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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B63029-05
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27 Oracle Business IntelligenceでのOracle Essbaseと関連コンポーネントの使用の概要

この章では、Oracle Business Intelligenceとともにインストールされた場合に、Oracle Essbaseと関連コンポーネントの使用に関して知る必要があることについて説明します。この章には、上位レベルのロードマップが含まれ、インストール、システム管理、サービス・レベルのメンテナンスとセキュリティ、およびその他の情報源へのリンクが含まれています。

この章では、次の項目について説明します。

27.1 概要

Oracle Business Intelligenceのインストール時に、Essbaseと関連ツールを簡単にデプロイでき、Oracle Business Intelligenceユーザーも使用できる共有管理、ユーザー管理、インストールおよび構成サポート機能を利用できます。

Oracle Business IntelligenceでEssbaseをデプロイする際は、Essbase多次元データベースにアクセスできます。このデータベースでは多次元分析を使用でき、カスタム分析アプリケーションを素早く開発できます。Essbaseを使用して、複雑なシナリオのモデリング、ビジネス・トレンドの予測および「What-If」分析の実行を行う分析アプリケーションを開発および管理できます。Essbaseでは、多数のユーザー、大量のデータ・セットおよび複雑なビジネス・モデルには事前に集計されたディメンションを使用して、問合せへの高速レスポンスをサポートします。Essbaseは、幅広いデータソースで使用するように構成できます。

Oracle Business Intelligenceでのインストール時に、いくつかのツールおよびコンポーネントがEssbaseとともにインストールされます。これらには、Financial Reporting、Calculation ManagerおよびEssbase Studioが含まれます。これらのツールは、Oracle Business IntelligenceでインストールされたEssbaseとのやり取りに使用できます。

この章では、Oracle Business Intelligenceを使用してインストールされたEssbaseと関連ツールのインストール、構成、管理および保護について、さらにOracle Business Intelligenceを使用したEssbaseデータベースの作成、保護およびアクセスについて説明します。

この章には、EPMシステム・インストーラでインストールされたEssbaseと関連ツールの使用についての説明はありません。EPMシステム・インストーラでインストールされたEssbaseと関連ツールの使用の詳細は、EPMシステム・ドキュメント・ライブラリの「Deployment and Installation」タブにある、EPMシステムのデプロイメントのドキュメントを参照してください。

Oracle Business IntelligenceでインストールされたEssbaseと関連ツールについての情報の参照先ガイドの詳細は、第27.3項「Oracle Business IntelligenceでのEssbaseと関連ツールのタスクの実行と、EPMでの同じタスクの実行との比較および、参照先ガイドについての情報」を参照してください。

27.2 Oracle Business IntelligenceでEssbaseおよび関連ツールを使用するための上位レベルのロードマップ

この項を読んだ後、Oracle Business IntelligenceでEssbaseおよび関連ツールの使用を開始してください。この上位レベルのロードマップでは、実行するタスクと適用可能な選択肢について説明します。また、この項では、どのような場合にOracle Business Intelligenceのドキュメントを参照するか、またはEPMシステムのドキュメントを参照するかについても説明します。

Oracle Business IntelligenceでのEssbaseおよび関連ツールの使用について理解するには:

  1. この章の残りの部分を読み、Essbaseの概念と構成タスクの概要を把握してください。

    たとえば、第27.3項「Oracle Business IntelligenceでのEssbaseと関連ツールのタスクの実行と、EPMでの同じタスクの実行との比較および、参照先ガイドについての情報」を参照してください。

  2. 第27.4項「Oracle Business IntelligenceでのEssbaseと関連コンポーネントのインストール」の説明に従って、Essbaseをインストールします。

    Oracle Business IntelligenceでEssbaseをインストールし、構成するには、Essbaseスイート・オプションを選択します。

  3. 第27.5項「Oracle Business IntelligenceでのEssbaseと関連ツールのセキュリティの構成」の説明に従って、重要なセキュリティ・タスクを実行します。

    EssbaseではOracle Fusion Middlewareのセキュリティ・モデルを使用しており、Oracle Business Intelligenceでも同じものを使用しています。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』を参照してください。

  4. 第27.6項「Oracle Business IntelligenceでのEssbaseシステム管理」の説明に従って、重要なシステム管理タスクを実行します。

    これらのタスクは、Oracle Business IntelligenceでEssbaseをインストールした後、Essbaseが正しく構成されていることを確認した後で実行します。

  5. 第27.7項「Oracle Business IntelligenceでのEssbaseキューブの使用」の説明に従って、Essbaseキューブを作成、管理および使用します。

27.3 Oracle Business IntelligenceでのEssbaseと関連ツールのタスクの実行と、EPMでの同じタスクの実行との比較および、参照先ガイドについての情報

Essbaseと関連ツールをOracle Business Intelligenceのコンポーネントとしてインストールする際は、Enterprise Performance Management Systemの完全インストールを実行しません。したがって、タスクによっては完了の指示がEPMのドキュメントの説明とは異なる場合があります。Essbaseと関連ツールは、Oracle Business Intelligenceのコンポーネントとしてインストールする際は、EPMインフラストラクチャ・コンポーネントではなくOracle Business Intelligenceと同じOracle Fusion Middlewareコンポーネントで使用するように構成します。特に、Hyperion Shared Services (HSS)はOracle Business Intelligenceではインストールされないため、EPMのドキュメントのHSSに関する記述は無視してかまいません。

表27-1を使用すると、EPMシステムと比較して、Oracle Business Intelligenceでは何を使用して特定のタスクを実行するか、どのガイドを参照するかを判断するのに役立ちます。

表27-1 Oracle Business IntelligenceまたはEPM SystemsでのEssbase関連タスクの実行方法および参照先ガイド

Oracle BIおよびEPMシステムで実行されるEssbase関連タスク Oracle BIシステムでのEssbase関連タスクの実行方法および参照先ガイド EPMシステムでのEssbase関連タスクの実行方法および参照先ガイド

認証

Oracle Business IntelligenceでインストールしたEssbaseおよび関連ツールを使用する際は、Fusion Middleware Controlを使用します。

Oracle Business Intelligenceのガイドを参照してください。

EPMシステムを使用する際は、HSS、MaxLおよびEASを使用します。

EPMのガイドを参照してください。

認可

Oracle Business IntelligenceでインストールしたEssbaseおよび関連ツールを使用する際は、Fusion Middleware Controlを使用します。

Oracle Business Intelligenceのガイドを参照してください。

EPMシステムを使用する際は、HSS、MaxLおよびEASを使用します。

EPMのガイドを参照してください。

データ・セキュリティ(プロビジョニング)

Oracle Business IntelligenceでインストールしたEssbaseおよび関連ツールを使用する際は、Fusion Middleware Controlおよびセキュリティを使用します。

Oracle Business Intelligenceのガイドを参照してください。

注意: フィルタはOracle Fusion Middlewareポリシー・ストアからプロビジョニングされますが、実際のフィルタ定義はEssbase .SECファイルに残ります。

EPMシステムを使用する場合は、HSSを使用します。

EPMのガイドを参照してください。

データ・セキュリティ(フィルタ定義)

Oracle Business IntelligenceでインストールしたEssbaseおよび関連ツールを使用する際は、EASおよびMaxLを使用します。

Oracle Business Intelligenceのガイドを参照してください。

注意: データ・セキュリティのフィルタ定義およびフィルタの定義の詳細は、EPMのガイドに記載されていますが、HSSについての記述は無視してかまいません。

EPMシステムを使用する際は、HSS、MaxLおよびEASを使用します。

EPMのガイドを参照してください。

システム構成

Oracle Business IntelligenceでインストールしたEssbaseおよび関連ツールを使用する際は、Fusion Middleware Control、essbase.cfg (およびopmn.xml)を使用します。

Oracle Business Intelligenceのガイドを参照してください。

EPMシステムを使用する際は、テキスト・エディタおよびMaxL、essbase.cfg (およびopmn.xml)を使用します。

EPMのガイドを参照してください。

バックアップおよびリカバリ

Oracle Business IntelligenceでインストールしたEssbaseおよび関連ツールを使用する際は、Fusion Middleware Controlを使用します。

『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』およびOracle Business Intelligenceのガイドを参照してください。

EPMのガイドを参照してください。

移行(テストから本番へ)

Oracle Business IntelligenceでインストールしたEssbaseを使用する際は、Oracle Fusion MiddlewareおよびEASを使用します。

Oracle Business Intelligenceのガイドを参照してください。

EPMシステムを使用する場合は、EAS Webアプリケーションを使用します。

EPMのガイドを参照してください。

Essbaseキューブ

Oracle Business IntelligenceでインストールしたEssbaseおよび関連ツールを使用する際は、EASまたはEssbase Studioを使用します。

Oracle Business Intelligenceのガイドを参照してください。

EPMのガイドを参照してください。

容量

なし。

アクティブ/パッシブ・モデルを使用します(1クラスタのみ)。

Oracle Business Intelligenceのガイドを参照してください。

Nクラスタ1、2、3、4エージェントを使用します。

アクティブ/アクティブ・モデルを使用します。

EPMのガイドを参照してください。

可用性

Fusion Middleware Controlを使用します。

アクティブ/パッシブ・モデルを使用します。

Oracle Business Intelligenceのガイドを参照してください。

EPMのガイドを参照してください。

アクティブ/アクティブ・モデルを使用します。

Essbase Studio

Essbase Studioの機能を使用する際は、EPMのガイドを参照してください。

EPMのガイドを参照してください。

Financial Reporting

使用可能:

- 印刷
- 注釈
- スケジューラ

EPMのガイドを参照してください。

Calculation Manager

EPMのガイドを参照してください。ただし、HSSのインストールの前提条件は無視します。

EPMのガイドを参照してください。

Workspace

EPMのアプリケーションを登録できません。

使用可能:
- ダッシュボード
- Calculation Manager
- Financial Reporting

Oracle Business Intelligenceのガイドを参照してください。

EPMのガイドを参照してください。

API

EssbaseのAPIにはいくつか制限があり、機能によっては使用できません。詳細は、このガイドを参照してください。

Oracle Platform Security Services APIを使用できます。

EPMのガイドを参照してください。


第27.4項 Oracle Business IntelligenceでのEssbaseと関連コンポーネントのインストール

Essbaseと関連コンポーネントを、Oracle Business Intelligenceのインストール時にインストールできます。これらのコンポーネントをOracle Business Intelligenceでインストールすると、Oracle Business IntelligenceユーザーがEssbaseデータベースを使用できるようになり、Oracle Business IntelligenceのツールとEssbase EPMシステムのツールを組み合せて使用してEssbaseコンポーネントを管理できます。どのバージョンのEssbaseがインストールされるかの詳細は、次のURLでOracleサポートの「動作保証」ページにアクセスし、Oracle Essbaseが同梱されているOracle Business Intelligence Enterprise Editionの該当リリースに関する製品詳細を確認してください。

https://support.oracle.com


注意:

Essbaseを既存のOracle Business Intelligenceのインストールに追加することはできませんが、Essbaseをデータソースとして使用することはできます。Oracle Business Intelligenceリリース11.1.1.6以前にEssbaseを追加するアップグレード・パスはありません。Essbaseと関連コンポーネントをOracle Business Intelligenceでインストールする方法は、Oracle Business Intelligenceの新規インストールを実行し、Essbaseコンポーネントを選択する方法のみです。


このトピックには、次の項が含まれています。

27.4.1 Oracle Business Intelligenceの新規インストールでのEssbaseおよび関連コンポーネントのインストール

Oracle Business IntelligenceインストーラでEssbaseっスイート・オプションを選択して、Essbaseおよび関連コンポーネントをOracle Business Intelligenceとともにインストールします。インストール後、Essbaseのコンポーネント(Essbase Studio、Essbase Administration Services、Financial Reporting、Calculation ManagerおよびWorkspace)が使用できるようになり、Oracle BI EEセキュリティがデプロイされます。

Essbaseおよび関連コンポーネントは、Oracle Business Intelligenceの新規インストールでインストールする必要があり、既存のOracle Business Intelligenceのインストール場所にEssbaseを追加することはできません。EssbaseサーバーはOracle Business Intelligenceシステム・コンポーネントとして、1つまたは複数のホストにインストールされます。

図27-1は、複数ホストでのエンタープライズ・インストール(Essbaseスイートを使用)実行後のOracle Business Intelligenceドメイン・アーキテクチャを示しています。

図27-1 Essbaseコンポーネントを含むOracle Business Intelligenceエンタープライズ・インストールのドメイン・アーキテクチャ(ホスト2台)

この図については周囲の文章で説明しています。

Essbase関連コンポーネントのキーは図27-1にあります。

Essbase関連のJavaコンポーネントは、1つ以上のJava EEアプリケーションとしてデプロイされます。詳細は次のとおりです。

  • EAS (Essbase Administration Services) — このEssbaseコンポーネントは、Essbaseの管理ツールです。Administration Servicesは、Essbase管理サーバーと呼ばれるJava中間層サーバーと、管理サービス・コンソールと呼ばれるJavaクライアント・コンソールで構成されています。

  • Financial Reporting — このEPMコンポーネントを使用することにより、高度に書式化された多次元レポートを必要とする財務部門やあらゆる機能分野での固有要件を満たす、高品質の財務管理およびレポートが可能になります。Financial Reportingは、Hyperion Financial Management、Hyperion PlanningおよびEssbaseをデータソースとして使用できます。

  • Calc Manager (Calculation Manager) — このEPMコンポーネントは、PlanningおよびEssbaseの計算ルールの開発および管理機能を提供します。Calculation Managerには、Workspaceからアクセスします。

  • Hyperion Provider Services (APS) — このEssbaseコンポーネントは、Java API、Smart View、およびXMLAクライアント向けのEssbase専用データソース・プロバイダです。

  • Workspace — このEPMコンポーネントは、Oracle Business Intelligenceでデプロイされた場合、Oracle Business Intelligence、Financial ReportingおよびCalculation Managerを使用して作成されたコンテンツを表示し、やり取りするためのユーザー・インタフェースを提供します。

Essbase関連のシステム・コンポーネントは、1つ以上のサーバー・プロセスとしてデプロイされます。詳細は次のとおりです。

  • Essbase Studioサーバー — このEssbaseコンポーネントは、Essbase Studioで使用されるサーバー・プロセスです。

    Essbase Studioコンソールでは、データ・モデリング、キューブ設計および分析アプリケーション構築に関連するタスクを実行する単一の環境を配信することにより、キューブを容易に構築できます。

  • Essbaseエージェント — このEssbaseコンポーネントは、一連のアプリケーションEssbaseサーバーを管理します。アプリケーションEssbaseサーバーを停止および起動します。また、Essbaseアプリケーションへのアクセスのための参照ポイントも提供します。

  • Essbaseアプリケーション — このEssbaseコンポーネントは、Essbaseアプリケーションを表し、それぞれ1つ以上の多次元データベースを含みます。

図27-1に示すOracle Business Intelligenceコンポーネントの詳細は、第1.3項「Oracle Business Intelligenceシステムの論理アーキテクチャ」を参照してください。

27.4.2 インストール・タイプの選択

Essbase Suiteのインストールは、Oracle Business Intelligence簡易インストール・タイプの一部として、Oracle Business Intelligenceエンタープライズ・インストール・タイプの一部として、またはOracle Business Intelligenceソフトウェアのみのインストール・タイプの一部としてのいずれかを選択できます。

このトピックには、次の項が含まれています。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド』のインストール・タイプに関する項を参照してください。

27.4.2.1 Oracle Business Intelligence簡易インストール・タイプを使用してEssbaseと関連コンポーネントをインストールする理由

Oracle Business Intelligence簡易インストール・タイプでは、WebLogic Serverドメインを作成および構成し、Essbase JEEコンポーネントを管理サーバーにデプロイします。このインストール・タイプでは、管理対象サーバーは作成されません。

簡易インストール・タイプを使用して、たとえば、機能のデモまたはテストを目的として、ラップトップ・コンピュータでOracle Business Intelligenceを使用してEssbaseと関連コンポーネントをインストールします。

インストール・プロセスでEssbase Suiteを選択する場合、簡易インストール・タイプではEssbase JEEコンポーネントをサーバーにデプロイし、EssbaseCluster-1というEssbaseクラスタを1つ作成します。

BIAdministratorロールを持つユーザーは、このクラスタ内でアプリケーションおよびキューブを作成できます。サンプルEssbaseアプリケーションおよびキューブは作成されません。既存のEssbaseサンプル・アプリケーションは使用できます。詳細は、『Oracle Essbaseデータベース管理者ガイド』を参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/performance-management/documentation/index.html

EssbaseエージェントおよびStudioシステム・コンポーネントは、Oracle Business Intelligenceのポートの範囲内のポートを使用するように作成および構成されます。

SSLはデフォルトで有効化または構成されません。

27.4.2.2 Oracle Business Intelligenceエンタープライズ・インストール・タイプを使用してEssbaseと関連コンポーネントをインストールする理由

Oracle Business Intelligenceエンタープライズ・インストール・タイプでは、アプリケーションとその管理が分割されます。

エンタープライズ・インストール・タイプでは、WebLogic Serverが2つ、管理サーバーと管理対象サーバーが各1つのクラスタを1つ含む、単一のWebLogic Serverドメインを作成および構成します。インストール時にEssbaseスイートを選択すると、Essbase JEEコンポーネントおよびOracle Business Intelligence JEEコンポーネントが管理対象サーバーにインストールされます。詳細は、第27.4.3項「インストール時のEssbaseスイート・オプションの選択」を参照してください。

ドメインを追加の管理対象サーバーにスケールアウトし、Oracle Business IntelligenceのEssbaseのマシン障害を処理する可用性を高めるには、エンタープライズ・インストール・タイプを使用します。後で別のサーバーにスケールアウトする場合は、このインストール・タイプを使用する必要があります。詳細は、第27.6.2項「Oracle Business IntelligenceのEssbaseコンポーネントの高可用性の維持」を参照してください。エンタープライズ・インストール・タイプでは、1つのエージェントを使用するクラスタが1つ作成され、一度に1つのエージェントのみがアクティブになり、もう1つのエージェントはパッシブとなることに注意してください。コンポーネントの選択は、スケールアウトの前、途中、後には変更できません。

27.4.2.3 Oracle Business Intelligenceソフトウェアのみのインストール・タイプを使用してEssbaseと関連コンポーネントをインストールする理由

ソフトウェアのみのインストール・タイプでは、後の構成のために既存のMiddlewareホームにソフトウェア・バイナリ・ファイルがインストールされます。

Essbaseに関しては特に、ソフトウェアのみのインストール・タイプを使用する理由はありません。ただし、たとえば、WebLogic ServerドメインにOracle Business Intelligenceをデプロイする前に、そのドメインを変更するには、このインストール・タイプを使用できます。ソフトウェアのみのインストール・タイプは、エンタープライズ・デプロイメントの構成で必要となります。

27.4.3 インストール時のEssbaseスイート・オプションの選択

インストール時にEssbaseスイート・オプションを選択すると、次のようになります。

  • 次のEssbase関連のJEEアプリケーションおよびサービスが、エンタープライズ・インストールではローカルOracle BI EE管理対象サーバーに、簡易インストールでは管理サーバーにインストールされます。

    • Workspace (機能が制限されたEPMアプリケーション)

    • Calculation Manager (Allocations Managerとも呼ばれるEPMアプリケーション)

    • Essbase Administration Services (Webアプリケーション)

    • Hyperion Provider Services (APS)

  • 次のEssbaseサーバー・プロセスがインストールされます。

    • Essbase Studioサーバー

    • Essbaseエージェント

    • Essbaseアプリケーション

  • 次のEssbase関連クライアント・アプリケーションを「BIデスクトップ・ツールのダウンロード」オプションでダウンロードできます。このオプションは、Oracle BI EEのホームページの「はじめに」領域で使用できます。

    • Essbase Administrative Servicesコンソール

    • Essbase Studioコンソール

    • Financial Reporting Studio (EPMアプリケーション)

    • Smart View for Office (EPMアプリケーション)

    詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』のBIデスクトップ・ツールのダウンロードに関する項を参照してください。

  • ユーザーが、次のEssbaseコマンドライン・ツールにログインできます。

    • ESSCMD

    • ESSMSH (MaxL)

    • Studioサーバー・コマンドライン

  • ユーザーは次のサポート対象Essbase API言語を使用してログインできます。

    • JAPI

    • VB API

    • C-API


      注意:

      この項に含まれていないクライアント・アプリケーションおよびAPI言語は、Oracle Business IntelligenceでインストールされたEssbaseおよび関連コンポーネントではサポートされていません。


27.4.4 Essbase Studioカタログの更新: インストール後のタスク

このタスクでは、Essbase Studioカタログを最新のリリースで使用できるようにする、重要な環境変数の更新を初期化します。

Oracle Business IntelligenceでのEssbaseのインストール後、スクリプトを作成して実行し、Essbase Studioコマンドライン・ツールを使用してEssbase Studioカタログを更新し、最新のリリースで使用できるようにする必要があります。

Essbase Studioカタログを更新するには:

  1. Essbaseサーバーが実行中であることを確認します。

    Fusion Middleware Controlでは、「可用性」タブの「プロセス」ページでEssbaseエージェントを拡張すると、Essbaseサーバー・プロセスがessbaseserver1と表示されます。

