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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Data Synchronization Server管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7.0)
B69393-02
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1 Oracle Business Data Synchronization Serverの概要

この章では、Oracle Business Data Synchronization Server(BDSS)の一般的な説明を提供します

この章の構成は、次のとおりです。

1.1 Oracle Business Data Synchronization Serverとは

Oracle Business Data Synchronization Server(BDSS)は、サーバー・データ・ストアでデータを交換および比較できるようにする同期化サービスです。BDSSは、Microsoft ExchangeなどのPersonal Information Management(PIM)データ・ストア間の相互作用を主に処理します。たとえば、ユーザーが、あるPIMサーバー上のTo Doアイテムなど、コネクタの特定のドメイン(コネクタ・ドメイン)に対するレコードを変更した場合は、BDSSによって、その変更が別のPIMサーバー上の対応するTo Doアイテムと自動的に同期化されます。図1-1に、BDSSインストールの例で、他のタイプのPIMデータ・ストアと相互作用するMicrosoft Exchangeを含む例を示します。


注意:

BDSSでは、PIMデータ・ストアの使用が強調されますが、他のタイプのデータ・ストア用にBDSSを拡張できます。


図1-1 Oracle Business Data Synchronization Server

BDSSの高レベル・ビュー

1.2 BDSSの使用

この項では、タスクおよび連絡先を同期化するための使用例を提供します。


注意:

BDSSは、バックグラウンド・プロセスとして作成されています。そのため、ユーザーは、同期化のための明示的な処理の実行は求められません。ユーザーがBDSSを認識するのは、あるシステムで作成および変更したレコードが他のシステムに伝播されていることに気付いたときのみです。


1.2.1 タスクの作成

Exchange 2007ユーザーは、Microsoft Outlookクライアントを使用して新しいタスクを作成します。ユーザーがタスクを保存した後、Outlookによって、そのタスクはユーザーのメールボックスをホストしているExchangeサーバーと同期化されます。後で、ユーザーが別のPIMサーバーで自分のアカウントを開いたとき、ユーザーは、Outlookクライアントを使用して作成したタスクがTo Doリストに表示されることに気付きます。ユーザーがこのタスクを更新すると、BDSSによってMicrosoft Exchangeデータ・ストア内のタスクが更新され、ユーザーのOutlookクライアントには更新されたタスクが表示されるようになります。

1.2.2 連絡先情報の保存

Exchange 2007ユーザーが新しい連絡先を作成すると、BDSSによって連絡先レコードが同期化され、ユーザーのOutlook連絡先リストに書き込まれます。ユーザーがOutlookで連絡先のスペルを変更すると、BDSSによって、その変更が他のPIMサーバーにあるユーザーのアカウントに書き込まれます。レコードがこのPIMサーバーに書き込まれた後で、アクセス・リストに表示されるすべてのユーザーのOutlook連絡先リストに、その名前変更が伝播されます。

1.3 ドメインの同期化をテストするためのExchange 2007コネクタの構成

Exchange 2007コネクタには複数のハブ・ドメインの同期化が用意されているため、このコネクタを使用して、タスク、連絡先およびカレンダの各ドメインのハブの同期化をテストできます。サーバー・タイプはハブとは無関係なため、ハブに対してExchange 2007コネクタを任意のタイプのPIMサーバーとして表すように構成できます。同じPIMサーバー・タイプを使用して第2のExchange 2007コネクタを構成すると、ハブは、異なるPIMサーバーの2人のユーザーを同期化するかのように、2人の異なるExchangeユーザーを同期化できます。

ハブの同期化をテストする手順は、次のとおりです。

  1. 2番目のコネクタを作成します。Exchange2007_2などの名前を付けてこのコネクタを区別します。

  2. このコネクタに対するPIMサーバー・インスタンスおよびコネクタ・インスタンスを作成します。

  3. CONNECTORSテーブルのNAME列に表示されるとおりのコネクタの名前をプロファイルの値に指定して、各Exchange 2007コネクタの「PIM Transport Implementation Class」および「Extract Response Batch Size」パラメータを構成します。たとえば、単一のExchange 2007コネクタがデプロイされていて、単一のインスタンスを使用して、単一のハブ・ユーザーにマップされている2人のExchange 2007ユーザーを同期化する必要があるとします。さらに、CONNECTORSテーブルのNAME列にExchange2007およびExchange2007_2があり、その両方に、Exchange2007のLOV値に相当するSERVER_TYPE_CDがあると仮定します。

  4. ProfileRuntimeInfo MBeanのsetProfileParameterを使用して、次の4つの行をPROFILESテーブルに追加します。詳細は、第4.8項「プロファイルの管理」を参照してください。

    表1-1 同期化をテストするためのプロファイルの追加

    プロファイル セクション パラメータ

    Exchange2007

    Hub Transport

    Pim Transport Implementation Class

    oracle.bdss.connectors.exchange2007

    pimtransport.PimTransportAdapter

    Exchange2007

    Hub Transport

    Extract Response Batch Size

    100000

    Exchange2007_2

    Hub Transport

    Pim Transport Implementation Class

    oracle.bdss.connectors.exchange2007.pimtransport.PimTransportAdapter

    Exchange2007_2

    Hub Transport

    Extract Response Batch Size

    100000


  5. 各コネクタに対するコネクタ・ユーザーを作成します。


    注意:

    異なるExchangeユーザーを使用する必要があります。つまり、john@exchange.comjohn@exchange.comにマップすることはできません。