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Oracle® Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド
11g リリース 1 (11.1.1)
B61375-04
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10.8 UNIXでのDISPLAYおよびプリンタ依存性の解消

UNIXの場合、Oracle Reports 10g (9.0.4)よりも前のリリースでは、イメージの作成やピクセル解像度の取得のためにウィンドウ表示システムの表示面を使用するには、DISPLAY環境変数の設定が必要でした。Oracle Reports 10gでは、この依存関係は解消されています。

また、以前のリリースでは、フォントについてUNIX上で有効なプリンタが必要でした。有効なプリンタが利用できない場合、Oracle Reports Servicesではスクリーン・フォントが使用され、その際にもDISPLAY環境変数の設定が必要でした。今回のリリースでは、Oracle Reports Servicesにデフォルトの画面プリンタ・サーフェス(ScreenPrinter)が組み込まれています。プリンタが使用できない場合に、このサーフェスにより画面またはプリンタをエミュレートしてフォントを入手します。したがって、Oracle Reports ServicesではUNIX上にプリンタが存在している必要がなくなりました。

デフォルトでは、REPORTS_DEFAULT_DISPLAY環境変数はYESに設定されています。この指定によってOracle Reports Servicesは次のように設定されます。

10g (9.0.4)よりも前のリリースのように、DISPLAY環境変数の依存性に戻すには、REPORTS_DEFAULT_DISPLAY=NOを設定できます。

10.8.1 ScreenPrinter

PostScriptプリンタ・ドライバscreenprinter.ppdは、イメージの画面解像度を実現し、フォント情報を指定します。このドライバは、uiscreenprint.txtの1番目のエントリです。このファイルは次の場所にあります(UNIXのみ)。

uiscreenprint.txt : ORACLE_INSTANCE/config/FRComponent/frcommon/guicommon/tk/admin
screenprinter.ppd : ORACLE_INSTANCE/config/FRComponent/frcommon/guicommon/tk/admin/PPD

注意:

Oracle Reports 11g リリース1 (11.1.1)からは、screenprinter.ppdを構成する際に、Oracle Enterprise Managerのみを使用する必要があります。Oracle Enterprise Managerによって構成設定を更新する方法の詳細は、第7章「Oracle Enterprise ManagerによるOracle Reports Servicesの管理」第7.9.1項「フォントの構成」を参照してください。


ScreenPrinterは次の目的で使用されます。

  • REPORTS_DEFAULT_DISPLAY=YESのときの画面解像度

  • プリンタ依存性の解消

レポート出力の生成時に使用できる有効なプリンタ・キューがない場合(TK_PRINTER、ORACLE_PRINTER、PRINTERまたはuiprint.txtで見つからない場合)は、screenprinter.ppdに基づく画面が作成され、それを使用してフォント情報が取得されます。新しいフォントを追加するには、screenprinter.ppdFontsセクションを変更します。解像度を変更するには、DefaultResolutionフィールドを変更します(DefaultResolutionは96です)。


注意:

新しいフォントを追加する場合は、新しいAFMメトリック・ファイルがAFMディレクトリにあることを確認します。


UNIXのフォント検索アルゴリズムは次のとおりです。

if a valid printer available then
  look up font information from the printer
else
 create a screenPrinter surface
 look up font information from ScreenPrinter
 if ScreenPrinter creation fails then 
    REP-1800 : Formatter Error if REPORTS_DEFAULT_DISPLAY is set
  else
    use Screen Fonts 

注意:

中国語など、いくつかのマルチバイト言語では、スクリーン・フォントを使用する場合があります。ただし、この場合、レポートを実行するためのDISPLAY変数の設定が必要です。

DISPLAYに戻し、スクリーン・フォント(従来のフォント検索アルゴリズム)を使用する手順は次のとおりです。

  • REPORTS_DEFAULT_DISPLAY=NOに設定します。

  • uiscreenprint.txtファイルのscreenprinter.ppdエントリを削除します。


10.8.2 拡張イメージングのサポート

画質は、レポート(特にWebレポート)の外観全体に大きな影響を与えます。業務の必要性に応じて、レポート出力で様々なイメージ形式が必要になる場合があります。たとえば、航空会社のWebレポートでは、GIFイメージより高画質なJPEGイメージやPNGイメージが適している場合があります。一方、Webポータルを構築する場合は、より小さいサイズでダウンロードが高速なGIFイメージが適している場合もあります。同様に、このような様々な形式のイメージをユーザーのレポートにインポートする場合もあります。

出力の形式によって、様々な形式のイメージを選択することができます。

表10-6 出力タイプ別のイメージ形式オプション

レポート出力 選択可能なイメージ形式

HTML、HTMLCSS

PNG、JPEG、JPG、GIF

PDF

PNG、JPEG、JPG、GIF

RTF

PNG、JPEG、JPG、BMP



注意:

イメージ形式の選択では、画質とサイズを考慮する必要があります。通常は、イメージ形式の画質が高いほど、サイズが大きくなります。たとえば、PNGやJPEGはGIFより高画質ですが、より多くの記憶領域を必要とします。


拡張イメージングを有効にするには、REPORTS_DEFAULT_DISPLAY環境変数をYESに設定します。REPORTS_OUTPUTIMAGEFORMAT環境変数で、デフォルトのイメージ・タイプを選択できます。OUTPUTIMAGEFORMATコマンドライン・キーワードを使用すると、イメージに関するデフォルトの選択を無効にできます。例:

rwclient server=my_rep_server report=images.rdf destype=file desformat=html
desname=images.html userid=scott/tiger outputimageformat=PNG

拡張イメージングを有効にすると、これらの同じ形式のイメージをレポートにインポートすることもできます。

使用上の注意

  • UNIXのみ: 拡張イメージングを有効にすることによって、HTMLやHTMLCSS出力で従来のComputer Graphics Metafile (CGM)形式やOracle Graphics Data (OGD)形式が使用できなくなります。これらの形式を入力ソースに使用する必要がある場合は、REPORTS_DEFAULT_DISPLAY=NOに設定する必要があります。この制限は、Windowsプラットフォームには適用されません。

  • JPEGイメージ付きのレポート(REPORTS_OUTPUTIMAGEFORMAT=JPEG)をRTF出力に対して実行すると、イメージのサイズとは直接比例することなく、RTFファイルのサイズが増加します。その理由は、バイナリ・イメージ・ストリームが最初にHEXキャラクタに変換されてからRTFに書き込まれるからです。この変換によってファイルのサイズは増加します。これは、RTF仕様に沿ったものであり、予測される動作です。ただし、JPEG付きのRTFファイルは、BMPイメージ付きのRTFファイルよりもサイズが小さくなります。