Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド 11g リリース1 (11.1.1) B63029-05 |
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この章では、Oracle BIプレゼンテーション・カタログの構成方法および管理方法について説明するとともに、基本的なメンテナンス手順と全文検索のための構成について情報を提供します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle BIプレゼンテーション・カタログは、ユーザーが、個々のファイルからなるディレクトリ構造内に作成したコンテンツを格納します。このコンテンツには、フォルダ、ショートカット、Oracle BI EEオブジェクト(分析、フィルタ、プロンプト、ダッシュボードなど)、およびOracle BI Publisherオブジェクト(レポート、テンプレートなど)が含まれます。
この項には次のトピックが含まれます:
図17-1は、プレゼンテーション・サービスで表示されるカタログ内のサンプル・オブジェクトを示しています。
カタログ内の各オブジェクトは、独自のファイルに格納されます。たとえば、Analysis 1という分析はAnalysis1という名前のファイルに格納されます。ユーザーに表示されるオブジェクト名(Analysis 1など)は、論理オブジェクト名と呼ばれます。
オブジェクト名のガイドラインは次のとおりです。
カタログ内のオブジェクトの論理名には、有効なUnicode文字であれば、どの文字でも使用できます。次のものは有効な論理名です。
Hello World Profit / Loss % Sales * $ Cost ~~ $ "Expense"?
論理オブジェクト名の長さは、256 Unicode文字以内にしてください。
Unicodeの詳細は、第17.1.3項「カタログのファイル・システムのガイドライン」を参照してください。
オブジェクトの論理パス名の長さは、16,000 Unicode文字以内にしてください。
オブジェクトの論理パス名のディレクトリ・セグメントの数は、255セグメント以内にしてください。
たとえば、/n1/n2/n3/n4/…./n253/n254/n255などの名前を持つディレクトリは有効ですが、/n1/n2/n3/n4/…./n254/n255/n256などの名前は無効です。
SOAPを使用してオブジェクトのパス名を渡す場合は、次に示す文字をエスケープする必要があります。
Forward slash (/) Backward slash (\) Tilde (~) Asterisk (*) Question mark (?)
次に示す論理パス名はすべて有効です。
/shared/test/Hello World /shared/test/Profit \/ Loss /shared/test/% Sales \* $ Cost \~\~ $ "Expense"\?
カタログ・パスを作成する際は十分に注意してください。一般的に、コードではスラッシュ(/)は常にパス・セパレータとみなされます。パス・コードに「Profit / Loss」などのオブジェクト名が含まれていないか常に確認してください。
SOAPを使用してカタログ検索フィルタを渡す場合は、次に示す文字をエスケープする必要があります。
Forward slash (/) Backward slash (\) Tilde (~) Asterisk (*) Question mark (?) Caret (^) Dollar sign (?)
次に示す検索フィルタはすべて有効です。
Hello World Profit \/ Loss % Sales \* \$ Cost \~\~ \$ "Expense"\?
各オブジェクトには、対応する属性ファイルがあります。たとえば、Analysis1という分析であれば、Analysis1.atrという名前の対応する属性ファイルがあります。属性ファイルには、オブジェクトの完全な名前、アクセス制御リスト(ACL)、説明などが含まれます。カタログ内のオブジェクトにアクセスするには、ユーザーはそのオブジェクトに適したACLエントリを持っている必要があります。カタログ内のすべてのオブジェクトがACLエントリを使用します。
カタログ・ファイルが格納されているディレクトリのデフォルトの場所は次のとおりです。
Windowsシステムの場合:
ORACLE_INSTANCE\bifoundation\OracleBIPresentationServicesComponent\coreapplication_obipsn\catalog
UNIXシステムの場合:
ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBIPresentationServicesComponent/coreapplication_obipsn/catalog
カタログをそのデフォルトの場所に格納する必要はありません。カタログは他の場所に格納することもできます。クラスタ構成を使用している場合は、そのクラスタ内のすべてのノードからアクセスできる共有ファイル・システムにカタログを格納します。詳細は、第5.4.3項「Oracle BIプレゼンテーション・カタログの共有」を参照してください。
カタログ・ディレクトリ名の詳細は、第17.1.3.3項「様々なプラットフォーム上のカタログ・ファイルの処理」を参照してください。
この項では、ファイル・システム内でカタログのオブジェクトを使用するための次に示すガイドラインについて説明します。
カタログは、数千の同時ユーザーにスケーリングするように設計されています。このスケーリングを実現するために、カタログは次のガイドラインに従います。
平均的なユーザーは、一般的にカタログから読み取るのみであり、書き込むことはほとんどありません。リリース11gでは、各ユーザーは定期的および自動的にそのユーザーの最近使用したファイルを更新していますが、各ユーザーの読取り操作は、そのユーザーの書込み操作よりもはるかに多くなっています。したがって、読取りと書込みの比率は、通常、少なくとも100対1です。
ロック・メカニズムによって、オブジェクトに書き込めるユーザーは一度に1人のみであることが保証されていますが、まれに、複数のユーザーが同じオブジェクトに同時に書込みを試みることがあります。遅延ロックと呼ばれる機能によって、ユーザーは、別のユーザーがオブジェクトを更新しているときでも、そのオブジェクトの読取りを続行できます。
最新のファイル・システムでは、小さいファイルはディレクトリ・レコード内に直接キャッシュされるため、ディレクトリ上の情報を読み取ると同時に、すべての小さいファイルがオペレーティング・システムのメモリー・キャッシュに直接ロードされます。したがって、カタログ内のファイル、特に頻繁に読み取られる.atrメタデータ・ファイルは小さくしておくことをお薦めします。これらのメタデータ・ファイルを小さいまま保持すると、ディレクトリ内のすべての.atrファイルが一度の物理ハード・ディスクの読取りでメモリーにロードされます。「小さい」しきい値を超えるすべてのファイルで、ファイルごとに追加の物理ハード・ディスク読取りが実行され、それにより、大きいファイルごとに100%の劣化が発生することがあります。したがって、.atrファイルに任意のプロパティを格納することを検討している場合は注意してください。
NFSによるオブジェクトの.atrメタデータ・ファイルの読取りは、ローカル・ディスクからの直接読取りよりもはるかに遅くなります。そのため、プレゼンテーション・サービスはすべての.atrファイルを追加で内部にキャッシュします。クラスタ内の別のノードが、現在のノードがキャッシュしたデータよりも新しいデータをファイルに書き込む場合、このキャッシュは短期間で古くなる可能性があります。そのため、すべてのノードは、instanceconfig.xmlのMaxAgeMinutes要素(クラスタに対するデフォルトは5分)に従ってリフレッシュされます。このデフォルト設定は、データが古くなる可能性とパフォーマンスに関する既知の影響の間で、一般的に最良の妥協点になります。(クラスタなしの環境のデフォルトは、60分です。)
MaxAgeMinutes要素はシステムに合せて変更できます。その親要素はCacheとCatalogAttributesです。この要素を変更する前に、第3.4項「構成設定を更新するためのテキスト・エディタの使用」の情報に精通していることを確認してください。
1つのクラスタ内での異機種ノードの使用を可能にするために、カタログは次のガイドラインに従います。
ディスク上のオブジェクトの名前の長さは最大で256バイト(64 Unicode文字)です。論理名は、256 Unicode文字に制限されています。この制限に従うために、32文字よりも大きい論理名はハッシュされます。
ディスク上のパスの名前の長さは最大で32KB(8,000 Unicode文字)です。論理パスは、16,000 Unicode文字までに制限されています。
ディスク上のすべてのパス名は、すべて小文字です。論理パス名では、大文字小文字は組み合せて使用できますが区別はされません。
ディスク上のパス名には特定の文字を使用できませんが、論理パス名にはすべての文字を使用できます。たとえば、Windowsシステムでは、コロン(:)などの特定の文字列は使用できません。そのため、それらの文字は標準HTMLエスケープ・シーケンスを使用してマッピングされます。たとえば、ピリオド文字(.)は%2eになります。
ディスク上では特定のファイル名を使用できませんが、論理オブジェクト名には制限はありません。たとえば、Windowsシステムでは、COMなどの特定のファイル名は使用できません。そのため、それらの名前は標準HTMLエスケープ・シーケンスを使用してマッピングされます。たとえば、comはco%6dになります。
様々なプラットフォーム上のカタログ・ファイルを処理するときは、次の点に注意してください。
UNIXプラットフォームの場合: UNIXカーネルは、通常、ディレクトリごとに4,000を超えるサブディレクトリを配置可能にするように構成する必要があります。HashUserHomeDirectories要素の詳細は、第17.2.1項「カタログの追加の構成設定の手動による変更」を参照してください。
Windowsプラットフォームの場合:
ユーザーがMicrosoft Windowsエクスプローラなどのツールを使用してカタログ・ファイルをナビゲートする場合、c:/obi/demoなどの短いパス名に基づいたカタログ構造が好まれます。長いデフォルト・パス名は好まれず、そのようなナビゲーションはお薦めできません。
FATはサポートされておらず、NTFSが必須です。
Windowsプラットフォーム上のパフォーマンスは、1つのディレクトリに8,000個を超えるファイルが存在すると著しく低下します。各カタログ・オブジェクトには2つのファイル(データ・ファイルと.atrメタデータ・ファイル)があるため、1つのディレクトリ内に格納するカタログ・オブジェクトは4,000個以内にすることを強くお薦めします。HashUserHomeDirectories要素の詳細は、第17.2.1項「カタログの追加の構成設定の手動による変更」を参照してください。
Windowsエクスプローラでは、長いパス名は適切に処理されないため、カタログの内部構造のナビゲートにはWindowsエクスプローラを使用しないことをお薦めします。ファイル・システムは32KBまでのパス名を処理でき、プレゼンテーション・サービスに悪影響を及ぼすことはありませんが、Windowsエクスプローラは約2KBを超えるパス名では使用できません。
1つのUnicode文字に4バイト必要な場合があるため、わずか500個のUnicode文字からなるパス名でもWindowsエクスプローラを使用できないことがあります。この制限によって、プレゼンテーション・サービスが影響を受けることはありません。この制限のため、カタログはc:\mycatalog\salesなどのように最上位レベルのディレクトリに配置してください。
カタログ・ファイルを使用する際の既知の問題は次のとおりです。
NFSシステム全体のロックは困難ですが、プレゼンテーション・サービスは最新のパッチで効果的なロック・メカニズムを提供しています。必要に応じて、該当するパッチを入手し、旧バージョンのOracle BI EEを更新してください。
詳細は、第17.2.5項「カタログの検証」を参照してください。
サードパーティの各種FTPプログラムでは、%エスケープ・シーケンスの処理に問題があり、二重にエスケープされたファイル名に変更されることがよくあります。たとえば、sa%2epaint(論理名はSA.Paint)という名前のファイルは、誤ってsa%252epaint(論理名はSA%2ePaint)に変更されます。
カタログに対してFTPプログラムを直接使用しないでください。かわりに、7-Zipユーティリティをダウンロードして使用し、カタログ・ファイルを圧縮して、その圧縮済ファイルをFTPプログラムを使用して転送します。
この項には、カタログのメンテナンスに関する次のトピックが含まれています。
Fusion Middleware Controlで変更できるプレゼンテーション設定に加えて、その他の設定を手動で変更できます。これらの設定を変更するには、instanceconfig.xmlファイルの様々な要素を使用します。
この手順を開始する前に、第3.4項「構成設定を更新するためのテキスト・エディタの使用」の情報に精通していることを確認してください。
カタログの追加の構成設定を手動で変更するには:
第3.6項「構成ファイルの格納場所」の説明に従って、instanceconfig.xmlファイルを開いて編集します。
次の要素を追加する必要があるCatalogセクションをみつけます。
HashUserHomeDirectories: ディレクトリのハッシングを指定します。カタログ・ユーザーが4,000を超える場合、または将来、超える予定がある場合は、ユーザーのホーム・ディレクトリのハッシングをオンにして、ファイル・システムの制限に対処してください。それには、HashUserHomeDirectories要素をそのデフォルト値の0から2に設定します。この要素をオンにすると、たとえば、Steveというユーザーのデフォルトのホーム・ディレクトリは/users/st/steveになります。
注意: 次のことに注意してください。
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必要に応じて、次の例に示すように、要素とその祖先の要素を含めます。
<ServerInstance> <Catalog> <HashUserHomeDirectories>2</HashUserHomeDirectories> </Catalog> </ServerInstance>
変更内容を保存し、ファイルを閉じます。
プレゼンテーション・サービスを再起動します。
新しいカタログを手動で作成できます。
新しいカタログを手動で作成するには:
プレゼンテーション・サービスのサービスを停止します。
Oracle BIサーバーおよびWebLogic Serverが実行されている必要があります。
Fusion Middleware Controlの「デプロイメント」ページの「リポジトリ」タブでカタログの新しい場所(存在していない場所)を指定します。
第10.2項「リポジトリをアップロードしOracle BIプレゼンテーション・カタログの場所を設定するためのFusion Middleware Controlの使用」を参照してください。
カタログの新しい場所が空であることを確認します。
変更内容を保存し、ファイルを閉じます。
プレゼンテーション・サービスを再起動します。
クラスタ環境で新しいカタログを手動で作成する場合、Fusion Middleware Controlの「容量管理」ページにある「可用性」タブを使用して、プレゼンテーション・サービスの各インスタンスを個別に再起動する必要があります。「Business Intelligenceの概要」ページの「再起動」はクリックしないでください。最初のプレゼンテーション・サービス・インスタンスが再起動されて新しいカタログの作成に十分な時間がシステムで経過するまで、しばらく待機します。その後、プレゼンテーション・サービス・ログ・ファイルでカタログが正常に作成されたことを検証してから、クラスタにあるその他のプレゼンテーション・サービス・インスタンスを再起動します。
次の各項の説明に従って、テスト環境から本番環境にカタログおよびシンプル・オブジェクト(権限付きダッシュボードなど)をデプロイできます。
7-Zipユーティリティを使用してテスト環境でカタログ全体をアーカイブし、そのユーティリティを使用して本番環境でそのファイルをアンアーカイブします。カタログ全体のアーカイブおよびアンアーカイブには、カタログ・マネージャは使用しないでください。
様々なセキュリティ環境が使用されているクラスタ構成にカタログをデプロイすることがあります。クラスタ内のいくつかのサーバーで同じLDAPサーバーが共有され、他のサーバーでは共有されていない場合があります。カタログを、別のLDAPサーバーと通信しているサーバーにデプロイする場合は、そのカタログのユーザーGUIDをリフレッシュする必要があります。『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』のユーザーGUIDのリフレッシュに関する項を参照してください。
テスト環境から新しい本番環境にカタログをデプロイする場合、必要に応じてFusion Middleware Controlを使用して本番環境内の新しいカタログの場所を指定します。詳細は、第10.2項「リポジトリをアップロードしOracle BIプレゼンテーション・カタログの場所を設定するためのFusion Middleware Controlの使用」を参照してください。
テスト環境から本番環境にオブジェクト(権限付きダッシュボードなど)をデプロイできます。
本番環境にカタログ・オブジェクトをデプロイするには:
(オプション)新しい本番環境にカタログ・オブジェクトをデプロイする場合。
次のようにして、テスト環境でカタログ・オブジェクトをアーカイブし、それを本番環境でアンアーカイブします。
次のいずれかを使用して、テスト環境のカタログ・オブジェクトをアーカイブします。
Oracle BIプレゼンテーション・サービス。
カタログ・マネージャ。
詳細は、第17.10項「カタログ・マネージャを使用したアーカイブとアンアーカイブ」を参照してください。
アーカイブ済ファイルを本番コンピュータにコピーします。
本番コンピュータで、オブジェクトをアンアーカイブします。
オブジェクトのアンアーカイブ方法の詳細は、第17.10項「カタログ・マネージャを使用したアーカイブとアンアーカイブ」を参照してください。
必要に応じて、オブジェクトに権限を設定します。
(オプション)既存の本番環境にカタログをデプロイする場合。
次のように、新規または更新されたオブジェクトをテスト・カタログから本番カタログにコピーして貼り付けます。
2つのカタログ・マネージャ・ウィンドウ(一方はテスト・カタログ、他方は本番カタログ)を開きます。
必要なフォルダをテスト・カタログから選択してコピーし、本番カタログに貼り付けます。
テスト環境または本番環境で同じコンテンツを変更済のフォルダをコピーして貼り付けると、テスト環境のコンテンツによって本番環境のコンテンツが上書きされます。
(オプション)テスト環境から新しい本番環境にカタログをデプロイする場合、Fusion Middleware Controlを使用して本番環境内の新しいカタログの場所を指定します。
詳細は、第10.2項「リポジトリをアップロードしOracle BIプレゼンテーション・カタログの場所を設定するためのFusion Middleware Controlの使用」を参照してください。
より新しいバージョンのOracle Business Intelligenceにアップグレードするかパッチをインストールして、カタログでオブジェクトを使用すると、特定のオブジェクトへのアクセスが以前のリリースのように高速に実行されないことがあります。この変化は、オブジェクトが正しくアップグレードされていない場合に発生する可能性があります。更新が必要かどうかは、Fusion Middleware Controlでメトリックを表示することによって確認できます。「カタログ」フォルダで、アップグレードが必要であることを示すオブジェクトの数という説明の付いた要アップグレードというメトリックを見つけます。この数が大きい場合は、プレゼンテーション・サービスの「管理」ページを使用してカタログ内のオブジェクトを更新することにより、この問題を解決できます。
『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceアップグレード・ガイド』の手順に従うことで、Oracle Business Intelligenceの新しいバージョンにアップグレードできます。このガイドのタスク5: Oracle BIリポジトリとカタログのアップグレードに関する項には、カタログ・オブジェクトのアップグレードの詳細情報、および推奨されるアップグレード方法が記載されています。この方法では、プレゼンテーション・サービスが実行されていない場合に完全なアップグレードを行います。アップグレード・プロセス中にオブジェクトのアップグレードが完全には実行されなかったことが疑われる場合は、「管理」ページを使用して、自分でオブジェクトを更新できます。この方法の利点は、プレゼンテーション・サービスを実行したまま更新を行えることにあります。
