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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Data Synchronization Server管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7.0)
B69393-02
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4 BDSSの管理スタート・ガイド

この章では、Business Data Synchronization Server(BDSS)の管理タスクについて説明します。

この章の構成は、次のとおりです。

4.1 管理タスクの概要

一般的な管理タスクには、次のものがあります。

これらのタスクは、ServerDomainConfigMBean、UserConfigMBeanおよびProfileRuntimeInfo MBeanの属性および操作を通じて有効化されます。MBean(マネージドBean)は、アプリケーション、サービス、コンポーネントまたはデバイスなど、分散環境でJMXによって管理できるリソースを表すJavaオブジェクトです。

ServerDomainConfigMBeanの属性および操作(表4-1を参照)を使用して、コネクタ、PIMサーバーおよびドメインの管理に関連するタスクを実行できます。

表4-1 ServerDomainConfigMBeanの操作

Task 操作

コネクタ構成の表示


showConnectorDetails

コネクタの追加と更新


updateConnectorForPIM

コネクタの削除


deleteConnector

BDSSインスタンスの追加と更新


updatePimServerInstance

PIMサーバー・インスタンスの削除


deletePimServerInstance

コネクタ・インスタンスの追加と更新


updateConnectorInstance

コネクタ・インスタンスの削除


deleteConnectorInstance

コネクタのドメインの作成


updateDomainForConnector

コネクタからのドメインの削除


deleteDomainForConnector

ドメインに対するフィルタの作成


updateFilterForDomain

ドメインからのフィルタの削除


deleteFilterForDomain


UserConfigMBeanの操作(表4-2を参照)を使用して、ユーザーの作成やユーザー・ドメインの構成などのタスクを実行できます。

表4-2 UserConfigMBeanの操作

Task 操作

ユーザー・ステータスの表示


showUserListshowFailinguserListshowUserStatus

コネクタ・ユーザーの作成


addConnectorUser

ハブ・ユーザーの削除


removeHubUser

ユーザー・レベルの同期化の構成


updateUserSyncEnablementFlag、updateConnectorUserDomainSyncLevel


4.1.1 MBeanを使用したBDSSコンポーネントの管理

これらのMBeanは、J2EEに準拠するサーバーでサポートされるJMXコンソール(JConsoleなど)を介して構成できます。このドキュメントでは、Oracle Enterprise Manager 11g Fusion Middleware Control(Enterprise Managerコンソール)を使用したMBeanへのアクセスについて説明します。

4.1.1.1 Oracle Enterprise Managerコンソールを介したMBeanへのアクセス

Oracle Enterprise Managerコンソールを介してMBeanにアクセスする手順は、次のとおりです。

  1. 「アプリケーション・デプロイメント」を選択します。

  2. リスト(図4-1)から「システムMBeanブラウザ」を選択します。「システムMBeanブラウザ」ページが表示されます。アプリケーションに登録されているMBeanがナビゲーション・ツリー・ビューに表示されます。

    図4-1 システムMBeanブラウザの選択

    「アプリケーション・デプロイメント」コンテキスト・メニュー
  3. 属性、操作、統計および通知を表示するMBeanを選択します。Oracle Enterprise Managerにより、これらのコンポーネントがタブに編成されます。

  4. 「呼出し」をクリックし、MBeanの操作に対する変更をコミットします。「適用」をクリックし、MBeanの属性に対する変更をコミットします。

4.1.1.2 JConsoleを介したMBeanへのアクセス

JConsoleを使用してMBeanにアクセスするには、「MBean」タブを選択します。

  1. 「MBean」タブをクリックします。

  2. ナビゲーション・ツリーでMBeanノードを展開します。MBeanの属性、操作および通知がサブノードとして表示されます。

  3. 操作を呼び出します。

    1. ツリーで「操作」ノードを選択します。右側のペインに、すべての操作がボタンとして表示されます。パラメータがフィールドとして表示されます。

    2. 必要に応じて操作のパラメータ・フィールドを更新します。

    3. 操作ボタンをクリックし、操作を呼び出します。

  4. 個々の操作を更新します。

    1. ツリーで「操作」ノードを展開します。操作のノードが表示されます。

    2. ツリーで操作を選択し、その操作のMBeanOperationInfoおよびDescriptor情報を右側のペインに表示します。操作自体は、クリックして操作を呼び出すボタンとして表示されます。