    詳細は、第27.6.1項「Essbaseコンポーネントの起動と停止」を参照してください。

  2. 次のように、Essbase Studioコマンドライン・クライアントを起動するstartCommandLineClient.bat (または.sh)というスクリプトを作成します。

    1. ファイルstartCommandLineClient.batテンプレート(または.sh)を、次の場所からコピーします。

      ORACLE_HOME/products/Essbase/EssbaseStudio/Server/scripts.template/startCommandLineClient.bat (または.sh)ファイルを実行可能にします。

    2. ファイルstartCommandLineClient.bat (または.sh)を次の場所に貼り付けます。

      ORACLE_INSTANCE/EssbaseStudio/essbasestudio1/bin

    3. ファイルstartCommandLineClient.bat (または.sh)をテキスト・エディタで開き、このファイルから抽出した次の例に示すように、setEnv.shおよびsetJavaRuntime.shを含む2行を、変数ORACLE_HOMEおよびJAVA_HOMEで置き換えます。

      #!/bin/sh
      # Set environment variables ${JAVA_HOME} and ${ORACLE_HOME}
      
      ORACLE_HOME=mw_home/OracleBI1
      JAVA_HOME=mw_home/OracleBI1/jdk
      "${JAVA_HOME}/bin/java" -Xmx128m $JAVA_OPTIONS -jar
       "${ORACLE_HOME}/products/Essbase/EssbaseStudio/Server/client.jar"
      if [ $? != 0 ]; then
          echo ""
          echo "Press Enter to finish the client session"
      read
      fi
      
      
    4. ファイルを保存します。

    5. ${ORACLE_HOME}/products/Essbase/EssbaseStudio/Server/client.jarの権限を変更して、読取りアクセスを可能にします。

  3. 次のコマンドを入力して、スクリプトを実行します。

    startCommandLineClient.bat (または.sh)

    CPL Shellというコマンド・ウィンドウが表示されます。

  4. コマンド・プロンプトで、有効なEssbase Studioホスト名、管理者のユーザー名およびパスワードを入力します。


    注意:

    管理者ユーザーは、「reinit」コマンドを使用するため、Essbase Studioの管理者権限を持っている必要があります。


  5. コマンド・プロンプトで次のコマンドを入力します。

    reinit

  6. reinitコマンドが完了したら、exitと入力してCPL Shellを閉じます。

    Essbase Studioカタログを使用する準備ができました。

27.4.5 EssbaseがOracle Business Intelligenceでインストールされた場合のクライアント・ツールの使用制限

EssbaseをOracle Business Intelligenceでインストールした場合、次のEssbaseツールの使用に制限があります。

  • Essbase Administration Services

    このツールを使用すると、Oracle Business Intelligence Essbaseの多くのタスクを実行できます。これらのタスクは、Oracle EPM System Essbaseでも実行できます。

    Essbase Administration Servicesを使用してセキュリティ管理を実行しようとしないでください。セキュリティの設定の詳細は、第27.5項「Oracle Business IntelligenceでのEssbaseと関連ツールのセキュリティの構成」を参照してください。

  • MaxLコマンドライン・インタフェース

    MaxLコマンドラインは、Oracle Business Intelligence Essbaseのほとんどのタスクをサポートしますが、これらのタスクはOracle EPM System Essbaseでも実行できます。

    MaxLコマンドラインを使用してセキュリティをプロビジョニングできないことに注意してください。

27.4.6 EssbaseがOracle Business Intelligenceでインストールされた場合にサポートされないEssbaseの機能

EssbaseをOracle Business Intelligenceでインストールすると、Enterprise Performance Managementが完全にはインストールされないので、次のEssbaseの機能がサポートされません。

  • 権限の付与が、データベース・レベルでサポートされません。たとえば、1つのアプリケーションで2つの多次元データベースを使用する場合、権限の付与は、アプリケーションで2つの多次元データベースに等しく適用されます。

  • 複数クラスタがサポートされません。

  • アクティブ/アクティブ・フェイルオーバー・プロセスがサポートされません。一度にアクティブにできるマシンまたはクラスタは1つのみなので、コンピュータまたはクラスタ間でのロード・バランシングができません。

  • EssbaseをEnterprise Performance Management Systemの一部としてインストールすると、Essbaseでどのユーザー、グループおよびアプリケーション・ロールが何を実行できるかが監査レポートに表示されますが、そのレポートをこのリリースでは使用できません。ただし、Fusion Middleware Controlを使用して、アプリケーション・ロールに割り当てられたEssbaseの権限を表示できます。

  • EssbaseをOracle Business Intelligenceでインストールすると、サポートされないEnterprise Performance Managementの機能が他にもある可能性があります。誤解を防ぐため、(EssbaseをOracle Business Intelligenceでインストールした場合は)この章で指示されていないかぎり、EPMシステムまたはEssbaseのドキュメントを使用しないでください。

27.5 Oracle Business IntelligenceでのEssbaseと関連ツールのセキュリティの構成

この項では、EssbaseをOracle Business Intelligenceでインストールした場合の、Essbase関連の一般的なセキュリティ構成について説明します。Oracle Business Intelligenceの既存のインストールでEssbaseのセキュリティをメンテナンスする場合にも、この項を参照できます。

Oracle Business Intelligenceインストーラでは、Oracle Fusion Middlewareのセキュリティを使用して認証および認可するようにEssbaseコンポーネントを構成します。Essbase環境を保護して、Hyperion Shared Servicesで保護されたEssbaseと同等の機能を提供できます。例外は、Oracle Business Intelligenceの動作保証マトリクスを参照してください。

Oracle Business Intelligenceインストーラを使用してインストールされたEssbaseコンポーネントは、ネイティブEssbaseまたはHyperion Shared Services (HSS)セキュリティを使用できません。しかし、EssbaseをOracle Business Intelligenceでインストールすると、Common Security Service (CSS)トークン・ベースのアイデンティティ・アサーションを引き続き使用でき、Oracle Business Intelligenceを使用して、エンド・ユーザーの資格証明でEssbaseデータソースに(Oracle Business IntelligenceでインストールしたEssbaseにもEPMでインストールしたEssbaseにも)接続できます。このメカニズムをOracle Business Intelligenceのインストールの外部のEssbaseデータソースで使用するには、ドキュメントの指示に従う必要があります。また、Oracle Business IntelligenceでEssbaseの複数のデータソースを使用し、このメカニズムを使用する必要がある場合は、すべてのEssbaseデータソースで同じ共有シークレットを使用してCSSトークンを作成する必要があります。詳細は、第11.6項「Oracle Business IntelligenceでEssbase、Hyperion Financial ManagementおよびEPM Workspaceとの通信時にHyperion SSOトークンを使用する構成」を参照してください。

Oracle Business Intelligenceインストーラでは、Essbaseのコア・ユーザー、グループ、アプリケーション・ロール、資格証明および権限を事前構成します。EPMシステム・インストーラでインストールされたEssbaseからOracle Business IntelligenceでインストールされたEssbaseへのセキュリティ・アーティファクトの自動移行はありません。Oracle Business IntelligenceでEssbaseをインストールした場合は、Essbaseで同等の認証および認可のメカニズムを構成する必要があります。

ここでは、Oracle Business IntelligenceでEssbaseをインストールした場合のセキュリティの構成について説明します。各項の内容は次のとおりです。

27.5.1 Essbaseと関連ツールのセキュリティ構成の前提条件

Oracle Business IntelligenceでEssbase関連のセキュリティを構成する前に、次のことを実行する必要があります。

  • 第27.5項「Oracle Business IntelligenceでのEssbaseと関連ツールのセキュリティの構成」の全体を読み、Oracle Business IntelligenceのEssbase関連セキュリティについて理解しておくこと

  • Oracle Business Intelligenceのセキュリティの構成について理解しておくこと

    詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』のOracle Business Intelligenceのセキュリティ設定の詳細な手順に関する項を参照してください。

27.5.2 EssbaseとOracle Business Intelligenceの共通セキュリティ・タスク

表27-2は、EssbaseとOracle Business Intelligenceに実行する共通のセキュリティ・タスクを示しています。

表27-2 EssbaseとOracle Business Intelligenceの共通セキュリティ・タスク

セキュリティ・タスク 詳細

認証および認可の構成

Essbaseと関連ツールは、認証および認可を行うために、Oracle Business Intelligenceのセキュリティ・サービスとOracle Fusion Middlewareのセキュリティ・メカニズムに統合されます。

注意: Oracle Business IntelligenceでデプロイされたEssbase (および関連クライアント)は、初期化ブロック認証/認可や、このアプローチで必要なメカニズム(たとえば、Oracle eBusiness Suiteセキュリティ)を使用できません。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』のOracle Business Intelligenceのセキュリティに関する項を参照してください。

シングル・サインオンのデプロイ

Essbase Webアプリケーションのシングル・サインオン(SSO)機能は、Oracle Business Intelligenceと同じ、Oracle Fusion Middlewareのセキュリティ・メカニズムを使用します。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』のSSO認証の有効化に関する項を参照してください。

注意: Oracle Business IntelligenceをSSO環境にデプロイしない場合は、デフォルトの構成をデプロイするうえでその他の構成手順は必要ありません。

Essbase関連ツールおよびアーティファクトの権限の管理

Financial Reporting StudioやEssbase Administration Servicesコンソールなどのツールを使用する権限は、Oracle Fusion Middlewareポリシー・ストアで付与されます。

Essbaseデータベースやフィルタなどのアーティファクトを管理または使用する権限も、Oracle Fusion Middlewareポリシー・ストアで付与されます。


デフォルトのOracle Business Intelligenceセキュリティの管理の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』を参照してください。

27.5.3 Essbaseと関連ツールでのユーザーによる特定の操作の実行の有効化

アプリケーション・ロールに対するリソース権限の定義を付与することにより、Essbaseと関連ツールで特定の操作をユーザーが実行できるようにします(たとえば、読取りと書込み、計算の使用、フィルタの使用、特定のフィルタの使用など)。適切なリソース権限を最初に定義する必要があります(詳細は、第27.5.4項「Essbaseフィルタを使用したデータレベル・セキュリティの構成」および第27.5.5項「Essbase計算へのアクセスの構成」を参照してください)。リソース権限には、Essbaseアプリケーションでユーザーが実行できるEssbaseアクションの定義が含まれます。Essbaseアクションは、Essbaseリソース・タイプから派生しており、リソース権限にリンクしています。

リソースは階層化されているので、グローバル、クラスタおよびアプリケーション・レベルのリソースがリストされます。


注意:

ここで説明するEssbaseアクションは、Oracle Business Intelligenceのアクションと同じではありません。


インストール・プロセスでは、Oracle Business Intelligenceの既存のアプリケーション・ロールにデフォルトのEssbaseリソース権限を付与します。

Oracle Business IntelligenceでEssbaseをインストールする際にデフォルトで構成される、デフォルトのEssbaseリソース権限の詳細は、第27.5.8項「Essbaseと関連ツールのリソース権限リファレンス」を参照してください。