オブジェクトの更新を準備する際は、次の点に留意してください。
クラスタ内でマシンのローリング・アップグレードを実行している場合は、クラスタ内のすべてのマシンがアップグレードされるまで、このオプションやUpgradeAndExit構成設定は使用しないでください。
このオプションは、一度にクラスタ内の1つのノードでのみ使用します。
このオプションは、システムでセキュリティの変更が発生していないことがわかっている場合にのみ使用します。たとえば、Global Unique Identifier (GUID)に変更が発生した場合は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』のユーザーGUIDのリフレッシュに関する項に記載されている手順を使用します。
カタログ・オブジェクトを更新するには:
グローバル・ヘッダーで「管理」をクリックします。
「更新が必要なカタログ・オブジェクトのスキャンおよび更新」リンクをクリックします。
「カタログ・オブジェクトの更新」をクリックして更新プロセスを開始します。
どのオブジェクトが更新され、どのオブジェクトが更新されていないのかを確認するには、このページの他のリンクをクリックします。更新されなかったオブジェクトの詳細に関するログ・ファイルを参照できます。
時間の経過とともに、リンクが破損する、ユーザーが削除される、NFSファイル・システムの問題が発生するなどカタログ内に非一貫性が発生することがあります。これらの非一貫性は、最終的にエージェントの受信者リストを編集できなくなるなど、不適切な動作につながることがあります。本番システムを定期的にオフラインにしてカタログを検証し、非一貫性を検出して、修正操作を実行できます。
この項では、カタログの検証に関する次の項目について説明します。
カタログの検証プロセスには、オフライン・モードでのカタログのレポートの作成や、調整または削除が必要なオブジェクトの確認があります。一部のオブジェクトは、オフライン・モードで手動で修正できます。その後、検証操作を再度実行して、不要なオブジェクトを削除することによりシステムを「クリーン」にできます。カタログの検証が終了するまで、レポートの作成、エラーの手動修正およびカタログのクリーンを繰り返します。
検証プロセスでは、次のタスクを実行します。
カタログ内の各オブジェクトが0バイトよりも大きいことを確認します。
カタログ内の各項目に、対応する有効な.atrファイルがあることを確認します。
カタログ内の各リンクが有効であることを確認します。
アカウント・キャッシュ内のファイルが有効であることを確認します。
カタログ内のすべてのXMLオブジェクトがスキーマ検証に通ることを確認します。
ftpプログラムによって損傷したオブジェクト名の修復を試みます。
カタログを検証する前に、次のガイドラインに留意してください。
カタログを検証する前に、ユーザーGUIDをリフレッシュする必要があります。ユーザーGUIDが同期化されていないカタログの検証を試行すると、検証プロセスでは、すべてのアカウントが削除されているとみなされ、すべてのアカウント情報が事実上カタログから削除されます。
開発環境に本番環境とは異なるセキュリティ・ストアがある場合は、開発環境でカタログを検証する際に注意する必要があります。異なるセキュリティ・ストアを使用して検証を実行すると、多くのアカウントがカタログから削除される可能性があります。
カタログの検証をオンにすると、すべてのACL (つまり、すべての権限と各項目の権限)が「スクラブ」されます。これは、それらからデッド・アカウントが削除され、変更されたすべての項目がディスクに書き込まれることを意味します。そのため、破損した項目を自動的に修正せずに単にレポートを作成するだけであっても、カタログが広範囲に「変更」されることがあります。
クラスタ環境でカタログを検証する前に、次のいずれかを実行します。
プレゼンテーション・サービス・クラスタを停止し、そのクラスタのカタログに対して検証を直接実行します。
クラスタのカタログのコピーを作成し、そのコピーに対して検証を実行します。
7-Zipユーティリティを使用してカタログのコピーを作成する前に、プレゼンテーション・サービス・クラスタのすべてのノードを停止するか、そのクラスタのすべてのノードをメンテナンス・モードにします(推奨方法)。
検証プロセスと同時にオンラインでカタログに行った変更は、検証には含まれません。
カタログのバックアップが常に推奨されていますが、検証をカタログに対して直接実行することと、バックアップ・コピーに対して実行することの実際的な違いはありません。
カタログの基本的な検証は、非定型ベースで必要に応じて、コンテンツを開発環境から本番環境に移行する直前や、定期的(たとえば、毎月第1火曜日など)に実行できます。
カタログを検証するには:
プレゼンテーション・サービスを停止します。
詳細は、第4.3項「Oracle Business Intelligenceシステム・コンポーネントとJavaコンポーネントを起動および停止するためのFusion Middleware Controlの使用」を参照してください。
7-Zipユーティリティを使用してカタログをバックアップし、その圧縮済ファイルを作成します。
カタログ用のユーザーGUIDをリフレッシュします。『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』のユーザーGUIDのリフレッシュに関する項を参照してください。
注意: カタログを検証する前に、必ずユーザーGUIDをリフレッシュします。それを実行していない場合、カタログからすべてのアカウント、許可および権限が削除されることがあります。 |
instanceconfig.xmlファイルのバックアップ・コピーを作成します。
ファイルの場所は、第3.6項「構成ファイルの格納場所」を参照してください。
instanceconfig.xmlファイルを編集し、検証を実行するために適した要素が含まれるようにします。レポートの作成およびカタログの「クリーニング」のタスクを適宜実行するための要素を設定する必要があります。
これらの要素の詳細は、第17.2.5.5項「カタログを検証するための要素の指定」を参照してください。
プレゼンテーション・サービスを起動し、instanceconfig.xmlファイルに指定した値に従って検証を実行します。
instanceconfig.xmlファイルを再度編集し、検証を実行するために適した要素が含まれるようにします。レポートの作成およびカタログの「クリーニング」のタスクを適宜実行するための要素を設定する必要があります。
カタログが検証されるまで、ステップ5 - 7を繰り返します。
プレゼンテーション・サービスを停止します。
検証要素を追加したinstanceconfig.xmlファイルのバックアップ・コピーを作成し、そのファイルの名前をinstanceconfig_validate.xmlのような名前に変更します。このようにして、後続の検証の出発点として使用するファイルのバージョンを用意します。
現行バージョンとして使用するために前に作成したinstanceconfig.xmlのバックアップ・バージョンをリストアします。
プレゼンテーション・サービスを起動します。
カタログ検証手順の一部として、プレゼンテーション・サービスを再起動するときに検証を実行する要素をinstanceconfig.xmlファイルに含めます。次の手順は、instanceconfig.xmlファイルを編集してこれらの要素を含める方法を示しています。
この手順を開始する前に、第3.4項「構成設定を更新するためのテキスト・エディタの使用」の情報を理解しておく必要があります。
カタログを検証するための要素を指定するには:
第3.6項「構成ファイルの格納場所」の説明に従って、instanceconfig.xmlファイルを開いて編集します。
表17-1に記載されている要素を追加する必要があるCatalogセクションをみつけます。
次の例に示すように、必要に応じて要素およびそれらの祖先要素を含めます。この例では、検証はプレゼンテーション・サービスが起動されたときに実行され、検証が完了するとプレゼンテーション・サービスは終了します。一貫性のないアカウント(削除されたユーザーのものなど)、リンク、およびオブジェクトが削除されます。一貫性のないユーザーのホーム・ディレクトリ名は記録されますが、ディレクトリが削除されることはありません。
<ServerInstance> <Catalog> <Validate>OnStartupAndExit</Validate> <ValidateAccounts>Clean</ValidateAccounts> <ValidateHomes>Report</ValidateHomes> <ValidateItems>Clean</ValidateItems> <ValidateLinks>Clean</ValidateLinks> </Catalog> </ServerInstance>
注意: instanceconfig.xmlに含めるCatalog要素は1つのみにします。そうしないと、予期しない結果になることがあります。明記されていないかぎり、ほとんどのノード(Catalog要素のノードなど)はXMLドキュメントに一度のみ含めます。 |
変更内容を保存し、ファイルを閉じます。
表17-1 カタログを検証するための要素
要素 | 説明 | デフォルト値 |
---|---|---|
Validate |
このセクションの他のValidate関連の要素の値に従ってカタログの検証を実行します。値は次のとおりです。
この値がNoneではない場合は、他のValidate関連要素の設定に関係なく、終了したアカウントから、カタログ全体におけるすべての権限と各オブジェクトのACLが消去されます。 |
なし |
ValidateAccounts |
カタログ内のユーザー、ロール、およびグループに関するすべての情報に一貫性があることを検証します。値の説明は、この表の後に記載してあります。 |
なし |
ValidateHomes |
カタログ内のホーム・ディレクトリに関するすべての情報に一貫性があることを検証します。値の説明は、この表の後に記載してあります。 ValidateHomesは、ValidateAccountsがReportまたはCleanのどちらかに設定されている場合にのみ実行されます。 |
なし |
ValidateItems |
カタログ内のオブジェクトに関するすべての情報に一貫性があることを検証します。値の説明は、この表の後に記載してあります。 |
なし |
ValidateLinks |
カタログのショートカットをクリーンにしますが、オブジェクトに対する内部参照は調整しません。たとえば、ダッシュボード・ページにテキスト「/shared/sales/myfavreportの実行後、ここに結果を表示します」が表示されているとします。その後、ユーザーがmyfavreportオブジェクトを削除しても、検証時には修正やメッセージは表示されません。値の説明は、この表の後に記載してあります。 |
なし |
要素には、次のリストに示す値が設定されます。
None - 検証を実行しないことを指定します。
Report - 一貫性のないオブジェクトそれぞれの詳細をsawlog.logファイルに書き込むことを指定します。
詳細は、第8.3.2項「診断ログ構成ファイルの概要とその位置」を参照してください。
Clean - 一貫性のないオブジェクトそれぞれの詳細をsawlog.logファイルに書き込み、各オブジェクトをカタログから削除することを指定します。
カタログ・マネージャは、Oracle BIプレゼンテーション・カタログのオンラインおよびオフラインでの管理を可能にするツールです。カタログ・マネージャは、Oracle BI管理者のみがアクセスできるセキュアなコンピュータにインストールします。
カタログ・マネージャを使用して実行できることは次のとおりです。
フォルダ、ショートカット、グローバル変数およびオブジェクト(分析、フィルタ、プロンプト、ダッシュボードなど)の管理。たとえば、オブジェクトの名前変更や削除を実行したり、カタログ内およびカタログ間でオブジェクトを移動およびコピーできます。
eXtensible Markup Language(XML)でのカタログ・オブジェクトの表示および編集。
分析やプロンプトなどのオブジェクトのプレビュー。
カタログ・テキストの検索および置換。
カタログ・オブジェクトの検索。
カタログ・データを表示するための分析の作成。
キャプションのローカライズ。第15.2.2項「Oracle BIプレゼンテーション・カタログのキャプションのローカライズ」を参照してください。
カタログ・マネージャで行う操作の多くは、Oracle BIプレゼンテーション・サービスの「カタログ」ページでも実行できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』の「Oracle BIプレゼンテーション・カタログでのオブジェクトの管理」を参照してください。
カタログ・マネージャを使用する場合は、次のガイドラインに従ってください。
使用しているOracle BIプレゼンテーション・カタログのバックアップ・コピーを常に作成します。
実行しようとしている変更を確認します。カタログ・マネージャでは変更はただちにコミットされます。元に戻す機能はなく、特定の変更がユーザーに適切に表示されないことを示すエラー・メッセージも表示されません。ただし、意図しない変更を行った場合は、最新の保存済バックアップまで戻すことができます。
カタログ・コンテンツをコピーして電子メールに貼り付けないでください。これはサポートされていません。
カタログ・マネージャを使用するときは、次のヒントに注意してください。
オンライン・モードで使用している場合、カタログ・コンテンツを読取り専用フォルダに貼り付けたり、そこから貼り付けるには、コピーする前にそのフォルダ・ツリーの読取り専用プロパティをオフにし、貼り付けた後にその読取り専用属性を再び適用します。
カタログ・マネージャで/system/securityディレクトリからファイルをコピー、アーカイブまたはドラッグすることはできません。
キーボード・ショートカットのなかには適切に機能しないものがあります。
カタログ・マネージャ・ペインは、サイズ変更インジケータが表示されていなくてもサイズ変更できる場合があります。
カタログ・マネージャは、英語以外の言語で使用できます。詳細は、第15.3項「カタログ・マネージャでの現在のロケールの設定」を参照してください。
この項の内容は次のとおりです。
カタログ・マネージャの実行要件を、次に示します。
グラフィカル・ユーザー・インタフェース — 次のプラットフォーム上でグラフィカル・ユーザー・インタフェースを起動することができます。
Windows (32ビットおよび64ビット)
Linux (32ビットおよび64ビット)
コマンド・ライン・ユーティリティ — Windows、Linux、IBM-AIX、Sun Solaris、HP-UXなど、Oracle Business Intelligenceでサポートされているプラットフォーム上でコマンド・ライン・ユーティリティを起動することができます。Linuxでコマンド・ライン・ユーティリティの使用方法のヘルプを表示するには、次のようなコマンドを入力します。
./runcat.sh -help
カタログ・マネージャのユーザー・インタフェースは、Windowsのメニュー・オプションあるいはWindowsまたはLinuxのコマンドを使用して起動できます。
カタログ・マネージャのグラフィカル・ユーザー・インタフェースを起動するには:
Windowsの「スタート」メニューから、「Oracle Business Intelligence」、カタログ・マネージャの順に選択します。
または
コマンドラインを使用して、次に示すディレクトリに変更します。
ORACLE_INSTANCE\bifoundation\OracleBIPresentationServicesComponent\coreapplication_obipsn\catalogmanager
次に示す適切なスクリプトを実行します。
runcat.cmd(Windowsの場合)
runcat.sh (Linuxの場合)
図17-2は、Windowsプラットフォームの場合のカタログ・マネージャ内のサンプル・オブジェクトを示しています。
Linuxシステムでは、グラフィカル・ユーザー・インタフェースのxtermでカタログ・マネージャを起動する必要があります。xtermの例として、ネイティブgnome、kdeコンソール、VNC、またはローカルxサーバー(Xming、Tarantella、Hummingbird Exceed、Citrixなど)があげられます。(これらの例は、認証やサポートに関する声明を構成するものではありません。)PuTTy、FSecure、またはコマンドラインSSHなどのASCIIテキスト端末を使用して、カタログ・マネージャのグラフィカル・ユーザー・インタフェースを起動することはできません。
カタログ・マネージャが起動されない場合は、次の点を確認します。
xclockやxeyesなどのネイティブ・アプリケーションを実行できること。
ネイティブ・コンソールまたはVNCを使用してコントロール・マネージャを起動できること。場合によって、オペレーティング・システムの管理者がX-Windowsをロックすることがあります。
次に示す、すべてのxterm接続を可能にするコマンドを実行できること。
xhost +
デバッグが使用可能なコマンドラインからカタログ・マネージャを実行し、次のコマンドを使用して、追加の出力が生成されるかどうかを確認できること。
./runcat.sh -consoleLog -noExit
strace
などのオペレーティング・システム・ユーティリティを使用して、runcat.sh
コマンドの実行をトレースし、ライブラリやファイルをオープンできないなどのエラー・メッセージが生成されるかどうかを確認できること。Eclipse Javaプラグインを使用できます。この場合、Standard Widget Toolkit (SWT)をインストールし、続けてGTK (Gimp Toolkit) をインストールすることが必要になります。次のコマンドを入力します。
strace -aef -o ./runcat_trace.txt runcat.sh
カタログは、オンラインとオフラインの2つのモードのいずれかで開くことができます。どちらのモードでも、実際の本番カタログに対して操作でき、停止時間は必要ありません。
オンライン・モードでは、稼動中のWebサーバー上のカタログに接続します。このモードでは、権限が適用され、ロケールを選択でき、カタログ上のローカライゼーションの結果を表示できます。そのユーザーが適切な権限を持つオブジェクトのみが表示されます。オンライン・モードでカタログを開くには、プレゼンテーション・サービスとWebサーバーの両方が稼働中であることが必要です。
オンライン・モードは、カタログに小さな増分変更や追加を実行する場合に使用します。たとえば、権限の変更、1つのオブジェクトの更新、新しいオブジェクトの本番環境への移行などの場合です。
オフライン・モードでは、ローカル・ファイル・システムに接続します。このモードでは、ユーザーはスーパー・ユーザーまたはシステム・ユーザーとしてログインし、権限は適用されません。このユーザーはカタログ内のすべてのオブジェクトを表示できます。
通常、オフライン・モードでの作業は、オンライン・モードでの作業よりも高速です。これは、個別のファイルに直接アクセス、作成および更新を行うためであり、オンライン・モードで作業するときのようにカタログがプレゼンテーション・サービスと通信する必要がないためです。
オブジェクトの名前をグローバルに変更したり、再編成のために複数のオブジェクトを移動するなどカタログ全体にわたる変更を実行する場合は、次の手順で説明しているように、オフライン・モードを使用します。
システム全体にわたる変更をカタログに実行するには:
プレゼンテーション・サービスをメンテナンス・モードにします。
クラスタ環境では、プレゼンテーション・サービスのインスタンスをメンテナンス・モードにでき、数分以内に、クラスタ内のその他すべてのインスタンスも自動的にメンテナンス・モードに移行します。クラスタ環境にかぎり、数分待機してから、プレゼンテーション・サービスをメンテナンス・モードにした目的のタスクを実行してください。
メンテナンス・モードの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』の「管理ページ」を参照してください。
7-Zipユーティリティを使用してカタログをバックアップし、その圧縮済ファイルを作成します。
第17.4.6項「Oracle BIプレゼンテーション・カタログのオープン」の説明に従って、カタログ・マネージャで、オフライン・モードでカタログを開きます。
システム全体にわたる変更を行います。
カタログを再度バックアップします。
プレゼンテーション・サービスのメンテナンス・モードを解除します。
クラスタ環境では、プレゼンテーション・サービスのインスタンスのメンテナンス・モードを解除でき、数分以内に、クラスタ内のその他すべてのインスタンスも自動的にメンテナンス・モードが解除されます。そのため、クラスタ環境にかぎり、カタログ・コンテンツの編集を再開できるようになるまで数分必要です。
