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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B63031-05
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11 KPIとKPI監視リストの使用

この章では、キー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)およびKPIウォッチリストをOracle Business Intelligence Enterprise Editionで使用する方法を説明します。また、KPIの評価、ディメンション、固定されたディメンション値およびターゲット設定についても説明します。

この章の内容は次のとおりです。

KPIとは

KPIは、モニタリング、改善および評価が必要な、より大きい組織の戦略へとつながる特定のビジネスのゴールや目標を定義および追跡する計量法です。KPIは、通常時間とともに変わる計量可能な値で、スコアとパフォーマンス・ステータスを決定するためのターゲットを持ちます。詳細な分析を可能にするディメンションが含まれ、トレンド用およびパフォーマンス・パターンの特定のために経時的な比較を行えます。

次のリストで、Oracle BI EEでのKPIの特定の使用法について確認してください。

KPIの評価方法

KPIのステータスとスコアは、実際の値と定義されたしきい値との比較によって決まります。KPIのパフォーマンス・ステータスは、各範囲に割り当てられたステータス・アイコンで示されます。

たとえば、製品の売上KPI(値が大きい方が望ましい)の場合、表11-1に示す範囲を定義します。しきい値は、範囲の区切りとなる数値です。

表11-1 評価例

評価範囲ルール しきい値 名前 ステータス・アイコン

125を超える(125 < x)値は、パフォーマンスが申し分ないことを表します

126以上

青の四角

100から125まで(100 < x <= 125)の値は、パフォーマンスがよいことを表します

125

緑の四角

80から100まで(80 < x <= 100)の値は、パフォーマンスがまずまずであることを表します

100

黄色の四角

50から80まで(50 < x < = 80)の値は、パフォーマンスが悪いという警告を表します

80

警告

明るい赤色の四角

50より小さい(x <= 50)値は、パフォーマンスがクリティカルなことを表します

50以下

クリティカル

濃い赤色の四角


KPIの使用方法

KPIはKPIエディタを使用して作成され、KPIエディタはスタンドアロンのエディタとしても、「スコアカード」エディタ内からもアクセスできます。KPIを作成して保存した後、次の方法でKPIを使用できます。

ディメンションおよび固定されたディメンション値とは


注意:

複数値ディメンション固定はOracle BI EE 11.1.1.7.10およびそれ以降のバージョンには適用されますが、それより前のバージョンでは使用できない場合があります。Oracle BI EE 11.1.1.7.10の詳細は、11.1.1.7.10の新機能を参照してください。


ディメンションはデータの分類で、分類には、ビジネス・アナリストのデータの分析方法が反映されます。アナリストが、ある単位で、あるいはあるものと比較して数値を表示する場合、データのディメンションを指定します。一般的なディメンションは、地理、製品、顧客および時間です。

KPIの場合、サブジェクト・エリアから属性列をディメンションとして選択できます。KPIを設計する際、1つ以上のディメンションに1つ以上のデータ値を固定する(Region = Centralなど)か、KPIのウォッチリストまたはスコアカードへの追加時やウォッチリストまたはスコアカードのダッシュボードへの追加時に、すべてまたは一部のディメンション値を固定するよう指定できます。設計者によって値が固定されると、ユーザーは値を変更できません。

あらかじめ固定された値を持たないKPIをウォッチリストに追加する場合、設計者は1つ以上の値を固定したり、セッション変数、リポジトリ変数またはグローバル変数を指定してディメンション値を設定できます。設計者がディメンションに値または変数を固定しない場合、KPIのユーザーは実行時に、KPIウォッチリストまたはKPIを含むスコアカードの視点領域、ダッシュボードの変数プロンプトまたはダッシュボードの列プロンプトから1つ以上の値を選択できます。


注意:

KPIウォッチリストまたはKPIを含むスコアカード・オブジェクトがプロンプト付きでダッシュボードに追加され、KPI定義の特定のプロンプトのディメンションでKPIにディメンションが設定されていない場合は、そのプロンプトが無視されます。さらに、KPIがその定義の特定のディメンション値に固定されている場合は、そのディメンションのプロンプトが無視されます。KPIウォッチリストまたはKPIを含むスコアカード・オブジェクトをプロンプトを含むダッシュボードに追加する際には、ダッシュボードまたはダッシュボード・ページへのダッシュボード・プロンプトの追加および「ダッシュボードのプロパティ」ダイアログを参照してください。