    3. 必要に応じてMBeanOperationInfoを更新します。

    4. 操作のボタンをクリックして操作を呼び出します。

  5. MBeanの属性を設定します。

    1. ツリーで「属性」ノードを展開します。属性ノードが表示されます。

    2. 属性を選択します。右側のペインに、属性の値、そのMBeanAttributeInfoおよびそのディスクリプタが表示されます。

    3. 属性を選択して編集することで、属性を設定します。

JConsoleの使用方法については、Java SEテクニカル・ドキュメント(http://docs.oracle.com/javase/7/docs/index.html)を参照してください。

4.1.2 同期化方向の指定

MBean操作を使用して、コネクタ、ドメインおよびユーザーのレベルで同期化方向(インバウンド、アウトバウンドおよび完全)を設定できます。詳細は、表4-15を参照してください。

コネクタ・レベルの同期化

コネクタが同期化するすべてのドメインに対して、最大の同期化方向を設定できます。コネクタ・レベルでの同期化の設定の詳細は、第4.2.2.1項「コネクタ・レベルの同期化とイベント通知の構成」を参照してください。

ドメイン・レベルの同期化

コネクタの特定のデータ・ドメインに対して、同期化方向を設定できます。ドメイン・レベルの同期化の設定の詳細は、第4.5.1.1項「ドメイン・レベルの同期化の構成」を参照してください。

ユーザー・レベルの同期化

特定のドメインの特定のユーザーに対して、同期化方向を設定できます。これは最も制限された同期化のレベルです。ユーザー・レベルでの同期化の設定の詳細は、第4.7.3.1項「ハブ・ユーザーに対する同期の有効化」を参照してください。

4.2 コネクタの管理

表4-3に記載されているServerDomainConfigMBeanの操作を使用して、このMBeanの操作を作成、削除および表示し、コネクタ構成の詳細を管理できます。

表4-3 ServerDomainConfigMBeanのコネクタ管理操作

操作 管理タスク

showConnectorDetails

コネクタ構成の表示


updateConnectorForPIM

コネクタの追加と更新


deleteConnector

コネクタの削除



4.2.1 コネクタの構成の表示

すべてのコネクタまたは特定のコネクタの構成を表示する手順は、次のとおりです。

  1. showConnectorDetails操作を選択します。

  2. 特定のコネクタの構成を表示するには、コネクタの表示名をconnectorName属性の値として入力します。フィールドを空白のままにすると、すべてのコネクタの構成情報が表示されます。

  3. 「呼出し」をクリックします。

4.2.2 コネクタの追加と更新

ServerDomainConfigMBeanのupdateConnectorForPIM操作を使用して、コネクタを作成または更新したり、コネクタの同期方法を指定できます。

4.2.2.1 コネクタ・レベルの同期化とイベント通知の構成

コネクタの同期化は、EnableForSyncパラメータをtrueに設定し、同期化レベル(FullInboundOutboundまたはNone)を選択することで有効にします。コネクタ・レベルの同期化の設定では、コネクタによって同期化されるすべてのドメインに対して方向を設定します。

updateConnectorForPim操作を使用して、コネクタによるイベント通知の送信を有効にすることもできます。この操作を使用して、ユーザー・データに対して挿入、更新または削除イベントが発生したときに、コネクタによるBDSSへの通知を有効にすることも可能です。


注意:

SYNC_EVENTS_ENABLED_FLGSUPPORTS_EVENTS_FLGおよびUSER_EVENT_FLGフラグをCONNECTORSテーブルに直接設定するのではなく、MBeanを介してイベントベースの同期化を実行してください。


コネクタを追加または更新する手順は、次のとおりです。

  1. updateConnectorForPIM操作を選択します。

  2. 表4-4に記載されているパラメータを定義し、「呼出し」をクリックします。

    表4-4 updateConnectorForPIM操作のパラメータ

    パラメータ 説明

    ConnectorName

    コネクタの表示名。コネクタの名前を定義しないと、名前はBDSSによって作成されます。それ以外の場合は、既存の名前が変更されます。

    SupportsEventNotifications

    ユーザーのデータに対して挿入、更新または削除イベントが発生したときにコネクタがBDSSに通知できる場合はtrueを選択します。それ以外の場合はfalseを選択し、コネクタがこれらのイベントをBDSSに通知しないようにします。

    syncEventsEnabled

    コネクタによるイベント通知の送信を有効にするには、trueを選択します。(イベント通知の送信を求めるプロンプトが表示されない場合でも、コネクタではイベント通知をサポートできます)。

    PimServerType

    PIMサーバー・タイプを指定します(Exchange2007など)。その他のPIMサーバー・タイプを構成できます。

    MaxSyncLevel

    コネクタの最大同期化レベルを示します。

    • Full: 双方向(つまり、インバウンドとアウトバウンドの両方)の同期化を有効にします。MaxSyncLevelパラメータをFullに設定すると、コネクタは、ハブとPIMサーバー間で、作成、読取り、更新および削除イベントの伝播と抽出の両方を実行できます。

    • Inbound: レコードの作成、更新および削除イベント・データのPIMサーバーへの伝播を有効にします。MaxSyncLevelパラメータの値にInbound Onlyを選択すると、PIMサーバーからデータは抽出されません。

    • Outbound: レコードの作成、読取り、更新および削除イベント・データのコネクタによるPIMサーバーからの抽出を有効にします。MaxSyncLevelパラメータの値にOutbound Onlyを選択すると、レコードの作成、読取り、更新および削除イベント・データはPIMサーバーに伝播されません。

    • None: MaxSyncLevelパラメータをNoneに設定すると、コネクタによる同期化が防止されます。

    EnabledForSync

    同期化を有効にするにはtrueを選択します。同期化を無効にするにはfalseを選択します。


4.2.3 コネクタの削除

コネクタを削除する手順は、次のとおりです。

  1. deleteConnector操作を選択します。

  2. ConnectorNameパラメータ(表4-4を参照)を指定し、「呼出し」をクリックします。

4.3 BDSSサーバー・インスタンスの管理

表4-5に記載されているServerDomainConfigMBeanの操作を使用して、コネクタで使用されるサーバー・インスタンスを作成または削除します。

表4-5 サーバー・インスタンスを管理するための操作

操作 管理タスク

updatePimServerInstance

BDSSインスタンスの追加と更新


deletePimServerInstance

PIMサーバー・インスタンスの削除



4.3.1 BDSSインスタンスの追加と更新

BDSSインスタンスを追加または更新する手順は、次のとおりです。

  1. updatePimServerInstance操作を選択します。

  2. 表4-6に記載されているパラメータを指定し、「呼出し」をクリックします。

    表4-6 updatePimServerInstance操作のパラメータ

    パラメータ 説明

    PimServerInstance

    PIMサーバー・インスタンスの名前。これは、Active Directoryから、またはネットワークで使用されるネットワーク・ディレクトリ・サービスから返されるPIMサーバー名である必要があります。

    ConnectorName

    PIMサーバー・インスタンスが構成されるコネクタの表示名。


4.3.2 PIMサーバー・インスタンスの削除

PIMサーバー・インスタンスを削除する手順は、次のとおりです。

  1. deletePimServerInstance操作を選択します。

  2. 表4-6に記載されているパラメータを指定して、「呼出し」をクリックします。

4.4 コネクタ・インスタンスの管理

コネクタ・インスタンスは、コネクタの特定のインストールを表します。このインスタンスは、単一のコネクタの場合、またはロード・バランシングされた同じURI(Universal Resource Identifier)からアクセスされるコネクタのグループを表す場合があります。