カタログ・マネージャを使用して実行できる操作の多くは、オンライン・モードとオフライン・モードの両方で実行できます。いくつかの操作はどちらか一方のモードのみで使用できます。一般的に、実行可能な操作は次のとおりです。
オンライン・モードで実行可能な操作は、読取り専用操作と、カタログ全体に影響を与えない書込み操作(オブジェクトの権限の設定など)です。
オフライン・モードには、オンライン・モードで使用可能な操作の大部分と、カタログ全体に影響を与える書込み操作が含まれています。
さらに、オンライン・モードおよびオフライン・モードでは次の操作を実行できます。
オブジェクトの切取り
オブジェクトのコピー
オブジェクトの貼付け
別のカタログのためのオブジェクトのコピー
別のカタログからのオブジェクトの貼付け
オブジェクトのショートカットの作成
オブジェクトの削除
参照の更新を伴わないオブジェクトの名前の変更
参照の更新を伴うオブジェクトの名前の変更(この機能はスマート名前変更として知られており、両方のモードで使用できます。オフライン・モードでは、すべてのオブジェクトの名前を変更できます。オンライン・モードでは、権限によっては特定のオブジェクトの名前を変更できない場合があります)。
カタログ・マネージャの作業領域のリフレッシュ
フォルダの作成
オブジェクトに対する権限の設定
オブジェクトのプロパティの操作
作業領域の表示の管理
オブジェクトの検索
カタログ・テキストの検索および置換(この機能は両方のモードで使用できます。オフライン・モードではすべてのオブジェクトを置換できます。オンライン・モードでは、ユーザーの権限によっては特定のオブジェクトを置換できない場合があります)。
カタログ・マネージャのデータを表示するためのレポートの作成
ブラウザのプリファレンスの設定
オブジェクトのプレビュー(オンライン・モードのみ使用可能)
ローカライゼーションを目的としたキャプションのエクスポート
Oracle BIプレゼンテーション・カタログを開くには:
カタログ・マネージャで、「ファイル」メニューから「カタログを開く」を選択します。
次のリストの説明に従って、必須フィールドに入力します。
タイプ - カタログを開く際のモード(オンラインまたはオフライン)を選択します。
パス - オフライン・モードでカタログを開く場合は、次の例のようにローカル・ファイル・システム上のカタログ・フォルダへのパスを入力します。
「参照」をクリックし、カタログの場所を指定するためのダイアログを表示します。
C:\ORACLE_INSTANCE\bifoundation\OracleBIPresentationServicesComponent\coreapplication_obipsn\catalog\default
URL - オンライン・モードでカタログを開く場合は、次の例のようにOracle BIプレゼンテーション・サービスのURLを入力します。
https://hostname/analytics/saw.dll
ユーザー - オンライン・モードでカタログを開く場合は、ホストURLのユーザー名を入力します(オフライン・モードでは無効)。
パスワード - オンライン・モードでカタログを開く場合は、ホストURLのパスワードを入力します(オフライン・モードでは無効)。
ロケール - オンライン・モードでカタログを開く場合にカタログ・マネージャのユーザー・インタフェース要素およびカタログ内のオブジェクトに使用するロケールを選択します。
読取り専用 - 読取り専用モードでカタログを開くにはこのフィールドを選択します(オフライン・モードでは無効)。
「OK」をクリックします。
オンライン・モードでカタログのURLを指定する際は、セキュリティ強化のために、http
ではなくhttps
を指定してください。http
を指定すると、「カタログを開く」ダイアログを閉じた後、安全でない接続を使用してカタログを開くことを確認するメッセージ・ボックスが表示されます。https
を使用してカタログを開くには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』のOracle Business IntelligenceでのSSL構成に関する項に示すとおり、SSL通信用にOracle BI EEを構成する必要があります。
この項には、カタログ・マネージャの作業領域に関する次のトピックが含まれています。
カタログ・マネージャの作業領域では、カタログ・オブジェクトを表示および操作できます。ここには、開いているカタログについて次のフォルダが表示されます。
共有フォルダ: カタログ・ユーザー間で共有するコンテンツが含まれています。これには、ビルトイン・アプリケーションによって配布される事前構成済ダッシュボードと分析、および共有フィルタなどのその他のオブジェクトが含まれています。
システム・フォルダ - プレゼンテーション・サービスの管理要素が含まれています。これらの要素には製品によって配布されるものと、権限など管理者が構成するものがあります。このフォルダ内のファイルは変更しないでください。プレゼンテーション・サービスはこれらのファイルを内部で使用しており、それらを変更すると予期しない結果になることがあります。
ユーザー・フォルダ - 適切な権限を持つカタログ・ユーザーが彼らの個人フォルダに保存した、個別の分析などのコンテンツが含まれています。
カタログ・マネージャは、次の主なコンポーネントで構成されています。
メニュー・バー - 次のメニューにアクセスできます。
ファイル - カタログを開く、閉じる、カタログ・マネージャを終了するなどのオプションを提供します。
編集 - カタログ・オブジェクトの管理を可能にするオプションを提供します。「切取り」、「コピー」、「権限」などがあります(これらのオプションの多くはコンテキスト・メニューでも使用可能です)。
表示 - カタログ・マネージャの作業領域の表示を管理するためのオプションを提供します。「ツリーの表示」、ジョブ・ステータスの表示などがあります。
ツール - カタログの管理を可能にするオプションを提供します。「XML検索と置換」、「レポートの作成」などがあります。
ヘルプ - Oracle BI Enterprise Edition Webサイトにアクセスし、カタログ・マネージャに関する情報を表示するためのオプションを提供します。
ツール・バー - 「切取り」、「コピー」、「貼付け」などよく使用するオプションにすばやくアクセスできます。
ツリー・ペイン - カタログ・フォルダを表示します。ペインには、オブジェクトも表示されますが、それは「表示」メニューの「オブジェクトのツリー表示」オプションが選択されている場合のみです。
表ペイン - カタログ・フォルダおよびオブジェクトが表示されます。次のもので構成されています。
ナビゲーション・バー。ここに作業対象のカタログ・オブジェクトのパス名を入力することで、そこに移動できます。
「名前」、「タイプ」、「所有者」、「マイ権限」、「属性」、「作成日」、「最終変更」の列。タイプなどその値でソートするには、列名をクリックします。
「タイプ」列は、オブジェクトのタイプを識別します。不明なファイルと識別されたオブジェクトは、通常、内部で使用されるオブジェクトであり、それらのタイプはカタログ・マネージャに表示されません。
コンテキスト・メニュー - カタログ・オブジェクトの管理を可能にするオプションを提供します。「名前の変更」、「プロパティ」、「権限」などがあります(これらのオプションの多くは「編集」メニューでも使用可能です)。
カタログ・マネージャに何を表示するのかを管理できます。たとえば、ツリー・ペインにオブジェクトを表示したり、ジョブ・ステータスを表示したりできます。
カタログ・マネージャの作業領域の表示を管理するには:
カタログ・マネージャで、「表示」を選択し、次のオプションのいずれかを選択します。
ツリーの表示 - ツリー・ペインを閉じていた場合はそれを表示します。
表の表示 - 表ペインを閉じていた場合はそれを表示します。
「ジョブ・ステータスの表示」 - 「バックグラウンド・ジョブ・ステータス」ペインを表示します。ここで、検索と置換、スマート名前変更など、実行したプロセスの進行状況を表示できます。また、完了したジョブをすべて削除したり、ペインの右上隅にあるアイコンを使用して進行状況プリファレンスを設定できます。
オブジェクトのツリー表示 - ツリー・ペインに、フォルダに加えてオブジェクト(分析、フィルタなど)を表示します。
リフレッシュ - 「ツリー」ペインおよび「表」ペインに表示されているオブジェクトをリフレッシュします(たとえば、カタログの使用中に他のユーザーがそれに行った変更を表示する場合などに、データのリフレッシュが必要になります)。
この項では、オブジェクトの使用に関する次の情報を示します。
プレゼンテーション・サービスの「カタログ」ページで、非表示オブジェクトを含めてフォルダおよびコンテンツを表示できます。フォルダおよびコンテンツを作成、名前変更、コピー、移動および削除できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド 』の「Oracle BIプレゼンテーション・カタログでのオブジェクトの管理」を参照してください。
注意: Oracle BI Administration Toolのプレゼンテーション・レイヤーで行った変更は、それらの表および列に基づく分析およびダッシュボードに影響を与えます。カタログ・マネージャを使用して、プレゼンテーション・レイヤーでのこれらの変更とカタログの同期を保つことができます。 |
検索機能を使用してカタログ内のオブジェクトを検索できます。たとえば、administratorという値のプロパティを持つすべてのオブジェクトを検索できます。
検索するときに、次の項目で検索を制限できます。
大文字/小文字の区別 - 検索基準に大文字と小文字の区別を適用する場合はこのチェック・ボックスを選択します。デフォルト値は選択解除です。
名前 - 検索をオブジェクトの名前に制限します。
説明 - 検索を「説明」プロパティに制限します。
プロパティ値 - 検索をプロパティの値に制限します。
所有者 - 検索をオブジェクトの所有者に制限します。
XML - 検索をXMLに制限します。
オブジェクト・タイプ - すべてのタイプのオブジェクトを検索するか、指定した特定のタイプのオブジェクト(分析、フィルタ、エージェント、ダッシュボード・プロンプト、ダッシュボード・ページなど)に検索を制限します。
日付 - 指定した日に作成されたオブジェクト、または指定した日に最後の変更が実行されたオブジェクトに検索を制限します。
オブジェクトを検索するには:
カタログ・マネージャで、カタログを開き、ツリー内の検索を開始する場所にナビゲートします。
ツールバーの「検索」をクリックします。
「次の基準の一部またはすべてを検索します。」フィールドに、検索する語句を入力します。
検索で大文字と小文字を区別するには、「大文字/小文字の区別」ボックスを選択します。
検索を制限するには、「拡張検索」をクリックします。
「拡張検索」エリアで、検索の絞込み条件を指定します。
「検索」をクリックします。
ヒント: 検索を完了したら、ツールバーの「カタログ・ツリー全体の検索」をクリックし、ツリー・ペインおよび表ペインに戻ります。 |
1つのカタログ内でオブジェクトをコピーして貼り付けることができます。1つのカタログからオブジェクトをコピーし、別のカタログにそれらを貼り付けることもできます。
オブジェクトをコピーして貼り付けるときは、次のヒントを参考にしてください。
次の方法を使用して、オブジェクトをコピーし、貼り付けることができます。
メニュー・オプション。第17.6.2.1.1項「メニューを使用したカタログ間でのオブジェクトのコピーおよび貼付け」の説明に従ってください。
ドラッグ・アンド・ドロップ。2つのカタログ間または同じカタログ内でオブジェクトをコピーする場合に使用します。ドラッグ・アンド・ドロップでは、1つのカタログ内で実行する場合であっても、常に、ドラッグしたオブジェクトのコピーが作成されます。
アーカイブおよびアンアーカイブ。第17.10項「カタログ・マネージャを使用したアーカイブとアンアーカイブ」の説明に従ってください。アーカイブすると、後で使用するために保存できるファイルが作成されます。アンアーカイブ・プロセスでは、上書きしないファイルを指定する機会が提供されることなく、すべてのファイルが自動的に上書きされます。
カタログは、階層フォルダに構造化されています。オブジェクトをコピーまたはマージするときは、それらと関連付けられたオブジェクト(ダッシュボード・フォルダ、ショートカット、分析など)もすべてコピーすることを忘れないでください。外部アプリケーションのURLパスは、フォルダ・パス全体がコピーされない場合(ショートカットまたはテキストとしてダッシュボードに追加された場合など)は、コピーまたはマージ操作の後に再構築できます。
多くの場合、単に必要に応じてオブジェクトをコピーして貼り付けることができます。必要であれば、貼り付けるオブジェクトに適用される拡張オプションを設定できます。詳細は、第17.6.2.2項「オブジェクトの貼付けの拡張オプション」を参照してください。
次の手順は、メニュー・オプションを使用して2つのカタログ間でオブジェクトをコピーして貼り付ける方法を示しています。2つのカタログの名前が同じ場合は、作業時に2つのカタログを区別するために、カタログを開く前にそのどちらか一方の名前を変更できます。カタログはどちらも同じバージョン11.1.1(またはそれ以降)である必要があります。
メニューを使用してカタログ間でオブジェクトをコピーして貼り付けるには:
カタログ・マネージャで、変更するカタログ(ターゲット・カタログ)を開きます。
カタログ・マネージャのもう1つのインスタンスを使用して、コピーするオブジェクトを含むカタログ(ソース・カタログ)を開きます。
必要に応じて、画面上のカタログ・マネージャの両方のインスタンスの位置を調整し、両方のカタログ・マネージャ・インスタンスのタイトル・バーが表示されるようにします。
ソース・カタログを表示するカタログ・マネージャ・インスタンスで、ソース・オブジェクトを右クリックし、「コピー」を選択します。
ターゲット・カタログを表示するカタログ・マネージャ・インスタンスで、ソース・オブジェクトを貼り付ける位置で右クリックし、「貼付け」を選択します。
次の項の説明に従って、コピーしたオブジェクトを貼り付けるための拡張オプションを「設定」ダイアログで設定できます。
重要: 「設定」ダイアログで設定する拡張オプションを有効にするには、コピーおよび貼付け操作を開始する前にそれらを設定する必要があります。 |
「設定」ダイアログの「貼付けによる上書き」エリアには次のオプションがあります。
強制 - すべてのファイルを貼り付け、読取り専用属性が設定されているものも上書きされます。
すべて - 該当するファイルをすべて貼り付け、読取り専用属性が設定されていないもののみが上書きされます(デフォルト)。
古い - 該当するファイルをすべて貼り付け、ソースよりも古い場合を除いて既存のファイルは上書きされません。
なし - 該当するファイルをすべて貼り付けますが、既存のファイルは上書きされません。
次に上書きオプションを設定した貼付けの例を示します。/users/joeフォルダに、次の分析が含まれているとします。
/users/sueフォルダに、次の分析が含まれているが、分析Cは含まれていないとします。
Sueは/users/joeフォルダからA、BおよびCの分析をコピーし、それらをusers/sueフォルダにコピーするとします。「貼付けによる上書き」オプションの設定に応じて次のようになります。
なし: Sueは彼女の分析AとBを保持し、Joeの分析は無視されます。Sueは、分析Cのコピーを入手します。
すべて: Sueの分析AとBは、Joeのもので上書きされ、Sueは分析Cのコピーを入手します。
古い: Sueは、彼女の分析Aを保持し(Sueの分析Aは古くない)、Sueの分析BはJoeの分析によって上書きされ(Sueの分析Bは古い)、Sueは分析Cのコピーを入手します。
「設定」ダイアログの「ACLの貼付け」エリアには次のオプションがあります。
継承 - オブジェクトの権限(ACL)を、その新規親フォルダから継承します(デフォルト)。
保存 - 必要に応じて元のマッピング・アカウントで保持されていた、オブジェクトの権限(ACL)を保持します。
グループのみ保存 - 「保持」と同じですが、グループ・アカウントとアプリケーション・ロールに適用され、ユーザー・アカウントには適用されません。これは開発と本番の両方で顧客が同じグループ(売上とマーケティング)を使用する可能性がある開発から本番環境の場合のためのものです。各グループのユーザーは、開発ではTestUserAとTestAdminBで、本番ではSteveとSueのように異なることがあります。
作成 - 次の説明のようにモードと所有者のタイプに基づいて、必要に応じて元の作成およびマッピング・アカウントで保持されていた、オブジェクトの権限(ACL)を保持します。
オンライン・モード - オンライン・モードでは、カタログ・マネージャはバックエンド・セキュリティ・サーバーと通信します。カタログ・マネージャはそのサーバーからユーザーおよびアプリケーション・ロールの情報を入手し、通常、コピーされたオブジェクトを適切なユーザー名またはロールとともに貼り付けることができます。オブジェクトを貼り付けるときは、自身が特定のオブジェクトに対してアカウントを作成するための適切な権限を持っていない可能性があることに注意してください。
オフライン・モード - オフライン・モードでは、カタログ・マネージャは、バックエンド・セキュリティ・サーバーと接続しておらず、そこに格納されているユーザーおよびアプリケーション・ロールについては、カタログのキャッシュからそれらの名前を入手できないかぎり、認識しません。コピーされたオブジェクトのユーザー名またはロールをキャッシュから入手できない場合、カタログ・マネージャはコピーされたオブジェクトをその名前またはロールとともに貼り付けることはできません。かわりに、貼り付けられたオブジェクトは、その所有者をその新規親フォルダから継承します。これは「継承」オプションに似ています。
ただし、カタログ・グループはバックエンド・セキュリティ・サーバーではなくカタログに格納されているため、カタログ・マネージャは、必要に応じて、貼り付けたオブジェクトとカタログ・グループを関連付けることができます。
この機能は、管理者が、ユーザーを本番環境に移動する前に、ステージング領域でアカウントを作成するアプリケーションで使用されます。
グループのみ作成 - 「作成」と同じですが、カタログ・グループにのみ適用され、ユーザー・アカウントには適用されません。開発環境から本番環境における機能は「グループのみ保存」に似ています。
適切な権限を持っている場合は、新しく貼り付けられたオブジェクトを選択し、所有権を適切なユーザーに再帰的に設定できます。
次にACLオプションを設定した貼付けの例を示します。Steveは/users/steve/MyFavReportフォルダを所有しており、すべてのユーザーが読取り/実行でき、steveが完全な制御権を持つという権限(ACL)を持っているとします。Joe(いくつかの管理権限を持つ)がログインしてMyFavReportをコピーし、それを/users/sue(administratorによって所有され、管理者が完全な制御権を持つ、sueが完全な制御権を持つの権限が設定されている)に貼り付けるとします。
Joeが設定する「ACLの貼付け」オプションに応じた動作は次のとおりです。
継承: /users/sue/MyFavReportフォルダは、Joeによって所有され、/users/sueフォルダに設定されていた権限(管理者が完全な制御権を持つ、sueが完全な制御権を持つ)が設定されます。
保存: /users/sue/MyFavReportフォルダは、Joeによって所有され、/users/steve/MyFavReportフォルダに設定されていた権限(すべてのユーザーが読取り/実行でき、steveが完全な制御権を持つ)が設定されます。Joeが2つ目のカタログ・マネージャに貼り付け、このカタログにsteveが存在しない場合、Steveの権限は破棄されます。steveは存在しているが異なるユーザーIDを持っている場合、SteveのユーザーIDが新しいものにマッピングされます。
作成: オンライン・モードでは、/users/sue/MyFavReportフォルダは、Joeによって所有され、/users/steve/MyFavReportフォルダに設定されていた権限(すべてのユーザーが読取り/実行でき、steveが完全な制御権を持つ)が設定されます。Joeが2つ目のカタログ・マネージャに貼り付け、このカタログにsteveが存在しない場合、所有者は親フォルダから継承されます(「作成」オプションが適用されるのはカタログ・グループのみのため、これはリリース11gでは非推奨となっています)。
カタログ内のオブジェクトの名前は変更できます。これは、テスト環境から本番環境に移行する場合に便利です。
オブジェクトの名前の変更方法には、次の2つがあります。
参照の更新を伴わない名前の変更 - オブジェクトの名前を変更し、他のカタログ・オブジェクトで使用されている可能性がある元の名前への参照を保持します。