ディメンションを含むKPIが分析に出力される場合、ディメンションは列およびドリルとして表示されます。ディメンション値が固定されている場合、分析は、固定された値によって決定されるデータに限定されます。ディメンションに複数の値が固定されている場合、固定された値ごとに行が表示されます。


ベスト・プラクティス:

KPIには複数のディメンションを定義しますが、KPI定義自体の中でディメンションを固定しないでください。これによって、ユーザーはKPIを再利用して、スコアカードの戦略ツリー、ウォッチリストまたはダッシュボード・プロンプト内に固定できます。たとえば、ディメンションを固定する非常に特殊なKPI (北米の地域など)を作成する場合、そのKPIの使用は制限される可能性があります。ディメンションを固定しないでおいた場合は、ユーザーが固定する領域を決定します。このKPIの使用を使用すると柔軟性と再利用性が向上するため、非常に特殊なKPIの作成および管理が不要になります。


KPIの権限と許可について

KPIおよびKPIウォッチリストの作成時に特定のタスクを実行できるかどうかは、権限によって制御されています。プレゼンテーション・サービスの権限の詳細は、スコアカードの権限と許可についてを参照してください。

KPIの作成方法

コンテンツ設計者がKPIの作成に使用できる5つのページがあります。図11-1およびKPIの作成に、これらのページを示します。

図11-1 KPIを作成するための一般的なプロセス・フロー

この図については周囲のテキストで説明しています。

「KPI」エディタ: 一般プロパティ・ページおよび「KPI」エディタ: ディメンション・ページに入力する必要があります。

ページ間をナビゲートするには、「次」および「戻る」ボタンを選択するか、ナビゲーション・トレインに従ってページ名をクリックします。図11-2に、ナビゲーション・トレインを示します。

図11-2 ナビゲーション・トレイン

この図については周囲のテキストで説明しています。

KPIの作成

KPIを作成するには、次の手順に従います。KPIは、グローバル・ヘッダー、ホーム・ページ、またはスコアカードから作成できます。KPIを編集用に開く方法の詳細は、KPIの編集を参照してください。

KPIを作成するには:

  1. KPIを作成するには、次のいずれかを実行します。

    • グローバル・ヘッダーで、「新規」をクリックし、「KPI」を選択します。「サブジェクト・エリアの選択」ダイアログから、KPIのサブジェクト・エリアを選択します。「KPI」エディタが表示されます。

    • スコアカードから「スコアカードのドキュメント」ペインに移動し、「オブジェクトの作成」ツールバー・ボタンをクリックします。または「カタログ」ペインで、「新規オブジェクト」ツールバー・ボタンをクリックします。「KPI」を選択し、「サブジェクト・エリアの選択」ダイアログからKPIのサブジェクト・エリアを選択します。「KPI」エディタが表示されます。

  2. 「KPI」エディタ: 一般プロパティ・ページで、ビジネス所有者、実際の値およびターゲット値を指定し、値を書込み可能にするかどうかを指定して、データ書式を定義し、パフォーマンス・パターンを特定するためにトレンドを有効にするかどうかを指定します。トレンドを使用すると、スコアカードに履歴トレンド・チャートが自動的に表示されるため、トレンドを有効にすることをお薦めします。図11-3に、Revenue KPIの「KPI」エディタ: 一般プロパティ・ページの例を示します。

    図11-3 「KPI」エディタ - 一般プロパティ・ページ

    この図については周囲のテキストで説明しています。

    注意:

    トレンドを有効にする場合は、「KPI」エディタ: ディメンション・ページに時間ディメンションも含める必要があります。「前のものと比較」オプションから時間ディメンションを選択した場合は、「KPI」エディタ: ディメンション・ページに同じ時間ディメンションを追加する必要があります。「前のものと比較」オプションから時間階層レベルを選択した場合は、その階層レベルが属する階層を「KPI」エディタ: ディメンション・ページに追加する必要があります。

    スコアカードでKPIを使用する場合、ビジネス所有者を割り当てる必要があります。ビジネス所有者を割り当てずにKPIステータスをオーバーライドすることはできません。詳細は、ステータスのオーバーライドの操作を参照してください。


