ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド
11g リリース 1 (11.1.1)
B61375-04
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

12.2 フォント・モデルの概要

Oracle Reports 11g リリース1 (11.1.1)では、UNIXプラットフォームでTTFとTTCのフォント・タイプをサポートする新規フォント・モデルを使用しています。Oracle Reportsでは、実行時に新規フォント・モデルを使用し、設計時には従来のMotifツールキットを使用します。このフォント・モデルは、すべての宛先フォーマットに適用され、フォント・エイリアシングとフォント・サブセットをサポートしています。REPORTS_ENHANCED_FONTHANDLING環境変数がNOに設定されていると、従来のツールキット・メカニズムが使用されます。

新規フォント・モデルにより、次の新機能とメリットが実現されます。


注意:

レポートの設計には、Windows版のOracle Reports Builderを使用することをお薦めします。


12.2.1 フォントの検索

Windowsの場合はプリンタ・ドライバを使用するため、フォント検索メカニズムは単純です。プリンタ・ドライバには、必要に応じてフォントをシステムからアップロードする機能があります。Windowsで実行されるOracle Reportsの出力に含まれるフォントは、次のいずれかになります。

  • システム・フォント

  • プリンタ・フォント

したがって、使用可能なフォントをOracle Reportsで検索する際、プリンタ・フォントとシステム・フォントの両方が対象となります。

UNIXの場合、出力生成に使用できるフォントは次のいずれかです。

12.2.1.1 フォント検索アルゴリズム

UNIXでレポート出力を生成する際に使用できるフォントを特定するプロセスについて説明します。

図12-1 フォント・アルゴリズム

図12-1の説明が続きます
「図12-1 フォント・アルゴリズム」の説明

Oracle Reportsにおいて、出力(画面用、プリンタ用またはファイル用など)の生成に使用可能なフォントのリストを生成する手順は次のとおりです。

  • Oracle Reportsでは、REPORTS_ENHANCED_FONTHANDLING環境変数が設定されているかどうかをチェックします。

  • 環境変数が設定されている場合は、レイアウト・オブジェクトに使用されているTTFフォントおよびTTCフォントがREPORTS_FONT_DIRECTORYにあるかどうかをチェックします。

  • TTFフォントおよびTTCフォントがREPORTS_FONT_DIRECTORYにある場合、Oracle Reportsではメトリックの計算にTTFフォントを使用します。これにより、マルチバイト言語のレポート出力で文字の不揃いが防止されます。

  • TTFフォントおよびTTCフォントがREPORTS_FONT_DIRECTORYにない場合、Oracle Reportsでは従来のツールキット・メカニズムの使用に戻り、最も類似度の高いType1のフォントがマシンで検索されます。


注意:

REPORTS_ENHANCED_FONTHANDLING変数が設定されていない場合は、従来のMotifツールキット・メカニズムが使用されます。


12.2.2 新規フォント・モデルの構成

新規フォント・モデルを構成するには、次の手順を実行します。

  1. REPORTS_ENHANCED_FONTHANDLING環境変数がYESに設定されていることを確認します。デフォルト値はYESです。

  2. レポートに使用されているすべてのTTFファイルおよびTTCファイルをREPORTS_FONT_DIRECTORYにコピーします。デフォルトのフォント・ディレクトリは$ORACLE_INSTANCE/reports/fontsです。

  3. uifont.aliファイルに不要なエイリアシングがある場合は削除します。たとえば、デフォルトでArialがHelveticaにエイリアシングされている場合などです。レポートでArialフォントを使用する場合、uifont.aliファイルからエイリアシングを削除する必要があります。


注意:

従来のMotifツールキットを使用する場合、クロス・プラットフォームの問題を考慮して、回避策を適用する必要があります。UNIXでのレポートの作成および配布には、新規フォント・モデルを使用することをお薦めします。


12.2.3 フォント診断およびトレース

Oracle Reports 11g リリース1 (11.1.1)の新規フォント・モデルでは、フォント診断機能およびトレース機能が改善されました。

永続的なロガーおよびアクティブなランタイム・ロガーのログ・レベルを構成できます。ログ・レベルにより、トレース出力に含まれるトレース情報の量を制限できます。

たとえば、Oracle Diagnostic Loggingレベル(Javaレベル)をトレース:1 (FINE)に設定すると、次のフォント関連情報がログ・ファイルとトレース出力に含まれます。

  • フォント・ディレクトリ名

  • フォント・ディレクトリで利用できるフォント

  • ペーパー・レイアウトのオブジェクトに使用されフォント・ディレクトリにはないフォント

フォント問題の診断の詳細は、第9.8項「フォントの問題の診断」を参照してください。