参照の更新を伴う名前の変更 - オブジェクトの名前を変更し、他のオブジェクトが使用している可能性がある参照を新しい名前に変更します(元の名前の参照は保持されません)。この機能は、スマート名前変更とも呼ばれます。カタログはオフライン・モードでもオンライン・モードでも開くことができます。オフライン・モードでは、すべてのオブジェクトの名前を変更できます。オンライン・モードでは、権限によっては特定のオブジェクトの名前を変更できません。
注意: オブジェクトの名前を変更するときは、次の点に注意してください。
|
カタログ・マネージャで、カタログを開きます。
名前を変更するオブジェクトにナビゲートします。
「名前」列でオブジェクトを右クリックし、「名前の変更」を選択します。
オブジェクトの新しい名前を入力します。
カタログ・マネージャで、オフライン・モードでカタログを開きます。
名前を変更するオブジェクトにナビゲートします。
「名前」列でオブジェクトを右クリックし、スマート名前変更を選択します。
オブジェクトの新しい名前を入力します。
ウィンドウの右下隅にあるプログレス・バーに、参照の更新の進行状況が表示されます。
カタログ・マネージャの「プロパティ」オプションを使用して実行できる操作は次のとおりです。
カタログ・オブジェクトのプロパティの作成、表示、編集および削除
Oracle Business Intelligenceで表示から非表示にするためのカタログ・オブジェクトの属性の変更
カタログ・オブジェクトのプロパティを操作するには:
カタログ・マネージャで、カタログを開きます。
オブジェクトにナビゲートします。
「名前」列でオブジェクトを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
次のうちの必要な操作を実行します。
適切な権限を持っている場合は、オブジェクトの適切な所有者を「所有者」リストで選択します。
「所有者」リストには、カタログ・マネージャにログインするために使用した名前が含まれています。このリストを使用して自身をオブジェクトの所有者として選択できます。
オブジェクトの所有権の取得の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイドのオブジェクトの所有者の割当てに関する項を参照してください。
オブジェクトの属性を変更するには、必要に応じて「読取り専用」または「非表示」を選択します。非表示オブジェクトはOracle Business Intelligenceで表示されません。
注意: 「システム」オプションは、オブジェクトが内部で保持されており、変更できないことを示しています。 |
プロパティを作成、編集または削除するには、必要に応じて「新規」、「編集」または「削除」ボタンを使用します。
注意: 「新規」ボタンはプロパティを作成するために使用します。Oracleサポート・サービスによる指示がある場合にのみ使用します。 |
「OK」をクリックします。
複数のオブジェクトを選択して、それらのプロパティや権限を同時に更新できます。選択したオブジェクトのいずれかがフォルダである場合、それらの変更をそのフォルダのツリー構造のすべてのオブジェクトに再帰的に適用することもできます。
たとえば、/shared/DontTouchディレクトリのすべてのファイルを読取り専用に設定できます。DontTouchディレクトリを右クリックし、「プロパティ」を選択します。「プロパティ」ダイアログで、「読取り専用」オプションを選択し、「再帰的に適用」オプションを選択し、「OK」をクリックします。「再帰的に適用」を選択して、オブジェクトおよびそのすべてのサブオブジェクトの所有権を取得することもできます。
制限は、カタログ・オブジェクトへのアクセスを制御するために使用されます。
カタログ・マネージャで、カタログを開きます。
オブジェクトにナビゲートします。
「名前」列でオブジェクトを右クリックし、「権限」を選択します。
「権限」ダイアログに次の2つのリストが表示されます。
ユーザー、カタログ・グループおよびアプリケーション・ロール(明示的な権限) - このオブジェクトに対する明示的な権限を与えられたユーザー、グループおよびアプリケーション・ロールが表示されます。
追加のユーザーとアプリケーション・ロール - グループ継承によりアクセスを与えられたユーザー、グループおよびアプリケーション・ロールと、リクエストにアクセスできないユーザー、グループおよびアプリケーション・ロールが表示されます。
プレゼンテーション・サービスでの許可および権限の割当て方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』の「ダッシュボードと分析のセキュリティの管理」を参照してください。
権限を設定するユーザー、グループまたはアプリケーション・ロールが「追加ユーザーとアプリケーション・ロール」リストに含まれている場合は、それを選択し、左矢印ボタン(<)をクリックすることで「ユーザー、カタログ・グループおよびアプリケーション・ロール(明示的な権限)」リストに移動します。
(オプション)「追加ユーザーとアプリケーション・ロール」リストに表示されるユーザー、グループおよびアプリケーション・ロールをフィルタ処理するには、「リスト」ボタンおよびその横にあるフィールドを次のように使用します。
「リスト」ボタンの横にあるフィールドにフィルタ基準(大文字/小文字を区別しない)を入力し、名前による検索を実行します。
部分的なフィルタ基準を入力するには、アスタリスク(*)記号を使用します。たとえば、bi*と入力すると、bi、BI、bIおよびBiで始まるユーザーまたはグループが表示されます。
検索するアカウントを制限するにはリストから値を選択します。
使用可能な値は、「すべて」、「ユーザー」、「カタログ・グループ」および「アプリケーション・ロール」です。
「ユーザー、カタログ・グループおよびアプリケーション・ロール(明示的な権限)」リストでユーザーまたはグループを選択します。
「権限」列のリストから新しい権限を選択するか、リストから「カスタム」をクリックして「カスタム権限」ダイアログを表示し、権限の組合せを選択します。
各権限の意味の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』の「権限の定義」を参照してください。
「再帰的に適用」オプションを選択し、そのオブジェクトが含むすべてのオブジェクトに変更を適用します。
「置換オプション」リストで次のように値を選択します。
すべて置換 - 既存のACLを、ダイアログ内に現在のあるもので置換します。
リストされた項目の置換 - ダイアログに現在表示されているアカウントのみを変更し、他のものはそのまま残します。
リストされた項目の削除 - ダイアログに現在表示されているアカウントのみを削除し、他のものはそのまま残します。
「OK」をクリックします。
注意: 「ユーザーとグループ(明示的な権限)」リストから「追加のユーザーとアプリケーション・ロール」リストにユーザーまたはグループを移動すると、そのユーザーまたはグループの権限は「アクセス権なし」にリセットされます。リストから別のリストにユーザーまたはグループを移動するには、それを強調表示し、必要に応じて右矢印ボタンまたは左矢印ボタンをクリックします。 |
権限、グループおよびユーザーの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』を参照してください。
オンライン・モードでは、カタログ・マネージャから分析やプロンプトなどのオブジェクトをプレビューできます。カタログ・マネージャからオブジェクトをプレビューする場合は、これらのオブジェクトの表示に使用するデフォルト・ブラウザを指定する必要があります。
ブラウザ・プリファレンスを設定するには:
カタログ・マネージャで、「ツール」メニューから「設定」を選択します。
「レポート・プレビューに使用するWebブラウザを選択します。」フィールドで、使用しているオペレーティング・システムのデフォルト・ブラウザに設定したものと同じブラウザを選択します。「参照」ボタンをクリックし、そこで適切なブラウザの実行可能ファイルを選択できます。
「OK」をクリックします。
オブジェクトをプレビューするには:
カタログ・マネージャで、オンライン・モードでカタログを開きます。
オブジェクトにナビゲートします。
「名前」リストでオブジェクトを右クリックし、「プレビュー」を選択します。
カタログ・マネージャには、テナントをプロビジョニングおよびプロビジョニング解除するためのオプションがあります。詳細は、第18章「マルチテナントの構成」を参照してください。
カタログ・マネージャでは、分析、ダッシュボード、フィルタなどのカタログ・オブジェクトのXML記述を表示および編集できます。XMLコードの表示は行っても問題ありませんが、コードの編集はお薦めしません。
注意: XMLコードを編集すると、カタログでのオブジェクトの表現が変更されます。いずれのディレクトリのカタログ・オブジェクトでもXMLコードの編集はお薦めしません。予期しない結果を招くことがあります。 分析のためにXMLを編集する場合は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』の分析のための論理SQL文の調査に関する項の情報を使用します。 |
オブジェクトのXML記述を表示するには:
カタログ・マネージャで、カタログを開きます。
オブジェクトにナビゲートします。
「名前」列でオブジェクトを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
「XMLの編集」をクリックします。
XML定義の表示を完了したら、「取消」をクリックします。
「プロパティ」ダイアログで「OK」をクリックします。
図17-3は、オブジェクトのカタログ・マネージャでのサンプルXMLコードを示しています。
オブジェクトのXML記述を編集するには(お薦めしません):
カタログ・マネージャで、カタログを開きます。
オブジェクトにナビゲートします。
「名前」列でオブジェクトを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
「XMLの編集」→「編集」をクリックします。
「オブジェクトXML」エリアで変更を行います。
注意: オブジェクトのXML記述を編集する場合、カタログではXMLの形式が正しいことのみが確認され、その他のエラーについては確認されません。 |
「XMLの編集」ダイアログで「OK」をクリックします。
「プロパティ」ダイアログで「OK」をクリックします。
カタログ・マネージャを使用して、カタログ内の特定のテキストを検索し、それを他のテキストに置換できます。カタログはオンライン・モードでもオフライン・モードでも開くことができます。オフライン・モードではすべてのオブジェクトを置換できます。オンライン・モードでは、ユーザーの権限によっては特定のオブジェクトを置換できない場合があります。
具体的には、検索および置換できるものは次のとおりです。
単純なテキスト文字列(ダイアログを使用)。第17.8.1項「単純なカタログ・テキスト文字列の検索と置換」を参照してください。
たとえば、オブジェクトに文字列「My Misspeled Wirds」が含まれているとします。カタログ・マネージャを使用してその文字列を検索し、適切な文字列である「My Misspelled Words」に置換できます。
複数または複雑なテキスト文字列(XMLファイルを使用してすべて同時に実行)。第17.8.3項「複数のカタログ・テキスト文字列の検索と置換」を参照してください。
たとえば、管理者がリポジトリ・ファイル内のサブジェクト・エリア、表または列の名前を変更したとします。表SalesがMySalesという名前に変更されている可能性があります。カタログ・マネージャを使用して、カタログ全体でそのオブジェクトが使用されているすべての箇所を検索して置換できます。
カタログ内の単純なテキスト文字列を検索し、他のテキストに置換する手順は次のとおりです。
単純なテキスト文字列を検索および置換するには:
カタログ・マネージャで、オンライン・モードまたはオフライン・モードでカタログを開きます。
「ツール」メニューから「XML検索と置換」を選択します。
「旧テキスト」フィールドに、検索するテキスト文字列を入力します。
「置換文字列」フィールドに、置換後のテキストを入力します。
検索で大文字と小文字を区別しない場合は、「大文字/小文字の区別」ボックスを選択解除します。
「OK」をクリックします。
検索および置換する各テキスト文字列を識別するXMLファイルをインポートすることで、複数のカタログ・テキスト文字列に対してすべて同時に、より強力な検索および置換操作を実行できます。
検索および置換のXMLファイルでは、action要素を使用して検索および置換する各テキスト文字列を識別します。action要素は、commands要素に含まれています。
action要素の属性は次のとおりです。
command — 置換するテキストを指定します。有効な値は次のとおりです。
textReplace — 列名など、XMLファイルで一致するすべてのテキストを置換します。
oldValue - 検索するテキスト文字列を指定します。
検索および置換のXMLファイルでtextReplaceコマンドにこの属性を指定する場合は、一般的な文字列とは異なり、完全なJava regex構文を使用する必要があります。文字列を置換するには、次を実行する必要があります。
大カッコ、小カッコ、ドル記号およびカレットなどのJava regexの特殊文字をエスケープします。
バックスラッシュや引用符などの「一般的な」特殊文字をエスケープします。
XMLファイルを使用しているため、引用符やアンパサンドなどのHTMLの特殊文字をエスケープします。
完全なJava regex構文については、次のドキュメントを参照してください。
http://java.sun.com/j2se/1.5.0/docs/api/java/util/regex/Pattern.html
表17-2は、検索基準内のregex構文で使用するためのサンプル文字列を示しています。
表17-2 検索基準でのregex構文の使用方法
入力する検索文字列 | 結果 |
---|---|
a |
検索文字列の前後にワイルドカードを追加し(たとえば、*a*)、検索でaという文字を含む結果を返すことが可能になります。 |
^a |
検索文字列の後にワイルドカードを追加し(たとえば、a*)、検索でaという文字で始まる結果を返すことが可能になります。 |
a$ |
検索文字列の前にワイルドカードを追加し(たとえば、*a)、検索でaという文字で終わる結果を返すことが可能になります。 |
a\* |
アスタリスク(*)が後に続く文字を含む文字列(たとえば、a*)を明示的に検索します。 |
? |
疑問符(?)を文字とアスタリスク(*)とともに使用し、文字のゼロ(0)個以上の出現を返します。たとえば、?a*では、aという文字の0個以上の出現が返されます。 |
newValue - 置換テキストを指定します。
ignoreCase - trueに設定すると大文字と小文字が区別されず、falseに設定すると大文字と小文字が区別されます。デフォルト値はfalseです。
複数のカタログ・テキスト文字列をすべて一度に検索および置換する手順は、次のとおりです。
複数のテキスト文字列を検索および置換するには:
複数のテキスト文字列を検索および置換するためのXMLファイルを作成します。
詳細は、第17.8.2項「複数のカタログ・テキスト文字列の検索と置換について」を参照してください。
カタログ・マネージャで、オフライン・モードでカタログを開きます。
「ツール」メニューから「XML検索と置換」を選択します。
「ファイルからインポート」フィールドで、パスを入力するか、「参照」をクリックしてステップ1で作成したXMLファイルを指定します。
検索で大文字と小文字を区別するには、「大文字/小文字の区別」ボックスを選択します。
「OK」をクリックします。
レポートを作成して、すべてのカタログ・オブジェクト・タイプのカタログ・データを表示できます。レポートは画面上に表示することもファイルに保存することもできます。レポートを作成するとき、空白または空のフィールドはタブ文字としてエクスポートされます。デフォルトでタブをフィールド・セパレータとして使用するレポートを作成する場合、レポート・ファイル内では2つのタブ文字が空白フィールドを示します。
カタログ・データを表示するレポートを作成するには:
カタログ・マネージャでカタログを開きます。オブジェクトのOracle BIサーバーに送信されるSQL文を示すレポートを作成するには、オンライン・モードでカタログを開きます。
カタログの最上位フォルダを選択します。
「ツール」メニューから、「レポートの作成」を選択します。
レポートを作成するカタログ・オブジェクト・タイプを選択します。
レポートから同一の行を排除するには、「個別」ボックスを選択します。
「レポート内の列」リストでレポートに表示する列を指定します。左矢印および右矢印ボタン(<および>)を使用して、列を「使用可能な列」リストと「レポート内の列」リストの間で移動し、プラスおよびマイナス・ボタン(+および-)を使用してレポート内での列の表示順序を設定します。
「OK」をクリックします。
レポートに適切な列が含まれるようになるまでステップ4 - 7を繰り返します。
ファイルにレポートを保存するには、レポートの保存先フィールドにファイルのパス名を指定します。「参照」ボタンをクリックし、「名前を付けて保存」ダイアログを表示してパス名を選択します(ファイルが存在していない場合は、それが作成されます)。
Microsoft Excelにインポート可能な.tab拡張子付きのファイルの作成を指定するには、「Excel形式」を選択します。
Microsoft Officeの一部としてサポートされるExcelのバージョンの詳細は、システム要件および動作保証ドキュメントを参照してください。詳細は、第1.8項「システム要件と動作保証」を参照してください。
「OK」をクリックします。
次の例に示すように、レポートは様々な目的で生成できます。
分析を使用しているダッシュボードを確認するには、分析を含むダッシュボード・レポートを実行し、そのレポートで分析を探します。
リポジトリ表の変更済列の影響を受ける分析を確認するには、すべての列と計算式を含む分析レポートを実行し、そのレポートでCatalog Managerで置換する必要のある項目を探します。
すべてのダッシュボード・プロンプトおよびダッシュボード内の関連フィールド(列、式、サブジェクト領域など)が表示されるレポートを作成できます。また、分析のレポートを作成し、そのような分析で使用されているフィルタを抽出することもできます。要求される保存済フィルタを使用して式が導出される、フィルタ抽出の例を次に示します。
例: "Markets"."Region" [Filter, prompted]
オブジェクトのACLを表示するレポートを作成できます。レポートでACLを確認することにより、オブジェクトへのアクセス権が、読取り/書込みなどの適切な権限を備えた適切なロールに付与されていることを検証できます。次の行は、レポートのACLの例を示しています。
"^biconsumer=RX:*MyCatalogGroup=RWX:steve=F"。ここでカレット(^)はアプリケーション・ロールを、アスタリスク(*)は内部カタログ・グループを、「記号なし」はユーザーを示しています。
カタログ・マネージャでは、個別のカタログ・フォルダとカタログ全体のどちらでもアーカイブおよびアンアーカイブできます。この機能に関する重要な情報は、次のリストを参照してください。
個別のカタログ・フォルダをアーカイブする場合は、そのフォルダ内のすべてのオブジェクトとそのフォルダのサブフォルダが1つの圧縮済ファイルに保存されます。オブジェクトのプロパティおよび属性はそのアーカイブ・ファイルに含まれます。
個別のカタログ・フォルダをアンアーカイブする場合、そのアーカイブ・ファイルが展開され、そのフォルダ内のすべてのオブジェクトとそのフォルダのサブフォルダが現行のオフライン・カタログに格納されます。アンアーカイブされるフォルダと同じ名前を持つ既存のフォルダは、警告が表示されることなく上書きされます。
カタログ・マネージャ、またはプレゼンテーション・サービスの「カタログ」ページを使用してカタログ全体をアーカイブおよびアンアーカイブすることはお薦めしません。カタログ全体のアーカイブおよびアンアーカイブには、かわりに7-ZipユーティリティまたはUNIXシステム上では.tar.gzファイルを使用してください。
ルート・レベル(\)から開始して、カタログ全体をアーカイブすることはしないでください。アーカイブ時には、常に特定のフォルダ名を指定します。
カタログ全体のアーカイブおよびアンアーカイブには次のユーティリティを使用しないでください。
WinZip - WinZipユーティリティは、拡張UNIXファイル権限を適切に処理できないことがあります。異機種環境でWinZipユーティリティを使用してカタログを移動すると、カタログ・ファイルが破損することがあります。
FTP - サードパーティ製のFTPプログラムのなかには内部ファイルの名前を変更するものがあり、それによってカタログ・ファイルが破損することがあります。FTPプログラムを使用してカタログを移動する前に、7-Zipユーティリティを使用してカタログを1つのファイルに圧縮してください。