注意:

BIConsumerアプリケーション・ロールはすべてのユーザーに付与され、oracle.essbase.server /EssbaseCluster-1アクセスおよびoracle.essbase.application /EssbaseCluster-1 user_filterを持ちます。これにより、すべてのユーザーがデフォルトでEssbaseにアクセスできます。



注意:

リソース権限はデフォルトで、ファイルベースの共有ポリシー・ストアに格納されますが、OID LDAP共有ポリシー・ストアに再度関連付けることができます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』の代替認証プロバイダの使用に関する項を参照してください。



注意:

親ロールは、子グループまたはロール・メンバーから権限の付与を継承します。権限の付与は累積し、たとえば、oracle.essbase (フィルタ)をアプリケーション・ロールを通じて付与されているが、別のロールを通じては付与されていないユーザーは、それでもoracle.essbase (フィルタ)ロールを持っていると見なされます。


リソース権限をユーザーおよびアプリケーション・ロールに付与するには:

  1. リソース権限の定義をEssbaseフィルタまたはEssbase計算に付与する場合は、そのフィルタまたは計算がすでに存在する必要があります。存在しない場合は、次のリンクのいずれかを参照してください。

  2. Fusion Middleware Controlにログインします。

    詳細は、第2.2.2項「Oracle Business Intelligenceを管理するためのFusion Middleware Controlへのログイン」を参照してください。

  3. 「Business Intelligence」を選択し、「coreapplication」を選択します。

  4. 「Business Intelligenceインスタンス」メニューで(または「coreapplication」を右クリックして)、「セキュリティ」「アプリケーション・ポリシー」を選択します。

  5. obiアプリケーション・ストライプを選択します。

  6. 「プリンシパル・タイプ」を選択し、「検索」をクリックして、アプリケーション・ロールのリストを表示します。

    ベスト・プラクティスは、アプリケーション・ロールに権限を割り当てることです。

    この検索では、ポリシーまたは権限がすでに割り当てられているプリンシパルのみが返されます。新規アプリケーション・ロールがあり、まだ権限を割り当てていない場合は、「作成」または「類似作成」をクリックする必要があります。


    注意:

    選択されたプリンシパルに、Essbase以外の権限も表示される場合があります。


  7. 「作成」をクリックして、「アプリケーション権限の作成」ページを表示します。

  8. 「権限受領者」セクションで「追加」をクリックして、アプリケーション・ロールを追加します。

  9. 「タイプ」リストから「アプリケーション・ロール」を選択し、検索の矢印をクリックします。

  10. OK」をクリックします。

  11. 「権限」セクションで「追加」をクリックして、「権限の追加」ページを表示します。

  12. 「リソース・タイプ」をクリックして、リストから適切なリソース・タイプを選択します。

    たとえば、oracle.essbase.applicationを選択します。

  13. 検索の矢印ボタンをクリックして、選択内容を確認します。


    注意:

    EASで作成したフィルタまたはアプリケーションと、ポリシー・ストアで返されたリストの間では、同期は行われていません。したがって、特定のリソース(サーバー、アプリケーション、フィルタまたは計算)を最初にプロビジョニングする際に、次の手順で「リソース名」を手動で入力する必要があります。


  14. 「続行」をクリックして、「権限の追加」ページを表示します。

  15. 「リソース名」および「リソース・タイプ」フィールドに適切な情報を入力します。

    たとえば、アクセス権限を構成して、デモ・アプリケーション内の任意のフィルタを使用するには、次の情報を入力します。

    リソース・タイプ: oracle.essbase.application

    リソース名: /EssbaseCluster-1/Demo

    権限アクション: use_filter

    リソース権限をフィルタまたは計算に付与する際、「リソース・タイプ」「リソース名」および「権限アクション」フィールドに入力する内容の例は、次を参照してください。


    注意:

    リソースの権限アクションも、「権限アクション」フィールドに手動で入力できます。Essbaseアクションは階層化されており、リストの上位にあるアクションには、下位メンバーが含まれます。たとえば、readを選択すると、readおよびrestart権限が/EssbaseCluster-1/Demo Essbaseアプリケーションに付与されます。


  16. 「選択」をクリックします。

  17. OK」をクリックします。

27.5.4 Essbaseフィルタを使用したデータレベル・セキュリティの構成

データレベル・セキュリティを使用すると、Essbase多次元データベースでユーザーに表示されるディメンション・データを制限できます。Essbaseフィルタのリソース権限定義を構成し、それをアプリケーション・ロールに付与することで、Oracle Business Intelligenceユーザーのデータレベル・アクセスを保護します。詳細は、第27.5.3項「Essbaseと関連ツールでのユーザーによる特定の操作の実行の有効化」を参照してください。

このトピックには、次の項が含まれています。

27.5.4.1 Essbaseフィルタとは

Essbaseフィルタとは、Essbaseのリソースで、ディメンション・データのアクセス制御メカニズムを提供します。たとえば、フィルタがユーザーによるデータの表示または更新を、特定の地域または特定の製品のみに制限している場合があります。

Essbaseフィルタは、ローカル・ファイル・システムに.SECファイル形式で格納されます。

表27-3は、ディメンション・メンバーに対するフィルタのアクセス権限について説明しています。

表27-3 ディメンション・メンバーに対するEssbaseフィルタのアクセス権限

権限 説明

アクセスなし、またはなし

アクセス権がグローバルに付与されていないかぎり、データ値への固有のアクセス権はなし

読取り

データ値の読取りが可能

書込み

データ値の読取りおよび更新が可能

メタ読取り

メタデータの読取りが可能(ディメンションおよびメンバー名)


Essbaseフィルタは、Essbase Administration Services (およびMaxLコマンドライン)を使用して作成します。これにより、次のことも可能になります。

  • ディメンションおよびそのメンバーの表示

  • フィルタ操作のリスト表示

  • デザインタイムでのフィルタの検証

詳細は、Oracle Essbase Administration Servicesオンライン・ヘルプおよび『Oracle Essbaseデータベース管理者ガイド』を参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/performance-management/documentation/index.html

Enterprise Performance ManagementドキュメントのHyperion Shared Services (HSS)に関する記述は無視してかまいません。

27.5.4.2 Essbaseフィルタのリソース権限定義の構成

リソース権限定義はポリシー・ストアのEssbaseフィルタと結合して、アプリケーション・ロールに付与されます。これにより、アプリケーション・ロールに関連づけられたユーザーは、Essbaseフィルタのリソース権限定義を1つ以上結合して定義されたデータを保護できます。

Essbaseフィルタのリソース権限定義をアプリケーション・ロールに付与する前に(第27.5.3項「Essbaseと関連ツールでのユーザーによる特定の操作の実行の有効化」を参照)、まず、適切なリソース権限定義がポリシー・ストアに存在している必要があります。この項の例を使用して、ユーザーがEssbaseフィルタを使用できるようにするためのリソース権限定義の構成方法を理解します。

アプリケーション・ロールには、特定のフィルタにアクセスするための少なくとも2つのポリシー・ストア権限付与が必要です。特定のスコープ内のフィルタを使用するアプリケーション・ロールの権限を付与する必要があります。

権限の詳細は、第27.5.8項「Essbaseと関連ツールのリソース権限リファレンス」を参照してください。

次の例を使用して、Essbaseフィルタのリソース権限定義の構成方法を理解します。

例1 - デモ・アプリケーション内でのフィルタの使用を有効化するリソース権限の構成:

この例では、リソース権限定義を構成して、デモ・アプリケーション内でのフィルタの使用を有効にします。この例では、次のリソース権限定義のいずれかがポリシー・ストアに必ず存在する必要があります。例:

  • oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1, use_filter

    ここでは次のようになります。

    • oracle.essbase.application, - リソース・タイプ(この場合はアプリケーション)

    • /EssbaseCluster-1, - クラスタ名

    • use_filter - アクション権限(この場合、フィルタの使用を有効化します)

    この例では、use_filterアクション権限でoracle.essbase.applicationリソース・タイプを構成して、ポリシー・ストアでこの定義と関連づけられているユーザーが、EssbaseCluster-1内の任意のアプリケーション(デモ・アプリケーションを含む)でフィルタを使用できます。

    または

  • oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1/Demo, use_filter

    この例では、use_filterアクション権限でoracle.essbase.applicationリソース・タイプを構成して、ポリシー・ストアでこの定義と関連づけられているユーザーが、EssbaseCluster-1内のデモ・アプリケーションでフィルタを使用できます。

例2 - 特定のフィルタのリソース権限の構成:

この例では、リソース権限定義を構成して、特定のフィルタの使用を有効にします。最初の権限付与の範囲でフィルタに名前を付けるリソース権限定義をさらに指定する必要があります。

たとえば、Basicというデータベースでユーザーのディメンション・アクセスを、read_filterというフィルタで定義されたメンバーに制限するには、次のリソース権限定義が必要です。

  • oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1, use_filter

    または

  • oracle.essbase.application, ./EssbaseCluster-1/Demo, use_filter

    および

  • oracle.essbase.filter, /EssbaseCluster-1/Demo/Basic/read_filter, apply

    この例では、read_filterアクション権限でoracle.essbase.applicationリソース・タイプを構成して、ポリシー・ストアでこの定義と関連づけられているユーザーの、EssbaseCluster-1内のデモ・アプリケーションでのBasicデータベースのフィルタの読込みを制限します。

Essbaseポリシー・フィルタ権限

例3 - 複数のフィルタのリソース権限の構成:

この例では、複数のフィルタで複数のリソース権限定義を有効化して、データベースBasicでのユーザーのディメンション・アクセスを、フィルタ「read_filter」または「readFeb_filter」のいずれかで定義されたメンバーに制限します。次のリソース権限定義が必要です。


注意:

. これは、ユーザーとグループが単一のアクティブ・フィルタに制限されるEPMのインストールとは異なります。


  • oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1, use_filter

    または

  • oracle.essbase.application, ./EssbaseCluster-1/Demo, use_filter

    および

  • oracle.essbase.filter, /EssbaseCluster-1/Demo/Basic/read_filter, apply

    および

  • oracle.essbase.filter, /EssbaseCluster-1/Demo/Basic/readFeb_filter apply

Essbaseの複数フィルタのポリシー権限

例4 - データベース・レベルでデータ・アクセスを拡張または制限するフィルタのリソース権限の構成:

この例ではアクティブ・フィルタを使用して、データベース・レベルでデータ・アクセスを拡張または制限します。

たとえば、次のリソース権限定義に関連づけられたユーザーは、noAccess1がすべてのディメンションへのアクセスを制限するDemoからの読込みができません。

  • oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1/Demo, read

  • oracle.essbase.filter,/EssbaseCluster-1/Demo/Basic/noAccess1, apply

27.5.4.3 Essbaseフィルタでのデータ・アクセスの保護

Essbaseフィルタをアプリケーション・ロールに付与して、データ・アクセスを保護します。Essbaseフィルタのリソース権限定義は、データベース・レベルで権限受領者のデータ・アクセスを保護します。

