1項「startwlevsスクリプトを使用したOracle Event Processingスタンドアロンサーバーの起動方法」
3.3.2項「stopwlevsスクリプトを使用したOracle Event Processingスタンドアロンサーバーの停止方法」
各Oracle Event Processingサーバー・ディレクトリには、サーバー・インスタンスを起動するコマンド・スクリプトがあります。デフォルトでは、そのスクリプトはstartwlevs.cmd
(Windows)またはstartwlevs.sh
(UNIX)と呼ばれます。
startwlevsスクリプトを使用してOracle Event Processingスタンドアロンサーバーを起動するには:
サーバー起動スクリプトのJAVA_HOME
変数が正しいOracle JRockit JDKを指していることを確認します。正しくない場合は、スクリプトを編集します。
サーバー起動スクリプトは、メイン・ドメイン・ディレクトリ配下のサーバー・ディレクトリにあります。たとえば、HelloWorldドメインのデフォルト・サーバー・ディレクトリはORACLE_CEP_HOME
/ocep_11.1/samples/domains/helloworld_domain/defaultserver
にあり、ORACLE_CEP_HOME
は、/oracle_cep
などのOracle Event Processingメイン・インストール・ディレクトリです。
Oracle Event Processingと一緒にインストールされたOracle JRockit JDKを使用している場合は、JAVA_HOME
変数を次のように設定します。
UNIXの場合:
JAVA_HOME=ORACLE_CEP_HOME/jrockit_160_20
Windowsの場合:
set JAVA_HOME=ORACLE_CEP_HOME\jrockit_160_20
ORACLE_CEP_HOME
は、/oracle_cep
(UNIX)またはc:\oracle_cep
(Windows)などのOracle Event Processing 10.3のインストール・ディレクトリです。
Oracle JRockit Real Timeと一緒にインストールされたOracle JRockit JDKを使用している場合は、JAVA_HOME
変数を次のように設定します。
UNIXの場合:
JAVA_HOME=ORACLE_RT_HOME/JROCKIT_RT_HOME
Windowsの場合:
set JAVA_HOME=ORACLE_RT_HOME\JROCKIT_RT_HOME
ここで、ORACLE_RT_HOME
は、/jrockit
(UNIX)やc:\jrockit
(Windows)などの、Oracle JRockit Real Timeのインストール・ディレクトリを示し、JROCKIT_RT_HOME
はJRockit Real Timeディレクトリを示します。
コマンド・ウィンドウを開き、ドメイン・ディレクトリのサーバー・ディレクトリに移動します。たとえば、HelloWorldサンプルのサーバーを起動する場合は、次のように入力します。
prompt> cd C:\oracle_cep\ocep_11.1\samples\domains\helloworld_domain\defaultserver
startwlevs.cmd
(Windows)またはstartwlevs.sh
(UNIX)スクリプトを実行します。
prompt> startwlevs.cmd
Oracle JRockit Real Timeに含まれるOracle JRockit JDKを使用している場合は、コマンドに-dgc
パラメータを渡して確定的ガベージ・コレクタを有効にします。
prompt> startwlevs.cmd -dgc
注意: HP-UXの場合、OutOfMemoryErrorを避けるために、startwlevs.shのMaxPermSizeを256に増加する必要があります。たとえば: -XX:MaxPermSize=256m |
各Oracle Event Processingサーバー・ディレクトリには、サーバー・インスタンスを停止するコマンド・スクリプトがあります。デフォルトでは、そのスクリプトはstopwlevs.cmd
(Windows)またはstopwlevs.sh
(UNIX)と呼ばれます。
注意: 次の手順では、SSLモードで実行しているOracle Event Processingスタンドアロンサーバーを停止しません。SSLモードで実行しているOracle Event Processingスタンドアロンサーバーを停止するには、A.4項「SSLモードでのwlevs.Adminユーティリティの実行」で説明されているように、wlevs.Adminユーティリティを実行します。 |
stopwlevsスクリプトを使用してOracle Event Processingスタンドアロンサーバーを停止するには:
コマンド・ウィンドウを開き、サーバー・ディレクトリに移動します。たとえば、HelloWorldサンプルのサーバーを停止する場合は、次のように入力します。
prompt> cd C:\oracle_cep\ocep_11.1\samples\domains\helloworld_domain\defaultserver
stopwlevs.cmd
(Windows)またはstopwlevs.sh
(UNIX)スクリプトを実行します。
-url
引数を使用して、停止するサーバーへのJMX接続を確立するURLを渡します。このURLの形式はservice:jmx:msarmi://
host
:
port
//jndi/jmxconnector
です。host
はサーバーをホストしているコンピュータ、port
はサーバーのJNDIポートです。いずれも、config.xml
ファイルに構成されている値です。例:
prompt> stopwlevs.sh -url service:jmx:msarmi://ariel:9002/jndi/jmxconnector
この例では、ホストはariel
で、JMXポートは9002
です。9002ポートは、Oracle Event Processingサーバーのconfig.xml構成ファイルに定義されたnetio
ポートです。MSAセキュリティでは、9002ポートをJMX接続性に使用します。
-url
引数に関する追加詳細は、A.6項「接続引数」を参照してください。
注意: Windowsの場合、起動したコマンド・プロンプトの「閉じる」ボタンをクリックしてOracle Event Processingサーバーを停止しないでください。 |