プレゼンテーション・サービスの「カタログ」ページを使用して、オブジェクトをアーカイブおよびアンアーカイブできます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』の「オブジェクトのアーカイブ」を参照してください。
カタログ・フォルダをアーカイブする手順は、次のとおりです。
指定したファイルにカタログ内の個別のカタログ・フォルダをアーカイブするには:
カタログ・マネージャで、オフライン・モードでカタログを開きます。
カタログ・フォルダを強調表示し、「ファイル」メニューから「アーカイブ」を選択します。
「アーカイブ・ファイル・パス」フィールドでフォルダのアーカイブ先のファイルのパス名を指定します。「参照」ボタンをクリックし、ダイアログを表示してパス名を選択します。
次のものをアーカイブできます。
アーカイブするオブジェクトおよびフォルダに割り当てられたタイムスタンプをアーカイブするには、「ファイルのタイム・スタンプの保持」オプションを選択します。
このオプションを選択しない場合、アーカイブ・プロセスにタイムスタンプ情報は含まれず、「設定」ダイアログの「貼付けによる上書き」エリアの「古い」オプションは無視されます。アンアーカイブするときに、オブジェクトまたはフォルダがアンアーカイブされた時刻を示すタイムスタンプがシステムによって適用されます。
詳細は、第17.6.2.2項「オブジェクトの貼付けの拡張オプション」を参照してください。
各オブジェクトまたはフォルダに割り当てられた権限をアーカイブするには、「権限の保持」オプションを選択します。
このオプションを選択しない場合、アーカイブ・プロセスに権限は含まれず、「設定」ダイアログの「ACLの貼付け」エリアのオプションは無視されます。アンアーカイブするときに、すべてのオブジェクトおよびフォルダに親フォルダの権限が、システムによって割り当てられます。
「OK」をクリックします。
アンアーカイブは貼付けに似ているため、第17.6.2.2項「オブジェクトの貼付けの拡張オプション」に記載されている権限とACLに関する問題を理解しておく必要があります。カタログ・フォルダをアンアーカイブする手順は次のとおりです。
カタログ・フォルダをアンアーカイブするには:
カタログ・マネージャで、オフライン・モードでカタログを開きます。
カタログ・フォルダをアンアーカイブするには、フォルダをアンアーカイブする場所にナビゲートします。
「ファイル」メニューから、「アンアーカイブ」を選択します。
「アーカイブ・ファイル・パス」フィールドに、アンアーカイブするカタログ・フォルダのパス名を指定します。「参照」ボタンをクリックし、ダイアログを表示してパス名を選択します。
「OK」をクリックします。
管理者として、検索エンジンを構成し、Oracle BIプレゼンテーション・カタログをクロールおよび索引付けできます。この構成により、コンテンツ・デザイナとユーザーは、オブジェクトおよび添付に対して全文カタログ検索を実行できるようになります。
この項には次のトピックが含まれます:
注意: 全文カタログ検索機能を使用すると、ほとんどのカタログ・オブジェクトおよび関連ドキュメントを検索できます。現在、全文カタログ検索機能の検索対象は、スコアカード自体および関連ドキュメントの名前であり、スコアカードの関連ドキュメントの内容は検索されません。 |
全文カタログ検索を使用するコンテンツ・デザイナおよびユーザーの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』のカタログ内のオブジェクトの検索に関する項を参照してください。
全文カタログ検索は、全文検索エンジンに類似した、Oracle BIプレゼンテーション・カタログ内のオブジェクトを検索するメカニズムを提供します。この全文検索は、次のリストの説明のように、プレゼンテーション・サービスが提供する基本的なカタログ検索よりも拡張したオプションを提供します。
基本カタログ検索 - ユーザーは、オブジェクトをそれに完全に一致した名前で検索でき、これは多くの製品の「検索」ダイアログを使用する場合に類似しています。
全文カタログ検索 - ユーザーは、名前、説明、作成者、オブジェクトが参照するデータ列の名前および値など様々な条件でオブジェクトを検索できます。ユーザーは、彼らがアクセスして開くことができるオブジェクトに対応した検索結果を取得します。
検索のタイプの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』のオブジェクトの検索方法に関する項を参照してください。
検索エンジンは、Oracle BIコンテンツ上で定義されたすべてのセキュリティを適用します。Oracle BIコンテンツのセキュリティは、オブジェクト・レベルで定義でき、Oracle BIサーバー上のフォルダ・レベルのセキュリティを介して適用でき、データ・レベルではデータを制約するために使用されるユーザー変数を介して実行時および問合せ時に適用できます。
さらに、オブジェクトの「プロパティ」ダイアログの「索引付けしない」設定で、オブジェクトが索引付け可能かどうかを選択できます。
セキュリティの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』を参照してください。
管理者として、全文カタログ検索の使用を構成する必要があります。このリリースでは、全文カタログ検索で次のエンジンが使用されます。これらのエンジンには、Oracle BIプレゼンテーション・カタログのクロールおよび索引付けの機能があります。エンジンによって作成される索引は、ユーザーが検索するオブジェクトを見つけるための全文カタログ検索によって使用されます。
Oracle Secure Enterprise Search — 次のものが必要な場合にこのエンジンを使用します。
カタログからの有用な検索結果。様々なソースにわたる問合せに対して、最も適切な項目を最初に表示します。
非常にセキュアなクロール、索引付けおよび検索。
管理とメンテナンスのしやすさ。
Oracle SESの詳細は、次の場所を参照してください。
http://www.oracle.com/us/products/database/secure-enterprise-search/overview/index.html
このエンジンの使用の詳細は、第17.12項「Oracle Secure Enterprise Searchでの検索の構成」を参照してください。
Oracle Endeca Server — 次のものが必要な場合にこのエンジンを使用します。
レコードだけでなく、カタログの属性の検索。
ガイド付きナビゲーションの結果から得られる利点。ガイド付きナビゲーションを使用すると、属性をクリックするたびに検索結果が狭まる(検索が絞り込まれる)ので、目的のレコードが見つかりやすくなります。
Oracle Endeca Serverの詳細は、次の場所を参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/middleware/endecaserver/overview/index.html
このエンジンの使用の詳細は、第17.13項「Oracle Endeca Serverでの検索の構成」を参照してください。
システムを構成して、Oracle Secure Enterprise Search (Oracle SES)を全文検索の検索エンジンとして使用できます。全文カタログ検索では、クローラを使用して、翻訳済テキストを含むカタログに索引付けできます。Oracle SESでは、その登録済ソースそれぞれが1つのロケールに制限されます。したがって、多言語に翻訳済のOracle BIプレゼンテーション・カタログを1つの言語でのみ索引付けできます。Oracle SESのユーザー・インタフェースは複数の言語をサポートしています。
次の項の説明に従って、Oracle SESでの全文カタログ検索の使用を構成する必要があります。
Oracle BIプレゼンテーション・カタログのクロールおよび索引付けのプロセスは、検索エンジンから開始されます。ただし、管理者権限を持つユーザーがOracle BI Presentation ServicesでBISystemアプリケーション・ロールに適切な権限を付与しないかぎり、カタログをクロールおよび索引付けすることはできません。
詳細は、第17.14.1項「検索のための権限の割当て」を参照してください。
全文カタログ検索を使用するために必要なファイルは、Oracle BI EEのインストール中に適切なディレクトリにコピーされます。サポートされている検索エンジンがインストールされておらず、Oracle BIプレゼンテーション・カタログで使用するために構成されていない場合、ユーザーは全文カタログ検索にアクセスできません。
このリリースのOracle BI Enterprise Editionで使用するOracle SESのバージョンの詳細は、第1.8項「システム要件および動作保証」を参照してください。Oracle SESは、Oracle BI EEのインストールの前または後に、同じまたは別のコンピュータにインストールできます。
Oracle SESの詳細は、Oracle Technology Networkから次のページを表示してください。
http://www.oracle.com/us/products/database/secure-enterprise-search/index.html
続行する前に、Oracle SESが自身のサイトにインストールされており、Oracle SES管理ツールのURLがわかっていることを確認します。この管理ツールを使用してOracle BIプレゼンテーション・カタログのクロールと索引付けを構成します。管理ツールにアクセスするには次の形式のURLを使用します。
http://host:port/search/admin/control/login.jsp
ここで、hostはOracle SESがインストールされているコンピュータであり、portは管理ツールのポートです。
Oracle BI EEをOracle Fusion Applicationの一部としてインストールした場合、この手順は適用されません。
Oracle SES管理ツールを使用して、全文カタログ検索のアイデンティティ管理を構成します。
全文カタログ検索のためのアイデンティティ管理を構成するには:
Oracle SES管理ツールにアクセスします。
次のような手順を使用して、「アイデンティティ管理設定」ページを表示します。
「グローバル設定」を選択し、「システム」セクションの「アイデンティティ管理設定」を選択します。
使用可能なアイデンティティ・プラグインのリストで、「Oracle Fusion」を選択し、「アクティブ化」をクリックします。
「アイデンティティ・プラグインのアクティブ化」タブで、次のように指定します。
認証用HTTPエンドポイント: 次の形式の全文カタログ検索セキュリティ・サービスのURL。
http://host:port/bisearch/crawler/SecurityService
ここで、hostはOracle Business Intelligenceがインストールされているコンピュータの名前であり、portはOracle Business Intelligenceの検索アプリケーションで使用されるポート番号です。
ユーザーID: クロールを実行する有効なOracle Business IntelligenceユーザーのID。
パスワード: ユーザーのパスワード。
「終了」をクリックします。
Oracle SES管理ツールを使用して、Oracle BIプレゼンテーション・カタログを、クロールおよび索引付けできるソースとして構成します。
全文カタログ検索のためのデータソースを構成するには:
Oracle SES管理ツールにアクセスします。
「ホーム」タブを選択し、「ソース」タブを選択します。
「ソース・タイプ」リストで「Oracle Fusion」を選択し、「作成」をクリックします。
「ソース構成」タブで、次のように指定します。
名前: データ・ソースの名前を入力します。
構成URL: 次の形式の全文カタログ検索の構成ファイルのURL。
http://host:port/bisearch/crawler/oracle.biee.search.BISearchableTreeObject/ConfigFeed?forceInitialCrawl=true
ここで、hostはOracle Business Intelligenceがインストールされているコンピュータの名前であり、portはOracle Business Intelligenceの検索アプリケーションで使用されるポート番号です。
認証タイプ: ユーザーの認証のタイプ。デフォルト値の「ネイティブ」を選択します。これにより、全文カタログ検索で認証を処理できるようになります。
ユーザーID: クロールを実行する有効なOracle Business IntelligenceユーザーのID。
パスワード: ユーザーのパスワード。
レルム: これは空白のままにします。
「スクラッチ・ディレクトリ」: Oracle SESが一時ファイルを格納できる既存の一時ディレクトリを指定します。
「次へ」をクリックします。
「認可」タブで次のように指定します。
認可: 「ソース別に制御されるACL」を選択します。
認可用HTTPエンドポイント: 次の形式の全文カタログ検索セキュリティ・サービスのURL。
http://host:port/bisearch/crawler/SecurityService
ここで、hostはOracle Business Intelligenceがインストールされているコンピュータの名前であり、portはOracle Business Intelligenceの検索アプリケーションで使用されるポート番号です。
ユーザーID: クロールを実行する有効なOracle Business IntelligenceユーザーのID。
パスワード: ユーザーのパスワード。
ビジネス・コンポーネント: oracle.biee.search.BISearchableTreeObjectを入力します。
表示URL接頭辞: 次の形式のOracle BI EEの検索機能のURL。
http://host:port/bisearch/urlbuilder/
ここで、hostは、Oracle BI Enterprise Editionがインストールされているコンピュータであり、portはそのポート番号です。
次のいずれかをクリックします。
スケジュールを自動的に起動するには、「作成」をクリックします。
次の手順で示すように、処理する追加のドキュメント(RTFドキュメントなど)を含めるなどカスタマイズを実行するには、作成とカスタマイズをクリックします。
「作成とカスタマイズ」をクリックした場合は、「ドキュメント」タブで、「RTFドキュメント」ドキュメント・タイプおよびその他の該当するタイプを、「処理される」ドキュメント・タイプ・リストに追加します。
「適用」をクリックします。
Oracle SES管理ツールでOracle BIプレゼンテーション・カタログのデータソースを作成すると、そのソースのクロールおよび索引付けのスケジュールが自動的に作成されます。そのスケジュールは管理ツールを使用して編集できます。クロールのタイプの詳細は、第17.14.2項「クロールおよびデータ・ロードについて」を参照してください。
増分クロールを実行するには、第17.14.3項「増分クロールまたはデータ・ロードの有効化」の説明に従ってレプリケーションを有効にする必要があります。
レプリケーションを有効化した後、次の形式のURLを使用してOracle SESで増分クロールを開始します。URLの最後にfalseを含めると増分クロールが実行され、最後にtrueを含めると完全クロールが実行されます。
http://host:port/bisearch/crawler/oracle.biee.search.BISearchableTreeObject/ConfigFeed?forceInitialCrawl=false
Oracle SESで検索を実行するには、第17.14.5項「検索のプロパティの手動による構成」の説明に従って、プロパティを手動で構成する必要があります。
全文カタログ検索で使用するSecure Socket Layer (SSL)を有効化するには:
『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』のコンポーネント間のSSL通信の構成に関する項の説明に従って、Oracle Business IntelligenceのSSLを有効にします。
『Oracle Secure Enterprise Search管理者ガイド』のOracle Secure Enterprise SearchのSSLおよびHTTPSサポートに関する項の説明に従って、Oracle SESでSSLを有効にします。
『Oracle Secure Enterprise Search管理者ガイド』のOracle Secure Enterprise SearchのSSLおよびHTTPSサポートに関する項の説明に従って、全文検索のセキュリティ・サービスのhttpsアドレスを使用するOracle SESアイデンティティを構成します。
第17.12.4項「ステップ 4: 全文カタログ検索のためのデータソースを作成する」の説明に従って、全文検索にhttpsアドレスを使用するデータソースを作成し、クロールを実行します。
Oracle SESを構成し、Oracle BIプレゼンテーション・カタログをクロールおよび索引付けするようにした場合、コンテンツ・デザイナおよびユーザーに、全文カタログ検索が使用可能になったことを通知できます。次の手順を使用して、コンテンツ・デザイナおよびエンド・ユーザーが全文検索を使用できるようにします。
Oracle BI EEをインストールすると、全文検索に関連するファイルがインストールされて構成されます。全文検索の結果をユーザーに表示するようにBI検索アプリケーションを構成するには、次の手順を使用する必要があります。
全文検索に対してBI検索アプリケーションを構成するには:
Fusion Middleware Controlコンソールを使用して、bisearchws_userというユーザーを作成します。
Fusion Middleware Controlで、「WebLogicドメイン」を選択し、bifoundation_domainを選択します。
「WebLogicドメイン」、「セキュリティ」および「資格証明」の順に選択します。
「資格証明」ページで、oracle.bi.system資格証明マップを選択し、「キーの作成」をクリックします。
「キーの作成」ダイアログで、bisearchws_userのユーザー名とパスワードを入力し、OKをクリックします。
「WebLogicドメイン」、「セキュリティ」および「システム・ポリシー」の順に選択します。
「システム・ポリシー」ページでポリシー・タイプを「コードベース」に変更し、「名前」リストで「が次を含む」を選択し、名前にbisearch
と入力して「検索」をクリックします。
返される行を選択し、「編集」をクリックします。
「システム権限の編集」ページで、「追加」をクリックします。
「権限の追加」ダイアログで、次を実行します。
「新しい権限の詳細を入力するにはここを選択します」を選択します。
「権限クラス」ボックスに、次を入力します。
oracle.security.jps.service.credstore.CredentialAccessPermission
「リソース名」ボックスに、次を入力します。
context=SYSTEM,mapName=oracle.bi.system,
keyName=bisearchws_user
「権限アクション」ボックスに、アスタリスク(*)を1つ入力します。
「OK」を2回クリックします。
BISearchConfig.propertiesファイルを次の値で更新します。
SES_AdminServiceURL = http://$SES_INSTANCE:$SES_PORT/search/ws/admin/SearchAdmin
SES_QueryServiceURL = http://$SES_INSTANCE:$SES_PORT /search/query/OracleSearch
SES_QueryProxyUserKey = bisearchws_user
ECSF_DataServiceURL = http://$BI_INSTANCE:$BI_PORT/bisearch/crawler
ECSF_SecurityServiceURL = http://$BI_INSTANCE:$BI_PORT /bisearch/crawler/SecurityService
ECSF_RedirectServiceURL = http://$BI_INSTANCE:$BI_PORT /bisearch/crawler
詳細は、第17.12.7項「ステップ7: 手動で全文カタログ検索のプロパティを構成する」を参照してください。
Oracle SESで、Oracle Business Intelligenceインスタンスをクロールするように構成したデータ・ソースを作成し、インスタンスをクロールします。
詳細は、第17.12.4項「ステップ4: 全文カタログ検索のためのデータソースを作成する」を参照してください。
前のステップで作成したデータ・ソースを使用して、Oracle Business Intelligence用の検索グループをOracle SESで作成します。