  3. 「KPI」エディタ: ディメンション・ページで、KPIの実際の値とターゲット値の集計に使用するディメンション(地域ごとの売上や会計四半期ごとの売上など)を選択し、ディメンションを固定するかどうかを決定します。大抵のKPIには時間ディメンションを含める必要があることに注意してください。例外は、保有在庫や電話サポートの現在の待ち時間などの現在のスナップショットとして定義される定数やメトリックなどです。図11-4に、「KPI」エディタ: ディメンション・ページの例を示します。この例では、"Cust Regions"."C50 Region"ディメンションがAMERICASに固定されています。

    図11-4 「KPI」エディタ: ディメンション・ページ

    この図については周囲のテキストで説明しています。
  4. 「KPI」エディタ: 状態ページで、KPI値に基づいた望ましい目標(値が高い方が望ましい、など)を指定し、パフォーマンス・ステータスおよびスコアを判断するためにKPI値を評価する範囲を定義して、パフォーマンス・レベルとアクションを関連付け、KPIにデータが返されなかった場合の処理方法を指定して、しきい値をターゲット値のパーセントとして関連付けます。図11-5に、「KPI」エディタ: 状態ページの例を示します。

    図11-5 「KPI」エディタ: 状態ページ

    この図については周囲のテキストで説明しています。
  5. 「KPI」エディタ: 関連ドキュメント・ページで、外部リンクまたはビジネス・インテリジェンス・オブジェクトをKPIに追加します。図11-6に、「KPI」エディタ: 関連ドキュメント・ページの例を示します。

    図11-6 「KPI」エディタ: 関連ドキュメント・ページ

    この図については周囲のテキストで説明しています。
  6. 「KPI」エディタ: カスタム属性ページで、カスタム列を5つまで含めます。各カスタム列は数値に評価される必要があります。実績、ターゲット、差分および変更式とは異なる関連の計算を表示したい場合に、カスタム列を使用すると便利です。たとえば、一致する期間の売上KPIの横に表示される前年売上のカスタム列を追加できます。図11-7に、「KPI」エディタ: カスタム属性ページの例を示します。

    図11-7 「KPI」エディタ: カスタム属性ページ

    この図については周囲のテキストで説明しています。
  7. KPIを保存します。

    次の項目に注意してください。

KPIの編集

保存済KPIをオープンおよび編集する手順は、次のとおりです。KPIはカタログに格納されていますが、KPIウォッチリスト、スコアカードおよびダッシュボードに追加できます。KPIを編集して保存すると、KPIの表示箇所に変更が伝播されます。

カタログからのKPIの編集

次の手順を使用して、カタログからKPIを編集します。

カタログからKPIを編集するには:

  1. グローバル・ヘッダーで、「カタログ」をクリックします。カタログ・ページが表示されます。

  2. 編集するKPIにナビゲートして、オブジェクトの「編集」リンクをクリックします。「KPI」エディタが表示されます。

  3. 必要な変更を行います。

  4. KPIを保存します。

KPIウォッチリストからのKPIの編集

次の手順を使用して、KPIウォッチリストからKPIを編集します。

KPIウォッチリストからKPIを編集するには:

  1. KPI監視リストで、オープンするKPIを右クリックします。

  2. 「KPI定義を開く」を選択します。「KPI」エディタが表示されます。

  3. 必要な変更を行います。

  4. KPIを保存します。

ターゲット設定とは

ターゲット設定では、適切な権限とセキュリティ設定を備えたユーザーがKPIの実際の値やターゲット値を変更できます。一度変更すると、値はリポジトリに送信されて格納されます。次に、Oracle BI EEでは、これらの変更された値を使用して、集計値の再計算、キャッシュのリフレッシュ、およびKPIウォッチリストまたはKPIの追加先スコアカードのリフレッシュが実行されます。ターゲット設定は、現在、Essbase データ・ソースにのみ使用できます。詳細は、スコアカードの権限と許可についてを参照してください。

KPIのターゲット設定を設定するための前提条件

コンテンツ設計者がターゲット設定を備えたKPIを作成するには、管理者が、次の前提条件タスクを実行しておく必要があります:

  • ターゲット設定のリポジトリの構成 - Oracle BI EEのリポジトリ管理者は、Oracle BIリポジトリの物理層、ビジネス・モデルとマッピング層およびプレゼンテーション層にOracle Essbaseデータ・ソースをマッピングして、ターゲット設定機能を有効にする必要があります。次に、管理者は論理列の「書込み可能」オプションを選択してから、対応するプレゼンテーション列の「読取り/書込み」権限を有効にして、ターゲット設定を有効にするリポジトリ内の列のライト・バックを有効にする必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド』を参照してください。

  • 計算スクリプトの作成 - Oracle BI EEのリポジトリ管理者は、Oracle Essbaseを使用して、データ・ソースの計算スクリプトを作成します。計算スクリプトを作成すると、Oracle BI EEの「KPI」エディタ: 一般プロパティ・ページにある「更新後ビジネス・ルール」リストに計算スクリプトが表示されるようになります。計算スクリプトは、設計時にコンテンツ設計者が選択します。実行時には、指定した計算スクリプトがOracle BI EEで使用されて、KPIの実際の値とターゲット値をユーザーが変更して保存した後にデータが再計算されます。

    詳細は、Oracle Essbaseデータベース管理者ガイドのブロック・ストレージ・データベース用の計算スクリプトの作成に関する項を参照してください。

  • ユーザー権限の割当て - KPIの実際の値とターゲット値をユーザーが変更できるようにするには、Oracle BI EEのシステム管理者が特定の権限をユーザーに割り当てる必要があります。プレゼンテーション・サービスの権限の詳細は、スコアカードの権限と許可についてを参照してください。

KPIのターゲット設定の設定に関する概要

ユーザーが実行時に更新できる実際の値とターゲット値が指定されたKPIを作成するために、コンテンツ設計者が実行する必要がある手順がいくつかあります。図11-8に、プロセスで必要な各ステップを示します。各ステップの詳細は、ターゲット設定タスク・フローのステップの説明を参照してください。「KPI」エディタを使用してターゲット設定を備えたKPIを作成する手順の詳細は、KPIの作成を参照してください。

図11-8 コンテンツ設計者用のターゲット設定タスク・フロー

この図については周囲のテキストで説明しています。

ターゲット設定タスク・フローのステップの説明

次のリストで、KPIのターゲット設定を設定するために実行する必要がある各ステップを説明します。

  • KPIに対する実際の値とターゲット値の追加 - 「KPI」エディタ: 一般プロパティ・ページで、「実際の値」および「ターゲット値」フィールドを使用して、KPIのステータスとスコアを決定するために使用する値を指定します。現在は、Essbaseデータ・ソースごとに1つのKPIのみを作成できます。

  • 実際の値とターゲット値をユーザーが更新できるようにメジャーを書込み可能としてマーク - 「KPI」エディタ: 一般プロパティ・ページで、「書込み可能」チェック・ボックスを使用して、どの値をユーザーが変更できるようにするかを指定します。1つまたは両方の値を書込み可能として選択できます。

  • ビジネス・ルールの選択 - 「KPI」エディタ: 一般プロパティ・ページで、「更新後ビジネス・ルール」リストを使用して、計算スクリプトを指定します。計算スクリプトがOracle BI EEで使用されて、ユーザーが値を変更した後にデータが再計算されます。リポジトリ管理者はOracle Essbaseを使用して、設計時に表示されるデータ・ソースおよび計算スクリプトを作成します。計算スクリプトの詳細は、KPIのターゲット設定を設定するための前提条件を参照してください。

ターゲット設定とのユーザー相互作用

コンテンツ設計者は、ターゲット設定が有効なKPIを、KPIウォッチリスト、目的およびイニシアティブなどのウォッチリストに含めることができます。詳細は、ウォッチリストの理解を参照してください。

正しい権限が付与されているユーザーは、書込み可能な実際の値やターゲット値を実行時に変更および保存できます。ユーザーが値を入力および保存すると、Oracle BI EEでは、リポジトリへの値の送信、集計値の再計算、およびウォッチリストのリフレッシュが実行されます。プレゼンテーション・サービスの権限の詳細は、スコアカードの権限と許可についてを参照してください。

図11-9に、ターゲット設定を備えたKPIが含まれているスコアカード目標を示します。実際とターゲットの設定フィールドがボックスで囲まれ、ユーザーが設定を変更できることを示していることに注意してください。