Essbaseフィルタでユーザーのデータ・アクセスを保護するには:

  1. 特定のフィルタが存在しない場合は、Essbase Administration ServicesコンソールまたはMaxLコマンドラインを使用して作成します。

    詳細は、Oracle Essbase Administration Servicesオンライン・ヘルプおよび『Oracle Essbaseデータベース管理者ガイド』を参照してください。

    http://www.oracle.com/technetwork/middleware/performance-management/documentation/index.html

  2. Fusion Middleware Controlを使用して、フィルタのリソース権限定義をアプリケーション・ロールに付与します。

    詳細は、第27.5.3項「Essbaseと関連ツールでのユーザーによる特定の操作の実行の有効化」を参照してください。

    これは、Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)を使用してプログラムで実行することもできます。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアプリケーション・セキュリティ・ガイド』のOPSSスクリプトによるアプリケーション・ポリシーの管理に関する項を参照してください。


注意:

EssbaseをOracle Business Intelligenceでインストールした場合、次のEnterprise Performance Managementの制限は適用されません。

EPMでインストールしたシステムの場合、多次元データベースにつき、ユーザーまたはアプリケーション・ロールごとに、フィルタは1つのみです。ユーザーまたはアプリケーション・ロールが2番目のフィルタに直接プロビジョニングされている場合、1番目は取り消されます。ユーザーが、プロビジョニングされたフィルタをそれぞれ持つ複数のアプリケーションのメンバーである場合、複数のフィルタを間接的にプロビジョニングできます。


フィルタのリソース権限定義は、特定のEssbase多次元データベースに接続する際に決定されます。フィルタのリソース権限定義は、認証中にEssbaseエージェントに渡されます。ユーザーが正常に認証されると、ローカルに格納された.SECファイルで、そのユーザーのフィルタのリストが更新されます。

27.5.4.4 フィルタ・アクセス権限の付与の変更が使用済になる時点

ユーザーのフィルタ・アクセス権限はログイン時に決定され、Essbaseデータベースが選択されると使用済になります(SetActive)。認可の変更は既存のセッションでは通知されないので、ユーザーは再度ログインして、認可ポリシーの変更を使用済にする必要があります。

27.5.4.5 Oracle Business IntelligenceとEPMでのフィルタ権限の付与の相違点

EssbaseをOracle Business Intelligenceでインストールした場合は、次のように、EssbaseをEPMシステムの一部としてインストールした場合と比べて異なるフィルタ・リソース権限を付与します。

  • EssbaseをOracle Business Intelligenceでインストールした場合

    フィルタのリソース権限定義をアプリケーション・ロールに付与するか、管理者権限をアプリケーション・ロールに割り当てます。

  • EssbaseをEPMシステムの一部としてインストールした場合

    フィルタのリソース権限をグループに付与するか、管理者権限をグループに割り当てます。

Oracle Business IntelligenceでインストールしたEssbaseは、ユーザーにすべての権限を組み合せて付与します。この権限は、直接またはグループやアプリケーション・ロールを通じて付与されます。EPMシステムとは異なり、Oracle Business Intelligenceを使用する場合は、たとえばoracle.essbase.applicationフィルタ・アクションをフィルタと同じグループを使用して付与する必要があるという制限はありません。Oracle Business Intelligenceでは、競合するロールを使用できます。これらの権限付与の結果については、表27-4を参照してください。

表27-4 権限の付与がEPMとOracle Business Intelligenceの間でどのように異なるかを示す例

アプリケーション・ロール(グループ) アプリケーション権限 フィルタ権限付与

A

oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1/Demo, use_filter

oracle.essbase.filter, /EssbaseCluster-1/Demo/Basic/read_filter, apply

B

oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1/Demo, use_filter

oracle.essbase.filter, /EssbaseCluster-1/Demo/Basic/readFeb_filter, apply


表27-4で、ユーザーJDoeはグループAおよびBのメンバーであり、Basicの問合せの際、JDoeはread_filterおよびreadFeb_filterで定義される行にアクセスできます。グループAに、EPMシステムのインストールで削除されたアプリケーション権限がある場合、グループAのユーザーはその後、どのフィルタにもアクセスできなくなります。ただし、EssbaseをOracle Business Intelligenceでインストールすると、ユーザーJDoeは、両方のフィルタの行に引き続きアクセスできます。JDoeはグループBのメンバーシップからも権限を継承するためです。

27.5.5 Essbase計算へのアクセスの構成

Essbase計算を使用すると、Essbase多次元データベースのデータに数式を適用できます。Essbase計算のリソース権限定義を構成し、アプリケーション・ロールに付与することで、ユーザーがEssbase計算にアクセスできます。詳細は、第27.5.3項「Essbaseと関連ツールでのユーザーによる特定の操作の実行の有効化」を参照してください。

このトピックには、次の項が含まれています。

27.5.5.1 Essbase計算とは

Essbase計算を使用すると、ユーザーはディメンション・メンバーに複雑な式を定義および適用できます。計算に名前を付け、アプリケーションまたはデータベース・レベルでファイルに保存できます。これを計算スクリプトと呼びます。計算は、対話的に作成し、実行することもできます。これをインライン計算と呼びます。最後に、各データベースにはデフォルトの計算がアウトラインで定義されています。

計算スクリプトはローカル・ファイル・システムに格納され、その定義は複雑な場合があり、ツールのサポートが必要となります。たとえば、Essbase Administration Services (EAS)とCalculation Managerを使用して、次のことができます。

  • ディメンションおよびそのメンバーの表示

  • 計算操作のリスト表示

計算の定義にはMaxLも使用できます。

27.5.5.2 Essbase計算のリソース権限定義の構成

Essbas計算を使用するアプリケーション・ロール権限を付与する前に(第27.5.3項「Essbaseと関連ツールでのユーザーによる特定の操作の実行の有効化」を参照)、適切なリソース権限定義がポリシー・ストアに存在している必要があります。この項の例を使用して、ユーザーがEssbase計算を使用できるようにするためのリソース権限定義の構成方法を理解します。

リソース権限の詳細は、第27.5.8項「Essbaseと関連ツールのリソース権限リファレンス」を参照してください。

例1 - リソース権限定義を構成して、/cluster/App1のデフォルトおよびインラインの計算を使用するには:

この例では、リソース権限定義を構成して、/EssbaseCluster-1/App1のデフォルトおよびインラインの計算を使用します。次のリソース権限定義がポリシー・ストアに存在する必要があります。例:

  • oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1, use_calculation

    この例では、アプリケーションのリソース権限でクラスタ内のすべてのアプリケーションにuse_calculation権限を付与します。

    または

  • oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1/App1, use_calculation

    この例では、アプリケーションのリソース権限でApp1のアプリケーションにuse_calculation権限を付与します。

例2 - リソース権限定義を構成して、/cluster/App1のすべての計算を使用するには:

この例では、リソース権限定義を構成して、/EssbaseCluster-1/App1のすべての計算スクリプトを使用します。次の権限がポリシー・ストアに必ず存在する必要があります。例:

  • oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1, use_calculation

    または

    oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1/App1, use_calculation

    および

  • oracle.essbase.calculation, /EssbaseCluster-1/App1, all

    この計算の権限は、App1のすべての計算スクリプトに、アクセス権限を付与します。

例3 - リソース権限定義を構成して、クラスタ内のすべての計算を使用するには:

この例では、リソース権限定義を構成して、クラスタ内のすべての計算を使用します。次の権限の両方がポリシー・ストアに必ず存在する必要があります。例:

  • oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1, use_calculation

  • oracle.essbase.calculation, /EssbaseCluster-1, all

例4 - リソース権限定義を構成して、計算スクリプトforcastQ1およびforcastQ2を使用するには:

この例では、リソース権限定義を構成して、クラスタ内の特定の計算スクリプト(たとえば、forcastQ1およびforcastQ2)を使用します。次の権限がポリシー・ストアに必ず存在する必要があります。例:

  • oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1, use_calculation

    または

    oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1/App1, use_calculation

  • oracle.essbase.calculation, /EssbaseCluster-1/App1/Db1/forcastQ1, execute

    および

  • oracle.essbase.calculation, /EssbaseCluster-1/App1/Db1/forcastQ2, execute


注意:

特定の計算スクリプトに権限付与すると、すべての計算へのクラスタまたはアプリケーション・レベルのアクセスが取り消されます。計算スクリプトへの特定の権限付与は、制限と見なされます。

例:

次の権限を付与されたユーザーは、計算スクリプトforcastQ1のみにアクセスできます。

  • oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1, use_calculation

  • oracle.essbase.calculation, /EssbaseCluster-1, all

  • oracle.essbase.calculation, /EssbaseCluster-1/App1/Db1/forcastQ1, execute



注意:

oracle.essbase.calculationの権限付与は、oracle.essbase.application calculateのアクセスを示すものではありません。例:

oracle.essbase.applicationの計算の権限付与がない場合、ユーザーには、次のいずれかの権限付与を含む計算、アウトライン、インラインまたはスクリプトへのアクセス権がありません。

  • oracle.essbase.calculation, /EssbaseCluster-1/App1, all

  • oracle.essbase.calculation, /EssbaseCluster-1, all

  • oracle.essbase.calculation, /EssbaseCluster-1/App1/Db1/forcastQ1, execute


27.5.5.3 Essbase計算へのユーザーのアクセスの有効化

1つ以上のEssbase計算のアクセス権限を、ユーザーに関連づけられたアプリケーション・ロールに付与することにより、そのユーザーがEssbase計算にアクセスできるようにします。デフォルトでは、計算の権限を持つユーザーは、すべてのデータベースでデフォルトおよびインラインの計算を実行できます。

ユーザーがEssbase計算にアクセスできるようにするには:

  1. 計算スクリプトが存在しない場合は、Essbase Administration ServicesコンソールまたはMaxLコマンドラインを使用して作成し、アクティブにします。

    詳細は、『Oracle Essbaseデータベース管理者ガイド』およびOracle Essbase Administration Servicesオンライン・ヘルプを参照してください。

    http://www.oracle.com/technetwork/middleware/performance-management/documentation/index.html

  2. Essbase計算のアクセス権限を、Fusion Middleware Controlを使用してアプリケーション・ロールに付与します。

    詳細は、第27.5.3項「Essbaseと関連ツールでのユーザーによる特定の操作の実行の有効化」を参照してください。

27.5.6 Oracle Business IntelligenceでのEssbaseのポートの変更

ローカルWebLogic Serverを実行するポートを変更できます。たとえば、EssbaseをOracle Business Intelligenceでインストールする際、サード・パーティ製品に必要なポートを使用する場合です。ネットワーク管理者は、使用可能なポートの範囲を制限する場合があります。