「検索を有効にするための構成ファイルの編集」を行う際は、変更する<SearchGroup>要素にこのグループ名を使用します。
第17.12.9.1.1項「検索を有効にするための構成ファイルの編集」の説明に従って、instanceconfig.xmlを編集します。
次の手順を使用して、Oracle SESでフェデレーテッド・ユーザーを作成します。
Oracle SES管理ツールにアクセスします。
「グローバル設定」タブを表示します。
「検索」セクションで、「フェデレーション・トラステッド・エンティティ」リンクをクリックします。
「フェデレーション・トラステッド・エンティティ」ページで、「エンティティ名」にbisearchws_user
を入力し、「認証にIDプラグインを使用」を選択して、「追加」をクリックします。
第4.3項「Oracle Business Intelligenceシステム・コンポーネントとJavaコンポーネントを起動および停止するためのFusion Middleware Controlの使用」の説明に従って、 Oracle Business Intelligenceを再起動します。
第17.14.4項「検索のための構成ファイルの編集」の説明に従って、Oracle BI EEの構成ファイル(instanceconfig.xml)を手動で編集して、適切な要素を含める必要があります。
システムを構成して、Oracle Endeca Serverを全文検索の検索エンジンとして使用できます。このリリースでは英語のみがサポートされ、Oracle Endeca ServerとOracle Business Intelligenceの間でSecure Socket Layer相互認証を使用する必要があります。Oracle Endeca Serverの完全なドキュメント・セットは次の場所で入手できます。
http://docs.oracle.com/cd/E35822_01/index.htm
Oracle Endeca Serverを全文検索の検索エンジンとして構成する際、プレゼンテーション・サービスの属性を使用できます。属性を使用して検索結果をフィルタ処理および参照することができます。属性の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』の全文カタログ検索から返される結果に関する項を参照してください。
このリリースのOracle BI Enterprise Editionで使用するOracle Endeca Serverのバージョンの詳細は、第1.8項「システム要件および動作保証」を参照してください。Oracle Endeca Serverは、全文カタログ検索でのクラスタ化構成では使用できません。
次の項の説明に従って、Oracle Endeca Serverでの全文カタログ検索の使用を構成する必要があります。
全文カタログ検索を構成する前に、Oracle Endeca Serverをインストールする必要があります。インストール手順は、次の場所にあるOracle Endeca Serverインストレーション・ガイドを参照してください。
http://docs.oracle.com/cd/E35822_01/server.740/es_install/toc.htm
Oracle Endeca Serverのインストール後、起動していることを確認します。この手順のその他のステップの実行中は、Oracle Endeca Serverが実行されている必要があります。Oracle Endeca Serverは、「スタート」メニュー(Windowsの場合)またはスクリプト(Linuxの場合)のいずれかから起動できます。Oracle Endeca Serverをスクリプトで起動するには、Endeca Serverのインストール・ルート・ディレクトリに移動し、そこからendeca-serverディレクトリに移動します。start.shスクリプトを実行します。
Oracle Endeca Serverの起動の詳細は、次の場所にある『Oracle Endeca Server管理者ガイド』を参照してください。
http://docs.oracle.com/cd/E35822_01/server.740/es_admin/toc.htm
Oracle Endeca ServerをOracle BIプレゼンテーション・カタログで使用する手順には、特定の権限の構成が含まれます。Oracle BIプレゼンテーション・カタログのデータ・ロードおよび索引付けは、検索エンジンから開始されます。ただし、管理者権限を持つユーザーがBISystemアプリケーション・ロールに適切な権限を付与しないかぎり、プロセスは実行できません。
データ・ロード操作の通知を受信するには、操作を実行するユーザーに、Oracle BIプレゼンテーション・サービス内で次の権限を付与する必要があります。
詳細は、第17.14.1項「検索のための権限の割当て」を参照してください。
Oracle BIプレゼンテーション・カタログからデータをロードする前に、データ・ストアを作成する必要があります。Endeca ServerのDgraphプロセスがデータを索引付けします。(データ・ストアのDgraphプロセスは、Oracle Endeca Serverのコンピュータ上でendeca-cmdコマンドを使用してデータ・ストアが起動されると、自動的に実行されます。)BISearchConfig.propertiesファイルのMDEXDataSourceNameプロパティでデータ・ストアの名前を指定します。
データ・ストアを作成するには:
Oracle Endeca Serverが実行されているコンピュータで、コマンド・ウィンドウを開き、endeca-cmdディレクトリに移動します。
endeca-cmdディレクトリには、Endeca Serverのコマンドを実行するためのendeca-cmdスクリプトが含まれています。コマンドを実行するには、コマンドライン・ウィンドウを使用して(たとえば、Windowsの場合「コマンド プロンプト」を開いて) endeca-cmdディレクトリに移動するか、/path/endeca-cmdを実行します。
次のコマンドを入力します。
endeca-cmd create-ds bisearch
このコマンドにより、「bisearch」というデータ・ストアが作成され、7770から始まる範囲のポート番号がデータ・ストアに自動的に割り当てられます。
または、たとえば次のようにコマンドを入力して、WSポート番号とバルク・ロード・ポート番号の両方を明示的に割り当てることができます。
endeca-cmd create-ds bisearch --ws-port 6060 --bulk-load-port 6061
バルク・ロード・ポートは、バルク・インジェスト・インタフェースを使用して、Oracle Endeca Serverへのデータ・ロードに使用されます。WSポートは、Oracle Endeca ServerへのWebサービス・リクエストの送信に使用されるポートで、Webサービス形式のインタフェースを備えています。全文カタログ検索では、Oracle Endeca ServerのWebサービスへのアクセスにポートを使用しません。かわりに、全文カタログ検索では、Oracle Endeca Serverが起動したものと同じポートを使用します。このポートのデフォルト値は7770です。ws-portは、コマンドから省略できます。指定されない場合、ポートにはOracle Endeca Serverで指定されたデフォルトの範囲で数字が割り当てられるためです。
コマンドの完了後、次のコマンドを入力して、データ・ストアのステータスを確認します。
endeca-cmd status-ds bisearch
次のような出力が表示されます。
WS Port: 6060 Bulk Load Port: 6061 Startup Timeout (s): 60 Shutdown Timeout (s): 60
検索の構成手順でこの後、バルク・ロード・ポート番号をBISearchConfig.propertiesファイルのMDEXBulkLoadPortプロパティで指定します。詳細は、第17.13.5項「ステップ5: 全文カタログ検索のプロパティの手動による構成」を参照してください。
データ・ストアの作成後、データ・ロードを実行して、Oracle Endeca Serverを使用するOracle BIプレゼンテーション・カタログの検索を有効にします。(Oracle SESでは、「クロール」は「データ・ロード」に相当します。)
エージェントを作成および実行することにより、完全および増分データ・ロードを実行します。データ・ロードを実行するエージェントは複数作成できますが、一度に実行できるのは、カタログのデータ・ロード1つのみです。エージェントのスケジュール・オプションを設定して、データ・ロードをいつ実行するかを指定します。エージェントの配信オプションを設定して、データ・ロードを開始したときと、正常に完了または失敗したときに電子メールを送信できます。データ・ロードの開始を示す電子メールには、その電子メールをロードの完了前に読んだ場合に、クリックしてロードを停止できるリンクが含まれています。ロードの完了を示す電子メールには、オブジェクトについての様々な統計が含まれています。
完全および増分データ・ロードの詳細は、第17.14.2項「クロールおよびデータ・ロードについて」を参照してください。増分データ・ロードは、第17.14.3項「増分クロールまたはデータ・ロードの有効化」の説明に従って、レプリケーションを有効化し、完全データ・ロードを実行する場合にのみ実行できます。
データ・ロードの進行中、次の詳細がOracle Business Intelligenceのログ・ファイルに格納されます。
取得および索引付けされたオブジェクト数などの統計
データ・ロードの失敗の原因となるものを含む、データ・ロード中に発生するエラー
データ・ロードの完了後、Oracle Endeca Serverのそのデータ・ストアのDgraphプロセスが、データ・ストアにロードされた索引付け済の結果に基づいて、ユーザーからの検索タイプ・リクエストの処理を開始します。DgraphプロセスはOracle Endeca Serverの内部プロセスで、Oracle Endeca Serverでデータ・ストアを起動すると実行されます。Dgraphプロセスはデータ・ストアに対して問合せを実行し、Oracle Endeca Serverのインタフェースを通じて、結果をエンド・ユーザーに返します。
データ・ロードのプロセスには、次の項で説明するように、デバイスの作成およびエージェントの作成が含まれます。
データ・ロードを実行する前に、ロードを実行するユーザーのために配信オプションおよびデバイスを構成する必要があります。
データ・ロードの電子メールのためのデバイスを作成するには:
プレゼンテーション・サービスに、データ・ロードを実行するユーザーとしてログインします。
グローバル・ヘッダーで、usernameとしてサインインをクリックし、「マイ・アカウント」を選択します。
「デバイス」セクションの「配信オプション」タブで、次の値を使用してデバイスを作成します。
Name = BISearch
Category = Email
Device Type = HTML Email
Address/Number = データ・ロードを実行するユーザーの電子メール・アドレス
「OK」をクリックします。
「高い優先度」の名前で配信プロファイルを作成し、BISearchデバイスの優先度で「高」を選択します。
「OK」を2回クリックします。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』の「マイ・アカウント」ダイアログに関する項を参照してください。
デバイスおよび電子メールの配信プロファイルの作成後、データ・ロードの実行用のエージェントを作成できます。
データ・ロード用のエージェントを作成するには:
プレゼンテーション・サービスに、データ・ロードを実行するユーザーとしてログインします。
ホームページで、「新規」、「エージェント」の順に選択します。
「エージェント」エディタの「一般」タブで、「優先度」を「高」に、「実行者」をデータ・ロードを実行する「指定されたユーザー」に設定します。
スケジュールが必要な場合は、「スケジュール」タブで、エージェントをいつ実行するかを指定します。
「受信者」タブで、データ・ロードを実行するユーザーおよび、エージェントの受信者としてデータ・ロードについて通知を受信する必要があるその他のユーザーを選択します。
「送信先」タブで、「ホーム・ページとダッシュボード」および「アクティブな配信プロファイル」を「デバイス」として選択します。
「アクション」タブで次の手順を実行します。
「新規アクションの追加」ボタンをクリックして、Webサービスを起動する「エージェント条件がTrueまたは条件が存在しない」セクションでアクションを作成します。
「Select Web Service Operation」ダイアログで、次の値を「WSDL URL」フィールドに次の値を入力します。BISearchMDEXServiceはSOAP Webサービスで、カタログのクロールと索引付け、およびOracle Endeca Serverの索引付け情報の格納を行います。
http://server-name:server-port/bisearch/BISearchMDEXService?wsdl
「開く」をクリックして、ディレクトリを含むウィンドウを表示します。
BISearchMDEXCrawler_WSServiceディレクトリをダブルクリックし、BISearchMDEXServiceディレクトリをダブルクリックし、Crawlというディレクトリを選択します。
「新規アクション」ダイアログで、次のパラメータ値を指定します。BISearchConfig.propertiesファイルでプロパティのデフォルト値を設定されている場合、そのプロパティの指定はオプションです。
crawl__excludePaths — オプションで、データがロードされないカタログのディレクトリを指定します。ディレクトリはセミコロン(;)で区切ります。この値は、BISearchConfig.propertiesファイルのExcludePathsプロパティの値より優先されます。
crawl_fullCrawl — 完全データ・ロードを実行するにはtrue、増分データ・ロードにはfalseを指定します。
crawl_ibotPath — エージェントが保存されるフルパス名を指定します。
crawl_includePaths — オプションで、データがロードされるカタログのディレクトリを指定します。ディレクトリはセミコロン(;)で区切ります。この値は、BISearchConfig.propertiesファイルのIncludePathsプロパティの値より優先されます。
crawl_initalizeDataStore — オプションで、完全クロールを実行する前にデータ・ストアを再初期化するかどうかを指定します。この再初期化では、Oracle Endeca Serverで使用される全文カタログ検索の構成は保持され、データ・ストアのすべての索引データが削除されます。
crawl_mdexDataStore — オプションで、全文カタログ検索の索引付けレコードを格納するOracle Endeca Serverのデータ・ストアの名前を指定します。この値は、BISearchConfig.propertiesファイルのMDEXDataStoreNameプロパティの値より優先されます。
crawl_startLocation — オプションで、すべてのデータ・ロードが開始されるノードを指定します。この値は、BISearchConfig.propertiesファイルのRootNodeプロパティの値より優先されます。
このリストのプロパティの詳細は、第17.14.5項「検索のプロパティの手動による構成」を参照してください。
「OK」をクリックします。
エージェントを保存します。
エージェントの作成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』のエージェントの作成に関する項を参照してください。
第17.14.5項「検索のプロパティの手動による構成」の説明に従って、Oracle Endeca Serverでの検索のプロパティを手動で構成する必要があります。
第17.14.4項「検索のための構成ファイルの編集」の説明に従って、Oracle BI EEの構成ファイル(instanceconfig.xml)を手動で編集して、適切な要素を含める必要があります。
Oracle Endeca Serverを全文検索の検索エンジンとして使用するには、Oracle Business IntelligenceでOracle Endeca ServerとSecure Socket Layer (SSL)を介して通信する必要があります。このタイプの通信には、SSL相互認証が必要となります。こうした認証を使用すると、Oracle Business IntelligenceのメソッドのみがOracle Endeca Serverと通信して、データをロードし、Oracle BIプレゼンテーション・カタログを検索できます。
全文カタログ検索で使用するSecure Socket Layer (SSL)を有効化するには:
『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』のコンポーネント間のSSL通信の構成に関する項の説明に従って、Oracle Business IntelligenceのSSLを有効にします。
次の場所にある『Oracle Endeca Server管理者ガイド』のSSL相互認証のためのDgraphの構成に関する項の説明に従って、Oracle Endeca ServerでSSLを有効にします。
http://docs.oracle.com/cd/E35822_01/server.740/es_admin/toc.htm
BISearchConfig.propertiesファイルでMDEXServerプロパティに、「http://」ではなく「https://」を使用する値を設定します。
詳細は、第17.14.5項「検索のプロパティの手動による構成」を参照してください。
Fusion Middleware Controlを使用して、BISearchアプリケーションを再起動します。
ユーザーが全文カタログ検索にアクセスできるようにするには、次の条件が満たされていることを確認します。
第17.14.4項「検索のための構成ファイルの編集」の説明に従って、instanceconfig.xmlファイルでBISearch要素が構成されていること
第17.14.5項「検索のプロパティの手動による構成」の説明に従って、BISearchConfig.propertiesファイルで、SearchEngineプロパティがデフォルトのMDEXに設定されていること
第17.12項および第17.13項では、Oracle BIプレゼンテーション・カタログをOracle SESおよびOracle Endeca Serverで検索するための構成の詳細を説明しました。構成タスクのほとんどは各検索エンジン独自のものですが、一部の詳細事項は共通です。次の各項では、共通の詳細について説明します。これらのタスクは、各検索エンジンで全文検索の構成のすべての手順を確認するまで実行しないでください。
構成手順の一部として、検索の権限を割り当てる必要があります。
カタログの検索に適切な権限を割り当てるには:
Oracle BI Enterprise Editionで管理者としてログインします。
グローバル・ヘッダーの「管理」をクリックします。
「管理」タブで、「権限の管理」をクリックします。
「SOAP」セクションで、BISystemロールが次の権限を付与されていることを確認します。
権限の割当ての詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』の「プレゼンテーション・サービスの権限の管理」を参照してください。
全文カタログ検索の構成手順の一部として、必要な2つのタイプのクロールまたはデータ・ロードについて理解する必要があります。用語「クロール」はOracle SESで、「データ・ロード」はOracle Endeca Serverで使用されます。
完全クロールまたはデータ・ロード: カタログ全体をクロールまたはデータ・ロードします。このタイプは、初めてカタログをクロールまたはデータ・ロードするときや、前回クロールまたはデータ・ロードしてから多数の変更があった場合に使用します。通常、完全クロールまたはデータ・ロードは、週末や休日など、大部分のユーザーがシステムにアクセスしていないときにスケジュールします。増分クロールまたはデータ・ロードを実行する前に、カタログでレプリケーションを有効にして、完全クロールまたはデータ・ロードを実行する必要があります。レプリケーションの有効化の詳細は、第17.12.6項「ステップ6: 全文カタログ検索の増分クロールを有効化する」を参照してください。
増分クロールまたはデータ・ロード: カタログ内の変更されたオブジェクトのみをクロール、データ・ロードまたは実際に索引付けします。変更されたオブジェクトとは、作成、編集または削除されたオブジェクトです。増分クロールまたはデータ・ロードは、カタログ・ツリー構造全体にアクセスおよび構築しますが、変更されたファイルにのみ再索引付けします。これにより、カタログ・ツリー全体に再索引付けすることなく検索索引をすばやく更新できます。