図11-9 ターゲット設定を備えたKPIが含まれているスコアカード目標の例

この図については周囲のテキストで説明しています。

KPIからの分析の生成

次の手順を使用して、分析をKPIから生成します。分析は、組織のデータに対する問合せで、ビジネスに関する質問(特定の飲料の地域の年間売上はいくらかなど)の解答を得ることができます。分析の詳細は、第2章 分析の作成を参照してください。

分析は、KPI監視リスト、スコアカードまたはダッシュボード内のスコアカード図ビューに含まれたKPIから生成できます。分析を生成すると、カタログのDrillsフォルダ(/My Folders/Drills)に格納されます。My Folders/Drillsフォルダは一時的な格納用に使用されるため、セッションの終了後、分析が残っていない可能性があることに注意してください。分析を保持するには、別のディレクトリにコピーします。たとえば、共有ダッシュボードで使用する分析を保持するには、/Shared Foldersのフォルダにコピーします。

分析の生成後、分析はダッシュボードに配置したり、分析としてカタログから開いたり、関連ドキュメントとしてスコアカード、KPI監視リストまたはKPIにアタッチできます。ユーザーが分析を開くたびに、データはリフレッシュされます。


注意:

KPIディメンションに複数の値が固定されている場合は、各値が個別の行として分析に表示されます。


監視リストのKPIから分析を生成する手順:

  1. KPI監視リストを含むカタログ、スコアカードまたはダッシュボードからKPI監視リストを特定し、開きます。

  2. 「パフォーマンス」タブに移動し、「KPIウォッチリスト」表内で、分析に出力するKPIを含む列を選択します。

  3. 「オブジェクト」をクリックし、「分析」を選択します。新規ブラウザ・タブが開き、分析が表示されます。Oracle BI EEによって、分析がカタログのDrillsフォルダ(/My Folders/Drills)に保存されます。

スコアカードのKPIから分析を出力する手順:

  1. スコアカードの戦略ツリー、イニシアティブ・ツリー、「スコアカードのドキュメント」ペインまたは「カタログ」ペインを展開し、KPIを選択します。

  2. KPIを右クリックし、「分析」を選択します。新規ブラウザ・タブが開き、分析が表示されます。Oracle BI EEによって、分析がカタログに保存されます。

KPIからのエージェントの作成

次の手順を使用し、「エージェントの作成」オプションを使用してKPIからエージェントを作成します。このオプションは、「カタログ」ペイン「詳細」リストおよび「スコアカード」エディタの「カタログ」ペイン「新規オブジェクト」リストにあります。この方法でエージェントを作成する場合、Oracle BI EEでは次の操作が実行されます。

エージェントの詳細は、第8章 コンテンツの配信を参照してください。

KPIからエージェントを作成する手順:

  1. 次のいずれかの方法を使用して、エージェントの作成元のKPIを特定します。

    図11-10 「新規エージェントの作成」ダイアログ

    この図については周囲のテキストで説明しています。
  2. 「名前」フィールドに、エージェントの名前を入力します。

    「エージェント」エディタが表示され、「新規エージェントの作成」ダイアログで指定した情報が、「エージェント」エディタ: 「条件」タブおよび「エージェント」エディタ: 「配信コンテンツ」タブにデフォルト設定されます。

  3. (オプション)「説明」フィールドに説明を指定します。

  4. 新規エージェントの保存先の場所を選択します。

  5. 「KPIステータスが次の場合にエージェントをトリガー」リストから、エージェントを開始してエージェントのコンテンツを配信し、アクションを実行するステータスを選択します。

  6. (オプション)ディメンションの値を選択します。エージェントには、複数の値があるKPIディメンションを設定できないことに注意してください。

  7. 「OK」をクリックします。

  8. エージェントを完成させ、保存します。詳細は、エージェントの作成を参照してください。


ベスト・プラクティス:

パフォーマンス、継続的フィードバックおよびリアルタイム・アラートをモニターするには、KPIおよびスコアカードのエージェントを使用します。

日常的な決定を企業戦略に沿ったものにして、「普通ではない」結果に対してアラートをトリガするには、アクションを使用します。


KPIのビジネス所有者への連絡

次の手順を使用して、KPIのビジネス所有者にメッセージを送信します。ビジネス所有者は、KPIの管理の責任を負うユーザーです。KPIの作成または変更時、コンテンツ設計者はOracle BI EEユーザー・リストからビジネス所有者を選択します。