Oracle Business Intelligence (Essbaseを含む)システム・コンポーネントのポートの範囲は、Fusion Middleware Controlの「スケーラビリティ」ページ、「容量管理」タブに示します。詳細は、第5.5項「システム・コンポーネントをスケーリングするためのFusion Middleware Controlの使用」を参照してください。Essbaseサーバーのポート範囲またはEssbaseエージェントのポート番号を明示的に指定するには、essbase.cfgファイルのSERVERPORTBEGIN、SERVERPORTENDまたはAGENTPORTの適切なエントリを手動で編集します。

Fusion Middleware Control外部のEssbaseサーバーのポート範囲またはEssbaseエージェントのポート番号を手動で更新するには:

  1. essbase.cfgファイルを編集用に開きます。

    essbase.cfgファイルは次の場所にあります。

    ORACLE_INSTANCE/Essbase/essbaseserver1/bin/essbase.cfg

  2. 次のエントリを必要に応じて更新します。

    例:

    AGENTPORT 9799

    SERVERPORTBEGIN 9000

    SERVERPORTEND 9499

    これらのレポートの詳細は、表27-1およびOracle Essbaseテクニカル・リファレンス・ガイドを参照してください。

    http://www.oracle.com/technetwork/middleware/performance-management/documentation/index.html

  3. essbase.cfgファイルを保存します。

  4. WebLogic Serverを再起動します。


注意:

BI Security Serviceに接続するEssbaseスタンドアロン・クライアントは、次の起動時に新しいポート・アドレスを使用します。同じWebLogic Serverで実行されるEssbase Webアプリケーションでは、同じ場所に配置されているBI Security Serviceとの通信を継続するために再起動する必要がない場合があります。


27.5.7 Essbase Studio (JSE)ポートの割当て

Essbase Studioのポートは、Oracle Business Intelligenceでは管理しません。

Essbase Studioのポートの値は、server.propertiesファイルのエントリtransport.portの値で指定されます(たとえばtransport.port=5300)。server.propertiesファイルは次の場所にあります。

<INSTANCE>/EssbaseStudio/essbasestudio1/bin/server.properties

27.5.8 Essbaseと関連ツールのリソース権限リファレンス

この項では、EssbaseをOracle Business Intelligenceでインストールしたときにデフォルトで構成されるEssbaseと関連ツールのリソース権限についてのリファレンス情報を示します。

Essbase関連機能にアクセスするには、ユーザー(またはグループや、そのユーザーが所属するアプリケーション・ロール)は1つ以上のリソース権限を付与されている必要があります。Essbase関連のリソース権限は、リソース・タイプ、名前およびアクションで定義され、Oracle Fusion Middlewareのセキュリティ・モデルの一部としてポリシー・ストアに格納されます。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアプリケーション・セキュリティ・ガイド』の「ポリシー・ストアの管理」を参照してください。

  • リソース・タイプ

    権限の名前付きグループが含まれます。

  • リソース名

    権限を適用する範囲を指定します。

  • アクション

    権限により、権限受領者が実行できる操作を定義します。

Essbase関連のリソース権限は、Fusion Middleware Controlを使用して管理します。ただし、JMXまたはOracle WebLogic Scripting Toolを使用して、Oracle Platform Security ServicesのAPIも使用できます。


注意:

Essbaseと関連ツールをOracle Business Intelligenceでインストールすると、Hyperion Shared Servicesがユーザーのプロビジョニングで提供する機能は、この章で説明する機能に置き換えられます。


このトピックには、次の項が含まれています。

27.5.8.1 Essbaseと関連ツールに適用されるリソース・タイプ

リソース・タイプは、特定のアクションに関連付けできる権限の名前付きグループです。Essbaseサーバーにはいくつかの認可レベルがあり、それぞれにリソース・タイプがあります。リソース・タイプはFusion Middleware Controlで、新規権限付与の選択の際に、適用可能なEssbase関連のアクションのリストの制限に使用されます。

表27-5は、Oracle Business IntelligenceでサポートされるEssbase関連のリソース・タイプの一覧を示しています。

表27-5 Oracle Business IntelligenceでサポートされるEssbase関連のリソース・タイプ

リソース・タイプ 説明

oracle.essbase.server

グローバル、クラスタおよびサーバー・レベルの権限。

oracle.essbase.application

フィルタおよび計算の使用に必要なアプリケーション・レベルの権限。

oracle.essbase.filter

フィルタのアクセス制御。

oracle.essbase.calculation

計算スクリプトのアクセス制御。

oracle.essbasestudio

Essbase Studioの権限。

oracle.fr

Financial Reportingの権限。

oracle.calcmanager

Calculation Managerの権限。


27.5.8.2 Essbaseと関連ツールに適用されるリソース名

各リソース・タイプには、認可可能なリソースおよびアクションのセットがあります。Essbase関連のリソース名は、特定のオブジェクトまたはオブジェクトが含まれるスコープのどちらかです。

oracle.essbasestudio、oracle.frおよびoracle.calcmanagerのリソース・タイプでは、リソース名は必ず「/」のグローバル・スコープです。

oracle.essbase.serverおよびoracle.essbase.applicationのリソース・タイプでは、リソース名はスコープです。これらは階層化されているので、表27-6のスコープには、その中に含まれるスコープのセットが含まれます。

表27-6は、サポートされるEssbaseスコープの一覧を示しています。

表27-6 サポートされるEssbaseスコープ

名前 スコープ

/


グローバル、すべてのクラスタ、すべてのアプリケーション、すべてのキューブ。

/cluster

論理クラスタ内のすべてのアプリケーション。

/cluster/application

特定のアプリケーションとそのキューブ。


表27-7は、サポートされるoracle.essbase.filterスコープの一覧を示しています。

表27-7 サポートされるEssbaseフィルタ・スコープ

名前 スコープ

/cluster/application/database/filtername

特定の名前付きフィルタへのアクセス。


表27-8は、サポートされるEssbase計算スコープの一覧を示しています。

表27-8 サポートされるEssbase計算スコープ

名前 スコープ

/cluster/

クラスタ・レベルのすべての計算スクリプト。任意のアプリケーション、任意のキューブ。

/cluster/application

アプリケーション・レベルのすべての計算スクリプト。名前付きのアプリケーション内の任意のキューブ。

/cluster/application/database/scriptname

特定の名前付き計算スクリプトへのアクセス。


27.5.8.3 Essbaseと関連ツールに適用されるアクション

Essbase関連のアクション(権限)は、ユーザーがEssbaseまたは関連ツールで実行できる操作を表します。

oracle.essbase.serverまたはoracle.essbase.applicationリソース・タイプに付与されるアクションは階層化されているので、リストに示すアクションには、その下に示す権限のセットが含まれます。

たとえば、oracle.essbase.application, /EssbaseCluster-1, readを付与すると、権限受領者は多次元データベースの読取りおよびEssbaseCluster-1でのアプリケーションの再起動を実行できます。

その他のEssbase関連のリソース・タイプのアクションは、階層化されず、個別に権限を付与する必要があります。

次の一連の表では、Essbase関連の各リソース・タイプで使用できるアクションの詳細を示します。

表27-9は、サポートされるoracle.essbase.serverアクションの一覧を示します。

表27-9 Oracle Business IntelligenceでサポートされるEssbaseサーバー・アクション

アクション 説明

administer

サーバー、アプリケーションおよびデータベースを管理するための完全なアクセス。

create

アプリケーションおよびアプリケーション内のデータベースを作成および削除する機能。このユーザーが作成したアプリケーションおよびデータベースの、アプリケーション・マネージャおよびデータベース・マネージャの権限が含まれます。

access

Essbaseにログインする機能。

注意: これは非推奨ですが、サーバーまたはアプリケーションの権限が1つでも存在すれば、今は十分です。



注意:

アプリケーションを作成するユーザーには、そのアプリケーションを同じセッション内で管理する権限があります。同じユーザーに、以降のセッションで、アプリケーションを管理する明示的な権限を付与する必要があります。


表27-10は、サポートされるoracle.essbase.applicationアクションの一覧を示します。

表27-10 Oracle Business IntelligenceでサポートされるEssbaseアプリケーション・アクション

アクション 説明

manage_application

特定のアプリケーション内のデータベースおよびアプリケーションの設定を作成、削除および変更する機能。アプリケーション内のデータベースのデータベース・マネージャの権限が含まれます。

manage_database

割り当てられたアプリケーション内のデータベース、データベース・アーティファクト、ロックおよびセッションを管理する機能(たとえば、データベース・プロパティまたはキャッシュ設定の変更)。