増分クロールまたはデータ・ロードは、第17.14.3項「増分クロールまたはデータ・ロードの有効化」の説明に従って、レプリケーションを有効化し、完全クロールまたはデータ・ロードを実行する場合にのみ実行できます。
カタログを完全にまたは増分してクロールまたはデータ・ロードした後は、オブジェクトに索引付けされ、ユーザーは全文カタログ検索の一部としてそれらを簡単に検索できるようになります。
デフォルトでは、カタログ内のすべてのオブジェクトは、クロールまたはデータ・ロード中に索引付けされるように設定されています。コンテンツ・デザイナは、オブジェクトの「プロパティ」ダイアログを使用して、そのオブジェクトの「索引付けしない」プロパティを設定できます。このプロパティを設定すると、そのオブジェクトはクロールまたはデータ・ロードされたり、索引付けされたりしなくなります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』のプロパティへのアクセスに関する項を参照してください。
増分クロールまたはデータ・ロードを行うには、最初に次の操作を実行する必要があります。
次の手順の説明に従い、instanceconfig.xmlファイルを編集して、Oracle BIプレゼンテーション・カタログのレプリケーションを有効化します。
カタログ上で完全クロールまたはデータ・ロードを実行します。
レプリケーションを有効化するには、instanceconfig.xmlファイル内のReplication要素をtrueに設定します。次の手順は、レプリケーションを有効化するための構成の詳細を示しています。
この手順を開始する前に、第3.4項「構成設定を更新するためのテキスト・エディタの使用」の情報を理解しておく必要があります。
レプリケーションの設定を手動で編集するには:
第3.6項「構成ファイルの格納場所」の説明に従って、instanceconfig.xmlファイルを編集するために開きます。
Replication要素を追加する必要がある「カタログ」セクションを見つけます。
Replication要素は、デフォルトではfalseに設定されています。これをtrueに設定しない場合は、最後の完全クロールまたはデータ・ロード以降のカタログの変更がわずかであるかどうかに関係なく、カタログの完全クロールまたはデータ・ロードのみが実行されます。
次の例に示すように、必要な要素とその祖先要素を追加します。
<Catalog> <Replication> <Enabled>true</Enabled> </Replication> </Catalog>
変更内容を保存し、ファイルを閉じます。
Oracle Business Intelligenceを再起動します。
全文検索の構成手順の一部として、次の手順の説明に従い、instanceconfig.xmlファイルを編集して適切な要素を指定する必要があります。要素には、Oracle SESやOracle Endeca Serverで共有されているものや、各エンジンで一意のものがあります。
この手順を開始する前に、第3.4項「構成設定を更新するためのテキスト・エディタの使用」の情報を理解しておく必要があります。
検索用に構成ファイルを手動で編集するには:
第3.6項「構成ファイルの格納場所」の説明に従って、instanceconfig.xmlファイルを開いて編集します。
表17-3に記載されている要素を追加する必要があるServerInstanceセクションを見つけます。
表17-3は、Oracle SESおよびOracle Endeca Serverの両方のエンジンを構成する要素について説明します。プロパティには、どちらのエンジンでも必要なもの、一方のエンジンのみで必要なものがあります。全文カタログ検索を構成する際は、使用しているエンジンに適用される、表17-3の要素のみを使用します。
2つのエンジンの詳細は、第17.11.3項「サポートされる検索エンジン」を参照してください。
次の例に示すように、必要な要素とその祖先要素を追加します。
<ServerInstance> <BISearch> <Enabled>true</Enabled> <BaseURL>http://mycomputer:1111</BaseURL> <ContextName>bisearch</ContextName> <TimeOutMilliSeconds>60000</TimeOutMilliSeconds> <SearchGroup>mygroup</SearchGroup> <UseFacetUI>true</UseFacetUI> </BISearch> <UI> <MaxSearchResultItemsToReturn>300</MaxSearchResultItemsToReturn> <UserPickerDialogMaxAccounts>300</UserPickerDialogMaxAccounts> </UI> </ServerInstance>
変更内容を保存し、ファイルを閉じます。
表17-3 検索を構成するための要素
要素 | 説明 | エンジン | デフォルト値 |
---|---|---|---|
BaseURL |
Oracle Business Intelligenceの基本のURLを次の形式で指定します。 http://computer_name:port SSLが有効な場合は、「https」を使用するURLを指定する必要があります。 |
両方 |
デフォルト値なし |
ContextName |
BI検索アプリケーションのコンテキスト名を指定します。これは常に「bisearch」にする必要があります。 |
両方 |
bisearch |
Enabled |
Oracle Business Intelligenceのインスタンスを有効にして、Oracle SESでクロールするか、Oracle Endeca Serverでデータ・ロードするかを指定します。 |
両方 |
false |
MaxSearchResultItemsToReturn |
全文カタログ検索で取得される検索結果の数を制限するこの設定の詳細は、第B.1項「プレゼンテーション・サービスに対する拡張構成の変更」を参照してください。Oracle SES管理ツールの「検索(問合せ構成)」セクションにある「グローバル設定」で、「最大結果数」に同じ値を設定します。 |
両方 |
300 |
UserPickerDialogMaxAccounts |
左ピッカーに表示するカタログ項目数を制御するこの設定の詳細は、第B.1項「プレゼンテーション・サービスに対する拡張構成の変更」を参照してください。 |
両方 |
300 |
SearchGroup |
Oracle SESで作成した検索グループの名前を指定します。第17.12.9.1項「全文検索に対するBI検索アプリケーションの構成」を参照してください。 この値はOracle Endeca Serverで使用されませんが、有効な名前を含める必要があります。 |
Oracle SES |
デフォルト値なし |
TimeOutMilliSeconds |
検索リクエストがタイムアウトになるまでの最長時間をミリ秒単位で指定します。プレゼンテーション・サービスが、指定されたミリ秒以内にBI検索アプリケーションからレスポンスを受信しない場合は、タイムアウト・メッセージが表示されます。最小値および最大値はありません。 |
両方 |
60000 |
UseFacetUI |
『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』の全文カタログ検索から返される結果に関する項の説明に従って、ファセット・ユーザー・インタフェースを使用するかどうかを指定します。 この値は、Oracle Endeca Serverのみで使用されます。Oracle SESではこの値をfalseに設定します。 |
Oracle Endeca Server |
true |
BISearchConfig.propertiesファイルを手動で編集することで、全文カタログ検索のプロパティを構成できます。全文カタログ検索のプロパティには、全文カタログ検索で使用するWebサービスのURLの指定が含まれているため、URLが変更された場合はこれらのプロパティを設定できます。
表17-4は、Oracle SESおよびOracle Endeca Serverの両方のエンジンの全文カタログ検索の構成プロパティについて説明しています。プロパティには、どちらのエンジンでも必要なもの、一方のエンジンのみで必要なものがあります。全文カタログ検索を構成する際は、使用しているエンジンに適用される、表17-4のオプションのみを使用します。2つのエンジンの詳細は、第17.11.3項「サポートされる検索エンジン」を参照してください。
表17-4は、BISearchConfig.propertiesファイルに含まれるプロパティについて説明しています。BISearchConfig.propertiesファイルは、Oracle BI EEのWebLogic Server上のORACLE_HOME\user_projects\domains\bifoundation_domain/config/fmwconfig/biinstances/coreapplicationディレクトリにインストールされています。
注意: SSLが有効な場合は、BIServerURL、BISearchServerURL、ECSF_DataServiceURL、ECSF_RedirectServiceURLおよびECSF_SecurityServiceURLの各プロパティに、「https」を使用するURLを指定する必要があります。 |
表17-4 全文カタログ検索の構成プロパティ
名前 | 説明 | エンジン | デフォルト値 |
---|---|---|---|
BIServerURL |
Oracle BIサーバーのURLを指定します。 |
両方 |
デフォルト値なし |
BISearchServerURL |
全文カタログ検索のサーブレットのURLを指定します。 |
両方 |
デフォルト値なし |
BIServerSSOURL |
Oracle BI EEのURLリクエストを処理するように構成されたOracle HTTP ServerインスタンスのSSO URLを指定します。 |
両方 |
デフォルト値なし |
CrawlingUserKey |
カタログのクロールに使用される資格証明の鍵を指定します。 この値を編集しないでください。 |
Oracle SES |
デフォルト値なし |
ECSF_DataServiceURL |
次の形式で、Oracle BI EEインスタンス内で全文検索のURLを指定します。 http://$OBIEE_INSTANCE:$OBIEE_PORT/bisearch/crawler ここで、$OBIEE_INSTANCEはOracle BI EEがインストールされているコンピュータの名前、$OBIEE_PORTはOracle BI EEインスタンスのポート番号です。 |
Oracle SES |
デフォルト値なし |
ECSF_RedirectServiceURL |
ECSF_DataServiceURLプロパティと同じURLを指定します。 |
Oracle SES |
デフォルト値なし |
ECSF_SecurityServiceURL |
次の形式で、Oracle BI EEインスタンス内で全文検索のセキュリティ・サービスのURLを指定します。 http://$OBIEE_INSTANCE:$OBIEE_PORT/bisearch/crawler/SecurityService |
Oracle SES |
デフォルト値なし |
ExcludePaths |
カタログのクロールまたはデータ・ロードしないディレクトリのリストを指定します。ディレクトリはセミコロン(;)で区切ります。 |
両方 |
"/system/*;/shared/*" |
IncludePaths |
カタログのクロールまたはデータ・ロードするディレクトリのリストを指定します。ディレクトリはセミコロン(;)で区切ります。 |
両方 |
"*" |
MDEXBulkLoadPort |
Oracle Endeca Serverのバルク・ロード・インタフェースでサーバーへのデータのロードに使用される、BulkLoadポートのポート番号を指定します。 |
Oracle Endeca Server |
デフォルト値なし |
MDEXDataStoreName |
全文カタログ検索の索引付けレコードを格納するOracle Endeca Serverのデータ・ストアの名前を指定します。このデータ・ストアは、第17.13.3項「ステップ3: 全文カタログ検索のためのデータ・ストアの作成」の手順を使用して作成する必要があります。 |
Oracle Endeca Server |
デフォルト値なし |
MDEXServer |
Oracle Endeca Serverが適切なプロトコルで実行しているコンピュータのホスト名またはIPアドレスを指定します。たとえば、通常のhttpでは、次のように指定します。 http://localhost.com SSLが有効な場合は、次のように指定します。 https://localhost.com |
Oracle Endeca Server |
デフォルト値なし |
MDEXTransactionMaxSize |
クロール中に各トランザクションで含まれる索引付けレコードの数を指定します。このプロパティを使用すると、索引付けレコードのトランザクションをOracle Endeca Serverに送信する頻度を制御できます。 |
Oracle Endeca Server |
25 |
MDEXWSPort |
Oracle Endeca Serverの内部Webサービスのポート番号を指定します。 |
Oracle Endeca Server |
7770 |
MemoryThresholdValue |
大量のデータにメモリー効率化メソッドをいつ使用するかの判断に使用する、メモリーのしきい値を指定します。 |
両方 |
100 |
RootNode |
すべてのクロールの開始点となるノードを指定します。 |
両方 |
"/" |
SearchEngine |
使用する検索エンジンを指定します。有効な値は、SES (Oracle SESの場合)またはMDEX (Oracle Endeca Serverの場合)です。 |
両方 |
MDEX |
SES_QueryProxyUserKey |
Oracle SESのWebサービスの使用時に、問合せプロキシ・ユーザーとして機能するユーザーのキーを指定します。このキーは、「全文検索に対するBI検索アプリケーションの構成」を実行する際に使用します。 |
Oracle SES |
デフォルト値なし |
SES_QueryServiceURL |
次の形式で、Oracle SESで問合せのWebサービス・エンドポイントのURLを指定します。 http://$SES_INSTANCE:$SES_PORT/search/query/OracleSearch ここで、$SES_INSTANCEはOracle SESがインストールされているコンピュータの名前、$SES_PORTはOracle SESインスタンスのポート番号です。 |
Oracle SES |
デフォルト値なし |
プレゼンテーション・サービスのインスタンス間で、選択したカタログ・フォルダのコンテンツをコピーおよびマージできます。レプリケーション構成は個別のタスクに分割できます。レプリケーション・タスクは、1つのサーバーから別のサーバーに、指定したカタログ・フォルダのカタログ・コンテンツを定期的にマージする手順です。2方向のレプリケーションが可能です。
レプリケーションが役に立つ一般的なシナリオは、プレゼンテーション・サービスの1つのインスタンスを使用して共有分析を準備して公開し、2つ以上の本番インスタンスを使用してユーザーをサポートするものです。このシナリオでは、Instance1のカタログを2つの本番インスタンスで共有し、各本番インスタンス上のカタログはもう一方の本番インスタンスと共有します。この共有を実行するには、プレゼンテーション・サービス・レプリケーション・エージェントの構成ファイルで次のレプリケーション・タスクを構成します。
/shared: Instance1からInstance2へ
/shared: Instance1からInstance3へ
/users: Instance2からInstance3へ
/users: Instance3からInstance2へ
プレゼンテーション・サービスのインスタンスがパブリッシャまたはサブスクライバとしてレプリケーションに参加している場合、レプリケートするようにマークされているカタログ・オブジェクトに行われた変更を追跡し、それらをレプリケーション・ログ・ファイルに内部的に保持します。プレゼンテーション・サービスのもう1つのインスタンスは、SOAPコールを行って、これらの変更をファイルにエクスポートするか、前に別のインスタンスからエクスポートされたファイルに記録されている変更をインポートしてリプレイするように要求できます。プレゼンテーション・サービス・レプリケーション・エージェントは、SOAPを使用して、プレゼンテーション・サービスのすべてのインスタンス上のレプリケーション関連のアクティビティを管理し、インポートおよびエクスポート操作を実行します。これらのSOAPコールの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionインテグレーターズ・ガイド』を参照してください。
レプリケーション・ログ・ファイルは、レプリケーションの対象となっているカタログ・オブジェクトに行われた変更を記録します。レプリケーション・ログ・ファイルには次の2つのタイプがあります。
変更ログ・ファイル - ローカルに行われたカタログ・オブジェクトに対する変更のレコードが含まれます。これらのファイルは、presentationcatalogpath/replication/changelogフォルダに格納されます。ここでpresentationcatalogpathは、カタログ・フォルダへのフルパスです。
再生ログ・ファイル - プレゼンテーション・サービスの他のインスタンスからリプレイされたカタログ・オブジェクトに対する変更のレコードが含まれます。これらのファイルは、presentationcatalogpath/replication/playbackフォルダに格納されます。
レプリケーション・ログ・ファイルは、定期的に削除するまで無期限にディスクに格納されます。レプリケーション操作を実行するときは、プレゼンテーション・サービスは、instanceconfig.xmlファイルのReadLogRecordsSinceHoursAgo要素によって指定された時間間隔でのみ、レプリケーション・ログ・ファイルを読み取ります。この要素の詳細は、第17.15.6項「レプリケーションのためのinstanceconfig.xmlファイルの編集」を参照してください。
レプリケーション・ログ・ファイルを、トラブルシューティングなどのために確認する場合、ログ・ファイルを手動で変更しないでください。
レプリケーション・ログ・ファイルには、様々なタイプのレコードが含まれており、各レコードは、カンマで区切られたいくつかのフィールドで構成されています。レプリケーション・ログ・ファイルの最も重要なタイプのレコードを表17-5に示します。
表17-5 レプリケーション・ログ・ファイルのレコードの説明
タイプ | いつ書き込まれるか | 目次 |
---|---|---|
ファイル・ヘッダー・レコード |
各ログ・ファイルの開始時 |
サイズ、タイプ、タイムスタンプ、バージョン、フラグ |
起動レコード |
プレゼンテーション・サービスが起動するたび |
サイズ、タイプ、タイムスタンプ |
変更前レコード |
Oracle BIプレゼンテーション・カタログ・オブジェクトが変更されようとしているとき |
サイズ、タイプ、タイムスタンプ、変更順序番号、変更タイプ |
変更後レコード |
カタログ操作が完了した直後 |
サイズ、タイプ、タイムスタンプ、変更順序番号、処理結果 |
ファイル終了レコード |
レプリケート・ログ・ファイルの最後のレコードとして |
サイズ、タイプ、タイムスタンプ、次のログ・ファイルの名前 |
次のリストで、レプリケーション・ログ・ファイルのいくつかのフィールドについて説明します。
サイズ: 16進数としてエンコードされたバイト単位のレコードのサイズ。
タイプ: 次のようなレコードのタイプ。
H: ファイル・ヘッダー・レコード
S: プレゼンテーション・サービス起動レコード
B: 変更前レコード
A: 変更後レコード
F: ファイル終了レコード
タイムスタンプ: レコードのタイムスタンプ。1970年1月1日の深夜(00:00:00)UTCからの秒数を表す16進数として書き込まれます。
変更順序番号: 対応する変更前レコードと変更後レコードで同一になる順序番号。
変更タイプ: 変更のタイプ。次のフラグの組合せを表す16進数として書き込まれます。
1: 挿入
2: 削除
4: 書込み
8: カタログ・オブジェクト情報の変更
16: 所有者の変更
32: セキュリティの変更
処理結果: 処理結果。次のいずれかです。
0: 失敗
1: 成功
Oracle BIプレゼンテーション・カタログのレプリケーションを有効化するには、次の項で説明する手順を実行します。