表4-7に記載されているServerDomainConfigMBeanの操作を使用して、コネクタのインスタンスを管理します。

表4-7 コネクタ・インスタンスを管理するための操作

操作 管理タスク

updateConnectorInstance

コネクタ・インスタンスの追加と更新


deleteConnectorInstance

コネクタ・インスタンスの削除



4.4.1 コネクタ・インスタンスの追加と更新

コネクタ・インスタンスを追加または更新する手順は、次のとおりです。

  1. updateConnectorInstance操作を選択します。

  2. 表4-8に記載されているパラメータを指定し、「呼出し」をクリックします。

    表4-8 updateConnectorInstance操作のパラメータ

    パラメータ 説明

    connectorInstName

    コネクタ・インスタンスの表示名。

    connectorName

    コネクタ・インスタンスが構成されるコネクタの名前。この名前は、showConnectorDetails操作を使用して検索できます。Exchange 2007およびBPELタスク・コネクタの名前はSQLスクリプトによってシードされますが、別の名前を追加できます。

    pimServerInst

    このコネクタで使用されるPIMサーバー・インスタンス。

    url

    コネクタのWebサービスのURL。


4.4.2 コネクタ・インスタンスの削除

コネクタ・インスタンスを削除する手順は、次のとおりです。

  1. deleteConnectorInstance操作を選択します。

  2. connectorInstNameおよびconnectorNameパラメータ(表4-8を参照)を指定し、「呼出し」をクリックします。

4.5 ドメインの管理

ドメインは、カレンダ、ビジネス連絡先、個人の連絡先、タスクなどのレコードのクラスです。各コネクタは、ハブ・ドメインの中心的なセットにマップされるPIMサーバー(コネクタ・ドメイン)上に一連のドメインを保持します。ハブ・ドメインは、ハブのXSD(XMLスキーマ定義)に定義されているドメインの抽象的な表現です。詳細は、第8章「ハブ・フィールドへのコネクタ・フィールドのマッピング」を参照してください。

表4-9に記載されているServerDomainConfigMBeanの操作を使用してドメインを管理します。

表4-9 ドメインを管理するための操作

操作 管理タスク

updateDomainForConnector

コネクタのドメインの作成


deleteDomainForConnector

コネクタからのドメインの削除



4.5.1 コネクタのドメインの作成

コネクタのドメインを追加または更新する手順は、次のとおりです。

  1. updateDomainForConnector操作を選択します。

  2. 表4-10に記載されているパラメータを指定し、「呼出し」をクリックします。

表4-10 updateDomainForConnectorのパラメータ

パラメータ 説明

domainName

ドメインの名前

domainType

ドメインのタイプ(「Task」など)。

connectorName

ドメインが構成されるコネクタの表示名。

synclevel

ドメインの最大同期化レベル。

Priority

コネクタ・ドメインが同じタイプの他のコネクタ・ドメインを引き継ぐ優先度を決定する整数を選択します。整数(負、正または0)を使用して優先度を設定できます。優先度が-2のドメインは、優先度が1のドメインより前に同期化されます。詳細は、第4.5.1.1項を参照してください。

各コネクタの同じドメインには、「Priority」パラメータを異なる値に設定する必要があります。たとえば、Exchange 2007コネクタと別のタイプのコネクタの両方に1のタスク・ドメイン優先度を設定することはできません。同じドメインに対して優先度が同じ場合は、例外がスローされます。