use_calculation

割り当てられたスコープに基づき、割り当てられた計算およびフィルタがある場合は使用して、データ値の計算、更新および読取りを実行する機能。

write

割り当てられたスコープに基づき、割り当てられたフィルタがある場合は使用して、データ値の更新および読取りを実行する機能。

read

データ値を読み取る機能。

use_filter

フィルタの制限に従って、特定のデータおよびメタデータにアクセスする機能。

restart

アプリケーションまたはデータベースを起動および停止する機能。


表27-11は、サポートされるoracle.essbase.filterアクションの一覧を示します。

表27-11 Oracle Business IntelligenceでサポートされるEssbaseフィルタ・アクション

アクション 説明

apply

リソース名で識別されるフィルタを適用します。


表27-12は、サポートされるoracle.essbase.calculationアクションの一覧を示します。

表27-12 Oracle Business IntelligenceでサポートされるEssbase計算アクション

アクション 説明

all

リソース名で参照されるスコープに含まれる計算を、ユーザーが実行できます。

execute

リソース名で識別される計算スクリプトを、ユーザーが実行できます。


表27-13は、サポートされるoracle.frアクションの一覧を表示します。

表27-13 Oracle Business IntelligenceでサポートされるEssbase Financial Reportingアクション

アクション 説明

accessReporting

ユーザーがレポートにアクセスできます。

administerReporting

ユーザーがレポートを管理できます。

editReport

ユーザーがレポートを編集できます。

scheduleBatch

ユーザーがレポートをスケジュールできます。

editBook

ユーザーがブックを編集できます。

editBatch

ユーザーがバッチを編集できます。


表27-14は、サポートされるoracle.essbasestudioアクションの一覧を示します。

表27-14 Oracle Business IntelligenceでサポートされるEssbase Studioアクション

アクション 説明

cpadmin

管理者。モデル作成、キューブ・デプロイメントおよびドリルスルー・レポートの実行など、Essbase Studioのすべてのタスクを実行します。

cpdsadmin

データソース管理者。データソース、接続の作成およびメンテナンスに関するすべてのタスクを実行し、ドリルスルー・レポートを実行します。

cpdm

データ・モデラー。メタデータ要素の作成およびメンテナンスに関するすべてのタスクを実行し、キューブをデプロイし、ドリルスルー・レポートを実行します。

viewer

ビューア。すべてのEssbase Studioのデータソースおよびメタデータ要素を表示し、ドリルスルー・レポートを実行します。


表27-15は、サポートされるoracle.calcmanagerアクションの一覧を示します。

表27-15 Oracle Business IntelligenceでサポートされるEssbase Calc Managerアクション

アクション 説明

admin

管理者として扱われます。すべてのアクティビティを実行できます。

designer

自分で作成したルールを編集、削除、変更およびデプロイし、他のユーザーが作成したルールを表示できます。


表27-16は、Oracle Business Intelligenceのアプリケーション・ロールに付与される権限の一覧を示します。

表27-16 Oracle Business Intelligenceのアプリケーション・ロールに付与されるEssbaseの権限

ロール名 リソース権限 ロール・メンバー

BIAdministrator

oracle.essbase.server, /, administrator

oracle.fr,/,administerReporting

oracle.calcmanager,/,admin

BIAdministratorsグループ

BIAuthor

oracle.calcmanager,/,designer

oracle.essbasestudio,/,cpadmin

oracle.fr,/,editBatch,editBook,editReport,scheduleBatch

BIAuthorsグループ

BIAdministratorアプリケーション・ロール

BIConsumer

oracle.essbase.server,/,access,use_filter

oracle.fr,/,accessReporting

oracle.essbasestudio,/,viewer

BIConsumersグループ

BIAuthorアプリケーション・ロール

AuthenticatedUser

該当なし

BIConsumer


このアプリケーション・ロールの階層および付与される権限はデフォルトのみで、管理者ユーザーがFusion Middleware Controlで変更できます。

AuthenticatedUserは、デフォルトでBIConsumerのメンバーです。これは、正常に認証されたユーザーにはBIConsumerロール権限が付与されるということを意味します。

27.6 Oracle Business IntelligenceでのEssbaseシステム管理

Oracle Business IntelligenceでのEssbaseのシステム管理では、Essbaseエージェントの起動と停止、ログ・ファイルの有効化と表示、ロギング・レベルの設定、ドメイン間でのEssbaseの構成の移行、Essbaseメトリックの監視、およびEssbaseデータのバックアップとリカバリを行います。

このトピックには、次の項が含まれています。

Oracle Business Intelligenceでのシステム管理の詳細は、第1章「Oracle Business Intelligenceのシステム管理の概要」を参照してください。

27.6.1 Essbaseコンポーネントの起動と停止

Fusion Middleware Controlを使用して、ステータスの監視や、Essbaseエージェント、Essbase Administration ServicesおよびProvider Servicesの起動と停止を実行できます。詳細は、第4章「Oracle Business Intelligenceの起動と停止」を参照してください。


注意:

第4章には、Essbaseのコンポーネントの個別の参照事項は含まれていません。Fusion Middleware Controlに表示されるEssbaseのコンポーネントを参照し、Oracle Business Intelligenceのコンポーネントについての説明と同じ手順で、Essbaseのコンポーネントを起動および停止できます。


Fusion Middleware Controlを使用してEssbaseサーバーを起動または停止するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインします。

    詳細は、第2.2.2項「Oracle Business Intelligenceを管理するためのFusion Middleware Controlへのログイン」を参照してください。

  2. 「Business Intelligence」を選択し、「coreapplication」を選択します。

  3. 「可用性」タブの「プロセス」ページを表示します。

  4. たとえば、「Essbaseエージェント」を開いて、「プロセス」セクションのessbaseserver1を選択します。

    これにより、Essbaseサーバーのプロセスのみを起動または停止できます。

  5. 「選択項目の停止」をクリックして選択したプロセスを停止するか、「選択項目の起動」をクリックして選択したプロセスを起動します。


    注意:

    「すべて停止」および「すべて起動」ボタンを使用すると、Oracle Business Intelligenceのすべてのプロセスを停止および起動できます。これには、Essbaseサーバーのプロセスも含まれます。Essbase Studioは、Fusion Middleware Controlを使用して停止および起動できません。コマンドラインを使用する必要があります。


27.6.2 Oracle Business IntelligenceでのEssbaseコンポーネントの高可用性の維持

Oracle Business IntelligenceのEssbaseの高可用性は、アクティブ/パッシブ・フォルト・トレランス・モデルを使用して自動的に維持され、フェイルオーバーはOracle Process Management and Notification (OPMN)サービスとFusion Middleware Controlで管理されます。

27.6.2.1 高可用性のサポートのためのEssbaseのスケールアウト

エンタープライズ・インストールを使用している場合、追加のコンピュータにEssbaseをスケールアウトして(第27.4.2.2項参照)、コンピュータ間の高可用性をサポートできます。

スケールアウトは、既存のOracle BI EEコンポーネントと同様の方法で実現し、Oracle Business Intelligenceインストーラをスケールアウトに使用し、Fusion Middleware Controlを使用してセカンダリEssbaseコンポーネントを構成します。

Essbaseをスケールアウトして高可用性をサポートするには:

  1. 既存のエンタープライズ・インストールをスケールアウトします。

    詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド』の既存のインストールをスケールアウトするためのエンタープライズ・インストールに関する項を参照してください。

  2. 高可用性を実現するために、スケールアウト中に作成されたセカンダリEssbaseコンポーネントを構成して、分散させます。

    第27.6.2.2項「Essbaseシステム・コンポーネントのセカンダリ・インスタンスの構成」に進みます。

27.6.2.2 Essbaseシステム・コンポーネントのセカンダリ・インスタンスの構成

Oracle Essbaseエージェントは、アクティブ/パッシブ・モードで動作する単一のコンポーネントです。高可用性を実現するために、このコンポーネントのセカンダリ・インスタンスを構成して分散させます。

Essbaseシステム・コンポーネントのセカンダリ・インスタンスを構成するには:

  1. http://mycompany.example:7001/emでFusion Middleware Controlにログインします。

  2. 「Business Intelligence」ノードを開きます。

  3. 「coreapplication」をクリックします。

  4. 可用性」をクリックし、「フェイルオーバー」をクリックします。

  5. 構成をロックして編集」をクリックして、「可用性」タブの「プライマリ/セカンダリ構成」セクションをアクティブ化します。

  6. Essbaseエージェントの「セカンダリ・ホスト / インスタンス」を指定します。

  7. 「Essbaseエージェント」セクションで、「共有フォルダ・パス」に次の値を指定します。

    MW_HOME/INSTANCE/Essbase/essbaseserver1.

    注意: /MW_HOME/INSTANCE/Essbase/essbaseserver1ディレクトリの内容を、共有フォルダ・パスに手動でコピーする必要があります。

  8. 適用」をクリックします。

    「潜在的単一点障害」で、「問題はありません。すべてのコンポーネントにバックアップがあります。」と表示されます。

  9. 「変更のアクティブ化」をクリックします。

  10. 再起動して最近の変更を適用」をクリックします。

  11. 「システムの管理」で「再起動」をクリックします。

  12. 確認ダイアログで「はい」をクリックします。

27.6.2.3 Essbaseのアクティブ/パッシブ・トポロジとは

アクティブなEssbaseサーバーは、ローカルBI Security Serviceを使用します。ローカル・サービスが使用できなくなると(たとえば、WebLogic管理対象サーバーが停止している場合)、アクティブEssbaseサーバーは停止し、パッシブEssbaseサーバーが起動します。これにより、サービス可用性が得られますが、既存のセッションは失われます。

2ノードのアクティブ/パッシブ・トポロジは、Essbaseサーバーおよびエージェントに加えて、中間層のEssbase Administration Services、Analytic Provider ServicesおよびEssbase Studio Serverのコンポーネントに適用されます。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』のOracle Essbaseの高可用性の概要に関する項、Oracle Essbaseのクラスタリングの構成に関する項およびOracle Hyperion Provider Servicesのコンポーネント・アーキテクチャに関する項を参照してください。

27.6.2.4 Essbaseの容量の管理

Fusion Middleware Controlを使用して、Essbaseのコンポーネントおよびサービス・レベルを監視し、次のことを確認して、Oracle Business Intelligence内のEssbaseの容量を管理します。

27.6.3 診断: Essbaseのロギング、ログ・レベルの設定およびログ・ファイルの表示の有効化

ロギングを使用して、構成の問題を診断できます。Fusion Middleware Controlを使用して、ログ・レベルを設定し、Essbaseログ・ファイルを表示します。

詳細は、次の資料を参照してください。

Fusion Middleware ControlでEssbaseログ・ファイルを表示するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインします。

    詳細は、第2.2.2項「Oracle Business Intelligenceを管理するためのFusion Middleware Controlへのログイン」を参照してください。

  2. 「coreapplication」を選択します。

  3. 「診断」タブの「ログ・メッセージ」ページを表示します。

  4. 「ログ・ファイルの表示/検索」セクションで「Essbaseログ」をクリックします。

    これにより、ターゲット・タイプがEssbaseサーバーのターゲットessbaseserver1のログ情報が表示されます。

  5. 「ターゲット・ログ・ファイル」をクリックすると、検出されるすべてのEssbaseログの表が表示されます。

Essbaseログ・ファイル

Essbaseログ・ファイルは次のディレクトリにあります。

MW_HOME/INSTANCE/diagnostics/logs/Essbase/essbaseserverN/essbase/ESSBASE_ODI

Essbase共有サービスのログ・ファイル

Essbase共有サービスのログ・ファイルは、次のディレクトリにあります。

MW_HOME/INSTANCE/diagnostics/logs/Essbase/essbaseserverN/essbase/SharedServices

このディレクトリには、このタイプでより古いログもある場合があります。たとえば、「SharedServices_Security_Client-280.log」です。

Essbaseアプリケーション・ログ・ファイル

Essbaseアプリケーション・ログ・ファイルは、Fusion Middleware Controlでは表示されませんが、次のディレクトリにあります。

MW_HOME/INSTANCE/diagnostics/logs/essbaseserverN/essbase/app/<application name>/<application name>_ODL.log

Essbaseエージェント・ログ構成ファイル

Essbaseエージェント・ログ構成ファイルは、次のディレクトリにあります。

ORACLE_INSTANCE/Essbase/essbaseserverN/bin/logging.xml

次のEssbaseAgentODLLoggerファイルを一般ログに、oracle.EPMCSSをセキュリティ・プロバイダに使用します。

EPM Workspaceのログ構成ファイル例

すべてのログ構成ファイルは、Oracle Diagnostic Log (ODL)の基準に適合しますが、見かけは多少異なる場合があります。

例27-1は、EPM Workspaceの構成ファイルlogging.xmlの引用で、ConsoleHandlerおよびODLHandlerFactoryコンポーネントのログ・ファイル設定が含まれています。