プレゼンテーション・サービス・レプリケーション・エージェントは、Oracle BIプレゼンテーション・カタログに対して行われた変更をコピーします。そのコピーはコンテンツ全体ではなく変更のみであるため、最初にプレゼンテーション・サービスのサブスクライブ・インスタンスそれぞれのソース・カタログのコピーを作成する必要があります。
レプリケーション・エージェントは、プレゼンテーション・サービスの両方のインスタンスにネットワーク・アクセスできるコンピュータであればどのコンピュータでも実行できます。このエージェントは、すべてのレプリケーション・タスクを処理し、コマンドライン・オプションを提供します。
レプリケーション・エージェント(ファイル名はsawrepaj)は、レプリケーションのためのコピー、エクスポート、インポートおよびマーキングなどの一般的なレプリケーション・タスクを実行するユーティリティです。
レプリケーション・エージェントは、プレゼンテーション・サービスのインスタンスおよびレプリケーション・タスクに関する情報を必要とします。この情報は、config.xmlファイルに格納されており、第17.15.5項「レプリケーションのためのconfig.xmlファイルの作成」に説明があります。
レプリケーション・エージェントのコマンドラインは、次の形式を使用します。
UNIXの場合:
sawrepaj.sh [/C path] command [command parameters]
sawrepaj.shファイルは
ORACLE_HOME\bifoundation\web\bin\sawrepajにあります。
Windowsの場合:
sawrepaj.bat [/C path] command [command parameters]
sawrepaj.batファイルは
ORACLE_HOME\bifoundation\web\bin\sawrepajにあります。
/Cの後に続くパスは、config.xmlファイルへのパスを指定します。コマンド・オプションについては、次に示す項で説明します。
プレゼンテーション・サービスを実行するすべてのコンピュータまたは指定したコンピュータ上でレプリケートされるカタログ・フォルダのリストで、指定されたカタログ・フォルダを追加または削除します。レプリケートするカタログ・フォルダのリストは、presentationcatalogpath/root/system/replicationディレクトリにある構成アイテムに格納されています。presentationcatalogpathは、Oracle BIプレゼンテーション・カタログ・ディレクトリへのフルパスです。
リストにカタログ・フォルダを追加しても、対応するカタログ・オブジェクトがただちにレプリケートされるわけではありません。単に将来の変更がレプリケーション・ログ・ファイルに記述され、後でレプリケートされます。
レプリケートするときにOracle BIプレゼンテーション・カタログが別のインスタンス上に存在する場合、レプリケートするカタログ・フォルダのリストが正しくないことがあります。レプリケートするカタログ・フォルダのリストをメンテナンスするには、markコマンドを使用します。
markコマンドの構文は次のとおりです。
sawrepaj [/C path] mark {all|servername} [/n] [catalogfolders]
all | servername: プレゼンテーション・サービスを実行しているコンピュータの名前またはすべてのコンピュータ(all)を指定します。ここでmarkコマンドを実行します。特定のサーバーを使用する場合は、指定する名前が、config.xmlファイル内の対応するサーバー要素の名前属性に一致している必要があります。
/n: 存在する場合は、そのカタログ・フォルダを、レプリケートするカタログ・フォルダのリストから削除することを示します。それ以外の場合は、そのフォルダが追加されます。
catalogfolders: レプリケートするカタログ・フォルダのリストに追加またはそれから削除するカタログ・フォルダのリスト。リスト内の各フォルダ名は空白で区切ります。Oracle BIプレゼンテーション・カタログ全体(すべてのフォルダと、システム権限、カタログ・グループ・メンバーシップなどの情報)を追加または削除するには、/を使用します。
フォルダを指定しない場合、markコマンドはconfig.xmlファイルに指定されたサーバーの各フォルダに対して実行されます。
次の行は、markのサンプル・コマンドを示しています。
sawrepaj /C MyOracleHome\bifoundation\web\bin\sawrepaj mark all /
ソース・コンピュータから指定したカタログ・フォルダのコンテンツをエクスポートし、それらを宛先コンピュータのフォルダにインポートします。
remotecopyコマンドの構文は次のとおりです。
sawrepaj [/C path] remotecopy sourceServer destinationServer catalogfolders
sourceServer: config.xmlファイルに指定されているとおりのソース・コンピュータの名前。
destinationServer: config.xmlファイルに指定されているとおりの宛先コンピュータの名前。
catalogfolders: リモートにコピーするカタログ・フォルダのリスト。リスト内の各フォルダ名は空白で区切ります。フォルダを指定しない場合は、remotecopyコマンドはconfig.xmlファイルで指定されたサーバーの各フォルダに対して実行されます。
次の行は、remotecopyのサンプル・コマンドを示しています。
sawrepaj /C MyOracleHome\bifoundation\web\bin\sawrepaj remotecopy Server1 Server2 users shared
config.xmlファイルで指定されており、かつ期限切れしていないすべてのレプリケーション・タスクを実行します。このコマンドにはランタイム・パラメータはありません。
runコマンドの構文は次のとおりです。
sawrepaj [/C path] run
次の行は、runのサンプル・コマンドを示しています。
sawrepaj /C MyOracleHome\bifoundation\web\bin\sawrepaj run
レプリケーション・エージェントの構成ファイルを作成し、プレゼンテーション・サービスのどのインスタンス上のどのフォルダをレプリケートするのかを指定する必要があります。構成ファイルは、ORACLE_HOME\bifoundation\web\bin\sawrepajディレクトリにあります。
次の項では、config.xmlファイルについて説明します。
手動による編集の詳細は、第3.4項「構成設定を更新するためのテキスト・エディタの使用」を参照してください。
レプリケーション・エージェントのconfig.xmlファイルの構造は次のとおりです。
<Config> <General> <ExportDirectory/> <LogExpiresHours/> <RetryAttempts/> </General> <Server> <Property/> </Server> <Folderset> <Folder/> </Folderset> <ReplicationTask/> </Config>
表17-6は、レプリケーション・エージェントのconfig.xmlファイルで設定できる要素を示しています。要素はデフォルトでは存在していないため、手動で入力する必要があります。
表17-6 config.xmlファイルのレプリケーション・エージェント構成要素
要素 | 説明 |
---|---|
Config |
構成ファイルのルート要素として機能します。 |
Config/General |
すべてのインスタンスおよびレプリケーション・タスクに適用可能な一般設定が含まれます。 |
General/ExportDirectory |
エクスポート・ファイルを配置する共有ディレクトリへのUNCパスが含まれます。プレゼンテーション・サービスのすべてのインスタンスから同じ名前を使用してアクセスできる必要があります。 さらに、プレゼンテーション・サービスのインスタンスを実行するために使用するユーザー・アカウントが、このディレクトリへの読取りおよび書込み権限を持っている必要があります。 |
General/LogExpiresHours |
プレゼンテーション・サービスのすべてのインスタンス上のレプリケーション・ログが期限切れする時間を時間単位(double値)で指定します。 この要素は、レプリケーションに参加しているプレゼンテーション・サービスのすべてのインスタンスの中で最も低いReadLogRecordsSinceHoursAgo要素の値に設定します。 ReadLogRecordsSinceHoursAgo要素の詳細は、第17.15.6項「レプリケーションのためのinstanceconfig.xmlファイルの編集」を参照してください。 |
General/RetryAttempts |
オブジェクトを変更する試みを再試行する回数を指定します。 (オブジェクトを変更する試みは、オブジェクトがロックされていた場合などに再試行されることがあります。) |
Config/Server |
プレゼンテーション・サービスの各コンピュータの接続情報を定義します。その属性は次のとおりです。
|
Config/Server/Property |
プレゼンテーション・サービス(SAWBridge)サーバーの接続パラメータとトラスポート・プロトコルを定義します。その属性は次のとおりです。 サーバー名と値を次のように定義します。 注意: ここで使用する設定は、トランスポート・プロトコルの値がHTTP(N)とソケットベースTCP(Y)のいずれを使用するように設定されているのかによって決定されます。
トランスポート・プロトコル名と値を次のように定義します。
|
Config/Folderset |
カタログ・フォルダのリストを定義します。その属性はnameのみであり、サーバーの論理IDまたはallに設定できます。 |
Folderset/Folder |
フォルダセットにフォルダを追加します。カタログ・フォルダへのフルパスを指定します。 |
Config/ReplicationTask |
レプリケーション・タスクを定義します。その属性は次のとおりです。
|
次に、config.xmlファイルの例を示します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!--
Oracle BI Presentation ServicesReplication Agent Configuration File -->
<!-- replicate entire catalog from host1 to host2 --><Config>
<General>
<ExportDirectory>\\host1\shared</ExportDirectory>
<LogExpiresHours>48</LogExpiresHours>
</General>
<Server name="1"
user="<admin1user>" pwd="<admin1password>">
<Property name= "oracle.bi.presentation.url"
value ="http://host1.com:<port>/analytics/saw.dll"/>
<Property name="oracle.bi.presentation.usesoaptcptransport" value="N"/>
</Server><Server name="2"
user="admin2user" pwd="admin2password">
<Property name="oracle.bi.presentation.sawservers"
value ="localhost:10712"/>
<Property name="oracle.bi.presentation.usesoaptcptransport" value="Y"/>
</Server>
<Folderset name="all"> <Folder>/</Folder> </Folderset> <ReplicationTask destination="2" source="1" folders="all" /> </Config>
レプリケートするカタログを含むプレゼンテーション・サービスのインスタンスごとにinstanceconfig.xmlファイルを次のように編集する必要があります。
レプリケーションを有効化します。デフォルトでは、プレゼンテーション・サービスのインスタンスに対してレプリケーション機能は無効化されています。
クラスタ化環境のレプリケーションを構成します。クラスタ化環境では、プレゼンテーション・サービスのいくつかのインスタンスが同じOracle BIプレゼンテーション・カタログを共有できます。レプリケーションを適切に機能させるには、次の操作が必要です。
同時実行性の問題を回避するために、プレゼンテーション・サービスの各インスタンスが、それ自体のログ・ファイルに書き込むようにします。
インポートおよびエクスポート操作中に、すべてのインスタンスによって行われた変更が取り込まれるようにします。
レプリケーション・ログ・ファイルに保持されるレコードの数を指定します。
レプリケーション操作のためにレプリケーション・ログ・ファイルが読み取られる時間間隔(時間単位)を指定します。
次の手順は、レプリケーションのために実行できる構成変更に関する情報を提供します。この手順を開始する前に、第3.4項「構成設定を更新するためのテキスト・エディタの使用」の情報に精通していることを確認してください。
カタログのレプリケーションの設定を手動で編集するには:
第3.6項「構成ファイルの格納場所」の説明に従って、instanceconfig.xmlファイルを編集するために開きます。
表17-7に記載されている要素を追加する必要があるセクションをみつけます。
例17-1に示すように、必要な要素とその祖先要素を追加します。
注意: 複数のCatalog要素を単一のinstanceconfig.xmlファイルに挿入しないでください。既存のCatalog要素を検索し、これがある場合は、その要素に、この例に示す要素を含めます。 |
変更内容を保存し、ファイルを閉じます。
プレゼンテーション・サービスを再起動します。
表17-7 カタログ・レプリケーションを構成するための要素
要素 | 説明 | デフォルト値 |
---|---|---|
Enabled |
プレゼンテーション・サービスのインスタンスが、パブリッシャまたはサブスクライバとして、レプリケーションに参加するかどうかを指定します。 |
false |
ReadLogRecordsSinceHoursAgo |
レプリケーション操作のためにレプリケーション・ログ・ファイルが読み取られる時間間隔(時間単位)を指定します。 |
168 |
RecordsInFileLimit |
レプリケーション・ログ・ファイルに保持されるレコードの数を指定します。 |
5000 |
IDsInCluster |
クラスタ内にあるプレゼンテーション・サービスのすべてのインスタンスをIDで識別します。各IDはカンマで区切ります。 この要素はクラスタ化環境では必須です。 |
デフォルト値なし |
MyInstanceID |
IDsInCluster要素に指定された、プレゼンテーション・サービスのこのインスタンスによって生成されるログ・ファイルの接尾辞に使用するIDを識別します。ログ・ファイルの名前は次のとおりです。
ファイル名の例は、表17-8を参照してください。 この要素はクラスタ化環境では必須です。 |
デフォルト値なし |
例17-1 複数サーバー上のレプリケーション用instanceconfig.xmlファイル
2つのサーバーでレプリケーションを有効にするとします。サーバー1のinstanceconfig.xmlファイルに、次の値を設定します。
<ServerInstance> <Catalog> <Replication> <Enabled>true</Enabled> <ReadLogRecordsSinceHoursAgo>120</ReadLogRecordsSinceHoursAgo> <RecordsInFileLimit>4000</RecordsInFileLimit> <Cluster> <IDsinCluster>ID_FOR_S1, ID_FOR_S2</IDsinCluster> <MyInstanceID>ID_FOR_S1</MyInstanceID> </Cluster> </Replication> </Catalog> </ServerInstance>
サーバー2のinstanceconfig.xmlファイルにも、1つを除いて同じ値を設定します。MyInstanceID要素にはID_FOR_S2の値を設定します。これは、このサーバーのプレゼンテーション・サービスのインスタンスによって生成されるログ・ファイルの接尾辞にID_FOR_S2を使用することを示します。
<MyInstanceID>ID_FOR_S2</MyInstanceID>
表17-8は、サーバー1およびサーバー2によって生成されるレプリケーション・ログ・ファイルの名前の例を示しています。他のサーバーによって生成されるレプリケーション情報を読み取るために、クラスタ内の各ノードは、他のサーバーのログ・ファイル名を認識している必要があります。
表17-8 サーバーごとのレプリケーション・ログ・ファイルの名前
ログ・ファイルの種類 | Server1 | Server2 |
---|---|---|
変更ログ |
sawchange_ID_FOR_S1_1.log sawchange_ID_FOR_S1_2.log sawchange_ID_FOR_S1_3.log sawchange_ID_FOR_S1_4.log |
sawchange_ID_FOR_S2_1.log sawchange_ID_FOR_S2_2.log sawchange_ID_FOR_S2_3.log sawchange_ID_FOR_S2_4.log |
再生ログ |
sawplayback_ID_FOR_S1_1.log sawplayback_ID_FOR_S1_2.log sawplayback_ID_FOR_S1_3.log sawplayback_ID_FOR_S1_4.log |
sawplayback_ID_FOR_S2_1.log sawplayback_ID_FOR_S2_2.log sawplayback_ID_FOR_S2_3.log sawplayback_ID_FOR_S2_4.log |
なんらかの理由で、プレゼンテーション・サービスの1つのインスタンスでレプリケーション・ログ・ファイルを使用できない場合は、そのインスタンスのサブスクライブ先のOracle BIプレゼンテーション・カタログ・フォルダをコピーすることでレプリケーションを再開できます。ただし、この方法では、他のインスタンスにレプリケートされなかったカタログ・コンテンツが失われます。次の方法を使用すると、すべてのカタログ・コンテンツが保持されます。
注意: instanceconfig.xmlファイルのReadLogRecordsSinceHoursAgo要素で指定されている時間間隔を超えてプレゼンテーション・サービスがオフラインであった後にレプリケーションを再開する必要がある場合は、オフライン期間中のログ・ファイルがレプリケートされるようにReadLogRecordsSinceHoursAgoの値を調整できます。その後で、ReadLogRecordsSinceHoursAgoを元の設定に戻します。 |
レプリケーション・ログ・ファイルを使用できない場合にレプリケーションを再開するには:
カタログ・マネージャを使用して、presentationcatalogpath/replication/changelogおよびpresentationcatalogpath/replication/playbackフォルダ内のすべてのレプリケーション・ログを消去します。presentationcatalogpathはOracle BIプレゼンテーション・カタログ・フォルダへのフルパスです。
カタログ・マネージャの詳細は、第11章「外部システムへの接続の構成」を参照してください。
instanceconfig.xmlファイルのUseReplication要素をfalseに設定します。
詳細は、第17.15.6項「レプリケーションのためのinstanceconfig.xmlファイルの編集」を参照してください。
プレゼンテーション・サービスのインスタンスを起動します。
他のインスタンスからレプリケートされたフォルダを削除するかフォルダの名前を変更し、sawrepaj remotecopyコマンドを使用して他のインスタンスからコピーします。
instanceconfig.xmlのUseReplication要素をtrueに設定します。
プレゼンテーション・サービスのインスタンスを再起動します。
プレゼンテーション・サービスのインスタンスに対してsawrepaj markコマンドを使用してレプリケートするフォルダのリストをリストアします。
構成ファイルを編集し、プレゼンテーション・サービスのインスタンスをインポートまたはエクスポートの対象としているすべてのReplicationTask要素からlastPerformed属性を削除することにより、レプリケーション・タスクを再び有効にします。