4.5.1.1 ドメイン・レベルの同期化の構成

updateDomainForConnector操作を使用して、synclevelおよびPriorityパラメータを介してコネクタの特定のドメインに同期化構成を設定できます。synclevelパラメータは、ドメインに対する同期化のレベルを設定し、Priorityパラメータは、異なるPIMサーバーからのレコード変更における同期化の競合の結果、優先されるレコード変更イベントを決定します。エンジンは、ハブ・ドメインを同時ではなく順次に同期化します。たとえば、ユーザーに対する指定の同期化セッションでは、ハブ・ドメインAをドメインBの前に同期化します。


注意:

ハブ・ドメインには多数のコネクタが同時にリンクできます。同じ親ハブ・ドメインを共有する各コネクタ・ドメインには、一意の優先番号が必要です。


synclevelパラメータを使用して選択可能な同期化レベルは、次のとおりです。

Full

コネクタ全体でハブ・ドメインの双方向の同期化を有効にします。コネクタ・ドメインのsynclevelパラメータをFullに設定すると、コネクタは、ドメインと別のPIMサーバー上にある対応するドメインとの間で、作成、読取り、更新および削除イベントの伝播と抽出の両方を実行できます。

Inbound Only

コネクタ・ドメインにInbound Onlyを選択すると、そのコネクタ・ドメインのPIMにレコード変更イベント・データの伝播のみが実行されます。このオプションを選択した場合、データは、対応するコネクタ・ドメインのPIMサーバーから抽出されません。

Outbound Only

同期化レベルがアウトバウンドのみのドメインでは、PIMサーバー上の対応するドメインからのレコードの作成、読取り、更新および削除イベント・データのコネクタによる抽出が有効になります。synclevelパラメータの値にOutbound Onlyを選択すると、レコードの作成、読取り、更新および削除イベント・データは、このドメインのPIMサーバーに伝播されません。

None

コネクタ・ドメインの同期化レベルをNoneに設定すると、ドメインは、インバウンドおよびアウトバウンドのいずれの同期化も対象外となります。レコードの作成、読取り、更新または削除イベント・データは、別のPIMサーバー上にある対応するドメインに対しても伝播および抽出されません。

4.5.2 コネクタからのドメインの削除

コネクタからドメインを削除する手順は、次のとおりです。

  1. deleteDomainForConnector操作を選択します。

  2. domainNameおよびconnectorNameパラメータ(表4-10を参照)を指定し、「呼出し」をクリックします。

4.6 ドメイン・フィルタの管理

フィルタはコネクタ・ドメインに固有で、定義されている基準に基づいて抽出結果セットから一連のレコードを除外できます。BDSSでは、コネクタで使用されるあらゆるフィルタをサポートしています。


注意:

Oracle Fusion Middleware 11g リリース1では、Exchange 2007コネクタが古いタスク・レコードを削除するのに使用する協定世界時(UTC)の日時値フィルタがBDSSに付属しています。Exchange 2007コネクタは、このフィルタを使用して各タスク・レコードの期日を評価し、フィルタの日付値がレコードの期日より新しい場合は、抽出結果セットからレコードを除外します。


4.6.1 ドメインに対するフィルタの作成

コネクタのドメインに対するフィルタを作成または更新する手順は、次のとおりです。

  1. ServerDomainConfigMBeanのupdateFilterForDomain操作を選択します。

  2. 表4-11に記載されているパラメータを指定し、「呼出し」をクリックします。

    表4-11 updateFilterForDomain操作のパラメータ

    パラメータ 説明

    domainFilterName

    フィルタ名。この名前は各コネクタ・ドメイン内で一意である必要があります。

    domainName

    このフィルタが構成されるドメインの名前。

    connectorName

    フィルタを所有するコネクタの表示名。

    DomainFilterValue

    このフィルタに構成される値。

    DomainFilterSeq

    このフィルタが適用される順序をこのドメインの他のフィルタと比較して判断するための0(ゼロ)より大きい整数。


4.6.2 ドメインからのフィルタの削除

ドメインからフィルタを削除する手順は、次のとおりです。

  1. deleteFilterForDomainを選択します。

  2. domainFilterNamedomainNameおよびconnectorNameパラメータを指定し、「呼出し」をクリックします。

4.7 ユーザーの管理

UserConfigMBeanの操作(表4-12を参照)を使用して、ユーザー・ステータスの表示、ユーザーの作成と削除、および各ユーザー単位でのドメインの同期化構成の設定を実行できます。