例27-1 EPM Workspace診断ログ構成ファイル形式

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?> 
- <logging_configuration>
- <log_handlers>
  <log_handler name="console-handler" class="oracle.core.ojdl.logging.ConsoleHandler" level="WARNING:32" formatter="oracle.core.ojdl.weblogic.ConsoleFormatter" /> 
- <log_handler name="odl-handler" class="oracle.core.ojdl.logging.ODLHandlerFactory" filter="oracle.dfw.incident.IncidentDetectionLogFilter">
  <property name="path" value="${domain.home}/servers/${weblogic.Name}/logs/${weblogic.Name}-diagnostic.log" /> 
  <property name="maxFileSize" value="10485760" /> 
  <property name="maxLogSize" value="104857600" /> 
  <property name="encoding" value="UTF-8" /> 
  <property name="useThreadName" value="true" /> 
  <property name="supplementalAttributes" value="J2EE_APP.name,J2EE_MODULE.name,WEBSERVICE.name,WEBSERVICE_PORT.name,composite_instance_id,component_instance_id,composite_name,component_name" /> 
  </log_handler>
  <log_handler name="wls-domain" class="oracle.core.ojdl.weblogic.DomainLogHandler" level="WARNING" /> 
- <log_handler name="owsm-message-handler" class="oracle.core.ojdl.logging.ODLHandlerFactory">
  <property name="path" value="${domain.home}/servers/${weblogic.Name}/logs/owsm/msglogging" /> 
  <property name="maxFileSize" value="10485760" /> 
  <property name="maxLogSize" value="104857600" /> 
  <property name="encoding" value="UTF-8" /> 
  <property name="supplementalAttributes" value="J2EE_APP.name,J2EE_MODULE.name,WEBSERVICE.name,WEBSERVICE_PORT.name" /> 
  </log_handler>
- <log_handler name="em-log-handler" class="oracle.core.ojdl.logging.ODLHandlerFactory" level="NOTIFICATION:32" filter="oracle.dfw.incident.IncidentDetectionLogFilter">
  <property name="path" value="${domain.home}/servers/${weblogic.Name}/sysman/log/emoms.log" /> 
  <property name="format" value="ODL-Text" /> 
  <property name="useThreadName" value="true" /> 
  <property name="maxFileSize" value="5242880" /> 
  <property name="maxLogSize" value="52428800" /> 
  <property name="encoding" value="UTF-8" /> 
  </log_handler>
- <log_handler name="em-trc-handler" class="oracle.core.ojdl.logging.ODLHandlerFactory" level="TRACE:32">
  <property name="logreader:" value="off" /> 
  <property name="path" value="${domain.home}/servers/${weblogic.Name}/sysman/log/emoms.trc" /> 
  <property name="format" value="ODL-Text" /> 
  <property name="useThreadName" value="true" /> 
  <property name="locale" value="en" /> 
  <property name="maxFileSize" value="5242880" /> 
  <property name="maxLogSize" value="52428800" /> 
  <property name="encoding" value="UTF-8" /> 
  </log_handler>
...
...
<loggers>
- <logger name="" level="WARNING:1">
  <handler name="odl-handler" /> 
  <handler name="wls-domain" /> 
  <handler name="console-handler" /> 
  </logger>
  <logger name="oracle" level="NOTIFICATION:1" /> 
  <logger name="oracle.adf" /> 
  <logger name="oracle.adf.desktopintegration" /> 
  <logger name="oracle.adf.faces" /> 
  <logger name="oracle.adf.controller" /> 
  <logger name="oracle.adfinternal" /> 
  <logger name="oracle.adfinternal.controller" /> 
  <logger name="oracle.jbo" /> 
...
...<server>

27.6.4 ドメイン間でのEssbaseの構成の移行

Oracle Enterprise Performance Management SystemのインストールでのEssbase構成のドメイン間の移行の詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Hyperion Enterprise Performance Management Systemのターゲット環境への移行に関する項を参照してください。

27.6.5 Essbaseメトリックの監視

Essbaseのメトリックは、Fusion Middleware Controlを使用して監視します。

詳細は、第7.1項「サービス・レベルの監視」を参照してください。

27.6.6 Essbaseのデータのバックアップとリカバリ

この項では、Oracle Business IntelligenceでEssbaseをインストールした場合のEssbaseデータのバックアップとリカバリについて説明します。

Essbaseデータのバックアップとリカバリの詳細は、次を参照してください。

  • Oracle Business IntelligenceおよびEssbase - Oracle Business Intelligenceインストーラを使用してインストールした場合は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Essbaseのバックアップおよびリカバリに関する推奨事項の項を参照してください。

  • EPM System製品 - EPM Systemインストールを使用してインストールした場合は、次の場所で『Oracle Enterprise Performance Management Systemバックアップおよびリカバリ・ガイド』を参照してください。

    http://www.oracle.com/technetwork/middleware/performance-management/documentation/index.html

27.7 Oracle Business IntelligenceでのEssbaseキューブの使用

この項では、Oracle Business IntelligenceでのEssbaseキューブの使用について説明します。

27.7.1 Oracle Business IntelligenceでのEssbaseキューブの作成

Essbaseキューブは、ユーザーがEssbaseデータソースに対して分析を作成、スケジュールまたは実行する前に、Oracle Business Intelligenceで作成し、使用する必要があります。

BIAdministratorのアプリケーション・ロールを持つ(oracle.essbasse.server、administerの権限を持つ)ユーザーが、Essbaseアプリケーションおよびデータベースを作成します。その後、BIAuthorのアプリケーション・ロールを持つユーザーが、Oracle Business IntelligenceのEssbaseメタデータ(またはアウトライン)を作成できます(BIAdministratorのアプリケーション・ロールは、デフォルトでBIAuthorのアプリケーション・ロールを継承します)。

Oracle Business IntelligenceでEssbaseキューブを作成するには:

Essbaseキューブは、Essbase Administration Servicesコンソールを使用して作成することをお薦めします。

  1. 次のURLを使用して、Essbase Administration Servicesコンソールのログイン・ページを表示します。

    http://<computer_name>:<port>/easconsole

    または、Essbase Studioクライアント・アプリケーションを使用するには、Oracle BI EEのホームページの「はじめに」領域の「BIデスクトップ・ツールのダウンロード」オプションでアプリケーションをダウンロードします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』のBIデスクトップ・ツールのダウンロードに関する項を参照してください。

  2. Essbaseサンプル・アプリケーションをデプロイする場合は、この手順を完了してください。

    Essbaseサーバーのインストールには、Essbaseの機能を理解するために設計されたサンプル・アプリケーションが含まれています。サンプル・アプリケーションは、Essbase Administration Servicesコンソールを初めて使用する際には使用できません。詳細は、『Oracle Essbaseデータベース管理者ガイド』のサンプル・アプリケーションの設定に関する項を参照してください。

    http://www.oracle.com/technetwork/middleware/performance-management/documentation/index.html

    サンプル・アプリケーションは、たとえば次のように、ARBORPATH (データ・ディレクトリ)フォルダに解凍してデプロイします。

    MW_HOME/instance/instance1/Essbase/essbaseserver1

  3. Essbaseキューブを作成するには、表27-1Oracle Essbase Administration Servicesオンライン・ヘルプおよびOracle Essbase Studioユーザーズ・ガイドを参照してください。

    http://www.oracle.com/technetwork/middleware/performance-management/documentation/index.html


注意:

ユーザーには、Essbase Studioでタスクを実行するリソース権限を持つアプリケーション・ロールが割り当てられている必要があります。Essbase Studioのロールは、Fusion Middlewareのアプリケーション・ロールとは異なります。



注意:

アプリケーションを作成するユーザーには、そのアプリケーションを同じセッション内で管理する権限があります。同じユーザーに、以降のセッションで、アプリケーションを管理する明示的な権限を付与する必要があります。


第27.7.2項「Essbaseデータソースからのメタデータのインポート」に進みます。

27.7.2 Essbaseデータソースからのメタデータのインポート

EssbaseキューブのメタデータをEssbaseデータソースからOracle BIメタデータ・リポジトリにインポートすることにより、Oracle Business Intelligenceの分析およびダッシュボードにデータを抽出および表示できます。直接接続ではなく、Hyperion Provider Services (APS)のEssbaseへの接続を使用してください。

直接接続ではなく、Hyperion Provider Services (APS)のEssbaseへの接続を使用してください。

APSに接続するには、Essbaseデータをインポートする際に、Oracle BI管理ツールで次のように指定します。

http://mycomputer.example:7001/aps/Essbase?ClusterName=Cluster-1

ポート番号は、APSを実行している管理対象サーバーのポートか、または簡易インストールを使用している場合は管理サーバーのポートを使用します。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド』のマルチディメンション・データソースからのメタデータのインポートに関する項を参照してください。


注意:

Essbaseメタデータを変更したら、そのメタデータを再インポートする必要があります。


27.7.3 Essbaseデータソースでの作業

Essbaseデータソースからメタデータをインポートした後、キューブ・メタデータがデフォルトでOracle BIリポジトリの物理レイヤーにマップされます。データのモデリングを別の方法で実行できるタスクについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド』のEssbaseデータソースでの作業に関する項を参照してください。

Essbaseで作業する際は、BIサーバーの問合せキャッシュを無効化する必要があります。詳細は、第7.5項「問合せキャッシングの構成」を参照してください。

27.7.4 データベース・オブジェクトおよび接続プールの構成

データベースまたは接続プールの設定を調整したり、データベース・オブジェクトまたは接続プールを手動で作成したりする必要がある場合は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド』のデータベース・オブジェクトおよび接続プールの設定に関する項を参照してください。

27.7.5 Essbaseデータソースでのシングル・サインオンの有効化

Oracle Business Intelligenceインストーラを使用してインストールされたEssbaseデータソースでSSOを有効化するには、Oracle BIリポジトリのEssbaseデータソースに対応する接続プール・オブジェクトの「一般」タブで「SSO」を選択します。また、対応するデータベース・オブジェクトの「仮想プライベート・データベース」オプションを選択して、キャッシュ・エントリを保護します。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド』の「一般」タブの多次元接続プールのプロパティに関する項を参照してください。

27.7.6 Essbaseがデータソースの場合の分析とレポートの作成、スケジューリングおよび実行

BI Authorのアプリケーション・ロールを持つユーザーは、Essbaseがデータソースの場合、エンド・ユーザーのアイデンティティを使用してフィルタが適用されている場合、およびSSOが構成されている場合に、分析とレポートを作成、スケジュールおよび実行できます。

詳細は、次のリソースを参照してください。

  • Oracle Business Intelligenceの分析の作成、スケジューリングおよび実行については、次のものを参照してください。

    『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』

  • BI Publisherレポートの作成および実行については、次のものを参照してください。

    Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisher管理者ガイド

27.8 Essbaseの詳細情報

Oracle Enterprise Performance Management SystemのEssbaseの詳細は、次のリンクを参照してください。