Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer管理者ガイド 11gリリース1 (11.1.1) E51906-01 |
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この章では、Oracle Business Intelligence Discovererの管理の概要を説明します。この章の内容は次のとおりです。
Oracle Business Intelligence Discovererは、直観的で非定型のクエリー、レポート作成、分析およびWebパブリッシングのツールセットで、ビジネス・ユーザーによるデータベース情報への即時アクセスを提供します。
Oracle Business Intelligence Discovererによって、組織のあらゆるレベルのビジネス・ユーザーが、情報に基づいたビジネス上の意思決定をすばやく行うことができます。ユーザーは標準のWebブラウザを使用して、リレーショナルとマルチディメンション両方のデータ・ソースのデータへのセキュアな即時アクセスが可能です。Oracle Business Intelligence Discovererに用意されているビジネス・ビューによって、ユーザーは基礎となるデータ構造の複雑さから解放されるため、ビジネス上の問題の解決に集中できます。
Oracle Business Intelligence Discovererは、Oracleデータベースとともに動作する統合された複数のコンポーネントで構成され、完全な統合ビジネス・インテリジェンス・ソリューションを提供します。
図1-1 Oracle Business Intelligence Discovererのコンポーネント
Oracle Business Intelligence Discovererのどのコンポーネントを使用するかは、実行する作業によって異なります。次に例を示します。
新規ワークシートを作成し、リレーショナルとマルチディメンション両方のデータ・ソースのデータをWeb上で分析する場合は、Discoverer Plus (およびPlus OLAP)を使用します。
新規ワークシートを作成し、PC上のWindowsアプリケーションを使用してリレーショナル・データ・ソースのデータを分析する場合は、Discoverer Desktopを使用します。
既存のワークシートのデータを分析する場合は、Discoverer Viewer、またはDiscoverer Portlet Providerを使用してOracle PortalページまたはOracle WebCenter Spacesに追加されたDiscovererポートレットを使用します。
SOAPプロトコルを使用してDiscoverer接続、ワークブック、ワークシートを取得し、クエリーをOracle BI Publisherで、またはJavaクライアント・アプリケーションから実行する場合は、Discoverer Web Servicesを使用します。
Discovererワークシートをダッシュボード形式のポータルにゲージとして表示する場合は、Discoverer Portlet Providerを使用します。
リレーショナル・データのエンド・ユーザー・ビューを管理する場合は、Discoverer Administratorを使用します。
Oracle Business Intelligence Discovererのコンポーネントでは、Discoverer End User LayerまたはDiscovererカタログに格納されているDiscovererオブジェクトの定義を使用します。
詳細は、「Oracle Business Intelligence Discovererのコンポーネント」を参照してください。
Oracle Business Intelligence Discovererは、次のコンポーネントで構成されています。
Oracle Business Intelligence Discoverer Plus (RelationalおよびOLAP)
このコンポーネントはインターネットまたはイントラネット上で実行されます。エンド・ユーザーは次のことができます。
新規ワークシートおよびグラフを作成し、必要なデータを取得します
データを分析します
ワークシートおよびグラフを他の人と共有します
Discoverer Plusの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Plusユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle Business Intelligence Discoverer Viewer
このOracle Business Intelligence Discovererコンポーネントは、インターネットまたはイントラネット上のWebブラウザ内部で実行されます。Discoverer Viewerを使用すると、エンド・ユーザーは、Discoverer PlusおよびDiscoverer Desktopで作成したワークシート内のデータを分析できます。エンド・ユーザーはワークシートをパーソナライズし(アイテムの移動など)、各自の変更内容を保存できます。
Discoverer Viewerの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Viewerユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle Business Intelligence Discoverer Portlet ProviderおよびDiscovererポートレット
これらのOracle Business Intelligence Discovererコンポーネントは、インターネットまたはイントラネット上のWebブラウザ内部で実行されます。Discoverer Portlet Providerを使用すると、エンド・ユーザーは、Discovererワークシートを既存のポータル・ページのエリア(またはポートレット)として追加できます。エンド・ユーザーはDiscoverer Portlet Providerを使用して、次のタイプのDiscovererポートレットを公開できます。
ワークシート・ポートレットのリスト
ワークシート・ポートレット
ゲージ・ポートレット
エンド・ユーザーはワークシートをパーソナライズし(ストップライト・フォーマットの追加など)、各自の変更内容を保存できます。
Oracle Business Intelligence Discoverer Web Services
Oracle Business Intelligence Discoverer Web Servicesコンポーネントは、SOAPプロトコルを使用してDiscoverer接続、ワークブック、ワークシートを取得し、ワークシート・クエリーを実行してワークシート・コンテンツを返すためのApplication Programming Interface (API)です(詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Web Services APIユーザーズ・ガイド』を参照)。