Oracle BI EEでは、ビジネス所有者が「マイ・アカウント」ダイアログ: 「配信オプション」タブで指定した配信デバイスとプロファイルを使用して、メッセージの配信先(電子メール、電話、ポケットベルなど)を決定します。

KPI監視リストからKPIのビジネス所有者に連絡する手順:

  1. カタログからKPIウォッチリストを特定して開くか、KPIウォッチリストを含むダッシュボードを開くか、KPIウォッチリストを含むスコアカードを開きます。

  2. 「パフォーマンス」タブに移動し、「KPIウォッチリスト」表内で、連絡相手が所有するKPIを含む行を選択します。

  3. 「オブジェクト」をクリックし、「所有者への連絡」を選択します。「所有者への連絡」ダイアログが表示されます。

  4. 「件名」フィールドに、意味のある件名を入力します。

  5. 「優先度」リストから、このメッセージを送信する優先度を選択します。

  6. 「メッセージ」フィールドに、KPIの所有者へのメッセージを入力します。

  7. 「送信」をクリックします。

スコアカードからKPIのビジネス所有者に連絡する手順:

  1. スコアカードの戦略ツリー、イニシアティブ・ツリーまたはスコアカードのドキュメント・フォルダを展開し、KPIを選択します。

  2. KPIを右クリックし、「所有者への連絡」を選択します。「所有者への連絡」ダイアログが表示されます。

  3. 「件名」フィールドに、意味のある件名を入力します。

  4. 「優先度」リストから、このメッセージを送信する優先度を選択します。

  5. 「メッセージ」フィールドに、KPIの所有者へのメッセージを入力します。

  6. 「送信」をクリックします。

KPIのステータスのオーバーライドについて

KPIのステータスは、ビジネス所有者のみがオーバーライドできます。ビジネス所有者は、KPIの管理の責任を負うユーザーです。KPIの作成または変更時、コンテンツ設計者はOracle BI EEユーザー・リストからビジネス所有者を選択します。

ビジネス所有者は、KPIの値が古い場合や使用できない場合、あるいはKPIの計量対象のステータスを正確に反映していない場合に、ステータスをオーバーライドできます。KPIのステータスは、ビジネス所有者がオーバーライド・ステータスを削除するまで、オーバーライドされたままになります。たとえば、店舗の売上を測るKPIを含むスコアカードがあるとします。火事によって店舗が焼かれ、営業できなくなった場合、ビジネス所有者はKPIのステータスをオーバーライドして、スコアカードがアンバランスにならないようにします。ビジネス所有者は、店舗の営業が再開されるまで、このオーバーライドを続けます。

KPIステータスのオーバーライドの詳細は、ステータスのオーバーライドの操作を参照してください。

KPIへのコメントの追加について

KPIの利害関係者は、KPIの列にコメントを追加できます。利害関係者は、他のユーザーが入力したコメントをレビューしたり、これに応答することもできます。KPIのコメントにアクセスすると、時系列に累積されたコメントのリストが表示されます。

コメントの追加およびレビューの詳細は、コメントの操作を参照してください。

KPI監視リストとは

KPI監視リストは、カタログに格納されているKPIを追加して作成したKPIの集まりです。KPI監視リストを作成して保存すると、カタログ・オブジェクトとして格納され、ダッシュボードやスコアカードに追加できます。ユーザーはカタログからKPIを直接表示できないため、KPIウォッチリストは、KPIを分析に出力したり、KPIをスコアカードに含めたりすることと並ぶ、KPIをユーザーに配布する方法の1つです。

KPI監視リストでは、次のKPIパフォーマンス情報が提供されます。

KPIウォッチリストは、特定の使用法および特定のユーザーに対する正式または非正式なリストを簡単に作成できたり、ユーザーに適切な権限がある場合、情報に関する特定のニーズを満たす独自のKPIウォッチリストを作成できるため、便利です。たとえば、KPI監視リスト・デザイナが、特定のスコアカードの戦略とイニシアティブをサポートするKPIを含むKPI監視リストを作成します。あるいは、ユーザーが、個々の目標をモニターするKPIウォッチリストを作成します。たとえば、営業担当者が、特定の地域内の四半期の売上合計をモニターするKPIを含むKPI監視リストを作成できます。プレゼンテーション・サービスの権限の詳細は、スコアカードの権限と許可についてを参照してください。