表4-12 ユーザーを管理するための操作

操作 Task

showUserListshowFailinguserListおよびshowUserStatus

ユーザー・ステータスの表示


addConnectorUser

コネクタ・ユーザーの作成


removeHubUser

ハブ・ユーザーの削除


updateHubUserSyncEnableFlag

ハブ・ユーザーに対する同期の有効化

updateUserDomainSyncLevel

ユーザーのドメインに対する同期化レベルの設定



4.7.1 ユーザー・ステータスの表示

表4-13に記載されている操作を使用して、ユーザーの同期化ステータスを表示できます。

表4-13 同期化ステータスの操作

操作 説明

showUserList

すべてのユーザーのリストとそれぞれのステータスを返します。

showFailinguserList

現在同期化に失敗しているすべてのユーザーのリストを返します。

showUserStatus

ユーザーのステータスを、レコード・レベルのステータスを含めて表示します。この操作には、失敗している項目のみを返すオプション・フラグがあります。


4.7.2 コネクタ・ユーザーの作成

addConnectorUser操作は、新しいユーザーをコネクタに追加し、そのユーザーをハブ・ユーザーに関連付けます。この操作では、ハブ・ユーザーが存在しない場合は、コネクタ・ユーザーに対してハブ・ユーザーも作成されます。


注意:

ユーザーに対して同期化を有効にする場合は、コネクタに対してもユーザーを作成する必要があります。また、ハブ・ユーザーは、updateUserSyncEnableFlagtrueに設定することで、コネクタ・ユーザーの同期化を有効にする必要があります。ユーザーに対する同期化レベルの設定の詳細は、第4.7.3項を参照してください。


表4-14 addConnectorUser操作のパラメータ

パラメータ

hubUserName

ハブ・ユーザーの名前。

connectorUserId

コネクタ・ユーザーのID。Exchange 2007ユーザーの場合、この値はfirstname.lastname@mailserver.comの書式で入力します。

target

ユーザーのデータが格納される場所。ほとんどのExchangeユーザーの場合、この値はルートです。第C.1.5項「PIMドメイン・ターゲット」を参照してください。

connectorName

コネクタの名前。


4.7.2.1 ハブ・ユーザーの削除

removeHubUser操作は、データベースからハブ・ユーザーおよびハブ・ユーザーに関連付けられているすべてのコネクタ・ユーザーを削除します。ハブ・ユーザーを削除する手順は、次のとおりです。

  1. removeHubUser操作を選択します。

  2. hubUserNameパラメータ(表4-14を参照)を定義し、「呼出し」をクリックします。

4.7.3 ユーザー・レベルの同期化の構成

updateUserSyncEnablementFlagおよびupdateConnectorUserDomainSyncLevel操作は、ユーザーに対する同期化構成を設定します。

4.7.3.1 ハブ・ユーザーに対する同期の有効化

updateUserSyncEnablementFlagtrueに設定すると、後続のすべての同期化セッションでユーザーの同期化が有効になります。この操作をfalseに設定すると、ユーザーの同期化が防止されます。ハブ・ユーザーの同期化を有効にする手順は、次のとおりです。

  1. updateUserSyncEnablementFlagを設定します。

  2. hubUserNameパラメータ(表4-14を参照)を定義し、「呼出し」をクリックします。

4.7.3.2 ユーザーのドメインに対する同期化レベルの設定

第4.5.1.1項に記載されているドメインに対して構成される同期化レベルは、updateUserDomainSyncLevel操作を介して各ユーザー単位でドメインに対して構成される同期化レベルの影響を受けます。この操作を使用して、指定ドメインのコネクタ・ユーザーに対する同期化レベルを変更できます。