Oracle Business Intelligence Discoverer Desktop
このOracle Business Intelligence Discovererコンポーネントは、エンド・ユーザーが新規ワークシートを作成してリレーショナル・データを分析できるようにする、Windows専用アプリケーションです。エンド・ユーザーがDiscoverer Desktopで作成したワークシートは、Discoverer Plus、Discoverer ViewerおよびDiscovererポータルで使用できます。
Discoverer Desktopの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Desktopユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle Business Intelligence Discoverer Administrator
このOracle Business Intelligence Discovererコンポーネントは、Discovererマネージャがビジネス指向のリレーショナル・データ・ビューの作成とメンテナンスに使用する、Windows専用アプリケーションです。Discoverer Administratorには、次のタスクを行うウィザードとダイアログが用意されています。
データに対するアクセス制御
サマリー・データの管理
バッチ・スケジュールの管理
Discoverer Administratorの詳細は、「Oracle Business Intelligence Discoverer Administrator」を参照してください。
Oracle Business Intelligence Discoverer End User Layer (EUL)
Discoverer End User Layerコンポーネントは、リレーショナル・データ・ソースのクエリー時に使用するオブジェクトの定義を格納および取得するためのリポジトリです。
End User Layerの詳細は、第4章「End User Layerの作成とメンテナンス」を参照してください。
Oracle Business Intelligence Discovererカタログ
Discovererカタログ・コンポーネントは、マルチディメンション・データ・ソースのクエリー時に使用するオブジェクトのユーザー定義を格納および取得するためのリポジトリです。
Discovererカタログの詳細は、「Discovererカタログ」を参照してください。
Discovererマネージャの役割は、エンド・ユーザーがDiscoverer Plus、Discoverer Plus OLAP、Discoverer ViewerおよびDiscoverer Desktopを使用できるようにすることです。Discovererマネージャには、次のいずれかの作業に対する責任があります。
リレーショナル・データ・ソースを使用するDiscovererの管理。
詳細は、第3章「リレーショナル・データ・ソースを使用するDiscovererの管理の概要」を参照してください。
マルチディメンション・データ・ソースを使用するDiscovererの管理。
詳細は、第2章「マルチディメンション・データ・ソースにアクセスするDiscovererシステムの管理」を参照してください。
Discovererコンポーネント(Discoverer Plus、Discoverer Plus OLAP、Discoverer DesktopおよびDiscoverer Viewer)の構成。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイド』を参照してください。
Discovererマネージャは次のツールを使用します。
Discoverer Administrator
詳細は、第3章「リレーショナル・データ・ソースを使用するDiscovererの管理の概要」を参照してください。
Oracle Warehouse Builder
詳細は、Oracle Warehouse Builderのドキュメントを参照してください。
Oracle Fusion Middleware Control
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイド』を参照してください。
Discovererでは次のデータ・ソースを使用できます。
リレーショナル(詳細は、第3章「リレーショナル・データ・ソースを使用するDiscovererの管理の概要」を参照)
マルチディメンション(詳細は、第2章「マルチディメンション・データ・ソースにアクセスするDiscovererシステムの管理」を参照)
リレーショナル・データ・ソースとマルチディメンション・データ・ソースの相違点は次のとおりです。
リレーショナル・データ・ソースは、通常、データ値を含む行と列で構成されるテーブルに編成されています。
マルチディメンション・データ・ソースは、通常、1つ以上のディメンションで編成されています。通常、マルチディメンション・データ構造はキューブと呼ばれます。
Discovererの管理を始める前に、いくつかの基本的な概念に慣れておくと便利です。
ビジネス・インテリジェンスとは、データを分析してビジネス上の疑問に対応し、将来の傾向を予測できる能力のことです。
Oracle Business Intelligence Discovererは優れたビジネス・インテリジェンス・ツールであり、ユーザーはデータを非定型方式で分析できます。クエリーとレポートの事前定義をITの専門家に依存することなく、Discovererユーザー自身が、分析するデータを選択して、ビジネス上の意思決定を行うために十分な情報が得られるまで結果を分析できます。また、Oracle Business Intelligence Discovererを使用すると、ユーザーはデータ分析の結果を様々なフォーマット(グラフやExcelスプレッドシートなど)で同僚と共有できます。
データベースの情報に対するユーザーのリクエストは、ワークシート形式で行われます。
ユーザーがワークシートを作成するかまたはワークシートを開くと、Discovererでは次の動作が実行されます。
対応するSQL文にワークシートを変換します(たとえば、フォルダ名とアイテム名をそれぞれテーブル名と列名に変換します)
データベースにSQL文を送信します
データベースから返された結果セットを表示します
Discoverer PlusおよびDiscoverer Viewerの場合、SQL文はアプリケーション・サーバーで実行されるDiscovererプロセスを経由してデータベースに送信されます。
Discovererの管理に関する詳細情報は、使用しているデータ・ソースに応じて、次のいずれかの章を参照してください。
マルチディメンション・データ・ソースを使用している場合は、第2章「マルチディメンション・データ・ソースにアクセスするDiscovererシステムの管理」を参照してください。
リレーショナル・データ・ソースを使用している場合は、第3章「リレーショナル・データ・ソースを使用するDiscovererの管理の概要」を参照してください。