KPIウォッチリスト設計者は、KPIを追加するたびに異なるディメンション値を固定して、1つのKPIをKPIウォッチリストに複数回追加し、ユーザーが、ディメンションを指定してKPIを再ロードしなくても、簡単に全体像を把握できるようにすることができます。

KPIウォッチリストによって、ユーザーは、ウォッチリストからKPIを選択して分析に出力したり、KPIのビジネス所有者に連絡する機能を得ることもできます。

図11-11に、現在のステータス、トレンド・ステータス、実際の値とターゲット値、差異の値と差異率、および変化の値と変化率を含んだKPIウォッチリストを示します。

図11-11 KPIウォッチリストの例

この図については周囲のテキストで説明しています。

KPIウォッチリストの作成

KPIウォッチリストを作成するには、次の手順に従います。KPIウォッチリストを編集用に開く方法の詳細は、KPIウォッチリストの編集を参照してください。

KPIウォッチリストを作成するには:

  1. KPIウォッチリストを作成するには、次のいずれかを行います:

    • ホーム・ページのグローバル・ヘッダーで、「新規」をクリックして「KPIウォッチリスト」を選択します。「KPI監視リスト」エディタが表示されます。

    • スコアカードから「スコアカードのドキュメント」ペインに移動し、「オブジェクトの作成」ツールバー・ボタンをクリックして「KPIウォッチリスト」を選択します。図11-12に示すように、「KPIウォッチリスト」エディタが表示されます。

    図11-12 「KPIウォッチリスト」エディタ

    この図については周囲のテキストで説明しています。
  2. グローバル・ヘッダーからKPI監視リストを作成する場合、「カタログ」ペインからKPIを選択し、監視リスト表にドラッグします。

    「スコアカード」エディタ内でKPI監視リストを作成する場合、「スコアカード」エディタ内の任意のペインからKPIを選択し、監視リスト表にドラッグします。「KPIの追加」ダイアログが表示されます。

  3. KPIのラベルを入力します。KPIがディメンションを含む場合は、必要に応じて値をディメンションに固定します。「OK」をクリックします。固定の詳細は、ディメンションおよび固定されたディメンション値とはを参照してください。

  4. ウォッチリストに含まれたKPIを編集する場合、KPIのウォッチリスト・エントリを編集する場合、KPIをウォッチリストから削除する場合、KPIを分析する場合、KPI定義を開く場合、またはKPIの所有者に連絡する場合、KPIを表から選択し、「オブジェクト」をクリックしてオプションを選択します。詳細は、「KPIウォッチリスト」エディタ: 「パフォーマンス」タブを参照してください。

  5. 監視リスト表に列を追加したり、表から列を削除するには、「表示」をクリックして「他の列も表示」を選択します。「他の列も表示」ダイアログが表示されます。

  6. 「KPI監視リスト」エディタの「詳細」タブをクリックして、監視リストの説明を入力したり、ビジネス所有者を特定したり、関連するビジネス・インテリジェンス・オブジェクトへのリンクや外部リンクを追加します。詳細は、「KPIウォッチリスト」エディタ: 「詳細」タブを参照してください。

  7. 保存」をクリックします。

    新規KPI監視リストを作成する場合、KPI監視リストの名前を指定し、監視リストを保存する「名前を付けて保存」ダイアログを表示します。

    ウォッチリストをスコアカードの「スコアカードのドキュメント」ペイン内に表示する場合、カタログ内のスコアカード・オブジェクトのフォルダにウォッチリストを保存します。

KPIウォッチリストの編集

KPIウォッチリストを編集するには、次の手順に従います。

KPIウォッチリストを編集するには:

  1. グローバル・ヘッダーで、「カタログ」をクリックします。カタログ・ページが表示されます。

  2. 編集するKPIウォッチリストにナビゲートして、オブジェクトの「編集」リンクをクリックします。「KPI監視リスト」エディタが表示されます。

  3. 必要な変更を行います。

  4. KPIウォッチリストを保存します。