注意:

updateUserDomainSyncLevel操作では、ユーザーのドメイン・コンテキストがない場合はそのコンテキストが作成されます。


次の同期化レベルがあります。

これらのレベルがユーザーに適用されると、表4-15に記載されているように、ドメインに対する最終的な同期化方向が変更されます。

表4-15 ドメインの同期化レベルの方向

コネクタ・ドメインの同期化方向 ユーザーの同期化方向 最終的な方向

Full

Full

Full

Full

Inbound Only

Inbound Only

Full

Outbound Only

Outbound Only

Inbound Only

Full

Inbound Only

Inbound Only

Inbound Only

Inbound Only

Inbound Only

Outbound Only

None

Outbound Only

Full

Outbound Only

Outbound Only

Inbound Only

None

Outbound Only

Outbound Only

Outbound Only

None

任意の同期化レベル(Full、Inbound Only、Outbound Only、None)

None

任意の同期化レベル(Full、Inbound Only、Outbound Only、None)

None

None


ユーザーのコネクタ・ドメインの同期化レベルを設定する手順は、次のとおりです。

  1. updateUserDomainSyncLevel操作を選択します。

  2. 同期化レベルを選択します。

  3. 次のパラメータを指定します。

    • connectorUserId (表4-14を参照)

    • connectorName

    • domainName (表4-10を参照)

    • syncLevel (表4-10を参照)

  4. 「呼出し」をクリックします。

4.8 プロファイルの管理

プロファイルには、コネクタの構成メタデータが格納されます。コネクタは、GetConfigurationMetadataインタフェースを使用することで、そのプロファイル(概念的にはWindowsの.ini構成ファイルに相当する)を取得します。各プロファイルには、パラメータが含まれている1つ以上のセクションがあります。各パラメータには、単一の値があります。ProfileRuntimeInfo MBeanを使用して、コネクタのプロファイルを管理できます。

4.8.1 プロファイルの表示

displayAllProfilesおよびdisplayProfile操作を使用して、コネクタのプロファイルを表示できます。

4.8.1.1 コネクタの全プロファイルの表示

プロファイルおよびセクションごとにグループ化されたすべてのパラメータのリストを表示する手順は、次のとおりです。

  1. displayAllProfiles操作を選択します。

  2. 「呼出し」をクリックします。

4.8.1.2 特定のプロファイルの表示

特定のプロファイルを表示する手順は、次のとおりです。

  1. displayProfile操作を選択します。

  2. プロファイル名を入力します。

  3. 「呼出し」をクリックします。パラメータが、選択したプロファイルのセクションごとにグループ化されて表示されます。

4.8.2 プロファイル・パラメータの管理

setProfileParameterおよびremoveProfileParameter操作を使用して、プロファイルを作成、更新および削除できます。

4.8.2.1 プロファイルの作成

プロファイルを作成するには、次のようにします。

  1. setProfileParameter操作を選択します。

  2. プロファイルの名前を入力します。

  3. セクションの名前を入力します。

  4. プロファイルのパラメータ(名前、値およびコメント)を指定します。

  5. 「呼出し」をクリックします。

4.8.2.2 プロファイルの更新

プロファイルを更新する手順は、次のとおりです。

  1. setProfileParameter操作を選択します。

  2. プロファイルの名前を入力します。

  3. セクションの名前を入力します。

  4. 必要に応じて、パラメータを更新します。

  5. 「呼出し」をクリックします。

4.8.2.3 プロファイルからのパラメータの削除

選択したプロファイルからパラメータを削除する手順は、次のとおりです。

  1. removeProfileParameter操作を選択します。

  2. パラメータ、プロファイルおよびセクションの名前を指定し、正しいパラメータが削除されることを確認します。

  3. 「呼出し」をクリックします。